今週の産直野菜(12月1日)
昨日、今週の産直野菜がとどきました。
じゃがいも、さつま芋、キャベツ、カブ、間引き大根、人参、大根の7品です。
『野菜だより』によれば、11月が雨が多くて影響がでているようですね。先日の市東さんの会のシンポジウムでも、市東さんが作付などが一ヶ月近く遅れていると言っておられましたが。
最近読んだ本で、ラジ・パテル著(佐久間智子訳)の『肥満と飢餓』が非常に面白く、学ぶことができました。
世界貿易機関(WTO)、世界銀行に勤務したことがある著者が、グローバリズムによって世界でどれほどの格差、その結果としての肥満と飢餓が進んでいるかを、インド、南アフリカ、ブラジル、韓国など各国での実例を上げながら、具体的に農民と都市の労働者の問題として明らかにしています。
最後の方で「食糧主権」に結論が至る中での2つの著者の文章を紹介しておきます。興味をもたれた方は是非、お読みください。
『私たちの味覚を変えることは、毎年限られた時期にだけ食べられ、輸送することも加工することもできない、深遠かつ絶妙な食の楽しみをもたらしてくれる。それは、私たちの五感に訴える喜びである。以前よりも豊かに深く食を満喫する能力を回復することは、味覚に対する主権の奪還がもたらす喜びの一つだ。最も深くこの喜びを感じるには、自身で食事を準備する技と官能を取り戻すのが近道だ。』
『これらは、自然と共生し、土地の生産力を維持・涵養し、多品種を栽培し、それぞれの地域とコミュニティの需要や、天候、地形、生物多様性、および希望にあった農業を行うという農業哲学に裏打ちされた農法である。これらは、地域の農民の専門性を高める農法であり、それゆえに「工業的な有機農業」の支配下では使い捨ての代替え可能な労働力とされている彼らは、かけがえのない存在と認識される。この農法で地球上の人口を養うことは可能である。そして、なによりも重要なのは、この農法では、地域社会に農業が根付くことを目指しているということである。』
著者は、昨日の当ブログでも紹介した村上真平さんが指導者とあおぐ福岡正信さんのことも簡単ではありますが、2ヶ所で言及されています。
また、訳者の佐久間さんが第5刷の「日本語版解説」の「付記」として書かれた(2012年9月)『その後の世界と日本の食料問題』は、短い文章ながら、東日本大震災、原発事故、そしてTPPに向き合う佐久間さんの想いを込めたものがあり一読に価します。
ちょっと長いですが、一読をお薦めします。作品社出版 初版は2010年9月 2600円。
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