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2012年11月23日 (金)

裁判所が崩壊した/大阪府警による原発反対敵視を許すな

 昨日、11月13日、此花区民センターで4人が不当逮捕された件で、Pさんの勾留理由開示公判が開かれました。
 残る3人にも勾留を続ける状況にあったので当然にも同じように公判を開くように求めましたが、なんと大阪地裁令状部は、留置番号と弁護士の連署で出された書類が不備だとしてこの要請を却下し、公判を開かなかったのです。「留置番号」ではなく本名で書類を出せというのです。逮捕時の憲法で保障された黙秘権で頑張っている被逮捕者には「留置番号」しかありません。勾留されているところでも、「留置番号」で呼ばれます。それを本名で書けというのは、裁判所が黙秘権を否定することであり、憲法違反の犯罪です。断じて許されません。勾留延長に対する被逮捕者の権利でもある「勾留理由開示公判」の権利を奪った大阪地裁は断じて許されません。

 この酷い大阪地裁の状況が、この日のPさんの勾留理由開示公判でも示されました。それは正に大阪地裁が、「三権分立」の建前を公然とかなぐり捨て、裁判所崩壊とも言える無残な姿でした。
 この日、大阪府警の弾圧に怒り、Pさんを気遣うみなさんが急な知らせにも関わらず60人あまりが大阪地裁に集まりました。24名しか傍聴席がない604号法廷のため、傍聴券配布のための抽選が行われ、籤に弱い私は当然にもはずれました。
 法廷前には緊張した廷吏が10人近くいるではありませんか。通常、傍聴券の手渡しで裁判途中に傍聴を代れるのですが、廷吏が声高に「交代できません」と叫んでいます。ところが、法廷にみなさんが入るやいなや、「黄色いスカーフを取りなさい」と裁判官(第10刑事部 小野寺健太裁判官)。「なんでや」と一言言っただけで「退廷命令」。あっという間に3人が退廷。「席が空いたんだから他の人を入れたら」と言うだけでまたまた「退廷」。
 法廷の外に詰めかけていた人々からこの事態への抗議と、「空いた席に入れろ」という声が起こりました。途端に、なんと天満署の警察官が奥から30、40人姿を現し、いきなり「全員裁判所外へ退去しろ」と退去命令です。
 この604号法廷の前の廊下の右側には、エレベーターと階段がありますが、左側はあと3つの法廷があるだけで廊下は行き詰まりです。その行き詰まりの廊下に付立が立てられ、その奥に天満署の警察官が隠れていたのです。これは廷吏が10人もいたこととともに、傍聴に来た人々を追い出す、あわよくば逮捕することを最初から裁判所、大阪府警が狙っていたのです。私は、思わず、昨年5月20日、東京高裁の16階で50人逮捕が強行された暴挙を思い出しました。本当に怒りなしでは語ることができません。

 法廷では、小野寺裁判官は、勾留理由、根拠について「勾留理由を説明する場であって、証拠について述べる場ではない」と一切語らなかったそうです。この裁判官の不当な開き直りに対して、被逮捕者のPさんは、堂々と意見陳述をされたそうです。しかも、勾留されている警察署で、病気のPさんに対して処方箋も明らかにしないまま、専門ではない医者による不当な薬の投与を行い、病気のために布団のシーツが汚れたことまで文句を言い、Pさんは「殺される」と恐怖を感じたことを陳述し、警察署による悪辣な処遇の実態を告発したのです。その上で、最後に自らへの逮捕が不当であり、自分は何も法を犯していないと陳述されたそうです。

 裁判所外に待機した私たちはPさんを移送する車を待ち受け、50人くらいでPさんを激励しました。Pさんは、泣きながら手錠で不便な手を必死で振ってくれました。

 弁護士会館の前の庭で報告会が行われ、法廷での様子などが報告されたあと、もじもじ先生から「4人の即時釈放を求める」署名が、わずか数日で2058名も集まり、裁判所に提出してきたことを、受け取った裁判所の職員のニヤニヤ笑いながらの不誠実な態度などを含めて報告されました。

 この日の闘いで、今や、大阪府警、大阪検察庁、大阪地裁が一体となって、原発反対運動に対して敵意をむき出しにしてきていることが明らかになりました。本当に許されません。

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コメント

これは酷い…裁判所も酷い、ホント、崩壊している。
警察も相変わらず、酷い…特に「病者」に対する扱いは何だ!

この状況をそのままにしておいて、誰が「中国」や「北朝鮮」の「人権問題」を非難できるのか!

投稿: あるみさん | 2012年11月23日 (金) 23時45分

逮捕後の黙秘権は、世界的に認められた人が生まれながらにして持っている何者も奪うことのできない権利だろ。コレが保障されているのは、近代国家では当然のこと。名前を黙秘できない?日本って今そんなことになっているのか。まじヤバイな。行政も立法もだめなら、最後の砦として、司法があると思っていたのに。子供たちの時代には、自由にモノを考えることも、行動することも、出来なくなって、また戦争とかするのかも。俺のじいちゃんも24歳で拷問で戦争で亡くなったんだ。戦争行きたくないって、おばあちゃんに言ってたって。不当なこと許し続けると、まじヤバイな。

投稿: おかしいね。これでいいの? | 2012年11月24日 (土) 11時26分

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