暴力的な騒音、空港・第三誘導路の違法性を暴露
2012年10月23日、千葉地方裁判所民事3部において、第三誘導路許可処分取消の第8回口頭弁論が行われました。前回(7月17日)の裁判では、「住民の権利を著しく侵害してはならない」と定めた航空法や国際民間航空条約に違反している問題を追及。本日の裁判では「航空機騒音環境基準違反」と「成田市公害防止条例違反」となっている成田空港の実態を書面で陳述し、国とNAAの問題点を徹底的に明らかにしました。
暴力的な騒音実態を追及
一瀬弁護士は「国が定めた航空機騒音基準で住宅地について「W値70以下」となっているのに、まったく守られていない実態を指摘。NAAの固定測定局が60あるが30の局において基準値をオーバーしている。このような違法状態を無視して第三誘導路建設が許可された。当然にも許可を取り消すべきだ。」と陳述。
また成田市公害防止条例違反の実態を明らかにするため、成田市議会足立満知子議員らが暫定滑走路敷地境界周辺の6か所で騒音測定を行った調査報告書にもとづき、一瀬弁護士が陳述しました。この条例の基準では朝夕が55デシベル、夜間は50デシベルと定めているのに、調査では基準をはるかに超えていることが分かりました。この点でも違法性を裁判で明らかにしてゆきます。
このように、成田空港が甚大な騒音をまきちらし、何ら改善もされずに放置している違法は許せません。さらに第三誘導路建設によって市東孝雄さんのすぐ脇をジェット機が通過して殺人的な騒音をたたきつける、まさに国家の暴力行為そのものであり断じて認められません。
この日陳述したことに対する認否や求釈明の書面提出について裁判所と原告、被告のやりとりがあり、次回の口頭弁論期日を2月19日午前10時30分と決めて閉廷しました。
「生きるために闘う」
報告会の冒頭あいさつに立った北原事務局長は「市東さんは昼夜わかたぬ激烈な騒音に囲まれている。人道上許せないことだ。供用が来年春にも強行される危険がある。生きるために闘う、この信念を貫きたい」と宣言。このあと弁護士全員がひとことずつ決意を述べ「ほかの裁判も含め、いよいよ正念場。特に萩原さん、市東さんが証人として出廷する農地裁判は決戦局面で重要だ」と弁護団より決意が述べられました。
支援グループでのあいさつに立った安藤から「来春決戦の3月24日全国集会に関西からも大結集するために、3月17日三里塚関西集会を内定しました。また、本日の裁判で問題となっている航空機騒音基準は、来年の4月から国際基準のLdenに変更となり、W値よりも厳しくなるので、成田空港の違法性が益々明らかになります。共に闘いましょう」との報告をしました。
最後に、萩原事務局次長から「北側大臣からの書簡では、話し合いで用地取得すると約束しておきながら国はデタラメなことをやり続けている。共に闘おう」と怒りのあいさつがありました。
報告 事務局次長 安藤眞一
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