10・7三里塚全国総決起集会に970名
10月7日、時折小雨が降る中で、三里塚反対同盟が主催する全国総決起集会が970名の結集で開かれました。前夜からの雨が降り続いていただけに足許を心配しましたが、驚くほどの畑の水はけで大丈夫でした。
萩原富夫さんと宮本麻子さんの司会で、正午定刻に集会が始まります。96歳と感じさせない決意を込めた森田恒一さんの迫力あふれる開会挨拶に続いて、北原鉱治反対同盟事務局長が、主催者挨拶を兼ねこの日体調を崩されて出席できなかった萩原進反対同盟事務局次長に代わって、ほんとに久し振りの基調提起を行いました。
北原さんは、国家権力、国策と闘い続けてきた47年間であったと始められた。そして国には国民のことなど頭にもないことを糾弾された。自らの軍隊生活などから「領土問題」で揺れ動く政治を批判された。未来を創るために三里塚が闘い抜かれてきたと。目の前にある空港を指し示し、みんなのものである山野を、誰がこうしたのかと糾弾された。市東さんに国が矢を突きつけているとし、それへの闘いを呼びかけられた。「声あるものは声を、勇気あるものは勇気を」と。そして農業を変えるTPPを批判した。そして「他力本願ではだめだ」として、一人ひとりが生きるために闘い抜くことを呼びかけた。
市東孝雄さんは、「市東さんの農地取り上げに反対する会」のみなさんと一緒に登壇され、決意を語られました。市東さんは、第3誘導路の建設と農地裁判がデタラメな裁判所ぐるみの攻撃が日々行われていることに「はらわたが煮えくり返る」と弾劾された。また、先祖から譲られた土地で営農を続けることが何が問題があるのだ、「ふざけるんじゃない」と言いたいと怒りを語られた。そして沖縄、福島の闘いに触れ、あれだけの民衆が集まるのと同じようにこの三里塚で3千、4千の人々がまた再び集まるようにしたい。デタラメな空港を完全に潰すまで頑張ると語られました。
集会には沖縄から知花昌一さんが、福島からは果樹農家の大内孝さん、椎名千恵子さんなどが駆けつけ連帯の想いを語られました。
オスプレイが12機配備された中で闘い抜いてこられた知花さんは、前日、市東さんの家の周辺の状況、横堀の小屋などを視察してきた感想として「空港の中に幾つもの楔が打ち込まれている」と語り、47年間も凄い闘いが行われてきたと改めて実感することができたと。そして社会の矛盾に向き合えば、自然とこうした闘いになるんだと。その上で、9月27日からの世界で一番危険なオスプレイを世界で一番危険な普天間基地に配備することに反対して基地の入口を封鎖して闘い抜いてきていることを報告されました。29日まで普天間基地は機能が停止したと。30日、機動隊による強制排除が強行され、オスプレイの強行配備が行われたと。9・9県民集会、全市町村の首長が反対していることをこの国は無視すると。4度にわたる県民集会に何一つ応えない国。これに対し「想定外」の闘い、基地に突入するのだという声が起こっていると。諦めてはいない。三里塚のように実力でやるしかないと。オスプレイを阻止し、沖縄を基地から解放すると。「三里塚の闘いこそ私たちの先生です」と。そして集会参加者に共に戦ってくれるよう訴えられた。
福島から先ず大内さんが、2年目の収穫期を迎えて頑張っていることを明らかにされた上で、放射能汚染の中での栽培方法が県の農業試験の中で取り上げられ、十分な放射能制限効果があることが新聞等で発表されたことを報告された。しかし、闘いはこれからだと。山下をはじめ県の方針は「余計なことをするな」であり断じて許されないと。そして「私たちは勝ちたいからここに来ます」と三里塚への想いを決意と共に語られました。
住民団体の最初に発言された「子どもたちを守る福島ネットワーク」の椎名さんは、「今回、誘われることなく自ら来ました」と語り始められた。先ほど大内さんが明らかにした行政の姿勢の中で、子どもたちは日々悩み、お母さんたちも不安ですと。そして国や行政による数字の操作による開き直り、「ならされた数字」の虚構を弾劾されました。また「福島に来てください」「福島は安全」キャンペーンを弾劾された。前回3月に来た帰りに市東さんの家の周辺の様子に「国家権力と闘う」ことを実感したと明らかにされ、「こここそ国家権力と闘う現場だ」とともに闘う決意を表明されたのです。
三里塚、沖縄、福島からのこうした発言に応え、関西からは永井満関実代表世話人、山本善偉世話人が登壇されました。お二人は、知花さんとともに前日、現地調査で激しい攻撃の最中にある様子を自ら確かめての発言でした。
永井さんは、どんなことがあっても市東さんを守り抜かねばならないと改めて思い定めたと。40年以上反対同盟とともに歩んできたことを振り返りながら、改めてあの時のような闘いを実現しようと。9・16関西での農業問題についての論議に触れながら全国の農業を中心として三里塚を闘い抜こうと。
山本さんは、「3月とまるで様子が違っている」、それでも反対同盟は闘い抜いていると。3・11事故の「収束宣言」や大飯再稼働を弾劾し、関西で一昨日三里塚を共に闘う仲間が関電前の抗議行動の中で不当逮捕されたことを紹介し、「再び戦争をする国」にならないように、沖縄、反原発の闘いで満ち溢れる怒りを一つにすることだ。そのためには三里塚に学び闘い抜くことだと訴え、「92歳になって、こうやって皆さんに訴えることができることを誇りに思う」とされました。
その他に、動労千葉の田中康宏委員長による特別報告、市東さんの農地取り上げに反対する会のみなさん、大内さんを始めとした全国農民会議のみなさん、反対同盟顧問弁護団のみなさんからの挨拶が続きました。婦人行動隊の鈴木さん、木内さんからのカンパアピールの後、住民団体、共闘団体の発言がありました。最後に集会宣言(「12.10.7集会宣言.pdf」をダウンロード)・スローガン採択、そして団結ガンバローをやって、さあ、デモに出発です。
反対同盟を先頭に、デモは集会場から東峰神社に出て、東峰部落の中から市東さんの御宅の前、そして第3誘導路の下を通るトンネルを通り、建設中の第3誘導路に怒りのシュプレヒコールを叩きつけながら市東さんの南台の畑までです。
市東さんの会の山口事務局長が訴えたように、この日の最大の方針は、目前に迫った10・15の農地裁判で、テレビ会議による証人尋問を強行した多見谷裁判長への弾劾(神戸では、当日同時刻、神戸地裁に出廷する石指証人への弾劾行動を行います)、そして11・12、12・10と続く農地裁判に全力で結集し、裁判所を包囲して、結審・判決策動を阻止する中から、市東さんの農地を守る裁判勝利の道筋をこじ開けることです。10月15日、午前11時40分、千葉市中央公園に決起しよう!
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