昨日、農地裁判 裁判長忌避を叩きつけた
昨日、9月10日、農地裁判(市東さんの農地をめぐる行政訴訟と農地法裁判を併合)の証人尋問が行われました。出廷した証人は、2006年7月に千葉県が空港会社の申請を鵜呑みにし市東さんの耕作権の解約手続に許可を与えた張本人である当時の千葉県農地課の課長・渡辺清一です。
弁護団の8人は徹底的に渡辺を追求しました。しかし、渡辺は、騒音問題やシカゴ条約違反をまったく検討もしていないことを、耕作者本人の同意もなく農地を奪うという憲法違反などを、「書類が揃っておれば許可するのが当然」と言わんばかりに傲然と開き直ったのです。市東さんが直接みずからの命がかかっていることを追求されても、「十分な補償だ」と「農民をやめておとなしくすればいい」(萩原さんの報告会での弁)と言わんばかりの態度だ。当然にも弁護団と傍聴席はこれに対し、怒りをあらわに弾劾し抜いたのです。
多見谷裁判長は、何と、この法廷の状況に慌てて助け舟を出す訴訟指揮をして、その予断を隠そうともしなかったのです。しかも、次回の証人に予定されている当時の国交省成田空港課長・石指(いしざし)証人を、多忙と重責を理由に千葉に呼ばず神戸地裁に呼んでビデオ会議で行うというのだ。弁護団から「神戸に法廷を移して出張尋問すればどうか」という提案にも耳を貸さず、「証人隠し」をやろうとしたのです。このあまりに一方的で予断に満ちた訴訟指揮をする多見谷裁判長に対し、弁護団は「裁判官忌避」を叩きつけたのです。
3時間半に及ぶ法廷後、会場を移しての報告会が行われました。冒頭、市東さんから挨拶。市東さんは「頭にきた」と怒りをあらわにしながら「行政・お役所というのは空港を作るためなら何でも許可するというのが見え見えだ」と弾劾し、「ビデオ会議であろうがどんどん追求して頑張っていこう」と呼びかけられました。
葉山さんをはじめ7人の弁護士のみなさんが次々に立って怒りを表明され、「裁判官忌避」をめぐる闘いは、これから裁判所内外で怒りを叩きつけてやり抜こうと提起されました。
北原事務局長が「早く判決を下したいという裁判長の態度」を糾弾し、「あらたな戦場に入る10・7全国集会」の重大性を訴えられ、「反対同盟は健在です」と結ばれました。動労千葉から滝口さん、関西実行委から山本さん、群馬から青柳さんが挨拶をされました。
最後に萩原事務局次長が立ち、昨日の沖縄、岩国、東京の闘いに連帯し、現地で障害者の闘いが取り組まれたことを報告した上で、「福島といい、市東さんについてといい、国・行政に絶対に責任をとらせることが必要だ」と訴えられました。「裁判の場で、我々が裁判をつくり、かたくなに自己保身に汲々としている連中を粉砕しているとして、これが三里塚の闘いだ」と。「市東さんに億の補償で150年暮らせると当時ほざいた渡辺の頭をぶち割ってやりたい」「怒りを共有して闘えば勝てるんだ」と訴えられました。そして「10・7全国集会の翌週だけれども10・15石指証人を追い詰めるために、集会、デモをやる。そのためにも10・7が大事だ。この夏・秋の闘いの成果を規定するものとして10・7を闘い抜いていきたい。圧倒的な結集を」と呼びかけて結ばれました。
多見谷裁判長に対する裁判官忌避は、「国策裁判」を強行しようとする千葉地裁総体の現状の中、予断を許しません。10・7、10・15への連続した決起をもって闘い抜くことが求められています。まずは、来週の9・16「この国の農業と三里塚」の集いとなんばまでのデモを成功させよう。
なお、管理人は傍聴者があふれ、関西からも8人が決起したこともあり、法廷には入れず、報告会の様子からまとめましたので、不十分なところがあるとは思いますが、お許しください。また、たまたまカメラの調子が悪く写真が撮れませんでした。お詫びします。
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