理不尽な国策・航空政策を許すな!
今月は、7・8現地闘争に続いて、7月17日、第3誘導路許可処分取消裁判、7月23日、耕作権裁判と三里塚の闘いが続きます。市東さんの農地を守るために、一つ一つの闘いが本当に大事になっていると思います。
国は、2010年、「新成長戦略」の航空分野で成田空港の自由化とそのための拡張、30万回化への大号令を発し、その前提のもと翌11年7月には「空港運営のあり方に関する検討会」報告という形で全国に28ある国営空港を2020年度までに民営化するとの方針を、新たな航空政策としてうちだしました。しかも、野田政権は、この5月、国家戦略会議で菅政権が出した「新成長戦略」の「9割が成果なし」としながらも「航空政策、オープンスカイは成果があった」と評価したのです。
これは、2014年の成田空港の離発着30万回化に向けて順調に進んでいる、市東さんの農地を裁判で強奪できるという宣言以外のなにものでもありません。
保護政策に徹していた日本の航空政策は、完全に破綻しました。アジア・中国が世界の経済発展の中心になるという状況の中で、完全に立ち遅れ、航空、海運、いずれにおいても世界第3位の経済大国として惨憺たる現状にあります。とりわけ海運は、例えば神戸港の貨物取扱量がこの30年で世界4位から50位以下に転落しているように、すでに取り戻しのきかない状態にあります。他方、航空運輸においても急激に成長している(右グラフ、日本航空機開発協会より。これまでの「需要予測」同様、「取らぬ狸の皮算用」の面はありますが)アジアの中で、羽田・成田の首都圏の空港容量の決定的不足により、日本は大きく立ち遅れています。民主党政権が、正に官僚政治に驚かされこの事態にたじろぎ、とりわけ2010年に最終的に決着する日米航空交渉の中で、アメリカ追随のあり方によって出てきたのが、成田空港の拡張を前提とした成田空港の自由化(オープンスカイ)だったのです。それ以降、政府は雪崩を打つように各国との自由化交渉を進めています(現在、14ヶ国と締結)。といっても肝心要の中国との自由化交渉が暗礁に乗り上げてはいるようですが。
この航空政策の流れは、TPPやオスプレイ配備を水路とした沖縄辺野古新基地建設、原発(核)政策のアメリカ追随による強行の流れと同じものです。成田空港の存在はもとより、その拡張は、北総の内陸部の住民、とりわけ農民の生活・営農を破壊することを前提としたものです。また、その背景となる首都圏一極集中そのものが住民・労働者の生活を格差と貧困の中に叩き込んでいる元凶そのものです。ましてや新たな28国営空港の民営化など、正に新自由主義的な新たな利権の創出を目論んだものであり断じて許されません。
私たちはこうした国策としての航空政策を断じて許してはなりません。市東さんの、三里塚反対同盟の農地死守の闘いこそ、この国策・航空政策に打ち込まれた巨大な楔なのです。すでに国策でありながら47年の経過の中で完成できず、土地収用法も使えないところに追い込まれた国が、裁判で、それも農地法を隠れ蓑に市東さんの農地を強奪することでしか、この航空政策の一切が進められない。30万回化が実現できない、オープンスカイの国際公約を破綻させる淵に今、国は立たされているのです。
今、私たちに必要なことは、「LCC(格安航空)が安全か危険か」などという瑣末な論議に埋没することではなく、「LCCとはなんであり、今、航空政策がどう動こうとしているのか」を暴露し、その肝心要の市東さんの農地を守ることの決定的重要性を確認して、7・8現地闘争、7・17、7・23両裁判、とりわけ9・10農地裁判を決定的に重視し、10・7全国総決起集会へのうねりを実現することではないだろうか。
まずは、明後日、7・8三里塚現地へ!
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