市東さんの農地の強奪を謀る6・25農地裁判へ
市東さんの農地をめぐる行政訴訟・農地法裁判が6月25日(月)午後1時半から、千葉地裁601号法廷で開かれます。前回の5月28日に続いて重要な証人尋問です。今回は、空港会社NAAが耕作権解除申請を行なった最初の窓口であった成田市農業委員会で当時(2006年)も同委員会事務局長として、他の委員から出されていた疑義や指摘を無視・抹殺して、申請受理を行なった山崎真一が証人です。
山崎証人は前回の戸井空港会社用地部長同様に、「知らぬ」「忘れた」と開き直ろうとするでしょう。そうしたことを許さないためにも、圧倒的な傍聴席の怒りと監視が必要です。6月25日、千葉地裁へ。
沖縄の米軍普天間問題の辺野古回帰に示されるように、民主党政権は超一級の国策である航空政策で、アメリカ追随の政策転換を行いました。それまで国交省自らが持つ権益を守るべく自由化のポーズをとりながら保護主義的な政策を守り続けていたものを、日米オープンスカイ協定(2010年10月発効)をモデルケースとして、それまで自由化を拒んできた成田空港の完全自由化、羽田の国際化へと大きく梶を切りました。
2013年の27万回実現を条件としながら、アメリカ、シンガポール、香港、マカオ、韓国、マレーシア、ベトナム、オーストラリア、台湾、イギリス、ニュージーランドなどすでに14ヶ国以上と成田空港の「オープンスカイ協定」を結んでいます。2013年の27万回実現とは、第3誘導路の完成を前提とします。そして2014年での30万回実現は、言わずとしれた市東さんの農地を強奪して「へ」の字問題を解消することを前提としています。
今年の5月10日の政府の国家戦略会議で、菅政権が作った「新成長戦略」の9割の373項目が「成果なし」であったと報告すると報道されました(5月10日付け朝日新聞)。その中で「成果があったのは、航空会社が政府を通さずに直接路線などを決められる『オープンスカイの推進』や『求職者支援制度の創設』などの項目だった」(朝日記事)というのです。
また、昨年7月末に政府の諮問機関「空港運営のあり方に関する検討会」が出した「空港経営改革の実現に向けて」という報告書の中で、首都圏空港の整備が進んだ(つまり2014年成田空港の30万回実現)ことを前提に、全国の28ある国営空港の民営化をこの20年で実現することが提案されています。正に、民主党政権が小泉・竹中の新自由主義政策に回帰しているとしか見ることができない「報告」と提言です。
こうした動きは、この10数年の間に、中国・アジアの経済発展を背景にしてアジアの航空事情が大きく変化し、日本の位置が大きく後退したことにその根拠があります。右図(『激安エアラインの時代』2012年3月刊、杉浦一機著より引用)は日本航空機開発協会の調査を引用したものですが、2030年にはアジア・太平洋の航空旅客が世界1位になるというものです。もちろん「獲らぬ狸の皮算用」ではないのかという面はありますが、政府の新成長戦略(あるいはアジアゲートウェイ構想)で、「ヒト、モノ、カネ、情報」の流れを取り戻そうと絶叫し、その基軸的問題として成田空港の完成(30万回化)と羽田・成田の一体運用を声高に叫んだ根拠がこのことへの圧倒的な立ち遅れからくる絶望的な危機感であったことは明らかです。
今、日本は、沖縄における米軍基地(日米安保問題)、原子力発電所問題、TPP(環太平洋経済連携協定)などいずれの問題でも、どうしようもないほどのアメリカ追随にその道を求めようとしています。航空政策においても同じだということです。MV21オスプレイ配備と辺野古新基地建設、大飯原発3、4号機再稼働への動き、TPP加盟への動き、こうした展望のない強引な様々な動きと一体のものとして成田空港完成、そのための市東さんの農地強奪の動きが差し迫ってあるのだということです。しかも、それは昨年、5・20東京高裁の判決と8・6天神峰現闘本部強制破壊と撤去が行われたように、裁判(司法)によって行わせるということで、強行突破を図っているのです。
ここに、市東さんの農地裁判が証人尋問という決戦局面に入ったことの重大性があります。5・28裁判に参加して、こうした重大な局面にあるにもかかわらず、私たち支援の側にズレがあるように思えてなりません。重大な危機感と決戦を迎え撃つ緊張感を持って6・25傍聴闘争をはじめ、市東さんの農地裁判のこの決戦局面を闘い抜こう。そして、7・8現地闘争、10・7全国総決起集会を闘い抜こう。
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