団結街道裁判(5月8日)を傍聴して
昨日、市東さんの畑と家を結んでいた団結街道が廃道化され封鎖されたことに対して、処分の取り消しと封鎖解除を求めた団結街道裁判の口頭弁論が開かれました。この日の裁判の「傍聴のために」と出された資料は「12.5.8団結街道裁判資料.pdf」をダウンロードです。
冒頭、右陪席裁判官の交代に伴う更新意見表明が、葉山弁護士と大口弁護士から行われました。
葉山弁護士は、住民の意見を聞くこともなく強行された団結街道の廃道化は、道路法10条1項違反であり、「個人の尊重」を定めた憲法13条、人格権と通行権に違反するものだと批判し、江戸時代以来の入り会い権などを指摘された。そして被告による「反射的利益を反映するにすぎない」とする主張を断罪しました。
大口弁護士からは、道路封鎖に抗議した市東さんを逮捕し長期勾留したことを弾劾し、この道路廃道化が不当、不正、違法なものであると指摘した上で、「通常の民事裁判らしくやって欲しい」と裁判所に求めました。とりわけ三里塚闘争の当初から裁判官の中に「成田は特別なんだ」「国策」という呪縛があることを指弾し、本来の裁判所のあるべき姿を取り戻すよう求めました。
被告・成田市が「本件路線廃止処分が適正であったことを主張・立証する」としていることに対し、団結街道廃道化のような先行事例があるのか、昨年来問いただしてきたのですが、「路線廃止処分」を類型化しながらその具体的事例を出そうとしないことに反対同盟弁護団から批判が行われました。明確な「出しなさい」との訴訟指揮を行わない多見谷裁判長に対しても、裁判所として不公平であり、明確な訴訟指揮をしなさいと。ただ具体的な事例を上げれば済むことを、問われて半年以上が過ぎてなお、6人の代理人が頭を寄せ合い「調べて・・・」と言葉を濁すことしかできない被告側に、傍聴席からも失笑と怒りの声が。
ほとんど何の進展もなく、次回口頭弁論が、9月18日(火)午前10時半から、千葉地裁601号法廷でと決まって、閉廷しました。
法廷後、報告会が弁護士会館で開かれました。
挨拶に立った北原鉱治事務局長は、昨年の5・20天神峰現闘本部裁判高裁反動判決への怒りの抗議と、不当極まる弾圧、50名不当逮捕を振り返りながら、三里塚47年の裁判が「こういうのは裁判じゃないよ」と批判されました。そして「我々が裁判をするという思いで闘わないとだめだ」「きちんとした判決を出させるよう闘おう」と呼びかけられました。
報告会の中で各弁護人から、一昨年2月25日、天神峰現闘本部裁判の千葉地裁反動判決を行なった仲戸川裁判長が、理由は明らかでないようですが、この1月27日に裁判長を辞任していたことが明らかにされました。仲戸川は、反動判決を強行したものの、闘いの爆発を恐れ、「仮執行宣言」をついに付けることができなかった。また鈴木さんの一坪裁判を7年もかかって進めることができなかった。他方、現場検証を徹底的に拒否し、証人のビデオリンク方式の採用と、それに抗議した反対同盟と弁護団に対し「弁論放棄」と一方的に断じたように様々な違法、不当な訴訟指揮を立て続けに行ってきた法理をも無視した極悪裁判官なのです。推測ですが、自らの悪行に行き場を失ったのではないでしょうか。
報告会の最後に萩原進事務局次長から、行政訴訟・農地法裁判が立証段階に入ったことに対して、5・28裁判を前に、5月28日(月)正午から葭川公園で集会と裁判所へのデモを行うことが改めて提起されました(中央公園が使えないため変わりましたのでご注意下さい)。また7月現地闘争を7月前半に行う予定だとも。その上で、「国策」として国が進めてきた原発、沖縄、三里塚などが民衆によってひっくり返す過程に入ったことが提起されました。そして裁判というものはこういう風に闘うのだということを示そうと。
まずは、5・28行政訴訟・農地法裁判の最初の証人尋問を裁判所を包囲する闘いを実現し勝利的に進めよう。6月25日行政訴訟・農地法裁判(午後1時半~)、7月17日(火)第3誘導路裁判(午前10時半~)、7月23日(月)耕作権裁判(午前10時半~)を全力で傍聴闘争に決起する中から、7月前半に予定される現地闘争に全力で起ち上がろう。
裁判を前にロビーで歓談中、現地の人々から、この間の天候によって、厳しかった農作物の成育状況が好転し、現地は農作業が非常に忙しくなっているとお聞きしました。援農にも全力で取り組もう。
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