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2012年3月28日 (水)

3・25三里塚現地全国総決起集会 1055名結集

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 3月25日、連日の雨が晴れ上がった三里塚の市東さんの畑で、三里塚反対同盟が主催して、全国総決起集会が開かれ、全国から1055名の労働者、市民、農民、学生が集まりました。

 冒頭、去る1月7日急逝された鈴木謙太郎さんを偲んで全員で黙祷が行われました。大きな遺影が演壇左手に飾られています。

 95歳になられる森田恒一さんが開会宣言です。森田さんは、「今日の最大の課題は市東さんの農地を守る闘争陣形を作ることだ」とされた上で、その実力闘争の先頭に自ら命をかけて臨むと決意を明らかにされました。いつもながら意気軒昂とした様子に励まされます。

 12325_2 主催者を代表して北原鉱治反対同盟事務局長の挨拶です。北原さんは1978年の開港阻止決戦を語られ、「多少の犠牲があってもやむをえない」との福田の開港宣言、3・30開港を、横堀要塞戦と管制塔占拠・破壊戦闘によって粉砕したことを確認されました。そして「また再び決戦の時が来た」と提起されました。翌日から開始されようとしている夜を徹した第3誘導路建設工事の強行(同盟ブログhttp://www.sanrizuka-doumei.jp/home/2012/03/post-322.htmlをご覧ください)を弾劾し、「市東さんへの農地強奪、叩き出しは断じて許されない。粉砕しなければ日本の未来はない」と提起されました。

 基調報告に立った萩原進反対同盟事務局次長は、先日の福島での3・11の闘い、そして全国、世界の闘いを引き継いでこのギリギリとした中で闘わなければ死しかない情勢だと提起されました。国策、国益で推し進められてきた現実に対し、沖縄・福島・三里塚で「くそくらえ」と胸を張って闘い抜こうと。12325_3 2月、全国農民会議を結成したことを報告され、TPP反対に向けた「農民だけの問題ではない」と想いを語られた。と同時に、資本、民間企業が「復興」の名のもとに農民が農民として生きられない現実を強制しようとしていることへの激しい怒りを明らかにされた。市東さんの農地を守る闘いと福島の農地を取り戻すこととは同じ問題だと。あるいは、自らの生産者としての想いを語られながら「子どもたちに安全な食べものを送れ!」と。そして震災、津波、原発事故で出現したものは「決して想定外ではない」「人災であり、犯罪だ」と。政府、東電にすべての責任をとらせなければならないと。

 また年頭のスーダンへの自衛隊派兵にふれ、部隊は羽田に追い出したが物資は成田から出発したことを明らかにし、反戦の砦として成田空港の軍事空港化粉砕へ、5・6月のスーダンへの本隊派兵に向けて大きく位置づけて戦わねばならないと。

 そして詳しくは弁護団に譲るとした上で、市東さんの農地をめぐる裁判闘争の重大性を訴え、裁判所を包囲する民衆の力で関係を逆転させ、現地攻防に反映させようと訴えられました。

 「究極の新自由主義の攻撃の中でなぶり殺しにされようとしている」と激しく闘いを報告した動労千葉の田中康宏委員長の特別報告に続いて、沖縄から「市東さんの農地を守る沖縄の会」から知花盛康さんと金治明さんが登壇されました。12325_4 知花さんは、「140万県民の90%が辺野古新基地の建設に反対している。それに対し野田を先頭に閣僚、政治家の沖縄詣での構図は、紛れもなく基地押しつけの差別だ」と弾劾されました。そして「それは国策だ。三里塚も原発もそうだ。みんなが一緒になって立ち上がり勝利しよう」と呼びかけられました。キムさんは、この17日辺野古のテントに在特会が押しかけ、また野田の訪沖・知事との会見への抗議闘争に右翼と幸福実現党が襲ってきたことを「土足で踏み込んできた」と弾劾し、「沖縄の闘いが決戦に入ったということだ」と提起された。そしてこの6月22日、反対同盟と共催で「市東さんの農地を守る沖縄の会」が三里塚集会を沖縄で開催することを明らかにされました。12325_5

 関西実行委員会を代表して登壇した永井満代表世話人は、3月18日、市東さんを迎えて三里塚関西集会が成功したことを報告すると共に、市東さんにかけられた攻撃をどんなことがあろうと反対同盟と共に阻止する決意を明らかにされました。

 ここで市東孝雄さんの登壇です。市東さんは先ず3・11福島での集会で、福島で有機農業を取り組んでこられた農民の方から「農民が加害者のように報じられた」ことへの悔しさといった想いが語られたことに、12325_6 「同じ農民として悔しさと怒りを覚えた。共に農業のことを考えていきたい」と語られた。また第3誘導路工事が遅れているためにこの間夜間もやられていることに触れ、2本の誘導路が自宅の左右を通ることを弾劾すると共に、「そんなものに200億円もかけて工事をするのなら、その金を福島に向けるべきだ」と。裁判についても、「よくこんなことで裁判を起こせたなと呆れ、怒りで一杯だ」として、裁判が重大な局面に入っていることへの支援を訴えられた。そして金とか権力にびくともせず、これまで通りやるとされた上で、「国策ならどんなことをやってもいいというのは許せない。前は自然体でやると言っていたが、もうそれをとっぱらって闘い抜く。変えましょう、日本を」と訴えられました。

 続いて一緒に登壇していた「市東さんの農地取り上げに反対する会」と「群馬・市東さんの農地を守る会」から発言が行われました。

 12325_7 「TPP反対・すべての原発をとめろ」と緑ののぼり旗を林立させた全国農民会議から福島の果樹農家の大内さんなどとともに、反対同盟から萩原富夫さんが発言しました。富夫さんは全国農民会議が結成されたいきさつを語る中から、ひとりひとりの農民が労働者と同じ立場に立って闘うことの重要性を明らかにし、「牛肉・オレンジ問題」にはじまる減反、食管制度、そしてTPPと農業破壊の自由化の歴史への激しい怒りを明らかにし「TPP反対」を闘うことを訴えました。

 ここで反対同盟顧問弁護団のみなさん、葉山弁護士、一瀬弁護士、大口弁護士、遠藤弁護士、浅野弁護士の5人が登壇し、市東さんの農地をめぐる裁判を始め勝利的に進めながら、国策裁判として千葉地裁が早期結審、反動判決への動きを隠そうとしない重大局面にあることが訴えられました。

 12325_8 婦人行動隊としてカンパアピールに娘さんとともに立った鈴木加代子さんは、カンパの訴えに先立って、謙太郎さんの急逝への多くの方からの弔意・激励へのお礼を述べられ、「娘ともども主人謙太郎の遺志を引き継いで闘っていきたい。父ちゃんの背中を見て育った娘が後を継ぐと言ってくれた。家族一同堂々と生きていきたい」と決意を明らかにされました。

 12325_9 住民団体、共闘団体の発言の最初に福島から「子どもたちを放射能から守る福島ネットワーク」の椎名千恵子さんが登壇されました。北原さんに挨拶され「辛かったね」と言葉をかけられたことに「痛みに立って闘ってきた人は痛みがわかるんですよ」と話された上で、「再稼働」への原子力ムラの動きへの怒りを述べられた。そして「40何年前にここに来て、火と煙の中に突っ込んでいるんです」と明らかにされ「来てよかったです」と話された。三里塚の大地を示しながら「大地からいただき、死ねば大地に戻る」「その大地が取り返しのつかない事態にあり、命におびえている」「沖縄、三里塚、そして広島・長崎を、子どもたちを育てることで悩んでいるお母さんたちにどう伝えていくのか勉強していきたい。切羽詰まった思いに駆られて、自分たちの痛みが同じ背景なのだと思い至らない」12325_10 「成田に立った者として、『糊しろ』となってお母さんたちに福島と成田をつなげていきたい」と語られました。

 部落解放同盟全国連合会の中執木邨さんをはじめ各住民団体、共闘団体の発言が続き、集会宣言(「12.3.25集会宣言.pdf」をダウンロード )を採択し、団結ガンバロウを全体で唱して、さあ、デモに出発です。

 市東さんの天神峰の畑から東峰十字路を抜け、12325_14 ジェット機が轟音を響かせながらデモの上数十メートルのところを着陸していく。東峰神社を右手に見ながら騒音直下の東峰部落、島村さん宅などの前を通って部落を抜け、市東さんのお宅の前、閉鎖された団結街道を右手に見ながら第3誘導路のために道路の地下道化の工事をしている現場の横を進む。 そして小見川県道から南台の市東さんの畑へ。12325_15 わずか数分で行けるところを、時間をかけて行かなければならない市東さんの怒りを我が物にしながら歩む。

 小見川県道に出た所では第3誘導路の突貫工事のために搬入されたでっかいクレーン車などの重機が見え小見川県道の上を誘導路が渡るための橋脚が姿を見せています(左下写真は、その反対側、市東さん宅の前の監視台からこの日の朝、見たものです)。

 市東さんの農地を何が何でも守り抜くぞと決意を新たにしました。12325_16 デモ後、沖縄の知花さんとキムさんと関西のTさんとともに、鈴木謙太郎さんのお墓参りと、お宅の仏壇にお参りをさせていただきました。

 翌日は、市東さんの農地をめぐる裁判です。もう一泊現地にとどまり、傍聴に参加します。

 

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