東灘区住民の会 『おしらせ』第86号より
新空港反対東灘区住民の会の機関誌『おしらせ』第86号が発行されました。その巻頭を転載します。
市東さんの想いを聞こう
3・18三里塚関西集会から3・25三里塚へ
市東孝雄さん(60才)は、お父さん(故東市さん)を引き継いで無農薬・有機栽培で、ほんとうに気持ちのいい、柔らかい土、農地を育ててこられました。そこで年間50品目を超える野菜を作り、消費者のみなさんに届けておられます。
市東さんが耕す農地は、5ヶ所に分散しています。そのうち右写真の南台と自宅前の天神峰の畑が、親子3代、90年をかけて開墾し、育ててきた畑です。本来なら戦後の農地解放で市東さんの地所となっていたはずのものです。しかし、お父さんの東市さんがビルマ(当時)に抑留され復員するのが遅れ、役所などの手続きミスから小作地のままになって現在に至っています。
ところがこの2ヶ所の畑が成田空港計画の敷地の中に入ってしまったのです。故東市さんは、「空港絶対反対」「農地死守」をかかげて闘い抜かれました。そして土地収用法が失効した今、市東さんの畑は、誰も手が出せない状態になっています。
「国策」として開始された成田空港は、民間に移管され、今では成田空港会社によって運営、経営されています。成田空港会社は敷地内にあるこの市東さんの畑を欲しいと、今から24年も前に(当時は空港公団)地主から買い上げていました。そして市東孝雄さんに「1億8千万円」もの巨額の補償金を提示して、市東さんに農地を譲って欲しいともちかけました。
しかし、市東さんは、「1本100円の大根を消費者に届けたい」「農地は、私たちの命だ」とその誘惑を拒否しました。相手が国が100%出資した企業であろうと、市東さんが持つ耕作権、地上権は、民間企業の経営権と平等で、優先権が憲法によって保障されています。
ところが成田空港会社は、「国の航空政策」を振りかざし、市東さんには隠して24年も昔に取得している(これは農地法違反なのです)からと、農業委員会に耕作権の解除を申し立てたのです。しかも、農地の特定を間違えただけでなく、その根拠として提出された土地の「境界確認書」と小作人である市東東市さんの「同意書」の署名が偽造されていることが明らかになっています。
なんとこの問題が民事として争われている裁判所は、こうした違法な手続きが行われていることを承知で、「手続きが違法でも処分は可能だ」と信じられないような予断のもとに裁判を進めようとしています。そこには、航空政策を破綻させた国の焦りの下の「国策」のおしつけがあることは明らかです。
アジアと世界の金融恐慌情勢の中で、経済的にも行き詰る国(官僚)が、破綻した成田空港、航空政策を立て直そうと、裁判所や空港会社を動かして、民事で農民から農地と営農、生活そしていのちを奪うというようなことがどうして許されるでしょうか。
ここで起ころうとしていることは、福島の原発事故で、沖縄での日米合意の押しつけで起ころうとしていることと根は一つだと思います。
国、航空会社、裁判所に毅然と立ちはだかっておられる市東孝雄さんの想いとお話しを直に聞こうではありませんか。別紙でご案内しております「3・18三里塚関西集会」においでください。そして3・25三里塚現地へ、行こうではありませんか。
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