第3誘導路裁判傍聴
108頁もの準備書面で被告を圧倒
11月29日、「第三誘導路建設の許可処分の無効確認と空港会社の同工事の中止を求める裁判」の第4回口頭弁論を傍聴するために、いつものとおり午前9時過ぎに千葉地裁に到着すると、反対同盟の宣伝カーから「市東さんらを追い出す第3誘導路建設の攻撃を許すな」などの呼びかけがあり、闘争勝利への決意を固めながら601号法廷に入りました。
前回9月の第3回弁論時は、始まる前から最後まで傍聴席よりの糾弾のコールが鳴りやまなかったのですが、今回は多見谷裁判長の「穏当」な訴訟指揮もあって、比較的静かでしたが、しかし1時間たっぷりの裁判でした。
今回は弁護団からの108頁におよぶ大量の準備書面が陳述され、被告の国と空港会社(NAA)を圧倒。この準備書面の中心は、被告が主張する「原告に裁判を起こす権利がない(原告不適格)」との主張を徹底的に論破するもので、被告が航空法の条文のみに依拠した反論に対し、反対同盟弁護団は「騒特法と騒防法」に照らして、市東さん、萩原さん、鈴木さんらが第3誘導路建設によって甚大な被害を受けることを明らかにして、原告こそ裁判を起こす権利があることを陳述しました。さらに、第3誘導路建設のズサンで法律を無視するやり方も指摘。誘導路の幅がICAOの国際条約に違反して狭すぎること、着陸帯が300m未満である欠陥を露呈し、様々な面で問題だらけの計画であることが明らかにされました。
航空法も無視し、農民を追い出す国やNAA
航空法の第1条には「この法律は、国際民間航空条約の規定並びに同条約の付属書として採択された標準、方式及び手続きに準拠して、航空機の航行の安全及び航空機の航行に起因する障害の防止を図るための方法を定め・・・」との条文がありますが、国やNAAがやっていることはICAOの国際条約を無視し、危険極まりない誘導路(への字や幅の狭い)をつくり、航空機の安全航行を阻害しているのです。こんな法律違反の計画は判決が出る前に直ちに止めるべきです。
さらに許せないことは、計画策定にあたって周辺への環境影響調査をなおざりにして、市東さん宅周辺での騒音調査もせずに計画を強行する「殺人政策」のやり方です。彼らの狙いは、「国策」の名のもとに第3誘導路を強行して、市東さんの家を取り囲み、騒音攻撃、追い出し攻撃を激化させることのみを目的にしています。断固はね返しましょう。
この日の裁判では、弁護団より「2006年と2010年の許可申請を全文開示せよ」との要望を出しました。この計画の手続き上でかなりの問題が内包されており、今後この点からも追及していく予定です。
「国は46年前から間違っている」
裁判が終了し、近所にある「きぼーる」の会議室で報告会が行われ、北原事務局長から「国は46年前の閣議決定で成田空港を決めたが、地元に対する事前の説明も、公聴会も、環境調査もせずに勝手に決めた。46年前から間違い続けているのが国だ。しかし我々は、正しい闘いを行ってきたし、これからも断固闘おう。我々の手で国の政治を変えよう」などの決意を表明されました。
また各弁護士から、今年の一大決戦を闘い、来年はもっと厳しい局面となるが、がんばろう」との決意が語られました。
次回の裁判期日は、2月7日、次々回は5月1日。各回とも10時半開始。
報告 関実事務局次長 安藤眞一
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