市東さんの農地裁判 新たな重大証拠
昨日、千葉地裁で市東さんの農地をめぐる併合された行政訴訟と農地法裁判の口頭弁論が開かれました。
この7月の進行協議以来、多見谷裁判長は、立証過程を萩原さんと市東さんの証言だけでお茶を濁し、一気に結審、判決へと突っ走ろうとしてきました。それは国の航空政策をかけた国家意志を背景にしたものだけに正に千葉地裁あげての「確信犯」としてのものでした。
これに対し、反対同盟と弁護団、そして支援傍聴団は8月30日、10月18日の2つの口頭弁論で全力ではね返し、この日を迎えました。この日、多見谷裁判長は、何としても証人立証の日程を確定し、自らの反動判決への道筋を付けようと必死の策動を強めてきました。何と、法廷で弁護団に追い詰められる中で、「手続きに違法があっても、処分を進めることは問題はないんだ」と、国、空港会社側の居直りを全面的に肯定した予断に満ちた姿勢にあることを隠そうともしなかったのです。そして、新たに空港会社の2人の証人を認めることでお茶を濁し、一気にこの日、全日程を確定し年内の結審、判決へと突き進もうと繰り返し審理を進めようとしたのです。
これに対し、冒頭、弁護団は、すでに地主藤﨑の「同意書」「境界確認書」の署名が偽造であることを明らかにしてきましたが、耕作者市東東市さんの署名自体がこれも偽造であることを、日本筆跡鑑定協会会長根本寛さんの筆跡鑑定書を添えて明らかにしたのです(右上写真、「11.12.6裁判資料.pdf」をダウンロード )。それでも必死になって立証の日程決定に入ろうとする多見谷裁判長に対し、弁護団の必死の弁論の展開と、断固たる弾劾、裁判所追求の傍聴団の闘いが繰り広げられました。これに対し多見谷は傍聴者を3名も退廷命令を行い暴力的に放り出したのです。
しかし多見谷は、合議せざるを得なくなるところまで追い詰められ、合議の末、ついに「千葉県農業会議の耕作権解除認定」の責任者である千葉県農地課長渡辺とそもそもの始まりを強行した成田市農業委員会事務局長山崎の証人採用を行わざるを得なかったのです。必死で食い下がる多見谷は、後2回の審理の上で、立証過程を7回の半日かけた尋問として年内いっぱいかけて行うことを決めました。しかしこの日程自体が「司法改革の迅速要請」を旧来のところへ引き戻し、かなり押し込んだ闘いの成果でした。弁護団から力関係の中でギリギリ引き延ばせるところまで引き伸ばし、一方的なやり方を阻止したのだと明らかにされました。 また、地主藤﨑の証人採用問題など、今だに棄却されたわけではなく、また例え多見谷が主観的にこのまま進もうとしようが、6人の立証過程で他の証人、とりわけ地主藤﨑の証人尋問をかちとれるようこじ開けていくことがこれからの闘いだと明らかにされました。そしてこの勝ち取った新たな1年をかけて全力で反動判決を阻止しようと方針が明らかにされました。
報告会の冒頭発言に立った市東孝雄さんは、「今年はいろんな大変なことが起こった。来年は今年以上に向こうの攻撃が強まるが、みなさんと一緒に頑張る」「国策であれば何をやってもいいということがまかり通っていますが、こういうデタラメはみんなで変えていかないといけない」と決意を語られました。 また、報告会の最後に北原鉱治事務局長は、3・11の震災と福島事故そして5・20弾圧を振り返られながら「46年間法廷では勝っているが、判決では負けてきた」「企業優先、金儲け優先の裁判で、これではダメだ」「来年を明るく闘い抜こう。いじめられればいじめられるほど強くなるのが反対同盟だ」とまとめられました。
次回以降の日程は、2月20日、3月26日(以上は午前10時半から)、4月23日、5月28日、6月25日、9月10日、10月15日、11月12日、12月10日(4月以降はいずれも月曜日、午後1時半から)と決定(とりあえず「予定」という確認の上で)されました。この裁判の攻防が、他の裁判はもとより、三里塚闘争の現在を決定するものとなっています。全力で注目し、傍聴闘争に決起しましょう。
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