奈良での「11・5沖縄集会」に参加して
11月5日、奈良市の奈良県解放センターで、「辺野古の海に基地はいらない! 高江の海にヘリパッドはいらない! 11・5沖縄集会」が開かれ100人近い人々が集まりました。沖縄から辺野古について安次富浩さん(ヘリ基地反対協議会共同代表)と、高江について山城博治さん(沖縄平和運動センター事務局長)のお二人をお迎えしての豪華な集会でした。
安次富さんは、2004年以来の辺野古の海の闘いを通して、沖縄の闘い、反基地運動が住民運動を中心にした直接民主主義の取り組みとして評価できると話され語り始められました。
1997年の市民投票から昨年の市長選(1月)、市議選(9月)、県知事選(11月)を振り返りながら、原発問題と同じ補助金行政の問題を、10年余の闘いで乗り越えてきたと。補助金によって作られたハコモノによって赤字再建団体に転落するような事態を前に、保守系議員も勉強を始め、我々基地反対派と手を結び、はじめて市長選勝利の地平が勝ち取られたのだと。県知事選は破れこそしたが、仲井眞知事が公約を変更して「県外移設」とすることではじめて当選したのだし、「県外移設」の民意が63万票、「県内移設」はわずか1万3千票。この民意を踏みにじる民主党政権、オバマ米大統領に怒りを覚えると。
この年末にむけて環境影響評価書の提出などアメリカの顔色を伺って新基地建設へまっしぐらに突っ走ろうとしているが、これはあがき以外の何ものでもない。ここで徹底的にたたいて、年末12月から来年6月にかけた闘いが決定的になっている。アセス阻止、オスプレイ配備阻止を戦い抜く中から決定的局面が生まれる。
あがく誘致派も、「民意が2分している」という虚構を作ろうと民主党の意を受けて必死であがいている。明日からの前原の訪沖をはじめ各大臣の訪沖。あるいは辺野古区の区長などが2750日におよぶ座り込みテントが「迷惑だから撤去してくれ」などという申し入れなどもその表れだ。その折に、地元マスコミは知らないで読売新聞だけが来ていたが、何をか言わんかだと。
アメリカは大変な経済破綻で、国防費の削減をせざるを得なくなっている。「辺野古は無理だ」と有力議員が言い出している。普天間を嘉手納に統合するというのも2万人の爆音訴訟提訴に見られるように無理だと、この1月に市民団体、平和団体が一緒になって訪米し、訴えていくと。
最後に「沖縄から日本を変えるとよく言われるが、沖縄は自分たちのことで手一杯だ。沖縄の闘いに委ねるのでなく、あなたがた自身の闘いで、日本を変えるべきだ」と、私たちへの檄を発しられて話を終えられました。
山城さんは、2007年7月、安次富さんなどと辺野古の座り込みをしていて、高江の住民から直接聞いて、直ちに現地に入りゲートでの阻止行動に泊まり込んで戦い抜いてきておられます。
ことしの2月の高江での攻防戦の映像を見た上で、1995年少女暴行事件をきっかけに起こった県民の怒りに1996年の日米のSACO合意が行われたが、結局蓋を開けてみれば、基地の県内たらい回しでしかなかったことの指摘から、山城さんは話しを始められました。
8100ヘクタール(那覇市の2倍)の広さを持つ北部訓練場の一部返還の代替え施設として、35戸、160人の住民がいる東村高江という小さな部落の居住区を囲む形で新たな6つのヘリパッドが建設されようとしてる。2006年区民総会で2回の反対決議が行われたが、07年7月工事が強行され、いったんは膠着状態の中、今年2月、N1、N2の2箇所のゲートから夜中に重機、シャベルカーなどが搬入された。これに対し、政党、労働組合の車両をゲート前に並べ阻止線を作って泊り込み24時間体制で闘った。ダンプカーから投げ込まれた土嚢を20~30人双方入り乱れて奪い合い、まるでラグビーのようだ。(いろいろな写真の説明の中で、平良夏芽さんが駆けつけておられるのを紹介されました。)一つの土嚢を現場に入れるのに10分以上もかかり、結局出来たのは3キロの道路の整備のうち、わずか300メートルで、それも、この8ヶ月の内に草ボウボウの元の姿にもどっている。
風光明媚ないろいろな生き物のいるヤンバルの森は、沖縄本島に唯一残された森であり、これを守らなければならないと。そもそも15箇所も使われていないヘリパッドがありながら、なぜ高江に新たに作るのかという当然の疑問に、防衛局は「日米が決めたことだから」と何の説明もない。この「国家権力の暴走」に村民は怒っていると。
今行われているヘリコプターの演習も電信柱の高さ、5~6メートルの高さの飛行で行われ、凄まじい。山城さんご自身が、そのヘリコプターのホバリングで2度もテントを吹き飛ばされ危険な目にあった。これが言われているようなMV22オスプレイ(左上写真)のための新しいヘリパッドならば、爆音、爆風、そして恐ろしい事故の危険などで大変なことになると具体的に説明されました。弱いところに犠牲を押し付けることだと怒りを込め指弾されました。 そして北部でオスプレイの訓練をさせないことは中部・普天間への配備を許さないことにつながり、全県的な「オスプレイ配備反対」の運動へと広げていきたいと。そもそも辺野古新基地の2000メートル滑走路は通常のヘリコプターならいらない。オスプレイのためであり、巨大新基地の建設であり許せないとも。
政府が「アメリカが安全というから、安全だ」という説明はどうしようもない「アメリカ追従」であり許せない。現在争われている裁判の結審が12月14日にあり、その直後か、来年2月に予定されている判決の直後に工事を強行してくる恐れがある。この沖縄差別を許さない全国からの支援があり、現場にも多くの人が駆けつけてくれている。政治の流れがどうであれ、闘う仲間は一緒だ。ともに政治を変えていこうと結ばれました。
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