芦原「住宅追い出し阻止裁判」 不当判決弾劾!
昨日、神戸地裁尼崎支部で芦原住宅の「住宅追い出し阻止裁判」の判決が行われた。裁判長は、芦原住民と弁護団の主張を全て退け、西宮市行政の言い分に全面的に追随し、住宅の明け渡しと「滞納」家賃の支払いを命じる反動判決を強行しました。改良住宅の歴史的な経緯や部落差別の現実を切り捨てた、許されない反動差別判決です。
判決後の報告会で弁護団から明らかにされましたが、すべての弁護団の主張をすり替え、西宮市行政の主張を鵜呑みにし、かって強行された最高裁の差別判決などに追随するだけのデタラメなものでした。
例えば「部落差別に対する改良住宅制度によって家賃不払いが正当化されるものではない」とか、他の地裁判決が住民の困窮を踏まえて長期の返済などに踏み込んでいることに対し「そうした判例が妥当とは言えない」とした上で、「3年(という西宮市行政の要求)が不合理とは言えない」とか。また「明け渡せと言われても、住む家がない」という住民の悲痛な声に対し、「明け渡しの判決と住宅を新たに探すことは別問題だ」と、弱者への目線を持たない、正に「木で鼻をくくった」判決であり、それだけにその反動性が、差別性が明らかになっていました。
判決が「国際人権規約」を引用しながら「しかし、家賃支払いに対してまで排除していない」と断定している点については、「国際人権規約に頼るつもりはないが」としつつ、「規約」には「いかなる理由があろうとも追い出しはできない」ことが居住権という立場から明記されていることが明らかにされ、判決の不当性、犯罪性が指摘されました。
そして西宮市行政が強く要請していた直ちの「立ち退き」「支払い」を求める仮執行宣言を判決が付けることができなかったことが、これまでの芦原住民を先頭とした闘いの成果として、今後の闘いの大きな基盤として評価されることが全体で確認されました。
報告会では、基調報告として芦原地区自治会連合会長の東口博さん(右上写真)が「改良住宅に住む権利を守るために精一杯闘い抜いてきた」と振り返られた上で「生まれ育った芦原地区に住み続けるために今後とも団結してとことん闘い抜こう。反動判決によって私たちの意志が左右されることはない」と強く語りかけられました。 挨拶に立った部落解放同盟全国連合会の中田潔書記長は「仮執行宣言が付かなかったのは、これまでのみなさんの頑張りが力になった。ギリギリもところで残った判決だった」として今後も全国連上げて頑張って行こうと訴えられました。
供託者の住民は、「腹が立って血圧が上がった。走ていって、土ついてやろうかと思った。65年も住んでいる。何で出て行かなあかんねん」と怒りを露に語られていました。
全国連各支部からの励ましとともに闘う決意が縷々述べられました。そして、山本善偉新空港反対東灘区住民の会代表をはじめ支援・共闘の団体からの怒りの表明と連帯の決意が語られました。
最後に、東口さんの音頭で、「団結ガンバロー」をやって報告会を終えました。
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