10月30日 三里塚の芋ほり大会で
先日10月30日、三里塚の萩原さんの清水の畑で、三里塚産直の会(萩原さん、市東さん)と三里塚有機農法産直の会(鈴木さん)の共催で芋掘り大会(収穫祭)が行われました。雨が心配されましたが、図ったようにちょうど終わった後に降り始め「ほっ!」でした。被災地福島の田村市(20キロ~30キロ圏)から13人(内、子どもたち8人)を含めて約120人の消費者のみなさんが集まり、賑やかな一時となりました。
萩原進さんのお宅に集合して、まず畑の見学です。萩原富夫さんが案内です。にんじんの綺麗な葉が並ぶ畑で聞くと「人参は来週くらいからかな。今は、枝豆があるのでコンテナが一杯なので」と。「サニーレタスは、あっという間に棒立ちしてしまった。今度から玉レタスを入れるつもりだが、温度が高すぎて・・・」。巻かなくて広がっていますが、市東さんが手にとって食べてみせる。ブロッコリーはまだまだ。キャベツは、気温が高いのでまだ青虫がいるし、紋白蝶が富んでいる。
にんじんの隣にウドが一列に。「3月になると芋穴に入れて籾殻をかぶせて育てます」と(左写真で右手がサニーレタス、左手が玉レタス)。
小松菜、からしな、ほうれん草と並んでいます。「秋じゃがに挑戦しています。九州の『出島』という品種で」、「8月の終わりに植えて台風と高温で大半が腐って植え直した」と。玉ねぎの小さいのを植えて葉玉ねぎで出荷とか。白菜は、立派に育っていますが、見事に広がっています。台風で叩かれて市東さんのところでは出来が悪いとか。温度が高いと巻かないので「早く平年並みの低い気温になって欲しい」と。
枝豆の畑は最後とか。すでにきれいに葉がかられています。「自由にとっていいですよ」という声に、みなさん畑の中に(右写真)。里芋がそだっています。
11月に霜が降りるようになると芋穴に芋を入れて保存。芋は、紅あずま、紫芋、紅はるかの3品をやっているが、紅あずまがよくないので、新しい品種を探しているとか。ただ、紅あずまは出来るのが早いのでやりながら・・・。いろいろ大変だ。
ちょうどこの頃、福島からの皆さんを乗せたマイクロバスが到着。
10・9全国集会が開かれた東峰の清水の畑に移動です。集会が開かれたのとちょうど反対側で、すでにブルーシートがひかれ、その横では具沢山の味噌汁が大きな鍋で、鈴木加代子さんの指示で作られ、作業台の上にはいろいろなサラダや枝豆、落花生の茹でたものや煮物がいろいろ、それにお漬物も各種。その横では焼きそばが作られています。おこわご飯も用意されています。でっかいオニギリも。
思わず手を出したくなりますが、まずは芋掘りです。福島のみなさんを待って、さあ、開始です。 最初の写真にあるように時折着陸機が飛んできます。この日は北風です。子どもたちは大騒ぎです。
特に福島の子どもたちは、いつも「外に出るな」「土を触るな」と言われてきたので、感動の面持ちで一生懸命に芋を掘っています。思い思いに用意されたVパックに収穫したお芋を計ってもらって実費です(キロ200円)。多い人では、家族連れで40キロも。福島組がみんなの最後まで芋掘りを楽しんでいました。
さあ、今度は食事です。それぞれグループを作って。自分で好きなものをお皿にとってくるのですが、こんなに食べれるかなと思いながら、食べる、食べる。お代わりも。お箸を自分で用意している人や、テーブルクロスを広げて用意してきた食器を広げる人も。毎年、楽しみにして来ておられる方は慣れたものです。中には、反対同盟が用意したビールを飲む人も。(私は、残念ながら遠慮しましたよ)。
大人たちは歓談したりしている間に、子どもたちは、この日の最大の楽しみ、トラクター乗りです。1周回りながら、アームを上げたり下げたりしてくれるので、乗っている子どもたちは悲鳴と歓声。福島の子どもたちは5回も乗ったとか。小さい子どもさんが、お母さんに促されて、怖そうにいやいやしながら乗る姿も。終わりそうもありません。
名残惜しそうな子どもたちに我慢してもらって、今度は大人も交え全体でゲームです。 まずはひらがな1文字を書いた紙をとって、野菜の名前が組み合わせた4人を見つけ合い、手をつないでゴールするのですが、結構大騒ぎに。大人の人たちも夢中です。次は、「千葉県三里塚」や「福島県田村市」などを同じようにひらがなの組み合わせですが、さすがに8文字から10文字でしたから、難しい。ちょっと手間取って、しかし、なぜか「福島県田村市」が1位と2位を独占。
次は子どもたちの綱引きです。地域で分けたため、一方が大きい子どもたちが多くなり、慌てて大人が手伝ったが、簡単に勝負がつく。場所を入れ替えて、今度は最初から市東さんも入り(写真中央)、1対1に。3回戦は引き分け。
続いて、大人によるトラクターとの綱引き。いやいや、6人でトラクターが引っ張られて動いたのです。みなさん、一生懸命です。思わず感心して拍手、拍手。
最後は、収穫したお芋の長さと重さの競争です。曲がっているお芋の長さを計るのが難しそう。市東さんと鈴木さんが計ります。写真は左から、1位から5位です。重さは、進さんが計っています。
右写真は最も重かったお芋です。楽しそうな進さんの顔が印象的でした。2.7キロもあります。「うちの子どもが生まれた時より重い」という声も。
左写真が1位から5位ですが、福島のおばちゃんも立派に4位に入りました。
このあと、参加者が最初に登録した時に渡された番号札での抽選です。もれなく景品が当たります。1メートルもある自然薯も(「1万円はするのと違うか」という声も)。私は、1キロの新米と早生の落花生を煎ったもの(500g?)でした。ゲームの景品と合わせて手に持ちきれない人も沢山おられました。
最後に、まとめです。まずは消費者のみなさんから。「初めて来ました。来年も」と最高齢の方から。「いろんなものをいただいて、これから売りに行かないと」と爆笑を誘う挨拶も。子どもたちが、次々にマイクを持って「楽しかった」と。福島のみなさんも並んで「30キロ圏から来ました。取り残された場所です。
地域の祭りが重なって人数が少なくなりましたが、また参加したいです」と。福島の子どもたちの仲良し4人組みが、笑いが止まらない中で、歌を披露してくれました。
最後に、萩原富夫さん、市東孝雄さん、怪我を押して参加された鈴木加代子さんが一言づつ挨拶されたあと、主催した両産直の会を代表して、鈴木謙太郎さん、萩原進さんが挨拶してすべてを終わりました。ほんとに楽しい、有意義な「芋掘り大会」でした。
片付けを手伝っていたら、計ったようにポツリ、ポツリと雨が降りだしました。私は、神戸の被災地企業組合のYさんと2人で三里塚に残り、月曜、火曜と2日間、援農をさせていただきました。若い頃、家の手伝いで農業をしていたYさんは体が覚えていたのか立派に仕事をこなされたようで、出荷作業の後のお茶を飲みながら、萩原さんが私に「Yさんに教えてもらえばいい」と嫌味(?)。雨は月曜早朝に上がり、天気も良く、気持ちのいい3日間でした。反対同盟、そして現地支援のみなさん。お世話になりました。
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