団結街道廃止処分取り消し第5回裁判を傍聴して
昨日、千葉地裁で「団結街道廃止処分取り消し裁判」の第5回口頭弁論が開かれました。(上写真は、裁判後の報告会)
この日の法廷では、何も明らかにしないで「原告不適格」と門前払いを迫る成田市、空港会社に対する追求が行われました。
すでに団結街道が、通常の5分の1以下の安い価格で払い下げられていることが明らかにされています。
一つは道路廃止のための「用途廃止」を定めた成田市の条例が、千葉市など多くの自治体では隣接する住民などの同意を書面で取ることが求められていますが、こうした常識的な規定が何もなく、「したい放題」であることが明らかにされました。しかし、それでもこれまでの空港用地の買収などの折には同意が取られているのに、今回は市東さんに同意を求めようともしなかったのです。
もう一つは成田市から「乙9号証」として提出された「不動産鑑定意見書」には次のように書かれていたのです。「本意見書は、価格など基本的事項及び手順が不動産鑑定基準に則っていないため、不動産鑑定基準に則った鑑定評価を行なった場合には結果が異なる可能性があります。本意見書は前記で記載した依頼目的以外の使用及び記載されていないものへの開示を想定していません。本意見書の利用により万一利害関係を生じた場合、当方はその責めを負いません」と。一体、何のための鑑定書なのだ!
弁護団からは、団結街道の天神峰部落の入会権の問題や、成田市は代替え道路で違いは6分と主張するが1日に10回以上使うことになり、その要する時間は1時間以上になる、営農妨害そのものだといった指摘が行われました。
次回口頭弁論は、2012年1月17日(火)、午前10時半からです。
法廷後、弁護士会館で記者会見と報告会が、鈴木謙太郎さんの司会で行われました。
最初に北原鉱治事務局長から挨拶です。2日前の全国集会の成功の確認とお礼が述べられたあと、「流れを見ていると、現闘本部と一緒で、市東さんの畑に対し判決前に代執行がかけられるんじゃないかと見ています」、「いよいよ決戦の時が迫っている」、「反対同盟は健在です」と語られました。
葉山弁護士からは、「道路の廃止については、一般・抽象的で普通の通行人に訴える利益はないんだという傲慢無礼な主張」、「現闘本部について地裁、高裁の判断(憲法違反だと糾弾)が出たんだからもう権利はないんだ」、あるいは「あの道路には入り会い権はないんだ」という成田市や空港会社の主張は不当極まるものだと弾劾されました。
一瀬弁護士は、行政訴訟、農地法裁判、第3誘導路裁判、そしてこの日の団結街道裁判の4つの裁判が多見谷裁判長のもとで継続されていることを指摘し、「かなり煮詰まってきている」、「多見谷を土俵の外にどう追い出すかだ」とされた上で「鑑定意見書」のデタラメさの尻尾をつかみ、廃止処分の違法性を暴いていこうと語られました。
遠藤弁護士は、行政訴訟が国や自治体にとってやりやすいように「原告適格」の問題をクリアすることの難しさがあるから、デタラメな証書が出されても平気なのだと指摘された上で、三里塚の裁判が千葉地裁全体の判断で行われているが、その訴訟指揮に最高裁の事務当局が睨みをきかせ、治安問題としてこの裁判を見ているのだと批判され、5・20東京高裁のような刑事弾圧がこれからも何回か必ず来ると指摘されました。
最後に萩原進事務局次長がまとめの挨拶をされました。 2日前の全国集会を「内容的に中身の濃い集会だった」、「東北の住民とのあくなき連帯を求め、市東さんを焦点とする農地取り上げに対する闘いを高らかに宣言した」とされた上で、「決戦態勢に入ったその一環として今日の裁判があった」とまとめられました。そして「裁判所を包囲する陣形を作ることだ」、「我々の意識を変えないとダメだ」とされて、福島や成田での放射能測定のように、住民に言われないと動かない国や行政を弾劾し、「民衆を獲得する材料は一杯あるんだ」と訴えられました。
裁判所からの帰途、ついでだからと東京の経産省前のテントを訪問しました。午後2時過ぎということもあり、おられるのは私よりも年配の方々がほとんどでしたが、わずか1時間あまりの間にもいろいろな方が訪ねてこられます。
27日から29日(10時~15時)には、「ついに・・・ 女たちは立ち上がり、そして座り込む」と「原発いらない福島の女たち」が100人の座り込みをされるそうです。http://tentohiroba.tumblr.com/post/10760742394#disqus(「経産省前テント」で検索できます)に新しいブログも先日立ち上げられました。
みなさんも、立ち寄って見てください。地下鉄丸の内線の霞が関駅・A12出口を出たところにあります。
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