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2011年10月15日 (土)

10・9三里塚 基調報告 萩原進事務局次長(その2)

11109  やっぱりそういう中で彼らがまた「経済を立て直すためにはやらなくちゃあしょうがない」というのが出てきたのがTPP問題ですよ。「この際、日本の経済を立て直すためにはこれしかないんだ」と。「そのためには農業が潰れても構わない」と。そして「それを遂行するんだ」と。

 しかし、みなさん。表面に出ているのは、農家が潰れる、農業が潰れるというだけですけれども、TPPというのは文字通り労働者にもかけられた攻撃でもあるんですね。医療問題と労働問題と輸入問題と、全部今までの経済体系をひっくり返すような攻撃なんですよ。

 文字通りここにおいて労農同盟の名のもとに闘い抜く、そういう大きな闘いの柱として今登場しようとしているのですね。そのことを我々は捉えて、一緒になって闘い抜いていく必要がある。

 その上で、三里塚現地における農地死守の闘い。これは、先ほど来から言われているように、市東さんの農地を今、直接的に取り上げて、そして空港の中に閉じ込めて、闘いを放棄させ、そっから追い出そうというような攻撃です。しかし、本人は意気軒高と闘い抜いていくと、平常心にのっとって誰が来ようと自分はここから出ていかないと。そのことの強さですよね。そのことが、反原発であり、反戦であり、労働者に対する鼓舞激励であると思います。このことの積み重ねが、三里塚の46年の積み重ねが、今日、まだまだ中途半端な空港でしかない、空港の無様な姿を強制しているわけですね。

 どちらがヘゲモニーをとっているかと言ったら、その意味で我々の方がとっているんですよ。このことを誇りにもって闘い抜けば勝てるんですよ。

 11830 その上で、もっともっとはっきりさせるには、一つには裁判闘争(右写真は、11.8.30市東さんの行政訴訟・農地法裁判で)です。その重要性。いくつもある裁判を、もっともっとみんなの力を発揮していただきたい。本部裁判があのような形で物証をなくして、最高裁で負ける判決はもう見えています。しかし、本部は潰されたって、本部は物理的に失くなたって、我々の心の中に本部はあるし、また闘いの中で建てていけばいいわけです。みんなの力によって作っていけばいいわけですから。そういう闘いをすでに鉄塔取り壊しに対してもやってきたわけですよ。ですから我々は崩れません。それをもっともっと炎を燃やす糧として闘い抜きます。

 その裁判闘争を通じながら、裁判所をもう一度大きな人民の渦、400名を結集して包囲して、反動判決を出させない、出すにしたって中途半端な、あるいは簡単には出せない、そういう状況を作ってやっていく。原発にしたって裁判所が果たした役割は大きいです。責任をとってもらわなければしょうがない。行政との問題、今非常に大きな問題になっていますけれども、そういう闘いの頂点として、今、千葉地裁、あるいは三里塚裁判というのがあるのです。そういう闘いを見せつけていく。そして反動判決を出させないような闘いを作っていく。

 11109_2 内容的には弁護団が頑張り、傍聴団が頑張り、「被告」と言われる人たちが頑張りぬいてやっていく。それと同時にそれを支える輪が必要なのです。これが「市東さんを守る会」であるし、あるいは現闘本部裁判を支える運動がありましたけれども、これを発展的に、現闘本部という名前は使いませんけれども、今後の三里塚裁判を支援する運動として、継続的に発展的に行います。新たな裁判として市道廃道の問題、あるいは第3誘導路建設に対する取消の訴訟にも入っています。裁判だけで大変な労力と仕組みが必要です。ですからそういうものを作っていく。その資金援助だとか、あるいは傍聴だとか、また裁判に関心を寄せるとか、これは誰にでも出来ることなんですよ。ですから民衆の中に飛び込んでいって、それを理解してもらって、目を向けさせ、その上で現地に結集させていく。そういう闘いが出来るものとしてあるんです。

 ですから自分たちは、裁判闘争も実力闘争だ、実力を持って裁判も闘い抜く。その力を現地に返して、現地の闘いとして一体として闘い抜いていく。そういうものとして裁判闘争を構えていきたい。それが市東さんを支える大きな要素です。

 そして沖縄、福島を闘う勢力。先日の明治公園の6万。そういう意味での大きなうねりです。1万と言いません。6千と言いません。一部でいいですよ。600でもいいです。あるいは60でもいいです。まず60をその中から獲得したらね、その3倍になるのは目に見えているんですよ。今こそ、そういう人民の渦の中に入り込んでいく活動が一番大切なんじゃないのか。

11623  いろいろあります。意見の違いもあります。それを乗り越えると言うんじゃなくって、納得させ、我々の中に引きずり込む、それが闘いなんですよ。それができないで、「もうだめなんだ」と最初から門戸を閉じていく、そういう時代じゃないでしょう。大きく目を見開いて、確かに6万大衆の中で、その指導部はダメかもしれません。しかし、その下にいる多くの「これからどうしようか」という労働者に対して「こういう風に闘うんだ」、「こういう風にやれば勝てるんだ」、「こういう風にやれば自分たちの将来に展望が出るんだ」ということを指し示すのがこの部隊でしょう。そういうことを先ず確認した上で、その人たちも含めて獲得する作業が必要なんですよ(右上写真は、6・23沖縄国際反戦集会でデモをする反対同盟)。

 そういうことを三里塚闘争の中で、裁判闘争を通じながら、「市東さんを守る会」に入っていただく。「市東さんを守る会」に入る中から、今日も多くの方がこの現地に馳せ参じ、本部闘争のときにも決起してくる、そういう構図が生まれてきているわけです。我々はそれを、逆に言えば「やる側が信じきれるかどうか」、そして「できるだろうか」と不安を持っていたんじゃできません。自分たちが確信をもってそれを信じるかどうかにかかっていると思うんです。それは三里塚の闘いがそこまでずっと追求してきた問題なんです。今こそ、そういう問題をやり抜いていこうじゃありませんか。

 そういう中で、現地闘争を展開するにあたって、将棋じゃないんですが、「駒」が必要なんですよ。「駒」を作るには、くどいようだけれど地道な、あるいは大胆な、あるいは戦闘的なそういう闘いが必要だということを確認した上で、何度も言いますけれども、労働者階級の戦闘的な闘いを、我々農民は待っているわけじゃないですから、作り上げていく。このことは、三里塚闘争の中で、戦闘的労働運動も実証されているわけですね。そういう意味で、三里塚の中に労働運動を持ち込んで、労働運動の闘いを確立していただきたい。そして戦闘的労働運動を大きくは再生させていきたいというふうに思います。

 11623_2 そういう意味で、沖縄も、福島も、三里塚も、今までは汗水たらして、あるいは涙を流してやってきました。しかし、これからは闘いの喜びを共有しながら、そして今持っている怒りを本当に闘いに転化して、お互い、文字通り団結して共有しながら闘い抜いていきたい(左写真は、6・23沖縄国際反戦集会で壇上に並ぶ反対同盟)。

 このあと、沖縄と福島から発言がありますけれども、我々は、それに対してほんの小さな種ですけれども、この一年の中で蒔いてきました。それを大きく、大きく育てていきたいと思います。そのためにも、全国の農民に対しても、大きな旗を、同盟旗を振って、「三里塚都一緒に闘おう」という檄を発し、「闘えば勝てるんだ」ということを発信していきたいと思います。

 そういう意味で、長く、くどくどと言いましたけれども、本日をもって、原発再稼働などとんでもない、廃炉にするということをもって、大きな新聞だけれども「核抑止力のためには原発は必要なんだ」などという社説を載せた新聞もありますけれども、核そのものは安全といった問題だけじゃなくって文字通り戦争につながるものであるということを、そういう中で知らしめて、原発反対運動、なくしていく運動を。ほんとに今度こそ勝たなければならないわけですから。

 そのためには、単独でやるんじゃなくって、労働者と、農民と、漁民も含め大きな波の渦を作って闘い抜いていくというふうにしたいと思います。その先頭に反対同盟は立って、大きな旗振りをしたいと思いますので、今後とも力をいただき現地における闘いの陣形の構築をお願いして基調の報告に代えたいと思います。 

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