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2011年10月19日 (水)

市東さんの行政訴訟・農地法裁判を傍聴して

 昨日、千葉地裁で市東さんの農地をめぐる行政訴訟・農地法裁判の口頭弁論が、初めて併合して審理が行われました。

 多見谷裁判長は、やりとりの中で「はじめから(証人採用が)萩原さん、市東さんだけになるとは言ってませんよ」と弁解をするものの、「市東さんは4月になると忙しいでしょうから」などと、早期結審への自らの思いを端々ににじませながら審理を進めようとしました。

111018  しかし、弁護団のやんわりと裁判長に迫る闘いと傍聴席からの激しい怒りの声は、そうした多見谷裁判長の意図をはね返し、8月30日の口頭弁論の闘いに続いて、この日も明らかに押し返し、追い詰めました。それは次回12月6日以降(来年)の日程を決めさせなかったことに象徴されています。市東さんは報告会の挨拶の中で、「みなさんと弁護士さんの力で、向こうが出し切れない、出せば向こうの悪が露見するという形で、まだまだ突っついて行くことがたくさんあります。これからも頑張ります」と語られて、こうした状況を確信をもって明らかにされました。

 前回、弁護団が出した準備書面28~30に対して、千葉県側は膨大な、しかし木で鼻をくくったような認否を出してきたが、空港会社(NAA)側は、裁判所から9月30日までに出すようにと言われながら、今日も出すことができないでいることが明らかにされました(葉山弁護士)。しかし、その千葉県も、書いた筈の代理人が準備書面に書いたことを「わかんない」というデタラメさだ(遠藤弁護士)。

 前回明らかにされた南台の農地「41-8」が空港敷地をはみ出していることについて、分筆されていない以上、千葉県知事の許可がない用地取得全体が無効になることは明らかで、NAAが応答できない、認否を出せないでいる原因となっていることが明らかにされました(葉山弁護士)。

 また、天神峰の岩澤から借りた土地は1970年の収用対象に挙げられているが、南台の土地は対象とされておらず、1987年4月に、初めて収用対象に追加されることが行われた。法律論からこうした収用対象を後で追加することが可能なのか問題があるということと、なぜか千葉県収用委員会に、この1987年の追加した書類が残っていないということが千葉県側の認否の中で明らかになっているが、これは何か収用委員会にとってまずいことがあるということを示しているのではないか。空港公団、空港会社は相当ずさんなことをやってきていることを示している。空港建設そのもののデタラメさと市東さんの土地に対するデタラメさが暴かれてきている。空港会社の人間の人証調べを何としても実現したい(一瀬弁護士)。

 本来権利に関わる行政処分を行う以上「立証責任」は行政機関の側にあるにもかかわらず、多くの裁判の中でこの原則がいい加減にされ、行政はいい加減なものを出しても大丈夫という裁判所との関係を作ってきている。本件の証人採用問題は、こうした問題を背景としたこの裁判の本質が露になるとして12月6日の法廷の重要性が明らかにされました(大口弁護士)。

 証人は、空港会社の用地取得の責任者などを新たに加え、23人と本人の市東さんで、24人が申請されていることが明らかにされました。111018_2 北原事務局長が質疑の中で発言を求め、藤﨑政吉の証人尋問を絶対に実現しなければならない、弁護団は頑張って欲しいと激励されました。

 まとめの挨拶で、北原鉱治事務局長は、「傍聴人も関係人なんだ。自分も当事者だという気持ちで頑張って欲しい」と檄を飛ばされました。

 多見谷裁判長の空港会社側にベッタリと寄り添い、早期結審、判決を虎視眈々と狙うそのあり方を全力で粉砕しなければなりません。12月6日の次回口頭弁論はこの勝ち取られている地平を守り抜き、市東さんの農地を守る決定的に重要な戦場となっています。立証過程を破壊しようとする多見谷裁判長の企みを許さず、証人採用を全面的に勝ち取るために、次回口頭弁論に全力で決起しよう。

 この日、関西からT先生が初めて参加してくださいました。二人で、千葉での後、経産省前で座り込んでいるテントを激励訪問して帰途につきました。

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