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2011年9月 6日 (火)

「憲法の改悪に反対する元教職員ひょうごネット」ニュースより

8・6ヒロシマの日の早朝、三里塚(成田)で起こったこと

 3・11フクシマの事態の後、多くの人たちがヒロシマ・ナガサキに立ち返ってこの国を変えたいという想いをもって8・6ヒロシマへ参加していた。

 その8月6日、それも漆黒の闇に閉ざされた午前3時。国家権力は、機動隊千人を配置し三里塚闘争45年の象徴ともいうべき「天神峰現地闘争本部」に襲いかかり、8時間を費やして破壊・解体し尽くした。「国策」をかかげ、土地収用法など国家を上げあらん限りの手段を尽くしても、なお45年の経過の中で完成できない成田空港のために。

Photo_2   天神峰現闘本部は、法的に登記され三里塚反対同盟が所有する木造建築があり、反対同盟に厳然と地上権が存在している。この天神峰現闘本部、そして市東孝雄さんが耕作している農地がB滑走路(つぎはぎだらけ、いまだに「暫定滑走路」といわれている)完成を阻止し、「への字」に曲がった誘導路をもたらしている。空港会社NAAと国家権力は、何とかこれを取り上げようと「木造建築は存在せず不法に建築された鉄筋の建物だけだ」と撤去を求め裁判を起こしていた。

 昨年2月千葉地裁判決、今年5月20日の東京高裁判決は、木造建築を確かめる現場検証を拒否し、(NAA側)証人偽証に対する反対尋問を三里塚反対同盟から奪い、木造建築と地上権の存在を抹殺した。この不正義を闇に封じるために、東京高裁は「闘争本部」解体を許可する「仮執行」を判決に付するとともに、抗議する50名もの人々を裁判所内で理由なく逮捕するという暴挙を働いた。

 1186 天神峰現闘本部を「8・6」の夜陰に乗じて襲撃、解体したことは「木造建築の存在」(反対同盟に地上権あり)を抹殺するという不正義を暴かれることを恐れた、権力側の証拠隠滅以外の何ものでもない。国家権力は、この襲撃を「成田闘争の終焉」として演じるためにマスコミを午前3時に集めた。しかし、そのマスコミの誰一人、フェンスの中に入れ現場を見せなかった。多少なりとも「証拠隠滅」が映像や記事にされることを恐れたからだ。それも、直前に現地を「取材」したマスコミに、6日と知れることを恐れ「8日だろう?」とデマまで流させるという念の入れようである。

 裁判所が、「成田空港完成」の国家遺志を支えるために、地上権という憲法で保障された権利を抹殺し、その証拠隠滅を図るために千葉地裁に「収去命令」決定という形で踏み込ませたのは、いかなる事態というべきか。法の正義を守るべき裁判所が、自らの不法、不正義を証拠隠滅(証拠捏造もするが)で維持しようとするとは。しかも、その命令が出てから1ヶ月以上待ち、「8・6ヒロシマ」のその日の未明に照準を据え、夜陰に乗じて強行したのである。

 そこには「法の正義も、民主主義も」存在しない。国家権力の統治能力が崩壊していることを、国家権力自らが明示しているとしか言いようがない。

 沖縄で、9割を超える県民が新基地建設に反対し、普天間の県外移設を求めていることが、これほど明らかになりながら、政府は「日米合意」を再確認し、辺野古への新基地建設と高江へのヘリパッド建設を、なおも進めようとする。ここにも、それが如実に示されている。

 フクシマの事態がなに一つ解明されず、被災者にとって将来への展望が何一つ見えてこない中、玄海原発の再開にむけ「安全性は政府が保証する」という海江田の暴言もまた、同様であろう。

 三里塚闘争は45年が経緯する中で、確かにひとにぎりの農民の闘いとなっている。しかし、それでもなお、千人の機動隊を差し向けて天神峰現闘本部の解体、証拠隠滅という手段を取らざるを得ないのだ。それも8・6に合わせて。この国を、わたしたち民衆の力で変えなければならない。沖縄しかり。福島もしかり。福島、沖縄、三里塚をつらぬく闘いが、いま求められている。 

 「耕す者に権利あり」(市東孝雄さん)である。

      ―― 新空港反対東灘区住民の会事務局長 松原康彦

『憲法の改悪に反対する元教職員ひょうごネットワーク』ニュース 第27号(2011年8月30日号)より転載

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