3・11ですべてが変わった 萩原進さん(その3)
産直野菜と放射能
そういう中で、話しが飛びますけれども、関西の方にも我々の生活基盤である産直という形で野菜を送っています。それで、みなさんに放射能の心配をかけておりますけれども、我々が望んで放射能を持ってきたわけではないし、その原因を作ったのは国であるし、県であるし、自治体なんですよ。 だから一刻も早く検査しろという形で成田市を追求してきたんだけれども、成田市は頑としてやらないですね。「これは県や国がやることであって、成田市には手に負えない」と全部放棄しているわけですよ。で、「個々にやったんでは混乱を起こす」という形で今まで一度も調査をしないですね。
で、国の方針で「県がやりなさい」という形で県がいろんな調査をピックアップして、そこから各自治体におろして、そういう形でいろんな品目を月に2、3度ずつ調査するようにはなりました。それをニュースとしてはお伝えしておりますけれども。
ただ成田の場合は、そこに空港というのがあるんですよ。いわゆる夏の乗降客というか、それも27%減っておりますけれども、その一番のもとは原発なんですね。その前は一気に減って、在日の外国の人たちが。このまえの3月の集会の時には、関西の人たちがビジネスホテルに泊まろうとしたら全部いっぱいで泊まれなかった。それは何かと言ったら、東北の在日の外国の人たちが一斉に帰国ラッシュになっちゃったんですね。成田に全部宿の斡旋があって、それでホテルとかが満杯になっちゃったんですよ。
そういう関係も含めて、そういう意味で全部、東北の外国人は引き上げる態勢になっちゃった。と同時に、「日本は危ない」、まして「成田は危ない」ということで、成田に来る外国人が居なくなった。とりわけ大きなところだった中国の人たちがやっぱり来なくなった。
成田で放射能を浴びるというような作物が出たとなったら、もっともっと輪をかけたように空港にくる人が居なくなっちゃうというところで、そうすると成田市は空港から入る金がなくなっちゃうんで、そういうところで問題を起こしたくないというのが腹の底にあるんですね。
だけどもそうじゃないんだという形で、もうこれ以上(放射能調査を)やらないんだったら、我々はトラックに野菜を積んで成田市の市庁舎の玄関に並べると。そして1トン位の野菜を並べて「調査しろ」ということをやろうとニュースにして、会員に「何時、何日、これをやりますから、そこにたちあってくださいと」という形でまいたんです。それで、どうしようもなくなって彼らは、本来は違うところでやるほうれん草の検査を、「自分(萩原)のところへもってきて、自分のところのほうれん草を検査します」と寸前のところでやらざるを得なくなった。それからずっとやるようになったんですね。
だけど、それまでは千葉県の中でも茨城の方から銚子、そして成田の辺に上がってくるルート、このルートが旭とか、佐原とか、多古町とか、これが全部、ほうれん草が基準以上になって出荷停止になったんですよ。ある一定期間ですが。
だから我々は検査してください、あくまでクロとなれば我々自身でも出しません、いやクロじゃなくって灰色でも出しませんから調査してくれと。「調査してクロになったら農家は困るでしょう」と市が言うわけですよ。ふざけんじゃない。我々は無農薬で、農薬を使わない形でやってきたけれども、それ以上の、言葉では言い尽くせない悪の根源である放射能を浴びたものを食べさせられるのか。人間対人間の関係なんだ。これを行政がそんなことを言う必要はないんだ。だからなんでもいいから調査しろという形で。
調査機関はあるんですよ、民間に。だけどもあえてやらなかった。やるのは行政であるし、県であるし、国だ。責任をもってやるべきだ。我々が代替え的にやっちゃうと、それが「それでいいんだ」ということになっちゃうんですよ。だからあくまでも彼らの責任を追求したい。
で、こんどは安全だったら安全宣言を出してくださいというと、「それはできません」と。これもおかしいんですね。要するに検査して「検出せず」というのがずっと出てるんですよ。これもそうですが。千葉県のやつで20品目くらいあるんですよ。これは9月14日に全部検査したんですよ。だけど、安全宣言出してくださいと言って、千葉県知事がやったのはコメについてだけで、「千葉県のコメは安全ですから食べてください」と、コメだけについて言いましたけれども、他のものについては全然出さないんですよ。
で、「御用学者」は「今食べても体を害しない」というような形で逃げるわけでしょう。そうじゃないだろう。国や県は我々の農産物を出荷停止したんだろう。それをしておいて「安全宣言を出せない」という、こんな卑怯なやりかたないだろう。だったら、我々はあんたらが言う「出荷停止」にだって言うことを聞かない。それを決めるのは我々自身だ。「安全宣言を出せない」と言うんだったら、あくまで「安全宣言」を追求しますからと、もっともっと定点的に放射能を測るのを増やせ、そしてあらゆるところを測れということを今、もっと追求しているのです。
こういうやり方で、もう東電には任せられない、東電から補償を貰えばいいっていう話じゃない。これが福島の声ですよね。そういう意味でみなさんと一緒にこの問題を考えてやって行きたいと思う。
そしたらそういう中で、ある消費者団体が、東北と関東地域(の野菜)を除いた「子どもむけセット」として愛知以西の野菜を集めて「安全セット」として売り出した。これについて自分は怒ったんです。こんなやり方があるのかと。要するに「風評被害」と言ってるけれども、実際にやっているは「風評被害」じゃなくってこういうやり方が、今の政府などのやり方と同じで、この時だけを過ごせばいいんだというやり方なんだと。
放射能の問題、ほんとにいろいろありますけれども、詳しくはニュースの中で出します。そして先程もありましたけれども、我々のイベントの中で、そして集会も含めて福島の人たちに三里塚の現地に来ていただいて、子供たちについては裸足で芋を掘って土をかきわけてもらう。そういうことも追求していきたい。
三里塚闘争そのものが広範な人たちを巻き込んで闘い抜いていきたいという風に思います。10・9現地でお待ちしています。以上です。
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コメント
萩原さんが、放射能のことで、がんばっているということがよくわかった。行政に、どんどん放射能測定を要求する運動をしてきていること、安全宣言を要求してきていること、大切だと思った。こういう行動を起こさなければならないというのも、原発、放射能汚染に原因がある。どうか、反対同盟は、補償要求を掲げて、東電に抗議と要求をしてください。喜んで応援したい。反対同盟も、遠慮せず、堂々と、賠償要求していくべきですよ。産直にも影響出たというではありませんか。
実際、多古町とかのホウレンソウの出荷停止などを耳にしたときには、なんともない口惜しさを感じた。三里塚闘争との関連で、名前は知っていたからだ。
東京都も、大株主だから、責任を取らせなければならない。
その東京都が、放射能瓦礫を、受け入れると発表した。ぜひ、反対したい。どこもこの点、反対を言っていないのが、不思議だ。福島など、被曝汚染地帯の人たちの避難、賠償要求行動は、しっかりと支援していく。しかし、汚染拡大には、絶対反対だ。
この間の三里塚関西集会では、「都市と農村の対立」ということが言われた。しかし、放射能瓦礫の全国への拡大には絶対反対だ。、
投稿: a | 2011年10月 6日 (木) 00時24分