第3誘導路裁判を傍聴して
第3誘導路裁判は殺人的な国策を裁く裁判だ
9月6日、「第3誘導路建設の許可処分の無効確認と空港会社の同工事の中止を求める裁判(第3誘導路裁判)」の第3回口頭弁論が、千葉地裁601号法廷で行われました。
この日も、10時半の開廷10分前には原告(反対同盟)も裁判官らも着席しているのに、ギリギリで被告の国、NAA代理人が着席するという横柄な態度に、傍聴席から「早く来い」との声が飛びました。
最初に原告、被告双方から求釈明のやりとりで応酬、反対同盟の葉山弁護士は「第3誘導路建設の必要性は認められないし、誘導路計画自体がシカゴ条約に違反している。被告は運用面を理由にあげているが、風向きのデーターも隠しているし、建設工程も明示していない。安全を口実に設置した信号機も撤去するなど、整合性がない計画だ」と被告を糾弾し、この誘導路建設が、市東さんを追い出すことのみを最大の狙いにしていることを暴露しました。
この裁判の大きな争点となっている「原告適格性」について、被告らは航空法が周辺住民の権利を対象にしていないとして「法律上の利益はない」と反対同盟の訴えを門前払いする訴訟指揮を画策していますが、反対同盟代理人は、最近の判例を明示して、周辺住民の安全を考慮し国民の利益を守る事例が多くあり、行政訴訟法の改定で原告適格性を広げる国会付帯決議を守れ、と裁判長に強く求めました。
また、環境調査のデーター実績が、52dB~63dBのWECPNL(平均値)のみを公表して、安全が脅かされる市東さん、萩原さんなどのお宅の騒音測定をしていない事実を厳しく指摘、被告の暴虐ぶりがあきらかにされました。
次回口頭弁論が、11月29日、次々回が2月7日に開廷することを決めて閉廷。
「こんな空港はいらない、国策を変更させよう」萩原さんが訴え
裁判終了後の記者会見と報告会は弁護士会館で行われ、 冒頭に萩原進事務局次長から「3・11以降半年が経過したが、国策によって多くの人々が犠牲になり、苦しんでいる。三里塚は最先頭に立って、この誤った国策を糾弾し、変更させる」との決意が述べられました。
続いて弁護団から今日の裁判の解説があり、「工事をさせない、誘導路建設の許可を撤回させるまで闘う。市東さんらの地区の騒音調査もしないで安直に許可を出している。人間扱いしていない。しかし、非常識と思われることを裁判所は通すので油断せずに取り組む」との決意が語られ、記者会見に移りました。
私からは、騒音調査データーのことで「WECPNLの平均値はうるさい実態を表していない、1機ごとのピークレベル値を公開させて欲しい」との要請を弁護団にいたしました。
この裁判所の1階では、待ち時間を利用して鈴木加代子さんら数名の女性が、ある週刊誌記者から取材を受けていました。鈴木さんらは5・20不当逮捕勾留中の人権蹂躙の数々を証言し、三里塚闘争への弾圧の実態を明らかにされました。国家権力の非道なやり方に怒りを込めて「多くの読者に伝えて欲しい」と三里塚の闘いを訴えていました。
今こそ私たちは、三里塚の闘いの決意を我がものにして、裁判を勝利させ、9・18三里塚関西集会の大成功と、10・9三里塚全国闘争の爆発を勝ち取りましょう。
【報告 関実事務局次長 安藤眞一】
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