9月29日 鈴木さんの一坪裁判の傍聴を
明後日、9月29日(木)午前10時半から、鈴木さんの一坪裁判が千葉地裁601号法廷で開かれます(傍聴には、傍聴券の配布がありますので、開廷40分前に裁判所1階ロビーにお集まりください)。
鈴木幸司さんが昨年7月に亡くなられて1年を過ぎました(右写真は、08年3月30日の全国集会でお元気だったころの幸司さん)。この裁判で、亡くなられた鈴木さんを誰が引き継ぐのかが未だに決まりません。明後日の裁判で、仲戸川裁判長(天神峰現闘本部の地裁反動判決を強行した男だ)は、この一坪が「三里塚地区周辺に土地を持つ会」が所有するものであることを認めず、千葉県側が主張する一般の財産相続として扱おうとしています。一坪の土地を取り上げる判決を強行するためです。「土地を持つ会」の所有と認めることは三里塚闘争を認めることになるのです。この問題で一年以上もかかったのは、この決断をズルズルと仲戸川が引き伸ばしてきたからです。
航空需要が落ち込み、千葉県の開発事業が破綻している中で、なぜこの一坪に固執するのかという論議があります。千葉県が、この一坪を取り上げて周辺一帯を造成し、成田空港会社に売って貨物集積基地を作るなど必要ないだろうという論議です。
そうではないのです。すでに当ブログhttp://kanjitsu-sanrizuka.cocolog-nifty.com/blog/2011/09/post-d122.htmlで明らかにしましたが、今、国はアジア、世界から取り残された「ヒト、モノ、カネ」の流れを取り戻そうと成田空港の完成、拡張にその帝国主義としての延命をかけて全力で襲い掛かろうとしています。
それが5・20→8・6の天神峰現闘本部への襲撃であり、昨年の団結街道封鎖に始まる市東さんへの農地強奪の攻撃、第三誘導路建設による市東さん叩き出しの攻撃です。そして「農家だより」が報じていますが、岩山記念館破壊への策動、さらには東峰・横堀の一坪への裁判による強奪攻撃など一連の攻撃の目指しているところです。「2013年、27万回化。2014年、30万回化」はそうしたこと抜きにはあり得ないし、何より「成田・羽田一体化」「羽田国際化」だけではどうにもならない限界があることに追い詰められた成田空港拡張、「ハブ化」への彼らの衝動は、正に「国策」として鈴木さんがもつ一坪をも必要としているのです。
成田の国際貨物が激減し、一時、世界一の取扱量だったのが転落しています。これは成田の狭隘さが、便数が限られていることが引き起こしたことで、成田の地位が落ちたからではないのです。ですから保護主義を軸として進めてきた航空政策を大きく転換し、成田空港の拡張を前提として中国を始めアジア各国との成田空港の自由化に向けた交渉に政府、国交省は必死になっているのです。
そのためには45年間、この現実を強制してきた三里塚闘争と反対同盟の根絶を意図してきているのです。
「国策」を掲げればすべてが正当化されるという帝国主義の政治を私たちはこれ以上許してはなりません。沖縄県民あげての「基地撤去」の闘いもまたそのことを指し示しています。福島への原発事故もまた、「核政策」という日本の「国策」が引き起こしたことであり、何年かかろうとこの誤りを糺し、福島の皆さんと、土地を、暮らしを、農業、漁業を取り戻すまで闘いぬかねばなりません。格差と貧困を強制し、差別を当然とし、排外主義をはびこらせる現在の状況を生み出しているものこそ、この「国策」による政治だと言って過言ではないでしょう。
鈴木さんの一坪裁判は、単に三里塚闘争の中で起こったこととして軽く見られる傾向がありますが、断じてそうではありません。
明後日の法廷に傍聴に駆けつけましょう。
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