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2011年9月 9日 (金)

「神戸市住宅公社 破産を」の記事に思う

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 今朝の朝日新聞の兵庫版に上のような記事が。神戸市の大規模団地の開発など住宅政策を担ってきた「神戸市住宅供給公社」が433億円の借り入れがあり改善される見込みがないから破産手続で精算するのがよろしいと神戸市の第三者委員会が提言したのだというのです。破産させたほうが市民の負担が240億円に納まって「軽く」済むというのです。

 一見もっともらしく見えるのですが・・・。神戸市の「第三者機関」とか「○○審議会」というのが、行政の隠れ蓑でしかないことは多くの市民が知るところです。ですから、これも、神戸市行政が考えていることを「第三者機関」を通してアドバルーンを上げたというのが正確でしょう。

 いかにも「これ以上の市民の負担に拡大させてはならない」と言っているようですが、神戸市は震災前に笹山市長(当時)の肝いりで、六甲山をぶちぬいて巨大なシンフォニーホールを作るという計画を立て、震災のどさくさに放置されてきました。ところが神戸市は、計画をやめるどころか用地の取得などを進めてしまい、10年ほど経って市民が情報公開で知るところとなりました。その損失は200億円以上です。これを市議会で追求された当局は「適正に手続きが行われた」と開き直り、200億円を超える無駄な支出が税金を使って行われたことを市民に謝ろうともしませんでした。

 震災を理由に手がけられた新長田周辺の「復興事業」(震災前から計画されていた再開発事業を「復興」の名ですべりこませたのだ)が、半分しか出来ず、しかも虫食い状態なのですが、全部売れたとしても150億円以上の欠損を出すことが明らかにされながら、神戸市は市民に謝罪しようともしません。

 ワールドカップ開催を理由に市民の反対を無視して強行された地下鉄高松線は、赤字の垂れ流しですでに800億円近い累積赤字を抱えていますが、これも神戸市は謝罪しようともしません。

 関西空港とのアクセスだとして神戸空港で運営が続けられている「海上アクセス」もまた、150億円を超える累積赤字が増え続けており、廃止すべきだという市民の声に耳を傾けようともしていません。

 例を挙げればきりがないほど、神戸市が240億円ぐらいの「市民への負担」を気にするような「柔な」行政でないことは明らかです。

 そもそも、市の行政とは衣食住に関わる市民生活を守ることを最大の任務としています。それは憲法25条が規定する「すべての国民は、健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」に根拠づけられた重要な職務です。その最大の問題が「住」、住居の問題です。ところが神戸市は、これまで国の公営住宅に関わる法律が改悪されたのに便乗して、改良住宅や震災住宅などの助成金の大幅削減を強行し、昨年来、震災復興住宅の借り上げ契約期限を理由に住民を追い出そうとしてきた行政です。

 その神戸市が「433億円」の借入を理由に、住宅政策の根幹とも言える「住宅供給公社」を精算するとは、住宅政策から手を引くという宣言以外の何ものでもありません。市民の生活を顧みないということではないでしょうか。(433億円程度の借金でおたおたする神戸市ではないだろう!神戸空港の2千億円の借金をどうするつもりだと聞いても、「努力しています」と平然としておれるくせに・・・。)

 この記事に繰り返し先ほど指摘した「借り上げ住宅」の問題への言及があります。おまけに最後のまとめに「震災復興に伴う借り上げ住宅事業が年間4億円以上の赤字を計上し、公社の経営を圧迫しているという。」としています。「何をか言わんか」ではないでしょうか。第三者機関の提言では「復興住宅所有者との借り上げ契約については市あるいは市の外郭団体が引き継ぐべき」としているようですが、要するに住宅政策の切り捨ての中で、借り上げ住宅問題の切り捨てを暗に意図しているのではないかと考えざるを得ません。

 神戸市がその「山、海に移る」「神戸市株式会社」といわれてきた大規模開発の破綻のつけを市民への犠牲の転嫁で乗り切ろうとしていることを私たちは断じて許せません。「住宅政策」の切り捨てなど断じて許されません。

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