鈴木さんの一坪裁判を傍聴して
昨日、千葉地裁で鈴木さんの一坪裁判の口頭弁論が開かれました。
すでに一昨日の当ブログで報告していますように、1年前に鈴木幸司さんが亡くなられたことに伴う継承問題で、仲戸川裁判長は、鈴木加代子さんを謙太郎さんと共に権利を受け継ぐことを法廷外で却下決定を強行していました(7月28日)。これは仲戸川が、この一坪が「三里塚地区周辺における土地をもつ会」(以下「組合」とします)所有であることを認めようとせず、一般的な相続扱いですまそうとしているからです。仲戸川は直前の他の一坪裁判で、「全面的価格賠償方式」で強奪を強行する反動判決を行なっています。この裁判でもその適用を狙っている仲戸川にとって、「一般的な相続」がその前提となります。「組合」所有を認めれば、千葉県の買収自体が「違法」となるのです。しかも、その適用には最高裁でも「特段の事情」の存在が求められており、仲戸川の意図するところは、天神峰現闘本部裁判の2・25地裁反動判決と同じ国家意志を背景とした闇雲な土地強奪であることは明らかです。つまり、立証にも入っていないこの訴訟を進める上での前提的な原告、被告双方の主張を確かめるというこの段階で、こうした意図的な裁判所の方針を押し付けることは、被告(「組合」)の裁判を受ける権利そのものを剥奪するものであり断じて許されません。反対同盟と弁護団はこの棄却決定に対し、昨日、即時抗告を行いました。
当然にも、葉山、遠藤、一瀬、長谷川、浅野の5人の反対同盟顧問弁護士たちは、猛然と仲戸川裁判長を糾弾し、却下の意図を説明しろと迫りました。仲戸川は、「双方の考えは書面で見たので、決定を出したが、法廷でやるべきだったという点では謝ります」と開き直り、釈明には「抗告審で論議されるので」と拒否しました。弁護団と傍聴席からの激しい抗議と弾劾の声に完全に行き詰まった仲戸川は、休憩、合議でかわそうとしました。
なんと合議の上で仲戸川は、「現状のまま進める」か「幸司さんといとさんを分離し、いとさんの部分だけ進める」とあくまで進めると主張したのでした。この「分離」という思いつきでしかないデタラメ極まる言辞に法廷の怒りは爆発します。「『抗告審』を理由にするなら最低でも、審理自体を停止しろ」という弁護団の怒りの声と「裁判長をやめろ」などという傍聴席の怒りの声に、顔をひきつらせて仲戸川は退廷命令を出そうとしますが、自らの不正義にそれさえできません。最後は「憲法上の意見書・・・」とか「進行協議をやりませんか」などと何とか審理を進める手立てはないかと姑息にも言を左右していますが、完全に行き詰まり、再度の休廷と合議を弱々しく宣言します。
そしてその上で合議から出てきて、「抗告審の結果が出るまで審理を停止し、次回期日はその結果がでてから」と仲戸川が宣言して閉廷しました。
その仲戸川の姿は、後の打ち合わせの中で長谷川弁護士が指弾したように、「5分あれば出来ることを、50分もかかっている」「未練たらしく、見苦しく、こんなみっともない裁判長は私も初めてだ」というものでした。そこに、とことん国家の意思を代弁しようとする仲戸川の裁判官としてあるまじき反動的な、国家権力の狗でしかない哀れな姿があることを、そしてそこにある成田空港の完成、拡張に追い詰められておし進もうとする「国家意志」「国策」を、私たちは断じて許してはなりません。
打ち合わせの中で、鈴木いとさん(右写真、前回6月9日の口頭弁論で)は「私ら個人のものじゃなく、反対同盟のものですから、体が続く限り頑張ります」とお元気に想いを語られました。
また鈴木謙太郎さん(左写真、前回6月9日の口頭弁論で)は、「弁護団と共闘の力で(分離裁判を)粉砕した。あとは10・9全国集会を全力で今のこの勢いで頑張って成功させたい」と語られました。
最後に萩原進さんがまとめをされ、「仲戸川のプライドをズタズタにした」「ああいう闘いですよね」「高裁における50名逮捕という我々の闘いが今も続いている」「裁判というものも実力闘争だ。それが現地の闘いにつながる」「10・9は今置かれている階級情勢の中で非常に重要だ」「1人でも多く、大爆発をかちとり、また、裁判所を包囲するようなものを作っていきたい」などと語られました。
先日の8月30日の行政訴訟・農地法裁判に引き続いて、この日も、弁護団、傍聴席一体となった闘いによって、仲戸川裁判長と国による集中砲火ともいうべき攻撃の強まりに対して、完全に押し返したのです。正に萩原さんが言われるように「実力闘争」の力でした。
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