天神峰現闘本部を守ろう! 7・18緊急闘争
昨日、7月18日、三里塚現地で、天神峰現闘本部への解体攻撃の強制執行を許さない緊急闘争が、250人の結集で闘い抜かれました。 会場になったのは、昨年の6・27「緊急大結集闘争」が闘われたのと同じ市東さんのお宅の近くで、空港に接した空港用地内の萩原さんの畑。踏み固めていないところは足が吸い込まれるように入っていく柔らかい細かい土が暑さでサラサラに乾いています。萩原さんがその発言(基調報告)の中で、「畑が固まるのを、腹の底では泣きたいんだけれど」と思わず語られましたが、ほんとに準備するだけでも大変です。(写真は、すべてクリックしていただければ拡大して見れます。)
タクシーで山本先生などと駆けつけた私たちは、集会の開始時間を気にしながら、まず市東さんの家の前にある監視台に上がって、現闘本部の様子を見ました。すでに同盟ブログにも紹介されていますが、6月5日の現地調査の時にはなかった本部の左手に新たな盛土があり、その上には監視台にするためか手すりが添えられています。第3誘導路の工事現場も含め、久しぶりに見られた山本先生は、その様子の変わりように驚かれていました。
さて集会は、萩原富夫さんの司会で「今日は、現闘本部への強制執行を迎え撃つ現地緊急闘争として」と始められました。富夫さんは冒頭沖縄の高江で座り込み、バリケードで重機搬入阻止の闘いが今連日闘われていることを紹介し、「沖縄、福島、三里塚をつなぐ闘いとして」とこの日の闘いを位置づけられました。
主催者の反対同盟を代表して北原鉱治事務局長からの挨拶です。 北原さんは、これまでの三里塚に関わる裁判が先日の5・20東京高裁判決をはじめ不公正、一方的な判決で「裁判はどこに行ったのか」と糾弾されました。その上で「5・20判決は、判決なんてものじゃない」「三権分立はどこに行ったのだ」と指弾。「三里塚の闘いは続く。まだ戦いの場は、点々とある」「この世の中を根本から変えなければ、若い人や幼い人の将来はどうなるのだ。三里塚は闘い続けます」と訴えられました。
続いて市東孝雄さんが登壇。「昨年は自分と富夫さんが逮捕され奪還されて、この場所で集会をした」「5・20大弾圧で入るのが久しぶりの人も含め全員が元気よく出てこれた」 「現闘本部をとっても、自分が耕作している畑を取らなければ一緒で、何も変わらない」「自分は農民です。空港会社の不法、不当なやり方を絶対に許すことはできない。耕す者に権利ありです」「現闘本部をやったら、今度はうちの畑です。体を張って闘います。みなさんよろしく」と決意をみなぎらせて挨拶をされました。この市東さんの言葉と想いに今日の闘いが凝縮しているように思われました。
続いて萩原進事務局次長から基調提起です(明日のブログに全文を掲載いたします)。 まず冒頭、市東さんが語られた決意の重要性を確認されました。そして福島の農民、酪農家の皆さんの想いと怒りをどう受け止め、どう闘っていくかだと訴えられました。 東電、歴代の政権にほんとに責任を取らせなくてはならないと。そして第2の国家権力と化した裁判所が、この原発の事態を生み、三里塚で犯罪を犯し続けていると。それが5・20反動判決を生み、今また農地法で市東さんの農地を取り上げようとしていると。そういうことをはっきりさせていくことがこれからの闘いだと。5・20、そういう攻撃に対しては、制約をとっぱらってあらゆる方法で闘い抜いて行く。福島の闘い、沖縄の闘い、昨日の関西生コンの闘いをはじめとした労働者の闘いの中で、切羽詰って、追い詰められた国家権力の攻撃の姿であり、それを見極めて闘い抜けば、勝利の大道は必ず実現できると。「我々がどう構えるかで決まる」と。そして緊急態勢の構築と宣伝扇動の重要性を訴えた上で、この間、7・6反対同盟の戦闘宣言に応えて100に上る弾劾声明が各地から寄せられたことを報告された。
続いて、反対同盟弁護団を代表して葉山岳夫弁護士から。葉山弁護士は、5・20弾圧で全員不起訴を勝ち取ったことは、「恐るべき勝利だ」と。そして7・4千葉地裁藤山裁判長の「収去命令決定」の不当性、デタラメさを暴露されその違法性を弾劾されました。
住民団体の発言に移り、まず動労千葉の滝口誠さんが登壇。滝口さんは、現闘本部は我々の体の一部だとそれを防衛する闘いと市東さんの農地を守る闘いの重要性を確認されました。そして3・11以降、三里塚、国鉄をはじめすべての戦線で決戦情勢に入ったと。すべての農民、漁民、怒れる労働者、大衆との闘うほんとの合流、総反撃を闘い取ろうと。
さあ、関西実行委員会の山本善偉世話人と安藤眞一事務局次長の登壇です。
山本さんは「腹の中は煮えくり返っている」と冒頭思いを語られ、5・20、90歳で初めて手錠をかけられ不当逮捕された経験を語られ、「私を若返らせてくれた」と闘い抜いた勝利感を語られました。あまり激しく怒りを語るために、思わず入れ歯が飛び出しそうに。(久しぶりです。)そして6月22、23日の反対同盟とともに沖縄を訪れた感動を語られました。そして福島原発事故にふれ、沖縄、福島と三里塚が結びつく時が来たと。
安藤さんは、「1970年に永井さんと一緒に現闘本部に泊まった」と本部への「闘いの原点だ」という熱い思いを語られました。そして、9月18日、反対同盟と共に関西で三里塚集会を開催して闘い抜くと。
つづいて、市東さんの農地取り上げに反対する会のみなさんが登壇されました。まず事務局の山口千春さんから「現闘本部を取り上げようという攻撃は市東さんの農地を取り上げるのと2つにして1つの攻撃だ」と、会として初めて「弾劾声明」を出した根拠を明らかにされました。
続いて農民の小川浩さんが。小川さんは、「現闘本部の破壊は、三里塚闘争の破壊を目論んだものだ」と弾劾し、その上で、福島の農民が農業をしたくてもできない、農民、漁民、労働者が生きられない福島の状況は誰の責任なのかはっきりさせなければならないと。三里塚の闘いが、福島、沖縄の闘いと直結し、我々農民が生き抜いていく闘いとして断固たたかいぬいて行きたいと語られました。
このあと、カンパアピールが婦人行動隊の宮本麻子さんから行われ、現地支援連として4党派からの決意表明が行われました。
最後に鈴木謙太郎さんが、まとめの挨拶と「団結頑張ろう」を行なって、さあデモに出発です。反対同盟を先頭に、猛暑のなか、市東さんの南台の畑、そして天神峰現闘本部に向けて。
解散地点の現闘本部の前のフェンスには、カメラやビデオをもった権力が鈴なりになり、空港会社のガードマンとおぼしき人間がハンドマイクを持って、蚊のなくような声で「ここは空港会社所有地です。退去してください」と。反対同盟の宣伝カーから北原事務局長が「成田警察署長に告ぐ。ここはデモの解散地点です。フェンスの上の機動隊を下がらせないさい」と大音響で弾劾。シュプレヒコールを上げて解散しました。
帰途につく車のところへ着いた頃に台風の影響か、ポツリポツリと雨が。よかった、よかった。
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コメント
集会の緊迫感が伝わってきます。
現闘本部の撤去は、次に市東さんの畑を強奪するぞ、という脅し。でも、市東さんは、絶対渡さないと強い決意を持って、ずっと農作業を続けておられます。困難なことがいっぱいあるでしょうに。
今回は気力が希薄になってて、行くのを控えました。
私にできることは些細なことですけど、絶対裏切りません。
投稿: でっかい | 2011年7月20日 (水) 00時16分