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2011年7月12日 (火)

7・18三里塚緊急闘争に起とう

7月7日発行の関西実行委員会の「実行委ニュース第135号」巻頭文(関実事務局)を転載します。

7・4千葉地裁による現闘本部の収去命令決定を弾劾する

7・18三里塚緊急闘争に決起し、天神峰現闘本部破壊を阻止しよう!

 千葉地裁藤山裁判長が、7月4日、天神峰現闘本部に対し、収去命令決定を行なったことに対し、満腔の怒りを込め弾劾する!

暗黒の国策裁判を許すな

 5月20日、東京高裁井上裁判長は、天神峰現闘本部の解体・撤去を認めた仮執行宣言を付けた反動判決を強行しました。

 それは1審の仲戸川判決を引継ぎ、争点の核心である現場検証を拒否するばかりか、1審の偽証などに対する被告・反対同盟の弁護権、反論の権利を無視した裁判の体をすらなしていない反動判決です。11520 その唯一の根拠は、破綻した航空政策を取り繕い、市東さんたたき出しと三里塚闘争の解体に活路を見出そうとする政府、国交省の成田空港完成、拡張に向けた国家意志です。即ち、暗黒の国策裁判以外の何ものでもありません。 (右写真は、5・20裁判を前に本部判決強行を弾劾する反対同盟のデモ)

 しかも自らの犯した罪に怯える井上裁判長は、仮執行の停止を求めた弁護団の当然の申し立てに対し、会おうともしませんでした。申し立ての結果を待っていた反対同盟を先頭とした60数名は、裁判所16階にある井上裁判長が属する東京高裁第15民事部の前に行きました。なんと、弁護団に会わないだけでなく、裁判所の職員やガードマンがスクラムを組んで阻んでいるではありませんか。

 私たちは、「裁判長、弁護団と会え」と求めて、そこに待機しました。1時間ばかりの経過の後、突然機動隊が「全員逮捕」と叫びながら襲いかかってきました。控え室におられた北原鉱治事務局長や90歳になられる山本善偉関実世話人をはじめ、50名を逮捕するという暴挙を行いました。

 そしてこの弾圧を背景に、井上裁判長は申し立ての却下を強行するという二重の犯罪に手を染めたのです。本当に許せません。

 反対同盟の8名や山本さんをはじめ12名は、22日夜になり釈放されましたが、残る38名は23日間の拘留を強制されました。11529 しかし、誰一人起訴されることなく、全員の完全黙秘の闘いと、反対同盟を先頭にした5・29緊急闘争(左写真)をはじめとした闘いによって6月10日、全員が奪還されました。

 しかし、空港会社NAAは6月9日、千葉地裁に対して執行官による本部の解体・撤去を求めた「建物等収去命令申立書」を提出し、千葉地裁はそれを受けて、反対同盟に当事者としての意見を文書で求めるという手続き「審尋」を6月28日に強行しました。そして冒頭述べたように、7月4日、藤山裁判長は、天神峰現闘本部の収去命令を決定するという暴挙に手を付けました。

この攻撃を正面から見据えよう

 今、三里塚闘争は重大な局面を迎えています。

 現在は成田治安法によって封鎖されているとはいえ、天神峰現闘本部は、三里塚反対同盟にとって45年にわたる三里塚闘争の象徴として常に存在し、現実にも「へ」の字誘導路を強制している闘争の拠点です。091011 その解体・撤去は、現闘本部裁判の証拠隠滅とともに、市東さんの営農を孤立させ、三里塚闘争の解体・根絶を図ろうとするものです。それが国家権力、NAAの追い詰められているが故の展望のない正面突破の攻撃であるという、敵の強暴性をいささかなりとも見誤ってはなりません。 (右写真は、2011年10月11日、現闘本部前をデモする関西実行委。)

 今、なぜ市東さんへの農地法による農地取り上げの攻撃と一体のものとして、天神峰現闘本部への攻撃が行われようとするのかということです。

 アジア、世界の航空業界の流れの中で「アジアのハブ空港」と期待された成田空港の行き詰まりと、関西空港、中部空港の破綻という形で突き出された日本の航空政策は、無残な現実にあります。自公政権下でのアジアゲートウェイ構想や、民主党政権下での新成長戦略といかに打ち出そうと、「羽田・成田の一体運用」といかに叫ぼうと、極度に進む東京一極集中と首都圏空港の狭隘という現実は、羽田空港の拡張がこれ以上は無理であり、第3空港の展望もない中で、成田空港の完成と拡張にしか道を見いだせないところに追い込まれています。帝国主義として「ヒト・モノ・カネ」の流れを自らの力で引き寄せることができない危機的状況が、彼らの喉元に突きつけられています。市東さんへのこの数年にわたる農地取り上げ攻撃と、現下の天神峰現闘本部解体攻撃への強暴極まる攻撃の正体が、ここにあることを私たちは見据え切らねばなりません。

  言い換えれば、三里塚闘争の45年が、日本の国家権力を、その国策をここまで追い詰めたと言えるのではないでしょうか。まさに「反戦の砦」と言われてきた真骨頂が、ここに示されています。

 11623_2 今、福島原発の事故は、展望の見えない苦難を多くの人々に強制しています。私たちは、その人々と共に生きていく道筋を何としても作り上げなければなりません。同時に巨大な独占、電力会社によって作られてきた原子力発電という国策が、崩壊の淵にあることも(もちろん私たちの闘い如何ですが)明らかとなっています。

 そして、巨大な米軍基地の存在と日米安保体制という国策が、沖縄県民の66年にわたる差別を食い破った闘いによって、前にも後ろにも行きえない深刻な破産状況にあります。 (左上写真は、6月23日、沖縄慰霊の日の「第28回国際反戦沖縄集会」に参加してデモをする三里塚反対同盟。)

沖縄・福島・三里塚とともに

 天神峰現闘本部の解体・撤去の攻撃は、第3誘導路建設、そして市東さんの農地強奪の攻撃と一体のものとして開始されています。Photo 国策を掲げたこの攻撃がいかに理不尽な、人民の生活と相容れないものであるかを、今こそ広範な人々に訴え、巨大な人民のうねりをもう一度北総の大地に蘇らせることが必要です。それは、農業を破壊し、農民のみならず多くの労働者・市民、中小零細の事業者を途端の苦しみに追いやるものでしかないTPP(環太平洋経済連携協定)を推し進める現在の政権を追い詰め、「日本農民の名において」打ち出される巨大な火柱となるでしょう。 (右写真は、福島菊次郎さんの「戦場からの報告 1977年刊」より転載)

 今、まったく展望の見えない福島原発事故によって、放射能の恐ろしさ、人間が原子力を作ることはできてもそれを制御も処理もできないことが明らかになり、巨大なうねりが始まろうとしています。

 そして、「基地が無くてもやっていける」という沖縄のみなさんの確信は、予断は許れさないとはいえ、保守の人をも含めかって日本で経験したことのない島ぐるみの闘いを生み出し前進を開始しています。ヤマトによる66年、いや130年にわたる差別をも乗り越え、日米安保に抗して共に手を携えて立とうと呼びかけておられます。

 今こそ、沖縄、福島、三里塚を切り結んで、巨大なうねりを生みだそうではありませんか。

 その第1歩として、天神峰現闘本部の破壊を阻止し、反対同盟と共に死守しようではありませんか。7・18緊急闘争に全力で結集しよう。

         (三里塚決戦勝利関西実行委員会 事務局)

 

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