7・18緊急闘争 萩原進さんの基調提起
ほんとに目覚しい情勢の中で、 いろいろ立て込んだスケジュール、そういう中で今日集まっていただいてありがとうございます。
まあ、畑が固まるのは、腹のそこでは泣きたいんだけれども、これも闘いの一つだという風に思いながら、むしろ土地を武器に闘えるんだと。機動隊宿舎がここに建ったんだけれども(右下写真 【注】)、こんなのはいずれ我々が占拠するぞという、そういう立場に立ってやっていきたい。
状況的に、北原さんの方からも、市東さんの方からも出ましたけれども、本部を盗ることを持って我々を押し込めていくと、もっと言えば市東さんに対する重圧を大きくかけてくる。それに対して、市東さんがはっきり言いましたけれども、本部を盗られちゃっても自分は自分の土地で闘えるんだと、あるいは闘うんだと、このことの重要性なんですね。ここで今、市東さんがそういう形で明らかに宣言するということが大きな位置を占めているという風に思います。
【注】 萩原さんのすぐ横に「マンションのような」と萩原さんが評していた機動隊宿舎。その手前のフェンスが排水が考えられていないため、昨年の秋の大雨で、手前の萩原さんの畑の人参が水に浸され壊滅的な被害を受けました。
その上で、また福島で牛肉の問題が出ましたけれども、さすがに今度は「農家が悪い」というような声は少なくなってきている。今までの野菜とか風評被害の中ではそういう声もまかり通ってきたんですが。生産者は、純粋な意味でインタビューに答えているんですけれども、「自分の子供に放射能を食べさせる親がいるか」と、「牛は自分の子供なんだ」と、「その牛に放射能を食べさせる親がいるだろうか」と。 何10頭、何100頭いる牛に名前を付けて、1頭、1頭識別できる、そういう飼い方してるんですよ。そういう人たちが、ほんとに知らなかったとはいえ、食べる人たちに送ったということについて、ほんとに真摯に結果的にそれを消費者に送ったということについて謝りたいといっているわけですからね。(左写真は、4月27日、福島県本宮市の酪農家Sさん宅を萩原さんが訪れた時のもの)
これを我々はどう受け止めるのか。藁に滲み込んでいる、あるいは牧草に滲み込んでいる放射能を農家は判らないわけですよ。だけども、そういう中で検出されたということに対して真摯に受け止めて、これからどうするのかということがあるわけです。ほんとにそういう人たちは、悲しみを通り越して怒りに満ちているわけですね。怒りに満ちてるんだけれども、これをどうしたらいいかというところに問題があるんです。そこにこうするべきなんだという、あるいは上からの言い方じゃなくってね、文字通り同じ立場で、同じ闘いの仕方として持ち込んでいく、あるいは並んでいくというやり方が、今ほんとに求められてるわけですよ。
その農家が、あるいは農民は素手で放射能に汚染された藁を掴んでるんですよ。それを牛に与えて、それを日常的にやってるんですね。われわれも、この土地に、今立っているこの土地にどれくらい放射能があるかわからない。しかし、これを素手で作物を土をいじってね作ってるわけでしょう。洗ったって、どのくらいかわかんない。だけども、そういう形で東電をはじめ、それを容認した今までの歴代の政府や、あるいは経済団体が、今のこの状況を作ってるわけですね。
我々はそれに対してほんとに責任をとらせなくちゃあならないということが、今あるんじゃないのか。そのことの重要性を考えていただきたい。
じゃあその責任をどうするのかということはありますけれども、やっぱり、今までの考え方を変えるべきだ。先程から出てますけれども、もう裁判所は第2の国家権力になってんですよ。裁判所が原子力を推進したわけでしょ。あるいは門戸を開いたわけですよ。あらゆる産業の中で国家的事業であるという国家のための働きをしてきたわけですよ。こういう形で、三里塚の地においても、数々の裁判が、三里塚裁判が、ほんとに内容的に、法律的に完全に勝利している裁判であってもね、国家のそういう意思のままに行われている裁判としてなされているわけですよ。その現れが本部の撤去の裁判の判例であるし、市東さんの裁判について農民を守るべき農地法を適用して農地を取り上げ、それを潰すなんてね、誰が考えたってとんでもない話しですよ。(左写真は、市東さんの南台の畑から見た天神峰現闘本部)
こういうことを言うこと自体が許せない。「自己責任を取らなくていい」というようなそんな人間は絶対にいないんですから。だから、いかなる法律であろうとそんなものはとっぱらわなくてはダメだ。地位を握って、知らん顔をして口をぬぐってればいいという、そういう存在など許すことはできない。それをはっきりさせていくという闘いがこれから必要になってくる。
だから、本部裁判にしたって、彼らがそれを手にかけると言うんだったら、あらゆる手段を通して、あらゆる手法を通して我々は闘いを挑んでいく。そして、そこには制約をもうけない。そういう闘いを求めていかざるを得ないだろう。そういう中で、先ほど来出ていますけれども、福島においては原発を頂点にしながら怒りを渦巻いて、そういう中から三里塚のような闘いをほんとに待ち望んでいるという、そういう状況を我々としてはわかっている。やることは一杯ある。そういう中での本部闘争です。我々がほんとにここで炎を燃え上がらせれば、その炎は絶対に消えることなく彼らのもとに到達します。そのことを確信しよう。
沖縄からも今日、メッセージが届きました。(右写真 6月23日、沖縄で。反対同盟ブログより)高江においてヘリパットの問題、これは7月の5日かな、500名集めて、こういう集会を開いて座り込みをやり、搬入に対して車を並べて夜中中のパトロールをやり抜いて、彼らの攻撃を打ち砕いている。そういう闘いの真っ最中で、三里塚もこういう形で一緒になって闘い抜いている。
また労働者の闘いにおいても、関西で、関西生コンの労働者が、1年前の問題をこじつけて逮捕され全員起訴だということに昨日闘っている。そういう状況なわけですよ。
だけれども、余裕をもって攻撃をかけている状況じゃない。切羽詰って、もうどうしようもない状況の中で、もうやらなきゃあしょうがないという攻撃としてあるんだということを、我々が見極めて闘い抜けば、勝利の大道を切り開くことは必ずできる。そうでしょう。本部盗ったってどうなるんだよ。あの問題が解決しますか。大きな意味で三里塚の空港が、このことによって「ハブ空港」としてできますか。そうじゃないでしょう。やっぱり、何といっても、そういう形を作らなきゃあならない。あるいは、そういうことをやって、世間に対して見せなきゃあならないというところまで追い込まれて、40何年の闘いの中で我々はここに立っているわけですよ。
ですから我々がどう構えるのかという形で勝負が決まると思います。今まで、向こうの攻撃なんだということじゃなくて、我々は本部を通して、本部の闘いをいま挑んでいるんだ、我々が挑んでいるんだという闘いを組んでいく。そういう闘い、そういうふうに本部の闘いを挑んでいけば必ず勝利するというふうに思います。
団結街道の封鎖についても、ここでやってその翌日の月曜日にという状況がありましたけれども、これで、休み明けに抜き打ち的にやる可能性はあります。ですからこれから連絡態勢、総決起するための連絡態勢を各党派は、各党派間で練っておいて欲しいし、また市民団体、あるいは個々の人については反対同盟として責任をもってやっていきたい。それと同時に、それが来るのを待っているんじゃなくって、我々は人やあらゆる機会を通じて宣伝戦を撃って出ていく、そういう闘いをやっていきたい。
そのために、各団体、各個人に対して、弾劾声明をお願いしました。普通だったら裁判所、あるいは裁判官に対して抗議声明という形で出すんだけれども、そうじゃなくって、今、現闘本部を潰しに来たら我々はこういうふうに闘いますよという形で、今まで三里塚闘争を闘い抜いた人たち、組織、あるいは団体が、もう一度一堂に会してここで声明を上げていくという形で、100に上る声明が反対同盟に結集しました。我々は心強く思って、闘い抜くことができると思います。そういう中で、宣伝戦についても、あらゆる組織、あらゆる団体、あらゆる個人が、あらゆる内容を含めて、そういう宣伝戦を展開していただきたいという風に訴えたいわけです。
そして何よりも工事というときにはいち早く駆けつけられる態勢を確立していただいて、断固たたかい抜きたいと思います。反対同盟も、この46年にならんとするこの闘いを、現闘本部の闘いを、我々の側の闘いの拠点として闘い抜いていきたいと思いますので、ぜひ皆さんの力をお借りしたいと思います。
以上です。
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