第4回団結街道裁判の傍聴報告
7月12日、いつも通り千葉地裁に着くと、多数のテレビ中継車や何百人もの傍聴者がつめかけており、直感的に「外国人殺人事件」の裁判であることがわかりました。見知らぬ人から「傍聴券手に入りましたか」と尋ねられ、「三里塚裁判の傍聴券は今から並びます」とやりとりする一幕もあり、こちらの傍聴券配布はいつもより10分遅れで配布。法廷に入ると開廷前10分なのに、裁判官が着席しているではありませんか。こちら原告席もそろい、2分遅刻で着席した被告代理人たちに傍聴席からブーイングが起こりました。
道路地代の「鑑定報告」を無視しようとした成田市に痛打
この日の裁判は、原告が第3準備書面を陳述し、従前からの主張を補強するように、①封鎖した迂回道路の使用実態、②封鎖した団結街道と現闘本部が原告の運動にとって勝利を確信するものであること、③道路の封鎖売却はこの地区の入会権を抹殺するものだ、との3点を強調しました。特に①の道路使用実態では市東さんが、毎日何回となく自宅と畑を往復するのに、封鎖前はトラクターで2分で着くところ、迂回道路は8分かかり、一日何回も往復するのに難儀を強制されている、途中のヘアピンカーブは危険だ、と封鎖にともなう営農破壊を訴えました。道路の使用実態報告は市東さんの場合だけでなく、萩原進さん、鈴木謙太郎さんの場合についても詳しく陳述、成田市の違法性を追及しました。
また、③の入会権については、この道路が生活の一部で、これを使って地域の農作業が成り立っており、明治以前より集落の大切な道路として保守管理されてきた「入会権を有する道路」であり、成田市が勝手に処分できる道ではない、などをあらためて主張しました。
以上の主張からも「原告としての適格性」は十分にあり、「不適格」とする被告らの主張は間違っています。また、前回に原告が要求していた「道路代の鑑定書提出」を裁判長が無視しようとした動きに、弁護団より厳しく提出を要求、被告成田市は8月に出すことをしぶしぶ認めました。
次回の口頭弁論期日は10月11日午前10時半、さらに核心に迫る攻防となります。
裁判報告会で萩原事務局次長が7・18全力決起を訴える
裁判後の報告会は千葉市文化センターで行われ、冒頭北原事務局長から「現闘本部の強制執行にいつやってくるか分からないが、我々は死守する決意だ。みなさんも決起してほしい」との挨拶がありました。
裁判の報告では弁護団より「売り渡した道路の地価が異常に安すぎる。一坪裁判での地価は、1平米75000円なのに、道路を1平米2800円で売却している。だから鑑定書を要求しているが、成田市の勝手気ままな判断は許せない。そもそも道路売却にあたって市東さんや萩原さんらに了解もとっていない」などの補足を行い、さらに現闘本部の「収去命令」がいかにデタラメな内容のものであるか葉山弁護団長が、以下の説明をしてくれました。「現闘本部の収去命令を出した藤山裁判長は、判決文になかった建物の表記も加筆して、国土交通大臣の建物使用禁止命令を無視する命令を出している」と。報告会場で配られた「収去命令」の判決文(http://www.sanrizuka-doumei.jp/home/documents/110704kettei.pdf)を見ながら、あらためて裁判所の「無法ぶり」に怒りがこみ上げてきました。
私は、萩原さんに「収去命令では撤去費用が債務者(反対同盟)が払え、となっていますが」と思わず聞きましたら、「無理やり撤去されて費用を払えとはひどすぎる攻撃だ」とおっしゃっていました。
報告会の最後に、萩原事務局次長は「現闘本部の撤去攻撃に、全国から70を超える抗議文が届いた。うれしく励まされる思いだ。反対同盟は7月6日に戦闘宣言を発した。この闘いに勝利し、現闘本部を死守するために、7月18日の緊急闘争に総決起してほしい」との呼び掛けがあり、全員異議なしの声で報告会は終わりました。
事務局次長 安藤眞一
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