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2011年6月17日 (金)

東京新聞の記事 (6月9日付)

Img_2  6月9日、千葉での鈴木さんの一坪裁判に向かうため東京駅を通った時に、いつも通り東京新聞を購入しました。先日当ブログに掲載しました原子力発電所の労働者の被曝問題と並んで、右のように汚染水の問題が2面にわたって特集されていました(「11.6.9東京新聞.pdf」をダウンロード 右新聞記事もクリックしていただくと大きくなって読めます)。

 私たちは、今回の福島原子力発電所の事故で、空気中、あるいは地面への放射能の汚染には関心が集まるのですが、事故当初から「海に流せば薄められるから問題ない」とする東電、国の姿勢によって膨大な汚染された水が流し続けられてきました。また原子力建屋の地下などに溜まった汚染水が地下水から流れ出ていることが推測されています。その2つの水量は、冷却のために投入された水や海水の量から推測しても、半端なものではありません。Photo_2

 そもそも原子力発電所は、タービンを回した蒸気を冷やすために大量の海水を取り込み、7度も温められ放射能が含まれた状態で海に捨てられています。「薄めればいい」という発想です。しかし、実際には重大な海洋環境の破壊を行っています。

 ところが今回は海に膨大なしかも高濃度に汚染した水が漏れ出しているのです。いやそれだけではなく4月には意図的に汚染された水を1万トンも(漏れ出した量から見ればわずかですが)流しています。

 この海域には沖に強い南下してくる親潮と北上してくる黒潮があるために、海岸沿いにある海水は余り外洋には出ません。そのことで、この沿岸一帯が栄養豊かで、牡蠣やわかめなどの海藻、沿岸魚などの日本でも屈指の漁場となっていることは有名です。

 Img_0002 すでに沿岸でのイカナゴなどへの放射能汚染が明らかになっていますが、これから数か月をかけて食物連鎖によるいろいろな魚への影響が出てくるだろうと思われます。それは放射能が数百倍、数万倍の濃縮を伴うため、大変な問題となるでしょう。そして海の汚染は、必ず自然の循環によって「母なる海」から陸へと伝搬していきます。

 また、東電や政府が期待するような外洋へ流れ出すこともあるでしょうが、水という物質の性質から水塊となってまとまって動く恐れがあります。外洋でゴミがまとまって動いていくことでこの性質は知られています。そうすれば巨大な海の中に入っても、放射能による重大な影響の恐れが残ります。韓国や中国が国際賠償の声を上げることもうなずけるのです。なにしろ全体像がつかめないほどの膨大な水の量と高濃度の放射能なのですから。ほんとうに「漁業崩壊」の恐れが出てきているということです。

 この責任を誰が取るのでしょうか。漁師の皆さんから生業(なりわい)を奪うという問題にとどまらない大変な事態を生んでいます。

 1143 原子力とは、このように取り返しのつかないものです。放射性廃棄物や使用済み燃料の問題だけでも大変ですが、その原因は、人間は放射能を作ることはできても、出来てしまった放射能(死の灰)を処分することはができないということにあります。数万年、100万年の単位で、今放出されている放射能は、その破壊の力を海で、空で、地上で発揮し続けるのです。アメリカではじめられ40年にわたって行われた原水爆の423回もの実験によって出されてきた放射能の1割以上の放射能がチェルノブイリの1回だけ、1基の原発の事故によって放出されたと言われています。今回は4基の原発による複合事故で、その放出された放射能はチェルノブイリを上回る恐れすら出てきています。漏れ出した水や海水の実態が全くつかめないように、当初からメルトダウンしていたのではないかといわれながら、それを東電が認めるのに2か月もかかったことから見て、全体像はまったく闇の中です。

 みなさん。福島原発の放射能被害のただ中で暮らさざるを得なくなっておられる被災者の皆さんの現実を一人一人の問題として受け止めましょう。そして無責任極まる東電や国の姿勢を糾弾し、すべての原発の停止を求めていきましょう。

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