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2011年5月24日 (火)

5・24市東さんの行政訴訟、農地法裁判報告(その1)

 今日、千葉地裁で市東さんの農地をめぐる行政訴訟と農地法裁判の口頭弁論が開かれました。「傍聴のために」が反対同盟法対部から配られました(「11.5.24傍聴のために.pdf」をダウンロード )。

 行政訴訟では、市東さん(原告)側から準備書面として21人の証人申請などの立証計画が出され、その概要について葉山弁護士などから説明がありました。

 続いて行われた農地法裁判で、前回の口頭弁論で「請求の放棄もありうる」と言っていたことがどうなったかという裁判長からの催促に、NAA(原告)側から「なお検討中」。「ふざけるな!」などのヤジが飛ぶ。市東さん(被告)側から一瀬弁護士や市東さん本人から質され、また裁判長の指摘を逆手に取ったような原告の開き直りに裁判長自身むっとした表情をしながら追及する一幕も。5月20日の東京高裁の不当判決、そして警察による不当弾圧、38人もの拘留決定の直後だけに傍聴席の怒りがすごい。

 一瀬弁護士が、農地法裁判の訴状の冒頭にNAA側が「仮執行宣言」を求めていることを指摘し、天神峰現闘本部裁判での5・20反動判決で仮執行宣言がつけられたことを糾弾しつつ、市東さんの営農をめぐる問題でこんな請求は到底許されないことを指弾された。

 11524_2 最後に、証人などの都合などから両裁判の併合も検討するとして、8月30日(火)午前10時半からと、10月18日(火)午後2時~5時の2つの日程が決められ、閉廷しました。

 法廷後記者会見と報告会が、鈴木謙太郎さんの司会で始まりました。鈴木さんは冒頭、5・20不当弾圧、38名が今も拘留されている状況の中でこれだけの人が来てくれたと感謝の言葉を述べられて始められました。

11524_3 【市東さん】みなさん、ご苦労様。まあ、皆さんも驚かれたと思います。あれが今の司法と権力の姿だと思います。決して許すことができません。今日の裁判もそうですが、来月6月は3つあります。みなさん、お忙しいと思いますが、ぜひ傍聴に来ていただきたい。また6月は沖縄に行きます。同盟として、沖縄と一つの闘いとして頑張っていきますので、みなさん、どうかよろしくお願いいたします。

【葉山弁護士】みなさん、傍聴闘争参加、ありがとうございます。5月20日のあの不当極まる弾圧、その前の仮執行付きの判決。11524_4 井上裁判長は、はじめから成田空港の建設が、特に「へ」の字が遅れている。遅れているから「仮執行宣言」を付けるんだと言ったんですが、とんでもない話しだ。だいたい「へ」の字型誘導路のまんまで開港すること自体がおかしいんで、開港したうえで「遅れている」「遅れている」と、だから撤去しろと、まったく国策的なことをやってきた暴挙なわけです。正に国策の名の下での司法による犯罪的な行為だ。それに上乗りして、仮執行宣言の停止を求めた事に対して「決定はすぐ出るから待ってください」ということで弁護団は中に入って待っていたわけです。その決定を踏まえて直ちに措置を取るということで、担保を積むというようなこともありまして、当事務所の職員もそれで待機していたわけですが、みなさんもその決定を待っていた。その状況の中で、仮執行宣言に関する決定を待たずに強制的に排除を始めた。

 こちらとしてはそこに居残る正当な権利がある。その状況の中で強引に退去させて、その途中の階段のところでおろして、途中で気が変わって今度は引っ張り上げ、それで逮捕する。うちの事務職員たちは「葉山事務所の職員だ」と言ったら、「そんなことはわかっている。逮捕だ」というとんでもない話しなんでね。要するにその程度なんですよ。丸の内署では、どっかの公安が機動隊に対して「なんでお前ら逮捕したんだ」と怒鳴っているというね、そういう大混乱を権力側がきたしている。権力がめちゃくちゃになっているという状況なんですね。獄中の人は断固として黙秘して頑張っているし、釈放された人が12名いるわけですが、ここにいない弁護士も含めて弁護団は頑張った、それを支援していただく皆さんが頑張ったという中で、ともかく反対同盟のみなさんを始め12名は奪還できた。まだ38名いるという中で、断固黙秘を頑張って、全員の釈放を勝ち取るまで頑張りたいと思います。

 今日の裁判については、行政事件と明け渡し請求事件、両事件について立証計画を出しました。黒野、堂本、千葉県農業会議の議長とか成田市農業委員会の議長、あるいは事務局長を始めとして。なんでこういうものを受理して、しかも「そんなものを許可するのはまずいんじゃないか」という委員もいたわけですよ。それを押し切って「付帯決議を付けたらいいでしょう」と決議で押し切って上にあげた。農業会議の方ではまるで市東さんの陳述も聞かないで出してしまったという不当な実態を立証の中で断固として人証として展開してもらう、また追及しようというわけなのです。

 その上で、「41-9」というこの問題については依然として彼らとしては騙しにだましている。同意書と確認書という確固たるものがあるんだから、それに基づいてやったんだからと居直っているんですが、そんなものはデタラメだということは藤崎政好と直にあって聞いたところでは「誰が作ったかわかんない」と言ってるわけです。それを盾に「41-9」が初めからの賃借地だと言ってるんですが、それがいまぶっ壊れようとしている。裁判長の方が釈明を求めて、「明確な反論が無ければ当初から賃借地でないと見なせますよ」ということを言ったのに対して、前回は上野という千葉地裁の裁判長上がりで、天下りして向こうの代理人になってるんですが、それが「請求の放棄を検討している」と言ったんですが、一体どうなったのか。今日までにと思ったところが、「そういうことについてまだ検討中だ」というんですね。取り下げた上で放棄するという念がいったことなんですが「それをやるかどうかまだわからない」ということなんですが、こういう矛盾をさらについてやっていく。それをどんどん広げて全面的な勝利に持ち込みたい。

11524_5 【一瀬弁護士】冒頭、20日での全体に対する大弾圧を弁護団としてもほんとに怒りをこめて弾劾したい。今千葉地裁で、市東さんの裁判を中心に6件闘かわれてきているんですが、その裁判闘争は、毎回、毎回、相手方、権力側を追い詰めてきている。それは明らかだ。それに対する国家権力の反動的な取戻し策動、大弾圧という性格を持っていると思います。ほんとに許せないということと同時に、三里塚闘争が、50名も「建造物不退去」というようなことをデッチ上げて逮捕せざるを得ないという地平を、反対同盟を先頭とした全体の闘争で作り上げてきているということを確認できるのではないかと私は思う。

 天神峰現闘本部があって、市東さんの耕作地がある中で暫定滑走路を供用するというふざけたことをやっていること自体が、おおもとの大間違いなわけなんですよ。

 現地闘争本部に仮執行を付けるなんてことを請求すること自体が、そしてそれを裁判所が認めるというようなこと自体が、とてつもないデタラメなことだということなんですよ。今日の後の事件でも、市東さんが耕作している南台の農地や天神峰の農地に対しても、空港会社の方は仮執行の宣言を求めてるわけですよ。判決が確定しなくても、一審で判決が出れば収用してしまえというそういう凶暴な攻撃なんですね。それが、反対同盟が1966年に結成したその年に作った我々の現地闘争本部、同盟の本部をですね、そういう形で仮執行してきているという、これは2重3重に許せない。今回改めて思いました。

 もう一つは、井上が仮執行の停止を認めないという中で、遅れているとなか何とか言っているけれども、そもそも市東さんの南台の耕作地なんかもケリが着かなければ、「へ」の字の修正などできないわけです。まったく意味がないんですよ。にもかかわらず、ああいう形で仮執行の停止をしなったという東京高裁の反動的な、国策的な、国策に全面的にのっかった判断という、これは本当に許しがたい攻撃だと思います。

 その上で、今日の裁判はいよいよ21名のたくさんの人証を申請しました。反対同盟の方を含めて、全体を併合して一つの事件として、我々の主張をきっちりと立証していくためには、絶対に欠かせない、必要な人証群、21名の人たちの名前をきちっと出したわけですね。この21名の人たちを1つも残さず全員採用するということを裁判所に強く求めていきたいと思っております。こういう一つ一つのことを千葉地裁でやり抜くことを通して、今回の5・20の50名逮捕という不当弾圧に対しても反撃していくことができるし、38名の人たちが今なお完黙でですね闘っている、その人たちに連帯する、そういう闘いの質を弁護団も貫いていきたい。

11524_6 【遠藤弁護士】高裁の現闘本部判決は、今までやらないこと、異例なことをやったために結果をもたらした。

 ひとつは忌避を直前に申し立てたのに、東京高裁なのに自分の所に引き取ってそのまま却下するいう、私も東京高裁で何度も忌避をしたことがありますが、そんなことは一度もありません。別の部に回って審査する。仲戸川と全く同じことを東京高裁がやった。これは特筆すべきことです。

 それから強制執行停止の申し立てをやったのに面接もしない。これも極めて異例です。しないでわかるほど簡単なことという場合もあるかもしれませんが、これだけの事件ですからね。いかにも検討しているようなふりをして我々を3時間も待たせてですよ、それで不退去罪をデッチあげたという極めて悪質なやり方だと思います。時間かかってるから審議してるんだとそう思っちゃいますよね。そうじゃないんですよ。結論は1行かそこらですから、「認めない」と書くのに5分と掛からない。それなのにいかにも今やっていると装って逮捕するというそういうやり方なわけです。

 要は、三里塚闘争と裁判闘争が非常に盛り上がっていることに対する権力全体の意志が反映した暴挙だと思います。

 判決に書いてあったんだけど、平成16年からの事件だと書いてあるんですね。足かけ8年目。判決の中に焦りが書かれていて、だから仮執行だということを書いているだけで、なお懲りずに国策の、原発で裁判の責任を叩かれていますけれども、なお国策の追随者として暴力的な姿勢に徹底的に弾劾したいと思います。

 日曜日に当弁護団、朝からここにいる人みんなと大口さんで、10時半から東京地検公安部に申し入れに行って、接見要求等々やって、公安の副部長に申し入れをやって全員の釈放を申し入れた。その結果、その一角を崩すという大きな成果、同盟全員を出させてという形で、その日は夜9時まで38人の接見を手分けして、昼飯も食わないで1日やって、ふらふらになりました。だけど成果が出たから少しは報われたかなと。一角崩せれば全部が崩せるという構造になっているから、絶対に奪還しましょう。そして三里塚の闘いの爆発でさらに敵を追い詰めよう。

(続く)

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コメント

農地法裁判、押してますね!
いくら裁判所が結託してるからって、あまりのでたらめはほころびが出る。
傍聴に行けなくて申し訳ありませんが、本当に勝ってるなぁと実感できる御報告です。
市東東市さんの「勝って兜の緒を絞めろ」と言う言葉を思い出します。完全勝利の日まで、闘わん。

投稿: | 2011年5月25日 (水) 22時46分

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