山本善偉関実世話人 来賓あいさつ (全国連大会)
部落解放同盟全国連の第20回の大会に参加できましたことを、大きな喜びと思うと同時に、来賓あいさつのトップにまわってびっくりしております。
去る3月27日に三里塚現地での全国集会がありまして、その時に全国連からも共闘団体としてしっかりした挨拶をいただいたのを記憶に強く残っております。
全国連と私たちのつながりを考えますと、20年、もっと前、解放同盟荒本支部が三里塚と闘うために本部から排除された、そのころからの私たちの付き合いであります。非常に厳しい闘いを続けて、今なお水平社の精神を生かしているのは、ここであると、私も強く感じます。
全国連ができる前、私は解放同盟中央といろいろ交渉もありしておりましたが、三里塚の闘いをしだしてから縁が切れてしまい、今度全国連とつながることになったのです。
言いたいことがいっぱいあるのですが、いよいよかって経験したこともない大きな大震災、大津波、大変な犠牲者がでましたが、それよりも以上にやっかいなことは福島の第1原発の事故と言いますか、大変な問題です。もう3週間経ちましたけれども、解決の目途は全然立っていないと言っていいと思います。確か原発の廃止は30年で撤去するという約束が、まだ30年たってもできていない状況。ですからこの原発の事故は、手当てをすることによって何とか戻るようなものじゃなくって、これは完全に廃炉にしなければならない問題です。しかしあの放射能を発する燃料棒をいったいどこに廃棄するのか。
だいたい考えてみると「地震列島」と言われる日本に、あ~あ~というまに反対運動がいろいろあるのに、すでに54基もできている。いつどこで問題が起きても当たり前なんです。そういう問題がいよいよ起こってきたわけです。これから20年、どんな被害が周辺の地域だけでなく、関東地方から関西にも広がってくるかわからない、そういう状況の中に今あります。
私たちはやはり三里塚が最初から反戦・反核の日本の砦だということを掲げて農地死守の闘いをしてきましたが、その正しさを信ずるがゆえに今まで来て、いよいよ「反核の砦」という三里塚の力を発揮すべき時、ほんとにここでは国家家権力による「国策」という名のもとに人権が無視されることが次々に起こっております。
3月17日、石川一雄さんをとりもどす全国集会(要請行動)が東京で行なわれたことを報告で聞きましたが、東京高裁においても、高検においても、その扱い方は確かに「三者協議」を引っ張り出したみなさんのお力で、「三者協議」ということになりましたけれども、果たして十分な石川さんの無実を証明する資料を権力の側が出すかどうか、これからがいよいよ腹を決めて闘わねばならないときです。
その東京高裁の話しを聞きましたが、三里塚においても同じ、・・・昨年の2月25日だったと思いますけれども千葉の地裁で三里塚運動の中心、象徴となっております現闘本部に対する裁判で、証人調べさえも受け入れないその裁判に負けました。負けましたけれども、そこで、現闘本部、今、成田治安法で封鎖されているんですが、それを撤去することを千葉地裁は発表できなかったわけです。控訴しまして東京高裁で3回、裁判をやりましたけれども、ついに3回目の先日2月4日の裁判を傍聴しましたが、本当に意を尽くして証人の必要性などを、現地の北原事務局長はじめ弁護士たちが言っても、結局、私の耳に聞こえたのは何かぼそぼそといったことしかわかりません。そのうちに「終了」かなにか言ったのか裁判官は立ってしまって、横から弁護士は「異議あり、忌避をする」と飛び上がりましたけれど、ぱっと逃げてしまう。まったく「脱兎のごとく逃げる」。まさにあれこそ「脱兎」です。
こういう裁判自身が行政とぴったりくっついて正義を通さない、こういう世の中。無実の石川さんを取り戻す、そのために全国連が闘っている。この闘い、十分な証拠を提出させる闘い、これをぜひとも貫いていただきたいと思います。
今の政治を、力でもって権力が人民を押さえつけてやってくる。
話しが長くなりますが、もう一つ言いましたら、先日2月の13日、私たちは神戸空港の工事中止を求める市民の会の10周年を迎えて、沖縄から知花昌一さんを招いてじっくりと沖縄の話しを聞きました。その時に知花さんは、4回の処分ということを言われました。もう詳しくは申しませんが、1回目が、日本が軍隊でもって沖縄・琉球王朝をつぶしてしまった第1回の処分。第2回の処分は敗戦後、沖縄を手放して講和条約を結んだ2回めの処分。そのあと、復帰運動が盛んになって日本に戻るという、アメリカの軍政から日本の政治に戻る、その時基地はそのまんま全部沖縄に残る第3の処分。そして4回目は、政権が変わって、沖縄の声は盛り上がって、昨年4月には10万人集会でもって「もう沖縄の米軍基地はなくすんだ」という世論が盛りあっている中で、鳩山首相の「基地は少なくとも島の外(県外)」を放り捨てて「日米合意」。 あれが第4の処分。知花さんは、「処分とは権力者が人民の声を聴かないで、権力で力づくで押さえつけとる。それが処分だ」と言われる。
今や正に「処分」は市東孝雄さんにかかって、市東孝雄さんの農地を、生きていけないようにする、つまり権力処分する、そういう状況にあるだけに絶対に闘うものは一つになって闘わなければならないと思います。
話しは長くなりすぎました。この第20回の総会をもって、全国連が一層力強く、今、臨まれている実態調査を綿密にやってもらって、世論に訴えるものを作り出してほしいと思います。共に闘います。
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