大阪港の軍事利用の中止を求める
「大阪港の軍事利用の中止を求める実行委員会」(以下「実行委員会」とする)は、昨年末12月17日、大阪市に対して大阪港への外国艦船入港時非核証明の実施を求める以下の3点の申し入れを行いました(http://kanjitsu-sanrizuka.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-e728.htmlに報告しています)。
1.今後、軍籍をもつ外国艦船大阪港入港の際の入港、接岸許可にあたっては、その申請者に入港艦船に核兵器が搭載していないことを表明する文書の提出を求めること。
2.1、文書の提出がない、艦船の入港は許可しないこと。
3.1、2の申し入れ事項についての大阪港管理責任をもつ市長の誠意ある回答を求める。回答は12月末日までに行う。
これに対して、少し遅れてこの1月14日、大阪市より正に「木で鼻をくくった」回答が、以下のごとく送られてきました。
【大阪市の回答 わが国への核持ち込みに関しては、政府間で確認すべき外交上の事柄である。外国艦船の入港に際しては、外務省に核兵器搭載の有無を確認している。今後とも核持ち込みのない安全で平和な国際貿易港として運営していく。】
この回答を不服として実行委員会は、一昨日、3月30日、WTCにある大阪市港湾局を訪れ、1時間半にわたる話し合い、意見交換を行いました。大阪市からは、岸壁の使用許可(入港の許可)を管理している大阪市港湾局計画整備部海務担当の玉井課長と松山係長が出席しました。
実行委員会からの問いに対して、玉井課長は、まず「核持ち込みはさせない」が、「港湾法によって不平等な扱いはしない」として確認文書の提出を求めないと再度強調した。「どこからきて、どこへ行くのか」などについても、軍事行動の内容に関することは日米安保条約の下での政府間の取り決めとして、大阪市として「論評する立場にはない」としました。しかし、「大阪港の商業活動を阻害するまでして認めるつもりはないし、一般船舶の入港を断ってまですることはない、あくまで商業活動を優先します」と。ラロック発言や国会論議などを踏まえて、「事前協議」がされなかったんではなく、黙認されてきた「密約」の存在について、玉井課長自ら外務省首席事務官に口頭で「事前協議の有無について重大な疑念を持っている」と伝えたことを明らかにしました。
そして「密約」が破棄されておらず、しかもアメリカの軍事戦略が今年大きく変わってきている現状での考えを問いただしたところ、「核艦船は入港させないという点で、日本政府が責任を取るべき問題であり、(神戸をどうこう言うつもりはないとした上で)国と国との関係に影響を与えることなく我々としての平和、安全、核持ち込みを許さない対応が求められていると考えている」「事前協議の問題には我々としても疑念を持っているので、今後、新たな入港などの機会があれば外務省がどういう回答をするか注視したい」などと答えました。
最後に、実行委員会より米軍艦船による放射能汚染、船底の有機スズ塗料による汚染、あるいはバラスト水による汚染の問題、さらに港湾法の改正問題などを問いただし、特に、汚染に対する対策がなにもされていないことが明らかになり、大阪市としても勉強したいと答えていました。
この質疑については、大阪市の方で、記録を作り我々実行委員会の確認を得て、ホームページに公開されるようです。話し合い自体は基本的には平行線に終わりましたが、神戸市によるわざとかみ合わない対応で論議をすりかえ答えない姿勢を知るだけに、大阪市がまじめに対応しているように感じましたが、甘かったでしょうか?
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