市東さんの行政訴訟、農地法裁判
昨日、千葉地裁で市東さんの農地をめぐる行政訴訟と農地法裁判の口頭弁論が開かれました。全体を要約するよりも、「少し前に行ったかな」と評して鈴木謙太郎さんが司会をされた報告会の各発言をご紹介する方がわかりやすいですので、今回はそうします。
みなさん、ご苦労様です。震災の忙しい中、裁判もまた18日、19日と忙しいと思いますが、今日の空港側が何を言ったか全く理解できない(笑い)んですが、これからも弁護士さんの方に教えてもらいながら、頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。
【葉山弁護士】
みなさん、どうもお疲れさんでした。皆さんや市東さんとの共同的闘争の中で、そうとう事件とNAAを追い詰めたということを確認できたと思います。
まず行政訴訟事件で、こちらが提起したのは、NAAが訴えの取り下げに対する準備書面を出してきた。それに対して、千葉県の方はまだ「41-9」について占有している、賃借していると主張するつもりなのか。それから、占有していないところを許可してしまったという大間違いをしたことについて、全体の許可処分に響くんだから、職権を持って実質的に取り下げる、取り消すということをするつもりがあるのかどうか。 あらためて追及した。そしてこのとんでもないことをまだ争うのであれば、次回以降にちゃんと答えろと。それに裁判所の方が、「許可処分は外面的な部分についてで、実際的な部分については関係ないということでしょう」と水を差すようなことを言った。これに対して各弁護士が「そんな問題ではない」と激しく反論し、裁判長は「間違っているようだったら今(自分が)言ったことは調書にしなくていい」と訂正。県の方を追いこんでいる。占有もしていないところを賃借しているとして許可したというのは、どう見ても重大なミスだ。覆い隠しようもない。
許可に基づくところの明け渡し訴訟(農地法裁判)で、NAAは占有はしていないが賃借はしているという理屈に合わないと言ってるが、耕作はしていないが賃借関係はあるなど成り立つわけがない。耕作してないけど権利があるなんて言うのは大間違い。農地法の常識さえはずしている。追い詰められてNAAの弁護士は「請求の放棄も考える」と言い出す始末で、非常に大きな前進だ。追い詰めている。いっそう気を引き締めて頑張ろう。
【一瀬弁護士】
市東さんの2つの明け渡し訴訟と1つの行政訴訟、3つの裁判に共通して、「確認書」と「同意書」というのが向こう側の大前提になっている。これは市東東市さんを策に陥れて作って署名させたものなんですが、実体的にはまったく効力がない。「41-9」について、市東さんが署名したものは有効だという形でやっていこうというのが、まだNAAには残っている。
「41-9」は一貫して市東家の賃借地ではなかったということを事実として証拠や人証で立証していくということが我々の課題となっている。本来は、我々が求めている求釈明に対して、県もNAAもきちんと釈明しなければならない。
また、市東さんを騙して作られた「確認書」と「同意書」を根拠として転用の認可を県が行っているのだから、行政訴訟の方でも立証の重要なポイントになる。そして06年9月の許可決定が、重大な瑕疵を持ったものとなり、司法的にもそれ自体が無効だと判断せざるを得なくなるはずだというところに追い込んでいくことが十分に可能だという展望がでてきている。
【遠藤弁護士】
NAAの対応はまったく釈然とせず、よくわからない(笑い)。訴状は間違っていたんだけれども間違ったとは絶対に言いたくないというような書面だ。で「放棄した」というのは、外すということで間違いを認めないことで、全くのナンセンスだ。「41-9」について「原告が土地の占有を回復した」と書いてあるが、「いったい何時、裁判をやって『回復』したんだ」ということだ。この一事でも土地の返還請求はできないのに返還請求を起こしたというのは明らかだ。それ自体が違法な訴訟手続きだということにもつながる。
許可手続きについて裁判長が言ったことの中に、登記手続きと土地処分の場合は明らかに違うのに、誤魔化そうとしているのではないかというのを感じる。きちんと追及していかなければならない。
いずれにしてもいい方向には進んでいる。
【大口弁護士】
NAAの代理人が「請求の放棄」と言ったのが訴訟法的にどういうことなのかよくわからない。前回「41-9」について、彼らが「取り下げます」といい、こちらは「同意しない」と言った。原告が事情があって止めたいと思っても勝手には止められない。訴訟制度として許されない。相手の同意がいる。こちらは同意していない。そしたら勝手に「放棄します」と言えば、裁判の対象からなくなってしまうなどということは絶対にありえない。
彼らとしては苦し紛れにこの問題を隠ぺいしたいということで、ああいう風に今日の段階では言ってるんだろう。
そういう彼らの隠ぺい、逃亡、誤魔化しを絶対に許さないでやっていこう。
【萩原進さん】
今日、逆に怒りがわいてきたんだよね。我々に対して「人間の尊厳を踏みにじって申し訳なかった」という謝罪文書いてさ、それに対してあの弁護士、代理人はさ、「単に言ったに過ぎない」というかたちで開き直ってんだよね。もう、ああいうやつらはほんとに許せないということで、わくわくしてやってきた。
今日はマスコミが来ていないんだけれど、市東さんに対して「不法耕作者だ」と決めつけて、マスコミで報道されたんですよ。耕作権裁判で。名前こそ出さなかったけれども、当時は50何歳の農民と、天神峰と。天神峰はもう一人しかいないし、名前でなくたって、誰だってわかるわけですよ。農民が人の土地取り上げて、不法に耕作して、作った作物を不法に売って生活しているみたいな書かれ方なんて、一番屈辱なんですよ。
我々産直やってるわけで、消費者いるわけですよ。だから市東さんと俺なんかもマスコミに対して名前出せと、堂々と出せと主張したんですね。必ずこの仇をとるということですよ。ここまでやられて、許せねえと。これは勝たなくちゃあならない。どこが「不法耕作」なんだと。90年、開墾して、耕して、ここまで育てて、やってきたのが、それを不法だという、その自分の正しさを立証しなければならないところに来てるんだ。それを覆したいと、今日もそういう意味では一歩近づいたんじゃないかと思うんだけども、あの奴らは許せないというところが、逆に心の中で盛り上がってきちゃった。
一歩も隙を見せず闘いぬいていきたい。そのためには、裁判が目白押しで大変なんだけれども、これをやりきっちゃう。18、19日もあります。何よりも5月20日の現闘本部裁判に、みなさんに全精力かけて闘いぬいていただきたいということをお願いして、まとめにしたいと思います。
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