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2011年4月30日 (土)

今週の産直野菜(4月30日)

11430  先ほど三里塚から産直野菜が届きました。

 長ネギ、野良坊菜、春大根、サニーレタス、竹の子、以上の5品です。ニンジンが先週で終わり、長ネギと野良坊菜が今回で終わりとか。ほんとに端境期。春野菜が出てくるのが待ち遠しい。しかし、先週の「野菜だより」で?マークがついていた竹の子が入っていた。

 竹の子が昨年入った時に富夫さんに聞いたら、新鮮でないとダメなので、出荷の朝早く、人手を出してみんなで東峰の森に入って探して収穫するのだとか。大変な作業です。みなさん、すぐに味わいながら食べてください。

 昨日の朝、電話でお聞きしましたが、萩原進さんがこの27日、28日、野菜や物資、カンパを持って、農業問題を共に取り組んでおられる「ゆい(結)」のグループの農民のみなさんを激励訪問されたようです。今日の「野菜だより」にも、放射能問題の成田市との交渉などの経過報告(明日、全文掲載します)が報じられていますが、荷物を「今日も無事についた」とほっとしながら受け取りました。

 11429 昨日は10余りのグループが呼び掛けて、神戸で初めて原発反対の集会とパレードが、「さよなら原発 神戸行動」として開かれ、参加してきました。

 神戸市役所の隣の東遊園地に三々五々集まってこられます。私は入り口で、「すべての原発を停止させよう」とビラまきと、「伊方原発を即刻止めてください」という署名活動を一人でしました。「関電や浜岡、福島の署名はみんなやってるので、全部の原発を止めるため伊方も」とお願いすると、年配の方は「私も伊方の反対運動で原発に初めて関わったのよ」と署名してくれます。用意した50筆がすぐに満杯。もっと持ってくれば良かったとちょっと反省。

 集会では、これまで反原発を訴え続けてこられた大阪の「美浜の会」や、福島から避難して来られた方の訴えなど、音楽や紙芝居の朗読などをまじえながらのアピールが続きます。

 11429_2 ビラをまきながら200人くらいかなと思っていたら、デモにでる隊列を見てビックリ。300人をはるかに超えているではありませんか。警備の警察が慌てていて「手が足りない」とぼやいているのが聞こえる。1995年の震災後の神戸では、労組関係などを除いて最大の規模ではないでしょうか。幼い赤ちゃんを連れた家族連れや若い人たちが、約1時間半、気持ちのいい春の日和の中、神戸の最大の繁華街の人々に声をかけながらのデモでした。

 11427 2日前の27日も雨の中で大阪の関西電力本店前での「福井の原発を直ちに停止しろ」という行動(2回目)に参加してきましたが、あっちこっちで思い思いのこうした行動が、すべての原発を止めさせる状況を生み出せれば、そして今東日本で起こっている現実は、本当にこの国を変えなければならないということだろうと思いながらデモをしていました。

 なお、関西電力本店前でのビラまきと「福井の原発を直ちに停止しろ」という次の行動は5月12日(木)午前10時~午後6時、長時間ですが行われます。http://kidae.info/kanden_houi/にそのビラによる告知が案内されています。ちょっとの間でも参加できる方はどうぞ。

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2011年4月27日 (水)

自民党府議団の暴挙、断じて許せない!

11427  今朝の朝日新聞に左の記事が掲載されました。

 大阪府議会自民党府議団が維新の会とともに、府立高校を含む大阪府の施設で、「日の丸」を常に掲げることを義務付ける条例案を5月の府議会に提出しようとしているというのです。

 言うまでもなく「日の丸」は、1945年以前、朝鮮、中国、アジアへの侵略戦争、虐殺と略奪の歴史を進めた真赤な血に塗られた旗です。天皇制への絶対的服従を強制し、私たちの父や祖父を戦場に駆り立てた旗です。沖縄の皆さんに、ヒロシマ・ナガサキの皆さんに悲惨な犠牲を強制した旗です。アジアの人々にとっては、怒りと恐怖を思い起こさせ、忘れることのできない、今も身震いする旗です。

 私たちは、この旗を「国旗」として強制されること自体に反対です。

 敗戦後も私たちの国は、「国策」を掲げて様々なことを私たちに力づくで強制してきています。「日の丸」の強制は、そうした流れを強めるだけです。

 今の福島原子力発電所の事故こそ、その象徴的な出来事です。また98%の県民が求める普天間基地の県外移設と辺野古新基地建設反対の声を「日米合意」で押さえつけようとするのもそうです。あるいは、46年にわたって農民の農地を強奪し、いまだに完成することすらできない成田空港の不様な姿も、その「国策」強制の破産の故です。

 「絶対に安全だ」「電力は必要だ」とだまし、カネをばらまいて福島を始め僻地の農村や漁村に「国策」だからと原子力発電所を押しつけてきたのは、誰か。歴代の自民党政権であり、菅民主党政権ではないか。そのいずれもが、未だにこの原子力政策を福島の被災者にひと言の謝罪をすることもなく、「復興」を叫び立てている、しかも今の今、政争に明け暮れている姿に怒りを覚えるのは私たちだけではないだろう。

 「日の丸」の強制とは、こうした「国策」によって住民の想いと平和への願いを踏みつぶすことを覆い隠し、ごく一部の人々の利権、ひいては戦争の惨禍をまた再び現実のものとする流れでしかない。

 私たちは、学校現場で、困難を強いられながら、処分などの弾圧をも受けながら「日の丸・君が代」に不起立の闘いを挑み続けておられる教師を始め多くの皆さんの闘いに心からの敬意をあらためて示しておきたいと思います。

 みなさん。起ちあがろう。

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2011年4月26日 (火)

沖縄・第二期意見広告を

Photo  今、「わたしたちは、被災者の方がたが1日も早く人間らしい生活を取り戻すために緊急支援に全力を挙げています。しかし、ここぞとばかりに災害救援を利用して、米軍普天間基地や在沖海兵隊の存在の『有用性』、日米軍事同盟の深化の必要が強調されることに憂慮します。原発政策の見直しとともに、『米軍思いやり予算や、辺野古、高江ヘリパッド建設、米軍再編関連予算を災害支援に回せ』の声を挙げようではありませんか」と呼びかけて、沖縄・第2期意見広告が呼び掛けられています。(詳しくは「okinawa.pdf」をダウンロードをご覧ください。)

 昨日25日、大阪・淡路の協同会館アソシエで、「意見広告」運動を成功させようと関西集会が開かれました。

 「意見広告」運動の発起人を代表して、大阪産業大学学長の本山美彦さんからの「沖縄の運動が明るい。11425 そこには文化・風土の薫りがする」というご挨拶から集会がはじまりました。

 沖縄現地から駆けつけられた発起人でもある安次富浩さん(名護・ヘリ基地反対協共同代表)からの訴えです。「沖縄の問題も、(福島の)原発の問題も一緒だ。国策を押し付け、カネで支配していく。この動きに抵抗していかない限り、この国は変えられない」と切り出された上で、まずこの3月30日、31日、わずか2日で審議もなく衆議院、参議院で米軍への「思いやり予算」を3年から5年に改定することが決議されたことを糾弾されました。「年間1881億円、5年でほぼ1兆円が米軍のために支出されようとしている」「これこそ被災者に回すべきだ」「我々が出している税金は国民のために使うべきだ。戦争のためじゃない!」と。11425_4 そして「オバマさん。日本がこんなに大変なのに『思いやり予算』をもらうんですか?恥ずかしくないですか?」という声を世界中に広げようと。「これが人間の本当の心の、魂の叫びじゃないですか」と。そして、4月28日には第3次嘉手納騒音訴訟団が2万2千人の原告で立ち上げられることや普天間での風船による抗議行動など、沖縄の闘いを報告されながら「沖縄では知恵のことを『じんぶん』というが、知恵をつかえば、いろいろなことができる」「菅政権がやっているのは『従属』ではなく、もはや『隷属、隷従』だ」「『意見広告』で私たちの声を直接アメリカに伝えよう」と呼びかけられました。

 11425_5 「沖縄の現状と沖縄闘争の課題―今後の教訓」と題して、京都沖縄県人会会長の大湾宗則さんから講演です。大湾さんは、冒頭「沖縄の魅力は自然が作ったものではなく、当事者の沖縄県民が、自分たちが住みよい、平和な、人権が確立された地域として『命どぅ宝』と一生懸命頑張っていることだ」と話し始められた。そして5・28日米合意の重圧の中で、9月名護市議選を勝ち抜き、仲井真知事候補に「普天間は県外」と強制させたことで勝負はついていたと。仲井真、伊波あわせて98%が普天間県外、辺野古新基地は作らせないと固まった。昨年の4・25県民大会1年ということで行われたこの4月25日の新聞アンケートで、41市町村のすべての組長が「県外」を主張し、その内容も昨年より前進しているとして、昨年の4・25県民大会の中身が少しも揺らいでいないことを示された。

 11425_6 市民投票から13年、ずっと名護市民は見てきた中で、「海にも陸にもいらない」「もう補助金、カネはいらない」と5・28のもの凄い重圧をはね返してぶち抜いたとも。仲井真を動かし、県議会の全会一致を作ったのは、おじい、おばあを先頭にした辺野古の闘いが広がりを作っていったからだと。沖縄県人会の戦後の渡航制限撤廃闘争や祖国復帰運動の中で果たしてきた役割と、72年復帰後の「親睦会化」の流れの中から京都県人会を作り上げてこられた自らの体験を語りながら、長い闘いの中から変えていくのだと、「不可能なことは絶対にない」と訴えられました。

 そして普天間の固定化を許さない闘いとして、悪法である日米地位協定第24条にさえ違反する「思いやり予算」の撤廃と、この1月の沖縄市での青年の交通事故死が「公務」を理由に不起訴になったことを示されながら地位協定そのものの改正をしていこうと呼びかけられた。そして最後に5・28の「辺野古回帰」ともいうべき日米合意に対し、沖縄で「主権者は私たちだ」「あらたな沖縄差別だ」という大きな声が起こったことを示しながら、明治以来の「国策としての沖縄差別」に向き合ってこなかった60年安保闘争から72年復帰意運動の過程を含めたヤマトの闘いのあり方を糾弾されながらも、11425_7 「わずか1%の138万の国民の98%が基地はいらないと声を挙げていることに、この壁を克服し沖縄とヤマトが国民的規模で手をつなぎ全国の基地を撤去していくことで、土台を作ろう」と呼びかけられました。

 駆けつけられた服部良一衆議院議員が、ケビン・メア日本部長の発言問題をめぐる経緯などを紹介しながら、「アメリカという化け物を相手に闘うわけだけど」としながら、「やり方によってはいろいろ風穴が開く」「『意見広告』で、アメリカの世論を我々が動かしていこう」と呼びかけられました。

 こんどは同じく発起人で、関西地区生コン委員長の武建一さんから「日米安保と基地問題」と題して講演です。といっても時間が無くなり、簡単に。武さんは、まず「02年から07年好景気だったと言われるが、大企業だけが儲けて、中小企業や労働者は大変だった。大企業には240兆円もの内部留保がある。その2割でも被災者に出させるような運動をしよう」と。11425_8 伊丹十三さんのお父さんが言われたことを紹介しながら、「政治家やマスメディアも悪い。しかし、騙される側、起きている現象を、事実だけを見るだけで、起きている事実の本質を見抜く力をもたなかったら結局『騙された』で終わる」と。そして沖縄の人たちは明るい、パレスチナなど抑圧されている人たち、子供は明るいとされて、その根拠として抑圧への怒り、闘いこそが思想性を確立し、心を豊かにするとされました。

 そしてケビン・メアが今回だけでなく2006年からとんでもないことを言い続けていることを紹介しながら、「アメリカの国益がすべて」というのが「日米安保体制」であり、正に「隷属」であると。そして戦犯の第1人者である天皇が延命のために出した1947年の「天皇メッセージ」を弾劾しながら「日米安保は百害あって一利もない」とされ、「沖縄の基地、原発、TPPは一体だ」として、「自主独立の道を行くのか、従属の道を行くのか、この2つの道のどちらを選択するのかの闘いだ」「自民党的震災復興ではなく、国民的震災復興へ」「原発は直ちに止めるべきだ」と。そして「この闘いの重要な一翼を労働組合が占めなければいけない」とまとめられました。

 全港湾大阪支部委員長の大野進さん、とめよう戦争!兵庫・阪神連絡会の梶原義行さん、辺野古に基地を絶対つくらせない大阪行動の韓基大さん、そして憲法を生かす会・奈良の藤原好雄さんが闘いの報告と想いを語られ、最後に東京の「意見広告」運動事務局の生田あいさんから新崎盛暉発起人のお話しを紹介しながら、「『トモダチ作戦』は沖縄の人々をなめているだけじゃなくて、私たちをなめている。この西日本から大きな風を、被災地の皆さんへの支援のこころと一緒に届けていただきたい」と、この日のまとめと事務局としての訴えが行われました。この5月7日までに届いたお名前を5月15日ころの全国紙に掲載したいと。そして残されたこの10日余りに全力を投入させて「意見広告」運動を成功させようと。

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2011年4月23日 (土)

今週の産直野菜(4月23日)

11423  今週の産直野菜が先ほど三里塚から届きました。

 長ネギ、野良坊菜、春大根、サニーレタスの4品です。この1年で最低の品数です。寂しぃー! ほんとに端境期ですね。

 しかし、三里塚の農民のみなさんは、「農家便り」にもあるように、闘いに、裁判に、そして営農、それも天候との闘いに日々歯を食い縛りながら、東日本大震災の余震ととどまるところをしらない福島原発事故による放射能被害の危険の中で踏ん張っておられます。今日の「野菜だより」には、以下のように書いてきておられます。

今私たちにできることは、未来を信じて、地道に農業を続けること。皆さん応援してください。

 東日本大震災から1ヶ月あまり、まだ原発を封じ込めることができず、避難地域が拡大しています。大小の余震も繰り返されます。

 今、私たちにできることは、基準値の放射能が検出された時は、出荷を見合わせる覚悟をもって、いつもの春と変わりなく農作業を続けることです。

 芽吹きの季節を迎えたというのに、気持ちが晴れませんが、こんな時こそ未来を信じたいと思います。

 10612 農業を守る! 原発を止めさせる! この気持ちはさらに強くんりました。

 皆さんから、温かい励ましをいただいて、とても心強く思っています。2月に植えたじゃが芋が、芽を吹いて一斉に育ちはじめました。6月には盛大にじゃが芋掘り産地交流会をやりたいですね!

(右上写真は、昨年6月の「じゃが芋掘り産地交流会」です。)

 できれば今年も関西から参加し、援農もしたいと思っております。ドライバーの確保など問題が残っていますが、ぜひみなさん、声をかけてください。ご一緒に行きましょう!反対同盟の農家の皆さんの苦闘を共に味わいましょう。

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2011年4月21日 (木)

33,004円で自立して生きていけるのか?

11420

 昨日20日、「障害年金の国籍条項を撤廃させる会」(以下、「撤廃させる会」と略)と「兵庫在日外国人人権協会」による兵庫県に対する抗議と要望の行動に参加してきました。(上写真の左の背を向けた3人が兵庫県の担当者)

 日本の年金制度の中で、政府による在日外国人への差別的対応によって高齢者と障害者に無年金を強いられている在日の人々がおられます。在日当該の怒りの決起とそれを支援する日本人の、人間の生き死にに関わる重大事だとしての20年を超える闘いによって、最近、ようやく国に代わって「特別給付金」を各自治体が支給することで差別的状況を改善する動きが進んでは来ています。兵庫県では、1998年、兵庫県が2分の1、各市町村が2分の1を負担する「共同事業」として救済していくことが決められました。そして市町村の負担は時間がかかりましたが完全実施されています。ところが、主体である兵庫県の対応が遅れ、昨年度、高齢者についてはようやく2分の1負担の完全実施が実現したものの、現在50歳以上の障害者については障害基礎年金1級に相当する無年金者について不完全であり、同2級相当の無年金者についてはまったく実施されていません。

 昨年末の兵庫県との交渉で、担当の福祉局障害福祉課の西村副課長は「兵庫県財政は引き続き厳しい状況にあるが、団体からの要望を受け、1級も2級も障害基礎年金の2分の1額を財政に予算要求していく」と4年にわたる交渉の中で初めて「満額回答」を行っていたのです。ところが実際には、1級についてわずかの増額をしたものの、2級については今年度も見送ることが決定されたのです。

 この日の抗議と要望は、この兵庫県の対応への抗議と重ねての要望でした。(抗議・要望書「11.4.20撤廃させる会・抗議要望書.pdf」をダウンロード )対応した兵庫県の障害福祉課は、担当の副課長、主幹が共に移動で変わっており、そこにも問題をすり替えるようとする姑息なものを感じざるをえませんでした。

11420_2  抗議に対する兵庫県・障害福祉課の回答は、「課としては、ことの重要性と急がなければならないことは理解し、満額の予算化を求めてきた」としながら、「予算全体のバランスの中で決められた」とまったく意味をなさないものであった。

 「撤廃させる会」の佐藤代表をはじめ皆さんは、「4回にわたる兵庫県交渉でいつも裏切られてきた」「2級相当の人々は、市町村が拠出する33,004円だけで、どうやって自立した生活ができるというのか」「命の問題だ」「人の命を『バランス』ということで切り捨てていいのか」「何を優先するかではないのか」「高齢者や障害者が年々亡くなられる中で、この関連の予算規模が下がっている中で、何がバランスだ」「行政の中に、朝鮮人のために予算を取る必要はないという差別が存在しているのではないのか」などと次々と怒りの問いを発していかれます。

 しかし、新任の副課長と主幹は、時折意味不明の回答をするだけで、沈黙を守ってうなずくのみです。次回の交渉と、新年度の予算の中での完全実施を重ねて要求して話し合いを終えました。

 「撤廃させる会」が闘いを始めて20余年、共同事業として立ち上げられて13年の経過で、市町村段階で完全実施された、人の命がかかった2千万円規模のものが、なぜこうも頑なに扱われるのか(兵庫県の予算規模は2兆円を超える)。怒りと思いを新たにした1時間余りでした。

 今、東日本大震災の中で、「頑張る日本人」ということがマスコミなどで言われるが、被災者の中に多くの在日朝鮮人、韓国人、そして外国人がおられ、必死で踏ん張っておられることがそのマスコミなどの視野に入っていないという指摘が、始まる前の会話の中でありました。差別と歴史ということについて、あらためて考えなければならないことを感じさせる一日でした。

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2011年4月20日 (水)

すべての原発の運転を停止させよう!

 今朝、神戸市役所前で、出勤してくる市の職員に向けた「神戸空港の中止を求める市民の会」の毎月1回の定例のビラまきを行ってきました。5人で1300枚が配られ、まずまずの受け取りだったようです。しかし、寒かった。日曜の17日には、同じビラをJR元町駅前で、ビラまきをしながら、マイクを持って「福井の原発を停止させよう」と訴えながら、同じ場所で東日本大震災へのカンパを訴えておられた「あしなが育英会」のみなさんと、「障害者」のみなさんに協力してくださいとも訴え、4人で350枚が配られました。

 以下にビラの内容です。

すべての原発の運転を停止させよう! 「安全」や「想定外」はまったくのデタラメ 

被災地への支援をそれぞれの立場からしよう

 東日本大震災の被害にあわれた皆さまにお見舞い申し上げるとともに、亡くなられた方々に心からの哀悼の意をささげます。
 地震の規模よりも、巨大な津波と原子力発電所による人災が、先の見えない苦難を広い範囲で生み出しています。わけても幼い子供たちへの放射能の影響、そして農業や漁業への深刻な影響など、気の遠くなるような現実です。有機農業で安全な野菜を消費者にと取り組んでこられた福島の農民が、先を憂え、自死されるという悲惨なことまで起こっています。
 政府や東電のこの一か月にわたる説明とは裏腹に、福島第1原発1号機が、津波以前に地震で冷却材喪失事故を起こしていたこと、使用済み核燃料が行き先がないために膨大にプールに溜め込まれ放置されていたことが被害を拡大していることなど、次々と驚くような事実が明らかになっています。

阪神大震災を想い起こそう
115  16年前、私たちも阪神大震災による大変な被害を受けました。
 しかし、あの機会に始まったと言われるたくさんのボランティアのみなさんをはじめとしたほんとに多くのみなさんによるご支援の力で、人の温かさをはじめ多くを学び、支えられました。
 同時に、被災者に自力による自立を要請する一方で「神戸空港は希望の星」と3千億円を超える膨大なお金をつぎ込んだ神戸市行政や、政府の冷たさに心の底からの怒りを覚えたものです。
 都会で使うための電力のために、都会では作れないと福島をはじめ農村に原子力発電所を押し付けてきたのが、電力会社であり、政府でした。そのために「原発は絶対安全」と偽ってきたのです。その政府が、農民に野菜の出荷停止を言い、漁師に魚の出荷停止を指図していますが、農民や漁師には何の責任もありません。農民や漁師から生活を奪う前に、原発を必要とするなら、放射能で汚染された野菜や魚を自分たちこそ食べて、農民や漁師に詫びるべきではないでしょうか。
 東電は事故当初、謝罪もしませんでした。政府は、今も謝罪していません。補償は当たり前です。
 今、私たちの神戸は神戸空港という大変な金食い虫を抱えています。それを思うだけに、福井をはじめ僻地の海岸にある原発をすべて、直ちに停止すべきことを心から訴えます。最早、よそ事ではありません。「電力不足」のデマに惑わされず声を上げましょう。

2010年度、神戸空港の利用客は222万人

 ――目標403万人の55%

 神戸空港の昨年度の利用客が、目標403万人に対して222万人、3年連続の減少です。
 神戸市当局は、「大阪府北部(つまり大阪空港周辺)に100万人の需要見込みがある」として、「需要予測は見直しません」と今も開き直っています。新都市整備事業会計から空港事業会計の赤字を補てんしなければならない現実を抱えながら、この開き直りは何なのでしょうか。不思議としか言いようがありません。
 昨年初め、「3空港問題」が新聞紙上をにぎわす中で、矢田市長は「3空港の一体運用」を叫んでいました。しかし、5月に発表された政府の新成長戦略の中で、神戸空港について一言の言及もなく、政府は神戸空港を完全に見放したことを明らかにしました。するとどうでしょう。矢田市長や財界は、神戸空港の「民営化」を言い出すではありませんか。これは投げ出したのでなくてなんでしょうか。
 また、2千億円の借金の返す目途がない中で、今年度の返済を200億円借り換えて先送りするとしています。これも、10年後、20年後の将来の市民に下駄を預けるということでしかありません。
 一貫して神戸空港推進の先頭に立ってきた矢田市長のこの無責任、神戸空港の破たん問題からの逃亡を私たちは断じて許しません。

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2011年4月19日 (火)

団結街道廃道処分取消訴訟  傍聴報告(4月19日)

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 今日19日、千葉地裁601号法廷で「団結街道廃道処分取消訴訟」の口頭弁論が11時から始まり、昨日の不法耕作裁判に続き連日の裁判傍聴闘争を闘いました。反対同盟は前夜からの豪雨のため、本日の出荷作業が余計多忙となった中でしたが、北原事務局長を先頭に、成田市、NAAの虚構をあばき、違憲、違法、不正義の「廃道処分」を徹底的に追求しました。

「原告不適格」の誤った主張を過去の判例などで追及

 この日の法廷で、反対同盟弁護団は被告の成田市らが「原告不適格(訴えの利益なし)」として門前払いを画策していることに対し、①市道を廃止した成田市の処分は過去の判例から見ても違憲、違法で間違った処分だ。もんじゅの裁判、小田急の裁判の判例をみても、被害住民の権利を大幅に認めた判例となっている。市道を生活道路として通行する一般通行の権利を奪ってはならない。②この団結街道は、明治以前より集落の大切な道路として保守管理されてきた「入会権を有する道路」であり、成田市が勝手に処分できる道ではない。③さらに、この団結街道は現地闘争本部に通ずる闘いの道であり、この道を通って闘争勝利を確信している道だ。④市東孝雄さんは、この道を使って畑を何度も往復し、営農上不可欠の道路だ。成田市らが、「迂回道路」なるものを作ったが、危険な道路で、三倍の時間を費やす不利益をもたらしている。などの主張を行いました。

 葉山弁護士は、この廃道処分が第三誘導路建設と同時に強行されていることを指摘して、「人格権も環境権も無視する非人道的なやり方は許せない。東日本大震災の救済を優先させて、直ちに廃道処分と第三誘導路建設を中止せよ」と被告席に迫りました。

最後に裁判長が被告に対し「道路の査定値段の鑑定書を提出せよ」との要請をして、次回の裁判期日を7121030分と決めて閉廷。

 11419_3 裁判後の報告会は出荷作業日と重なっているため、短めの開催となりました。

 最初に北原事務局長が「市東さんの家や畑を鉄板で囲い込み、空港の中に閉じ込め、さらに団結街道まで奪うこの攻撃は許せない。」と怒りを表明し、参加者の決起を促しました。このあと、弁護団の説明が続き、最後に萩原事務局次長から「我々を原告不適格という成田市こそ、市民を守らない悪政で不適格だ。この団結街道こそ、我々のものであり成田市が勝手に処分できない」と怒りを込めて発言、520日の東京高裁判決闘争への決起を呼びかけました。

              報告 事務局次長 安藤眞一

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2011年4月18日 (月)

耕作権裁判 第19回口頭弁論

11418

NAAをかばう白石裁判長に怒号

 去る418日、千葉地方裁判所民事2部において、市東孝雄さんの一部の耕作地に対し「不法耕作だから明け渡せ」とNAAが訴えている裁判「耕作権裁判」の第19回口頭弁論が行われました。約5年間も裁判が続けられていること事体すごいことで、反対同盟の正しさを証明しています。

反対同盟は、歴代裁判長の「早期結審、反動判決」の攻撃を阻止して来ましたが、裁判はいよいよ勝利に向かって核心的証拠提出がなされました。その証拠とは「NAAの証拠書類は偽造」を証明するものです。今年1月、旧地主のFさんに弁護団が面接を行い、「同意書」「境界確認書」「図面」などの裁判書類を見ていただき「この筆跡は自分のものではない。測量に立ち会ったことはない。この測量図は自分が作っていない、公団がつくったのだろう」などと証言してくれました。

このようにNAA(前空港公団)が不法と決め付けて裁判所に提出した証拠書類が「偽造」であることが判明したため、反対同盟弁護団は求釈明を求めました。ところがNAAは、この日の法廷で「釈明をしないことを釈明する」と木で鼻をくくるふざけた答弁を行い、傍聴席から怒り心頭の声が沸き起こりました。退廷命令を繰り返す白石裁判長の声、そのつど弁護団席から訴訟指揮を改めよとの発言が続き、あわてた裁判長は「一ヶ月半程度で、主張をまとめて提出して欲しい」と反対同盟弁護団に要請、弁護団から「こちらに主張の準備をさせて、NAAには何も言わないのか。その訴訟指揮は間違っている」と反論。傍聴席からも「あなたはNAAの代理人だ、公平な裁判をしろ、税金ドロボー」などの怒号がおこり、騒然となりました。そして、次回の弁論期日を627日午前10時半と決めて閉廷。

次回の裁判は、前述の「核心的証拠書類」に対し、NAAがどう「釈明」するのか、まさに裁判の帰趨を決する重要なものとなります。反対同盟、弁護団、傍聴団一体となったたたかいを実現しましょう。

裁判報告会でも怒り心頭

 11418_3 裁判後に、「きぼーる15階」で開催された「報告会、記者会見」でも、反対同盟の怒りはおさまりません。冒頭発言した市東孝雄さんは「最初から被告席の私をにらみ付けて、NAAを見ようとしない裁判長を許せない」とあいさつ。続く葉山弁護団長も「今日のやりとりで、裁判長がNAA側についている正体が分かった。原告は釈明しないと釈明している、と白石裁判長がNAAに助け舟を出している。NAAに隠している書類(藤崎との交渉記録など)を提出せよ、と裁判所命令をだすべきだ」と激白していました。

 また、北原事務局長は「この裁判で勝利をかちとるために、ぜひ証人としてFさんに出廷してもらいたい、と思っている。この裁判闘争も生きがいとして取り組もう。」との強い決意表明が述べられました。

 関西から傍聴闘争に参加した私からは「この裁判を第一回目から傍聴してきたが、歴代裁判長はこちらの主張を聞くふりをしたり、全く聞こうとしなかったりで誠実さや公平さがない。傍聴席からの怒りの決起を続けたい。関西実行委員会は520日の東京高裁判決闘争に全力決起する。また918日に関西三里塚集会を開催する」ことを訴えました。

                 事務局次長 安藤眞一

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2011年4月17日 (日)

4・16原発いらん関西行動に、3500人

11416

 東日本大震災での福島原子力発電所の事故に抗議して、昨日、大阪・中之島公園で「原発いらん!関西行動」が、ストップ・ザ・もんじゅなど反核8団体が呼びかけて開かれ、3500人の人々が集まって集会とデモが繰り広げられました。集会途中で主催者から、「2千人を超えたようです」と発表。会場だけでなく、入りきれず、大阪市役所前の道路にもいっぱい人が溢れていました。主催者の一つ、ストップ・ザ・もんじゅの方が司会をされ、11416_2 京都大学原子力実験所の元講師の小林圭二先生が最初に福島原発の状況と今後の見通しを語られ、続いて主催者の各団体から怒りが次々と語られました。全体で、わずか30分でしたが、10日の東京をはじめ各地の闘いに応えた、思いのこもった集会でした。

 「頑張ろう!」を全体で唱和してから(左下写真)、さあ、デモに出発です。デモが出発してみて、数えたら3500人に達したと主催者の方からデモの最中に発表。11416_3 私たちが出発したときも多くの人々が会場に残っていましたが、200人単位のデモの6番目だったのです(右上写真)。

【小林圭二さん】

 みなさん、こんにちは。小林です。約1ヶ月前に起こりました東日本大震災。これに伴って起こりました、神戸大学の石橋先生が予言していた「原発震災」、正に絵に描いたような「原発震災」が起きました。あれから1ヶ月以上が経ちますが、未だに事故は終わっておりません。11416_4 それどころか、これがさらに拡大する要素さえはらんで、毎日毎日、きわどい綱渡りを続けながら延々と事故が続いています。そういった中で、海に、空に汚染が広がってきて、私たちの生活自体が脅かされ、そしてたくさんの原発被災者が、津波・地震の被災者とともに生まれております。

 そういう状況にあって、みなさんは各地でそれぞれが必死になってこの事故に対する追及、行動を続けておられます。その中にあってトップを切って話しをさしていただくおこがましさを感じながら、ざっと事故を振り返ってみますと、この事故は最初の2、3日ですべてが決まった事故でした。11日に始まった事故が、翌日12日になりますと、燃料が冷却材から上へ裸になってのぞいているという状況がもう明らかになっています。これは「空焚き」の始まりで、「空焚き」の始まりがすべての大事故の確実な始まりなわけです。そういったことが起こっていながら、極めて事故への対応が遅い。というよりも、東京電力は、国も一体になって、「原発をまず守る」「財産を失いたくない」というところから発想した対策ばかりをやってきました。その陰で、原発の現場で事故対応にあたっておられる東電の末端の社員や、協力会社の作業者たちは、とてつもない被曝を受けながら、必死になって、停電して何も見えない真っ暗闇の中で駆けずり回っているという状況があったわけです。そして何人かが亡くなりました。

 11416_6 このわずか2、3日ですべてが決まるような事故が、今日の、これからの延々と続く、どうしようもない、綱渡りを続ける、一歩扱いを間違えたら更に大きな事故に発展しかねないという、そういう状況をもたらして今日を迎えているわけです。東京でも反対運動が多数の人たちを集めて行われております。今日は、関西でそれぞれがばらばらに活動してきた仲間たちが、初めて一堂に会して大きな声を上げる日です。今後はまったく予断を許しません。新たな放射性物質の放出も含めて、沢山の被災者を抱えて救済活動ができない、特に「原発震災」の特徴である被災者を救援できないというような状況がもうたくさん現れております。その中でこれからの困難な対応に向けて、私たちは、国や東京電力が相変わらずの自分たちの立場や利益ばかりを優先させたような対応をしていることに対して、声を上げ、奮闘していかなければならないだろうと思っています。

 みなさん。今日は、その最初の第一歩の大きな声として関西で上げていこうではありませんか。今後とも力を合わせ、運動していきたいと思います。

【美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会 島田さん】

 11416_7 みなさん、こんにちは。美浜の会です。今日の事故と政府の無責任極まりない態度に、私たちはもう我慢がなりません。事故以降、ほうれん草が汚染された、水が汚染された、いろんな汚染が出てきました。それに対して国は「健康に直ちに影響が出るレベルではない」と繰り返してきました。私たちは3月28日、厚生労働省と交渉を行いました。「直ちに影響が出るレベル」、これについて厚労省は「そのレベルは知らない」、こんな無責任な回答をしました。

 そしてもう一つ、今非常に緊急になっているのが福島県内の子どもたちです。新学期が始まりました。しかし福島県の学校の約7割以上が、原発の管理区域と同じか、それ以上に汚染されています。それにもかかわらず文科省は、年間20ミリシーベルト、通常私たちは1ミリシーベルトです、20ミリシーベルトまで学校に通わせていい、避難する必要もないと言っています。これに対して原子力安全委員会は、「20は高すぎるから10くらいにしたらどうか」と見解を示したと言います。ところがこの見解を示した安全委員会のシロヤ委員は、問題にされると「これは安全委員会の見解ではない。私個人の見解だ」と、こんな逃げ口上です。そして文部科学大臣は、昨日の閣議の終了後の記者会見でも、「子供に対しても20ミリシーベルトを適用する」とこうはっきりと述べています。

 私たちは福島の子どもたちを救わなければなりません。どうかみなさん。文科省に、今日配っているチラシにも、また美浜の会のホームページ(http://www.jca.apc.org/mihama/)にも文科省の電話番号、アドレスがあります。ぜひ「20ミリシーベルトを撤回せよ」という、その声を早急に上げてください。福島県内では父母たちが中心になって、実際に学校の放射能の測定を行っています。そして必要であれば「学童疎開もやるべきだ」という声が、福島県内の母親たち、父親たちから上がっています。

 11416_8 私たちは今度の木曜日、21日、この問題について安全委員会と文部科学省と交渉を行います。何としても、まず、これを撤回させましょう。ぜひみなさん。今日から、明日から、文科省に対して抗議の声を。そしていろんな人にこの事実を拡げてください。

 そして最後に一点です。私たちはもうこれ以上原子力と共に生きることはできません。やはり政府に対して、原子力からの撤退をまず決定すること。そのことが今、一番緊急に必要なことです。私たち、そして未来の子どもたちが、ほんとうに生きていくためには、今こそ原発からの撤退、これを早急に政府に決定させることです。私たちは、全国の95の団体と一緒に、脱原発の運動を始めました。是非、よろしくお願いいたします。

【グリーン・アクション アイリーン・スミスさん】

 グリーン・アクションのスミスです。今回の惨事は、民主主義を妨害した電力会社と国が起こした大参事です。これは民主主義が働かなかったから、妨害されたから起こってしまった悲惨な状況です。

 11416_9 私は去年の8月に福島の現地に行きました。この時も現地の人々が、原子力の安全を一生懸命心配しているその顔を、絶対、一生、忘れられません。なぜかというと、その本当に心配している顔、なんかあったら大変だという顔、これと比べて、あの時経験したのは、国の冷た~い表情です。国の人間の顔、生活の表情が見えない顔です。今回はそれの現れではないでしょうか。

 この同じ状況が関西にあります。関西電力に行って、関電が言ってること、これをもし関西の市民が知ったら、福島現地の人が知ったら、ぞっとするような発言が、ずーっとこの何年間もあります。それが今の現実です。ですから、私たちは、福井の県民、市民で、そして私たち関西の市民で、この関電の原発を止めていかなければいけません。みんなでほんとうに頑張って、本当にやらなければいけない。これをやれなければ、福井の人たち、私たちの命も守れません。

 今回も全国署名を始めたんですけれども、ドイツのロゴマーク「原子力、もう結構」というのを使わせてもらっています。海外は本当に心配しています。私も海外に行っていたんですけれども、日本のことを本当に心配していて、このまえ厚労省の態度があまりにもひどかったことに対して国際署名をお願いしたら、一瞬にしてWEBサイトがパンクする、そのくらいにみんな一緒に心配してくれてます。

 11416_10 ですから全国の人々と一緒に、そして海外の人たちと一緒になって日本の原発を止めていきましょう。

 集会では、このほかに「奈良脱原発ネットワーク」、「原発を知る滋賀県連絡会」、「台湾環境保護連盟」、「チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西」からそれぞれ怒りと決意が表明されました。

 集会には91歳を迎えようとしておられる山本善偉関実世話人も顔を出され、演台のすぐ下でじっと聞いておられ、デモにも参加。デモの途中で止めませんかとお誘いしたのですが、本当に気持ちよさそうに1時間半のデモを最後まで貫徹されました。

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2011年4月16日 (土)

今週の産直野菜(4月16日)

11416  先ほど三里塚から産直野菜が届きました。久しぶりに時間通り受け取ることができました。なにしろ土曜日は何かとスケジュールが入るものですから。

 今日の野菜は、葉玉ねぎ、八つ子(八つ頭の子どもだそうです)、切り干し大根、エシャロット(早獲りらっきょ?)、春大根、野良坊菜、ブロッコリーの7品。名前だけでは「何? これ」と言いたいものが2つも。まあ、聞いてみれば何でもないという類ですが・・・。

 福島原子力発電所の事故に「第1義的には東京電力の責任」というだけで、自らの原子力政策の結果であることは一言も認めようとしない菅政権。そして自民党。ほんとに腹が立つ。そのくせ、農民や漁師に「出荷停止」を偉そうに指示する。ふざけるんじゃない!「出荷停止」などするべきじゃない。本意であるかないかにかかわらず、原発を許してきたこの40年を生きてきた年寄りとしては、農民や漁師の人たちに申し訳ないという思いが強い。都会の電力のために、「絶対安全だ」という電力会社や国に、農村や漁村が力づく、カネづくで押し付けられてきただけなのですから。しかし、「出荷停止」で市場にないから、食べようにも食べられない。先週の「野菜だより」には、「被災地支援始めました  お願いすることがあると思います」として、「出荷停止」中の福島のりんごなどの出荷を考えておられるとのこと。りんごだけでなく、放射能があっても野菜でも。若い人や幼い子供はダメですが、私のような老い先短いものには、もう同じです。どんどん送ってもらえないでしょうか。

 今、私たちにできることをやりましょうよ。茨城や東北の農民や漁民の人たちが、農業や漁業が再開でき、生きていけるように。

 三里塚反対同盟は、「三里塚産直の会」を通して、共に有機農業の取り組みやFTA反対、TPP反対を取り組んできた福島の農民、酪農家などを通した東日本大震災への支援活動を開始されました。すでにいろいろな取り組みが開始されているとは思いますが、三里塚の農民を支える想いから、この「三里塚産直の会」を通した東日本大震災被災者への支援の取り組みを呼びかけます。とりあえずはカンパだろうと思います。2 下記の郵便振込口座に、「東日本大震災被災者へのカンパ」と明記の上(野菜代金支払の口座ですので間違いがないために)、お送りください。

郵便振替口座名 ふろむあす千葉  口座番号 00160-0-741143

 桜が散り始めましたが、いろいろな花が咲き競っています。暗いニュースが多い中で、ほっとします。我が家でも、捨てられていた蘭(らん)が育ち、花をつけるまでになりましたが、その枝分かれをして育つかなと思っていたチビに今、花がついています。がんばりましょう。 

 

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2011年4月15日 (金)

三里塚の裁判  4月18日と19日

 三里塚の裁判が来週、2日続けてあります。18日の「耕作権裁判」、19日の「団結街道裁判」です。この一か月で4つの裁判という大変さですが、反対同盟のみなさんは、全国集会、そして東日本大震災と闘いながら、産直・営農をやり抜きつつ、全力で闘っておられます。私たちも傍聴闘争を通して、支援しよう。

【耕作権裁判】 4月18日(月)午前10時半~ 千葉地裁601号法廷

 Photo 先日12日の法廷後の報告会で萩原さんが怒りを込めて「農民が他人の土地を取り上げて不法に耕作し、作った作物を不法に売って生活してるみたいな書かれ方は、一番屈辱だ」「90年、開墾して、耕して、ここまで育ててやってきたのが不法だという」と弾劾しておられた市東さんを被告とする裁判です。

 その12日の法廷で、NAA代理人は「41-9を放棄する」と口走りました。藤崎メモ(右上図)を根拠として市東東市さん(孝雄さんのお父さん)を騙して作った「境界確認書」と「同意書」によって行われた「耕作権解除申請」の基本が崩れてきているのです。当然にも「申請」されたその余の土地が「不法耕作」だとする主張のデタラメさも明らかとなってきています。それでも、彼らはデッチ上げられた「境界確認書」「同意書」にしがみつこうとしています。法廷闘争でその虚構を暴きつくし、市東さんへの農地取り上げ攻撃を粉砕しましょう。

【団結街道裁判】 4月19日(火)午前11時~ 千葉地裁601号法廷

05  この裁判は、言わずと知れた怒りなしには見ることができない左写真にある団結街道の成田市による廃止処分の取り消しとNAAによる通行止めの撤去を求めた裁判です。

 市東さんの営農と生活を守る上で重要であるとともに、東日本大震災の渦中にもなお工事が強行されている第3誘導路建設を阻止する上でも重要な裁判です。成田市による用途廃止処分の違法、無効があまりにも明らかなだけに、成田市とNAAの代理人は「原告不適格」(門前払い)で逃げようとしていますが、そんなふざけた開き直りを断じて許してはなりません。反対同盟とともに全力で闘いましょう。

 連日の闘争ですが、特に関東のみなさん。駆けつけてください。

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2011年4月14日 (木)

「4・16原発いらん!関西行動」に集まろう

11411

 4月11日、春の嵐か、寒風吹きすさぶ中、「STOP原発☆アクション関西」の呼びかけで、関西電力本店前で、関電社員に「危険な原発群を直ちに止めるべき」とビラをまいて呼びかけました。40人くらいが集まり、2ヶ所に分かれて退社する関電社員に。

 まいたビラでは「震度6.5以上の地震も、高さ15メートル以上の津波も想定していなかったのは東電と同じで、何より活断層による直下型の地震に対しては、その存在も想定して来なかったと聞いています。 たまたま、偶然、想定外・・・・。 しかし想定するべきをしないで、想定外と言い立てる東電の姿を私は醜いと思う、大地震が多発する島国の上に、『もしも』も『まさか』も許されるはずのない危険な原発を、密集させて建設してきたのは誰なのか?」と問いかけています。

 さて、先日発行された雑誌「世界」5月号で、「えっ! そうなんや」という記事が。少し長いですが、引用します。

 ――「さて、『3・27事故報告書』によれば、12日午前2時45分、1号機のドライウェル圧力は大気圧を含めた『絶対圧』で0.941MPa(約9.4気圧)だった。通常、構造設計においては大気圧(1気圧)を差し引いた『ゲージ圧』というものが使われているので、1を差し引いてゲージ圧に直すと、約8.4気圧になる。115 これは、すぐ前で説明した設計圧力(約4気圧)の実に2倍の圧力である! 巨大な格納容器がいつ破裂しても不思議ではない、非常に高い圧力だ。地震発生からわずか半日、なぜ1号機の格納容器にはそんな高い圧力がかかっていたのか?

 論理的に矛盾しない答えを見出すのはそう難しくない。強い地震動にさらされたために、原子炉圧力容器を出入りしている管のうちのいずれかが――たとえば、かねがね地震時の健全性が問題にされてきた再循環系配管が――破損(または破壊)し、そこから冷却材が大量かつ継続的に噴出する冷却材喪失事故が起こり、そのため格納容器の圧力がどんどん上昇し、設計圧力の2倍にまで達した、というのがその答えである。

 配管が破損すれば原子炉圧力容器の圧力は短時間のうちにかなり降下するはずだし、その破損個所から冷却材が大量に噴出すれば、原子炉圧力容器内の水位は次第に下がっていくはずだ。事実、データがそれを物語っている。すでに述べたように、12日午前2時45分までには、原子炉圧力容器の圧力はわずか約8気圧(注・通常70気圧)まで降下していたし、冷却材水位は、12日午前8時49分に燃料棒の最上端より400ミリメートル『下』まで落ち、同日13時38分にはなんと1700ミリメートルにまで達していた。約4メートルの燃料棒のうちの4割以上が、水面から顔を出していたのだ。

 そして最悪なことに、それからほぼ2時間後の15時36分、1号機の最上階で、大規模な水素爆発が起きた! 必然的な結果である。

 繰り返せば、以上の推論過程には大津波も、全交流電源喪失も一度も登場しない。大津波が来なければ全交流電源喪失もなかったかもしれないから、水素爆発というきわめて危険な事態を回避することはあるいはできたかもしれない。しかし、冷却材喪失事故そのものを回避できたわけではない。」―― (同書138ページ~139ページ、田中三彦著)なお、文章中の(注)は、私が挿入しています。

 何が安全か! 何が「想定外」か! 本当に怒りを覚えます。

 4月16日、以下の要領で、「集まろう! 全関西からノーモア福島の想いを胸に。 歩こう! 御堂筋を 原発廃止を訴えて」と集会とデモが呼び掛けられています。集まりましょう!

【集会要項】 4月16日(土) 午後3時30分~4時10分 中之島公園・女神像エリア(大阪市役所南隣)で集会、午後4時10分~5時30分 御堂筋デモ・ナンバ解散

【呼びかけ】 ストップ・ザ・もんじゅ/ノーニュークス・アジアフォーラム・ジャパン/美浜・大飯・高浜原発に反対する大阪の会/グリーン・アクション/若狭連帯行動ネットワーク/チェルノブイリ・ヒバクシャ救援関西/原発を知る滋賀連絡会/奈良脱原発ネットワーク

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2011年4月13日 (水)

市東さんの行政訴訟、農地法裁判

11412

 昨日、千葉地裁で市東さんの農地をめぐる行政訴訟と農地法裁判の口頭弁論が開かれました。全体を要約するよりも、「少し前に行ったかな」と評して鈴木謙太郎さんが司会をされた報告会の各発言をご紹介する方がわかりやすいですので、今回はそうします。

11412_3 【市東孝雄さん】

  みなさん、ご苦労様です。震災の忙しい中、裁判もまた18日、19日と忙しいと思いますが、今日の空港側が何を言ったか全く理解できない(笑い)んですが、これからも弁護士さんの方に教えてもらいながら、頑張っていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

【葉山弁護士】

 11412_4 みなさん、どうもお疲れさんでした。皆さんや市東さんとの共同的闘争の中で、そうとう事件とNAAを追い詰めたということを確認できたと思います。

 まず行政訴訟事件で、こちらが提起したのは、NAAが訴えの取り下げに対する準備書面を出してきた。それに対して、千葉県の方はまだ「41-9」について占有している、賃借していると主張するつもりなのか。それから、占有していないところを許可してしまったという大間違いをしたことについて、全体の許可処分に響くんだから、職権を持って実質的に取り下げる、取り消すということをするつもりがあるのかどうか。Photo あらためて追及した。そしてこのとんでもないことをまだ争うのであれば、次回以降にちゃんと答えろと。それに裁判所の方が、「許可処分は外面的な部分についてで、実際的な部分については関係ないということでしょう」と水を差すようなことを言った。これに対して各弁護士が「そんな問題ではない」と激しく反論し、裁判長は「間違っているようだったら今(自分が)言ったことは調書にしなくていい」と訂正。県の方を追いこんでいる。占有もしていないところを賃借しているとして許可したというのは、どう見ても重大なミスだ。覆い隠しようもない。

 許可に基づくところの明け渡し訴訟(農地法裁判)で、NAAは占有はしていないが賃借はしているという理屈に合わないと言ってるが、耕作はしていないが賃借関係はあるなど成り立つわけがない。耕作してないけど権利があるなんて言うのは大間違い。農地法の常識さえはずしている。追い詰められてNAAの弁護士は「請求の放棄も考える」と言い出す始末で、非常に大きな前進だ。追い詰めている。いっそう気を引き締めて頑張ろう。

【一瀬弁護士】

 11412_5 市東さんの2つの明け渡し訴訟と1つの行政訴訟、3つの裁判に共通して、「確認書」と「同意書」というのが向こう側の大前提になっている。これは市東東市さんを策に陥れて作って署名させたものなんですが、実体的にはまったく効力がない。「41-9」について、市東さんが署名したものは有効だという形でやっていこうというのが、まだNAAには残っている。

 「41-9」は一貫して市東家の賃借地ではなかったということを事実として証拠や人証で立証していくということが我々の課題となっている。本来は、我々が求めている求釈明に対して、県もNAAもきちんと釈明しなければならない。

 また、市東さんを騙して作られた「確認書」と「同意書」を根拠として転用の認可を県が行っているのだから、行政訴訟の方でも立証の重要なポイントになる。そして06年9月の許可決定が、重大な瑕疵を持ったものとなり、司法的にもそれ自体が無効だと判断せざるを得なくなるはずだというところに追い込んでいくことが十分に可能だという展望がでてきている。

【遠藤弁護士】

 11412_6 NAAの対応はまったく釈然とせず、よくわからない(笑い)。訴状は間違っていたんだけれども間違ったとは絶対に言いたくないというような書面だ。で「放棄した」というのは、外すということで間違いを認めないことで、全くのナンセンスだ。「41-9」について「原告が土地の占有を回復した」と書いてあるが、「いったい何時、裁判をやって『回復』したんだ」ということだ。この一事でも土地の返還請求はできないのに返還請求を起こしたというのは明らかだ。それ自体が違法な訴訟手続きだということにもつながる。

 許可手続きについて裁判長が言ったことの中に、登記手続きと土地処分の場合は明らかに違うのに、誤魔化そうとしているのではないかというのを感じる。きちんと追及していかなければならない。

 いずれにしてもいい方向には進んでいる。

【大口弁護士】

 11412_7 NAAの代理人が「請求の放棄」と言ったのが訴訟法的にどういうことなのかよくわからない。前回「41-9」について、彼らが「取り下げます」といい、こちらは「同意しない」と言った。原告が事情があって止めたいと思っても勝手には止められない。訴訟制度として許されない。相手の同意がいる。こちらは同意していない。そしたら勝手に「放棄します」と言えば、裁判の対象からなくなってしまうなどということは絶対にありえない。

 彼らとしては苦し紛れにこの問題を隠ぺいしたいということで、ああいう風に今日の段階では言ってるんだろう。

 そういう彼らの隠ぺい、逃亡、誤魔化しを絶対に許さないでやっていこう。

【萩原進さん】

 11412_8 今日、逆に怒りがわいてきたんだよね。我々に対して「人間の尊厳を踏みにじって申し訳なかった」という謝罪文書いてさ、それに対してあの弁護士、代理人はさ、「単に言ったに過ぎない」というかたちで開き直ってんだよね。もう、ああいうやつらはほんとに許せないということで、わくわくしてやってきた。

 今日はマスコミが来ていないんだけれど、市東さんに対して「不法耕作者だ」と決めつけて、マスコミで報道されたんですよ。耕作権裁判で。名前こそ出さなかったけれども、当時は50何歳の農民と、天神峰と。天神峰はもう一人しかいないし、名前でなくたって、誰だってわかるわけですよ。農民が人の土地取り上げて、不法に耕作して、作った作物を不法に売って生活しているみたいな書かれ方なんて、一番屈辱なんですよ。

 11412_9 我々産直やってるわけで、消費者いるわけですよ。だから市東さんと俺なんかもマスコミに対して名前出せと、堂々と出せと主張したんですね。必ずこの仇をとるということですよ。ここまでやられて、許せねえと。これは勝たなくちゃあならない。どこが「不法耕作」なんだと。90年、開墾して、耕して、ここまで育てて、やってきたのが、それを不法だという、その自分の正しさを立証しなければならないところに来てるんだ。それを覆したいと、今日もそういう意味では一歩近づいたんじゃないかと思うんだけども、あの奴らは許せないというところが、逆に心の中で盛り上がってきちゃった。

 一歩も隙を見せず闘いぬいていきたい。そのためには、裁判が目白押しで大変なんだけれども、これをやりきっちゃう。18、19日もあります。何よりも5月20日の現闘本部裁判に、みなさんに全精力かけて闘いぬいていただきたいということをお願いして、まとめにしたいと思います。

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2011年4月11日 (月)

海の汚染 (4・9緊急大阪集会より)

Photo

 4月9日、大阪で「周辺住民の避難拡大!脱原発への転換を!4・9緊急大阪集会」が、会場のホールを一杯にする400人を超える皆さんがあつまってもたれました。1149 集会では、福島老朽原発を考える会の坂上武さんから福島原発事故の詳しい状況の説明が、京大原子力実験所・助教の今中哲二さん(右写真)からチェルノブイリ事故と重ねながら福島事故の放射能汚染の状況についてのお話しがありました。そして主催者の美浜の会などからのお話しや、石巻、福島から関西に避難してこられた3人の皆さんの報告と想い、そして会場からの質疑など3時間半にわたって怒りと熱気のこもった集いがかち取られました。今中さんの「放射能とつきあっていくしかない」という言葉が印象的でしたが、内容があまりにも濃く、主催者がパンフにして配布されるようですので、私からは、美浜の会から報告のあった海への放射能汚染の問題に絞って、報告と私見を書いてみます。

 最初の絵は、先日届いたばかりの日本カトリック正義と平和協議会編集のリーフレット「原子力発電は『温暖化』防止の切り札ではない!」から転載したものです。よく言われているように、原発というのは発生した熱量の3分の1をタービンで電気に変えるものの、3分の2の熱量を海水を取り込んで温排水として垂れ流しています。100万キロワットの原発1基で毎秒70トンも。結果、周辺の海の水温は7度も上がり、同時に放射性物質を垂れ流しています。瀬戸内海にある伊方原発では、この放射能によって異常魚が発生しています。1143 つまり、事故でなくても、原発というのは海を破壊し続けているのです。

 ところが、今回の福島原子力発電所(左、朝日新聞より)の事故では、当初から放射能に汚染された水が海に直接、放出され続けています。原子炉の冷却を理由とした海水を含めた膨大な、想像を絶するような量の水が放水され、海に垂れ流され続けました。そして先日からは、高濃度に汚染された水を蓄えるためと、膨大な量の「低濃度の水」が、意図的に海に放出される事態に至っています。「低濃度」といっても、自然界では許容できないような汚染されたものです。菅や枝野は「海で拡散するので問題ない」とテレビで言い続けていますが、本当にそうでしょうか。

 1149_2 美浜の会から六ヶ所の再処理施設問題で作ったスライドによって、「海で拡散するのか」が示されました。(次の写真からクリックしちただくと少し大きくなり見やすくなります。)右のスライドは、津軽海峡から入り込む親潮暖流の強い南向きの流れと、1149_8 黒潮還流が壁になって、六ケ所から出た放射能が、外洋には拡散しないで、そのまま南下し、房総半島の方に向かっていくことが示されています。

  左の写真は、六ケ所から1万枚のはがきを流して、三陸海岸の各湾に入り込み、房総半島から東京湾近くまで回収されたことを示すスライドで、上の内容を実際に確かめたものです。

 1149_5 右の写真は、フランスのラ・アーグの再処理工場で放出された放射能が、予想に反して外洋の潮流に乗らず海岸沿いに流れ100キロ離れた海岸で高濃度で検出されたことを示したものです。1149_6 しかも海藻によってどれほどヨウ素が濃縮されるかという問題で、日本の設定は4000倍であるのに、フランスのラ・アーグでの実測値が、実に2万5千倍になっていたことを、左のスライドが示しています。

 1149_7 またイギリスのセラフィールドの再処理施設では、海の魚の汚染がひどく、それを食べた子供たちに小児白血病や小児ガンが多発していることが問題となり土壌を検査したところ、プルトニウムなどの放射性物質が土壌に溜まりこみ今もなお魚や海の生物を汚染し続けていることを右のスライドが示しています。

 元神戸大学教授の讃岐田訓さん(生物学専門)は、「プランクトンの移動や赤潮に見られるように、水というのはもともとバラバラで動かないで、塊り(水塊)になって動くので『拡散するから大丈夫』などとは言えない」と話されています。そして「イカナゴ(コウナゴ)に大量の放射能が検出されたのは、海の表層を浮遊している生き物だからで、プランクトンなどがとっくに汚染されているからだ。海底に棲む魚に影響が出るのはずっとあとだ。食物連鎖がもう始まった以上、必ず汚染されていく」と話しておられました。Photo_2 左の図は、少し古い資料ですが、1992年に「大阪湾シンポジウム」で魚博士と称されている鷲尾圭司さん(現・京都精華大学教授)が講演された時に示された図で、海の食物連鎖をしめしています。下から一つづつ食べられて上がるたびに量は10分の1に、濃度は10倍に濃縮されていくことを示しています。プランクトンが吸収した放射能が、単純計算でカツオなど高級魚で1万倍になることを示しています。栄養分を集中的に吸収する卵子などは100万倍とも言われています。

 すでにこの1ヶ月、垂れ流し続けられた放射能は、すでにプランクトン、イカナゴと濃縮を開始しています。確実に食物連鎖による濃縮が始まっており、そしてイギリスのセラフィールドで示されているように、土壌の汚染が進んでいくでしょう。広い海の中で、もはや止めることはできません。韓国やロシアなどの諸外国が、この日本の意図的な放流に怒りの声を上げていることはもちろん、全国漁業組合連合会が怒りの抗議(「11.4.5全国漁業組合抗議文.pdf」をダウンロード )を政府にたたきつけているのは、極めて当然です。本当に許せません。

 そう考えた時、今中さんが言われた「もう、放射能とつきあっていくしかない」という言葉は、私たちに重くのしかかってきます。

 めげることなく、「すべての原発を廃炉に」という声を上げ、実現していきましょう。

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2011年4月10日 (日)

今週の産直野菜(4月10日)

11410  今週の産直野菜が先ほど三里塚から届きました。昨日一日と今日の午前中と外出して忙しかったものですから今に。野良坊菜とブロッコリーが萎れていたので、水に1時間浸けてやり、衣装直しをして記念写真。

 今週の野菜は、葉玉ねぎ、にんじん、里芋、ブロッコリー、春大根、野良坊菜の6品です。野良坊菜は1年ぶり。端境期ですが、予想以上に豊かです。

 今日の「野菜便り」には、「震災による福島原発事故  放射能被害の推移によっては出荷を見合わせることも」とした声明が掲載されていました。

 その一部ですが、「有機農業を続ける私たちの立場は、反原発で一貫しています。原発は国内の電力を賄うためになくてはならないものと宣伝されてきました。日本の原発の安全性が強調され、国は輸出産業の柱にしようとしていました。しかし、事故の報道からうかがい知る限りでも、原発と私たちの生活の共存はありえないことがはっきりしました。福島で低農薬の果樹園を営む友人や米作り農家から生々しい現実が伝えられています。厳しい現状の中で、子供たちを守るためのネットワークを作りながら、原発事故の生き証人にならなければと動き始めています。 私たちが何十年も作りこんできた有機栽培の畑が、一瞬にして危険にさらされる理不尽は、怒りの一言では到底語りつくせません。今こそ全ての原発の停止と、情報開示を求めて、声を上げていきたいと思います」と。

 一昨日、知人が聞いた原子力発電の専門家の講演の中で、「都会が原発を農村、漁村に押し付けながら、『出荷停止』は許されない。このまま、原発で電力を確保したいというのなら、都会の住民は放射能に汚染された食べ物も食べるべきだ。いやなら、原発をやめろ」という話しがあったそうです。本当にそうですよね。

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2011年4月 6日 (水)

4月12日 市東さんの畑の農地法・行政訴訟口頭弁論へ

Photo  来週の4月12日(火)午前10時半から、千葉地裁601号法廷で、市東さんの農地をめぐる農地法裁判と行政訴訟の口頭弁論が開かれます。傍聴に集まりましょう。

 航空政策の(そして港湾政策も)アジア、世界の「ヒト・モノ・カネ」の流れから完全に取り残された現実に慌てふためく菅政権、日本の支配者層は、羽田の国際化と並行して、この東日本大震災、福島原発事故の最中でも、成田空港の第3誘導路建設にひた走り、200億円以上の巨費をかけて工事を続けています。それは、なによりも左上写真にある「へ」の字誘導路状態の解決のために、市東さんをこの地から追い出すことを企んだものです。第2に、「へ」の字を解消して25万回を上回る飛行の爆音、騒音地獄によって東峰部落の住民をも住めなくさせて追い出し、滑走路の南延伸3500メートル化を実現して、日本の航空政策の癌となっている「成田空港の狭隘」という現実を解消し、30万回飛行の実現、成田空港のハブ化を狙おうとしているのです。すでに取り戻しのきかないアジアからの遅れの中でも、それを追及することで自らの延命の道を求めるしかないのが帝国主義としての日本です。それが三里塚農民はもとより空港周辺住民にいかに犠牲を強制しようとも。

 今日の福島原発事故に象徴されるように、またTPP(環太平洋経済連携協定)をめぐる前原の「GDP1.5%のために・・・」発言に見られるように、農民、漁民のくらしや命など切り捨てればいいんだというのが、菅政権の軸であることは明らかです。韓国を始め諸外国からの非難を浴びても強行された放射能に汚染された水を「冷却のため」と称して当初から垂れ流し続け、今回は意図的に放流するというその対応の仕方に、そうした菅政権の性格が如実に現れているではありませんか。これは「補償すればいい」といったことですむ問題では断じてありません。

 市東さんの農地を守る闘いは、今や、こうした菅政権、日本の支配者どもの延命を求めた農民、漁民、そして労働者切り捨ての政治への根源的な拒否の闘いです。「すべての原発を止めろ!」という闘いこそは、日本の電力政策・原子力政策を拒否するという点で、この三里塚農民の「農地死守」、沖縄のみなさんの「基地撤去」の闘いに底通する闘いです。

05  先日、3・27三里塚全国集会の中で、市東さんは「『国策』としての成田空港と闘ってきたが、原発が目の前の敵となった。すべての原発を停止させる大きな声をあげていこう」と呼びかけておられます。「農家便り」が伝えるように、すでに三里塚の隣町、多古町で「出荷停止騒ぎ」が起こっています。放射能による野菜と土の汚染の問題は、今や三里塚でも現実の問題となっています。これと真っ向から向き合い闘いぬいておられる市東さんはじめ三里塚農民の苦闘に一歩でも近づくのは、まず何よりも、市東さんの農地を守る闘いに全力を投じることではないでしょうか。何よりも、3・27で提起されたように、市東さんの農地を守り、三里塚闘争が前進することが、福島原発に対する東北、福島の農漁民のみなさんの闘い、「すべての原発を止める」闘いの大きな水路ともなるという確信が市東さんの先の言葉となっているのです。

 全力で、市東さんの農地を守り、団結街道の封鎖を解除させ、第3誘導路の建設を阻止しよう。そして5・20東京高裁の反動判決攻撃を断じて許さない闘いをこじ開けていこうではありませんか。

 4月12日(火)、千葉地裁へ結集しよう!

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2011年4月 5日 (火)

山本善偉関実世話人 来賓あいさつ (全国連大会)

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 部落解放同盟全国連の第20回の大会に参加できましたことを、大きな喜びと思うと同時に、来賓あいさつのトップにまわってびっくりしております。

11327_2  去る3月27日に三里塚現地での全国集会がありまして、その時に全国連からも共闘団体としてしっかりした挨拶をいただいたのを記憶に強く残っております。

 全国連と私たちのつながりを考えますと、20年、もっと前、解放同盟荒本支部が三里塚と闘うために本部から排除された、そのころからの私たちの付き合いであります。非常に厳しい闘いを続けて、今なお水平社の精神を生かしているのは、ここであると、私も強く感じます。

 全国連ができる前、私は解放同盟中央といろいろ交渉もありしておりましたが、三里塚の闘いをしだしてから縁が切れてしまい、今度全国連とつながることになったのです。

  言いたいことがいっぱいあるのですが、いよいよかって経験したこともない大きな大震災、大津波、大変な犠牲者がでましたが、それよりも以上にやっかいなことは福島の第1原発の事故と言いますか、大変な問題です。もう3週間経ちましたけれども、解決の目途は全然立っていないと言っていいと思います。確か原発の廃止は30年で撤去するという約束が、まだ30年たってもできていない状況。ですからこの原発の事故は、手当てをすることによって何とか戻るようなものじゃなくって、これは完全に廃炉にしなければならない問題です。しかしあの放射能を発する燃料棒をいったいどこに廃棄するのか。

 1142_7  だいたい考えてみると「地震列島」と言われる日本に、あ~あ~というまに反対運動がいろいろあるのに、すでに54基もできている。いつどこで問題が起きても当たり前なんです。そういう問題がいよいよ起こってきたわけです。これから20年、どんな被害が周辺の地域だけでなく、関東地方から関西にも広がってくるかわからない、そういう状況の中に今あります。

   私たちはやはり三里塚が最初から反戦・反核の日本の砦だということを掲げて農地死守の闘いをしてきましたが、その正しさを信ずるがゆえに今まで来て、いよいよ「反核の砦」という三里塚の力を発揮すべき時、ほんとにここでは国家家権力による「国策」という名のもとに人権が無視されることが次々に起こっております。

 3月17日、石川一雄さんをとりもどす全国集会(要請行動)が東京で行なわれたことを報告で聞きましたが、東京高裁においても、高検においても、その扱い方は確かに「三者協議」を引っ張り出したみなさんのお力で、「三者協議」ということになりましたけれども、果たして十分な石川さんの無実を証明する資料を権力の側が出すかどうか、これからがいよいよ腹を決めて闘わねばならないときです。

 1142_8 その東京高裁の話しを聞きましたが、三里塚においても同じ、・・・昨年の2月25日だったと思いますけれども千葉の地裁で三里塚運動の中心、象徴となっております現闘本部に対する裁判で、証人調べさえも受け入れないその裁判に負けました。負けましたけれども、そこで、現闘本部、今、成田治安法で封鎖されているんですが、それを撤去することを千葉地裁は発表できなかったわけです。控訴しまして東京高裁で3回、裁判をやりましたけれども、ついに3回目の先日2月4日の裁判を傍聴しましたが、本当に意を尽くして証人の必要性などを、現地の北原事務局長はじめ弁護士たちが言っても、結局、私の耳に聞こえたのは何かぼそぼそといったことしかわかりません。そのうちに「終了」かなにか言ったのか裁判官は立ってしまって、横から弁護士は「異議あり、忌避をする」と飛び上がりましたけれど、ぱっと逃げてしまう。まったく「脱兎のごとく逃げる」。まさにあれこそ「脱兎」です。

  こういう裁判自身が行政とぴったりくっついて正義を通さない、こういう世の中。無実の石川さんを取り戻す、そのために全国連が闘っている。この闘い、十分な証拠を提出させる闘い、これをぜひとも貫いていただきたいと思います。

 今の政治を、力でもって権力が人民を押さえつけてやってくる。

 話しが長くなりますが、もう一つ言いましたら、先日2月の13日、私たちは神戸空港の工事中止を求める市民の会の10周年を迎えて、沖縄から知花昌一さんを招いてじっくりと沖縄の話しを聞きました。その時に知花さんは、4回の処分ということを言われました。もう詳しくは申しませんが、1回目が、日本が軍隊でもって沖縄・琉球王朝をつぶしてしまった第1回の処分。第2回の処分は敗戦後、沖縄を手放して講和条約を結んだ2回めの処分。そのあと、復帰運動が盛んになって日本に戻るという、アメリカの軍政から日本の政治に戻る、その時基地はそのまんま全部沖縄に残る第3の処分。そして4回目は、政権が変わって、沖縄の声は盛り上がって、昨年4月には10万人集会でもって「もう沖縄の米軍基地はなくすんだ」という世論が盛りあっている中で、鳩山首相の「基地は少なくとも島の外(県外)」を放り捨てて「日米合意」。1142_9 あれが第4の処分。知花さんは、「処分とは権力者が人民の声を聴かないで、権力で力づくで押さえつけとる。それが処分だ」と言われる。

 今や正に「処分」は市東孝雄さんにかかって、市東孝雄さんの農地を、生きていけないようにする、つまり権力処分する、そういう状況にあるだけに絶対に闘うものは一つになって闘わなければならないと思います。

 話しは長くなりすぎました。この第20回の総会をもって、全国連が一層力強く、今、臨まれている実態調査を綿密にやってもらって、世論に訴えるものを作り出してほしいと思います。共に闘います。

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2011年4月 4日 (月)

部落解放同盟全国連 第20回全国大会

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 一昨日から昨日の2日間、部落解放同盟全国連合会の第20回全国大会が開かれ、初日の全体集会に参加してきました。

 大会冒頭、東日本大震災で亡くなられた犠牲者の皆さんへの黙祷が行われました。

 三里塚芝山連合空港反対同盟からのメッセージの紹介、そして山本善偉関実世話人の挨拶(明日、掲載予定)が来賓あいさつのトップ、また安藤・松原両事務局次長が来賓として紹介されるなど、三里塚闘争に寄せる全国連のみなさんの想いが表現されていました。1142_3

 瀬川博委員長がお元気な姿を見せられ、「妨害に負けることなく団結を固め闘いぬく」「石川さんの無実を晴らすことが我々の使命」「東日本大震災によってもたらされた問題に共に立ち上がろう」「寝屋川、東大阪の両市議選に勝利しよう」と主催者あいさつをされました。

 第1号議案その1として昨年度の活動報告が行われた後、第1号議案その2として今年度方針案が中田潔書記長から提起されました。

 まず東日本大震災に触れ、「自然の力を見せつけられた思いがする」、「復興の名のもとに障害者が、部落民が、底辺の労働者がいとも簡単に切り捨てられていくことを絶対に許さない」、「これまでの私たちの生き方、暮らし方、あるいは日本の社会の在り方が大きく問われていくのではないか」と提起した上で、部落解放運動のこの30年、全国連結成以来の20年を見据えようと訴えた。1142_4 「部落解放運動を骨抜きにしようという国の攻撃が30年近くあった中で、部落解放運動全体が大きく後退してきた」。「同和対策事業の打ち切りがその一つの大きな原因となった」と。そして「差別があるのはわかっている、差別されるかもしれないとしながら、個人主義、融和主義がはびこり始めている」と現状を指摘した。そして今年こそ大きな節目の年はないと闘いへの決意を促した。

 3つの課題を基本的柱としながら3大闘争を取り組んでいこうと。その3つの課題の第1点目は、狭山闘争。再審を開始できるかどうかのギリギリの鬩ぎあい、詰めの段階に入っている。この1年、全力をかけ、何をおいても闘いぬこうと訴えた。第2点目は統一地方選挙、4月の木邨候補の寝屋川市議選、10月の阪口候補の東大阪市議選を、部落大衆の主体的立ち上がりを作り出していくものとして、また実態調査の一環として闘おうと訴えた。最後に第3点目として、全国実態調査の第2ラウンドの開始をこの全国大会を契機にとりくもうと。1142_5

 休憩ののち、住宅闘争、狭山第3次再審闘争、長野結婚差別事件糾弾闘争、統一地方選挙の4つの特別報告が、それぞれ語られました。

 第4号議案で役員人事案が提起された後、全体討論として青年や婦人などからそれぞれの闘いと決意が語られました。青年では青年部の副部長として金平玲さんが元気な姿を見せ、8月6日のヒロシマの取り組みと、8月27、28日の広島での全青交第3回大会を訴えるとともに、福島原発の被害に触れ、「安全な放射能なんてない」と怒りを語りました。

 最後に村上副委員長から鮮明なまとめが行われ第1日目の日程を終了しました。

 

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2011年4月 3日 (日)

今週の産直野菜(4月2日)

1142 昨夜、三里塚から産直野菜が届きました。梱包してから1日以上たっているのでサニーレタスと小松菜が萎れてかわいそう。1時間余り水に浸してやると元気回復。記念写真です。遅くなったので、今、ブログを書いています。

 今回は、ネギ、ニンジン、からし菜漬け、ブロッコリー、サツマイモ、小松菜、サニーレタスの7品です。

 今朝の朝刊には、「汚染水 亀裂から海流出」と1面トップに。毎日、明らかに少しずつ深刻化していっている。一度暴れ出した核物質は、簡単に収まるはずがない。自己弁護と逃げを打ちながら、なんとか原子力発電を続けたい、「新成長戦略」の目玉として輸出を行いたいという菅政権の本音が溢れていて、本当に腹立たしい。

 3月27日の三里塚の集会で、市東孝雄さんが、こうした菅政権への怒りを込めながら「これからは原発が目の前の敵になった」と発言しておられました。野菜が届いて、「ほっと」します。「まだ無事だ」と。

 先日の裁判の折に(29日)、鈴木加代子さんにストレートにお聞きしました。「どうやって判断するの?}と。すると明快な答えが。「行政の成田市は動こうとしない。しかし、千葉県には、いくつも大きな有機農業のグループがあって緩やかなネットワークを作っている。その中でいくつものグループが自前で測定器で放射能を測ってくれていて、何かあったら連絡が入る。今のところは何も入っていないから大丈夫だ。何かあれば出荷を止める」と。

 現状では何もないことを祈ることしかできません。しかし、関西でも、いくつもの反原発、反核の行動が呼び掛けられ始めています。みんなで、「すべての原発を直ちに停止させよう!」と声を大きく上げていきましょう!

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2011年4月 1日 (金)

大阪港の軍事利用の中止を求める

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 「大阪港の軍事利用の中止を求める実行委員会」(以下「実行委員会」とする)は、昨年末12月17日、大阪市に対して大阪港への外国艦船入港時非核証明の実施を求める以下の3点の申し入れを行いました(http://kanjitsu-sanrizuka.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-e728.htmlに報告しています)。

1.今後、軍籍をもつ外国艦船大阪港入港の際の入港、接岸許可にあたっては、その申請者に入港艦船に核兵器が搭載していないことを表明する文書の提出を求めること。

2.1、文書の提出がない、艦船の入港は許可しないこと。

3.1、2の申し入れ事項についての大阪港管理責任をもつ市長の誠意ある回答を求める。回答は12月末日までに行う。

 これに対して、少し遅れてこの1月14日、大阪市より正に「木で鼻をくくった」回答が、以下のごとく送られてきました。

【大阪市の回答 わが国への核持ち込みに関しては、政府間で確認すべき外交上の事柄である。外国艦船の入港に際しては、外務省に核兵器搭載の有無を確認している。今後とも核持ち込みのない安全で平和な国際貿易港として運営していく。】

 この回答を不服として実行委員会は、一昨日、3月30日、WTCにある大阪市港湾局を訪れ、1時間半にわたる話し合い、意見交換を行いました。大阪市からは、岸壁の使用許可(入港の許可)を管理している大阪市港湾局計画整備部海務担当の玉井課長と松山係長が出席しました。

 実行委員会からの問いに対して、玉井課長は、まず「核持ち込みはさせない」が、「港湾法によって不平等な扱いはしない」として確認文書の提出を求めないと再度強調した。「どこからきて、どこへ行くのか」などについても、軍事行動の内容に関することは日米安保条約の下での政府間の取り決めとして、大阪市として「論評する立場にはない」としました。しかし、「大阪港の商業活動を阻害するまでして認めるつもりはないし、一般船舶の入港を断ってまですることはない、あくまで商業活動を優先します」と。ラロック発言や国会論議などを踏まえて、「事前協議」がされなかったんではなく、黙認されてきた「密約」の存在について、玉井課長自ら外務省首席事務官に口頭で「事前協議の有無について重大な疑念を持っている」と伝えたことを明らかにしました。11330_2

 そして「密約」が破棄されておらず、しかもアメリカの軍事戦略が今年大きく変わってきている現状での考えを問いただしたところ、「核艦船は入港させないという点で、日本政府が責任を取るべき問題であり、(神戸をどうこう言うつもりはないとした上で)国と国との関係に影響を与えることなく我々としての平和、安全、核持ち込みを許さない対応が求められていると考えている」「事前協議の問題には我々としても疑念を持っているので、今後、新たな入港などの機会があれば外務省がどういう回答をするか注視したい」などと答えました。

 最後に、実行委員会より米軍艦船による放射能汚染、船底の有機スズ塗料による汚染、あるいはバラスト水による汚染の問題、さらに港湾法の改正問題などを問いただし、特に、汚染に対する対策がなにもされていないことが明らかになり、大阪市としても勉強したいと答えていました。

 この質疑については、大阪市の方で、記録を作り我々実行委員会の確認を得て、ホームページに公開されるようです。話し合い自体は基本的には平行線に終わりましたが、神戸市によるわざとかみ合わない対応で論議をすりかえ答えない姿勢を知るだけに、大阪市がまじめに対応しているように感じましたが、甘かったでしょうか?

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