3・27三里塚全国総決起集会へ
みなさん。3月27日、三里塚での全国総決起集会まであと3日。全力で取り組んでくださることを、あらためて訴えます。
先日の当ブログでも明らかにしたように、三里塚反対同盟は、この闘いの軸に東北関東大震災の「被災者救援」を掲げて闘われます。そしてこの闘いが第3誘導路建設を水路にした市東孝雄さんへの農地強奪、叩き出し攻撃への反撃として闘われることは言うまでもありません。
市東さんのお宅の東側の畑(写真右手)の際を第1誘導路が通っています。一昨年、NAA(成田空港会社)は、運行時間を朝晩、30分づつ一方的に延長し、A滑走路と同じ、朝6時から夜11時までの運用としました。暫定滑走路を供用開始する時、「周辺住民の騒音への配慮」としていた運行時間を何の理由もなくその「配慮」をはずし、凄まじい騒音の中に市東さんや東峰部落住民を落とし込んだのです。さらに、昨年3月末、22万回に離発着回数を増やすとともに、着陸機のほとんどを暫定滑走路に回すことを強行しました。北風が年間の7割近くを占めるといわれるこの所で着陸専用にすることは、多くの日に2、3分おきに100ホーンを超える爆音が市東さん、東峰部落を襲うことになったのです。
そして便数をさらに増やし、3年後には30万回にするためと、第3誘導路建設のための本格的工事をこの1月に始めました。右上写真にあるように、第3誘導路は市東さんのお宅の西側(左手)100メートルもないところを通るのですから、自走する航空機の騒音と振動はこれまで以上になることは確実です。しかも、お宅の前を通って北約500メートルにある南台の畑に2~3分で行けた団結街道を昨年6月に封鎖し、約3キロを4倍近い時間をかけていかなければならないという妨害までしています。そのために廃道化の当然の手続きである市東さんの同意を求めることなく強行するなど、違法行為を積み重ねてです。これほどの人権侵害、生活と営農の破壊が、「国策」の名のもとに強行されるなどどうして許されるでしょうか。
この理不尽極まる攻撃が行われる理由は、写真の北端(上)の南台の畑によって誘導路が「へ」の字に曲げられ、滑走路と近づきすぎるために、30万回が不可能となっているからです。NAAは、農地を守るべき農地法を曲解して、農地法で市東さんの農地を取り上げようとしてきましたが、当然にも裁判の中で追い詰められ破綻しはじめています。業を煮やしたNAAと国が、市東さんを叩き出し、三里塚闘争を破壊しようとたくらんだのがこの第3誘導路建設なのです。
昨日の記事に書きましたが、日本の航空政策は、オープンスカイの世界の流れに完全に遅れてしまい、韓国のインチョン(仁川)空港をはじめとした東アジアのハブ空港化の流れに完全に取り残されました。その結果は、成田空港のアジアでの地盤の低下です。(これを羽田の国際化による地盤の低下とする主張がありますが、違います。) 自民党の安倍政権時代に「アジア・ゲートウェイ構想」としてこの事態を明らかにし、取り組もうとしましたが失敗しました。民主党菅政権は、これをそのまま引き継ぐとともに、羽田の国際化とともに成田をハブ空港化するという「成長戦略」として必死で巻き返そうとしています。実は、空だけでなく海の港湾でも、韓国の釜山などに完全に追い越され、日本の運輸をめぐる「ヒト・モノ」の流れは、アジアで完全に取り残され始めているのです。
1966年7月4日に、新東京国際空港が午前中に閣議内定し、その日のうちに閣議決定するという、なんらの民主的手続きや地元への説明もなく強行されたのも、急激に伸び始めていた世界の航空需要に対応した航空政策として羽田空港だけではダメだという(ベトナム戦争のために米軍による占有が一つの原因でもありましたが)局面の中で、民主的装いを投げ捨て、札束と機動隊暴力による成田空港建設が始められたのでした。それから半世紀がたち、オープンスカイに象徴されるように世界の航空をめぐる状況は完全に様変わりしました。関西空港や中部空港を作っても、東京一極集中の経済構造をもつ日本にたいするアジアや世界の評価は、関西空港や中部空港では何の役にも立たないことが明らかになってきています。
慌てた日本の政府、国交省が、「羽田・成田の一体運用、成田のハブ空港化」を「アジアゲートウェイ構想」「新成長戦略」と打ち出してきたということです。しかし、この市東さんに対する攻撃は、そもそも成田空港建設の1966年以来の「過ち」を繰り返しているだけで、そこには何の展望もありません。まさに「原発は安全」と地域住民を補助金浸けにして原発を押し付け、今回の福島原発の破たんを招いたのと同じ問題です。そもそも巨大なハブ空港のイメージには程遠い北総台地の内陸部に、力づくで作ろうとしたこと自体が間違いなのです。このまま市東さんの農地を奪い、三里塚闘争を破壊して「ハブ空港」を出現させようとすること自体が、地域の自然と生活、環境を破壊することなくありえない、到底許されない攻撃です。
こうした意味で、第3誘導路をめぐる現下の攻防は、成田空港の存在そのものを問うものとなっているのです。3・27全国集会は、極めて重大な決戦に突入した中での闘いです。
なお、29日、この第3誘導路建設の差し止めを求めた裁判の第1回口頭弁論が、千葉地裁で午前10時半から開かれます。27日の闘いと一体のものとして、極めて重要です。とりわけ関東の皆さん。ぜひ、裁判傍聴に立ち上がってください。
最後に、放射能の農作物や牧畜、水、土への影響が、次々と明らかになっています。報道の中で、体外被曝についてはペテン的にしろ報じられていますが、もっとも深刻な体内被曝についての正確な情報は流されていません。本当に心配です。菅政権、東電による、あるいは御用学者やマスコミによる事実隠しを許さず、被災者の皆さんとともに闘いましょう。
3・27三里塚へ!
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コメント
ひとつ提案があります。
福島原発事故の影響もあって、関東でも水や食料がコンビ二等で「買えない」恐れがあるかもしれません。
そこで、西のほうから行く人は、なるべく自分の食料や飲み物を持参していくようにすることを提案します。
投稿: あるみさん | 2011年3月25日 (金) 21時58分
三里塚に行くことに決めていた。そんなとき、水谷橋公園で反原発デモが持ちあがった。
からだがふたつあればいいのに、直前まで迷う。
投稿: 田中洌 | 2011年3月27日 (日) 06時51分