金食い虫の神戸空港
2月2日付けの神戸新聞(右写真)が、神戸空港の管理収支の赤字の穴埋めに新都市整備事業会計から補てんすると報じました。「市税の投入はしません」という市民との約束を守ったかに見えるのですが、そうでしょうか。
新聞報道にもあるように09年決算時で、新都市整備事業会計には1784億円の資金があるようです。前年の08年決算時には1927億円でしたから、143億円減少しています。これは神戸空港の埋め立ての借金の最初の返済265億円をこの会計で立て替えているからです。この会計では、神戸空港の2千億円の借金のほかに、ポーアイ2期や新産業複合団地などで1千億円以上の借金があります。その金利数十億円をこの会計で払っていますので、粗い計算では、ポーアイなどでの家賃収入(土地は売れていない!)などが150億円から200億円あるということでしょうか。
しかし、神戸空港の2010年度の返済予定650億円のうち、200億円は借り換えすると言われていますが、450億円はやはりこの会計で立て替えざるを得ません。なにしろ空港島の土地84ヘクタールのうち、売れたのは金額ベースで5%以下なのですから。どんどん神戸空港の借金でこの会計の資金を食いつぶしていく上に、空港の管理収支の赤字(2012年以降は、10億円を超える?)までこの会計から支出するのです。こうした神戸空港の借金返済をこの会計で肩代わりする代わりに、ポーアイ2期などの1千億円を超える借金は、さらに10年先送りを借り換えでやるというのです。その頃には、この会計の資金は底をついて、この先送りされたポーアイ2期などと神戸空港の借金1千数百億円が返せなくなっているのではないでしょうか。
神戸空港を建設する前には、この会計には2千億円以上の資金がありました。神戸空港を作っていなければ、あの阪神淡路大震災の被災者への救済はもとより、敬老無料パスの有料化など福祉の切り捨てなどやらなくて済んだのです。そして「借り上げ住宅からの追い出し」などという非人間的な冷酷な仕打ちもする必要がなかったはずなのです。
左の新聞(2月8日、朝日新聞)にありますように、神戸空港の利用客は3年連続最低で、年度としても当初見込みの403万人のほぼ半分になる見込みです。航空機の座席数自体が、見込みの8割程度なのですからどうしようもありません。
関西空港と大阪空港の一体運用もうまくいく展望などどこにもありませんが、そうであればあるほど神戸空港はその「蚊帳の外」に置いてきぼりにされることは明らかです。神戸空港に展望などまったくありません。市民にとってはとんでもない「金食い虫」です。
2月13日(日)、神戸市勤労会館(三宮)で、午後2時15分から、「神戸空港反対・市民の集い」が、沖縄から知花昌一さんをお招きして開かれます(詳細は1月31日付け当ブログhttp://kanjitsu-sanrizuka.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-619f.htmlをご覧ください)。ぜひお集まりください。
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