神戸空港反対・市民の集い (2月13日)
昨日2月13日、神戸市勤労会館で神戸空港の中止を求める市民の会が主催して「神戸空港反対・市民の集い」が、97名の参加のもと開かれました。
市民の会の白石事務局長が司会をして、まず、恒例となったはるまきちまき(右写真)のお2人からの、16年前の震災への想いを交えながらの30分近い歌と演奏を聞き入りました。
讃岐田訓市民の会代表(左下写真)が主催者あいさつ。これまで10年間、神戸空港の財政破たん、海洋汚染、軍事空港化反対の3つの点を柱に訴え続けてきたことが現実の問題となってきたことを明らかにされた上で、市税の投入をわからなくさせるごまかしとして新都市整備事業会計からの補てんが行われようとしていることを弾劾されました。 そして神戸市の環境影響評価審査会の審議の中で、市民の会の調査結果に触れ、正しく伝えようとした委員がおられたにもかかわらず、神戸市当局が結局うやむやにしていることが明らかになったことを暴露し、いよいよ神戸市を追いつめる局面に入ったと提起されました。
粟原富夫神戸市議(右下写真)が登壇し、来賓のあいさつを述べられました。来年度、新都市整備事業会計から空港会計の赤字に3億6千万円の補てんが行われること、また新都市整備事業会計として神戸空港の借金を含め730億円返済の予定を、土地が売れないために480億円借り換えなければならないところに追い込まれていることなどを明らかにされました。そしてスカイマーク社が格納庫を新設する問題について、同社が空港の土地を購入するのではなく、新都市整備事業会計から空港事業会計が購入し、同社に貸すという「タコの足食い」でしかないことを暴露されました。 最後に、空港で大変な無駄遣いをしながら、震災の借り上げ住宅に毎年15億円を拠出しているのはもうしんどいと、借り上げ住宅に住む80代の、介護を必要とするお年寄りを中心にした被災者に住み替え転居を迫っている神戸市の問題を指摘され、宝塚市や兵庫県が同じ問題で借り上げ住宅の買い取りを表明していることを紹介しながら、市政を変えなければならないと、提起されました。
ここで三里塚芝山連合空港反対同盟からよせられたメッセージが紹介されました。
さあ、遠く沖縄からおいでいただいた前読谷村村議の知花昌一さん(左下写真)の講演です。知花さんは冒頭、昨年の名護市長選挙と県知事選挙をめぐって「新基地建設反対」の沖縄県民の想いを簡単に総括された上で、「今の沖縄 第4の琉球処分」と題して話されました。1879年の琉球処分、1952年の沖縄切り捨ての琉球処分、1972年の米軍基地維持を目的とした「祖国復帰」、そして2010年5月28日の日米共同宣言は沖縄の民意を切り捨てた第4の琉球処分であると弾劾され、当面の高江と辺野古の闘いを軸にしてこれを許さない沖縄の闘いが持続・拡大できるか、それと連帯した本土民衆の闘いのうねりを作り出せるかにかかっていると提起されました。 第2に米軍基地がなくても生活できることを実感できる時代が来たと話されました。復帰から38年で沖縄振興費約9兆円、北部振興費880億円、結果は相変わらずの全国最低の県民所得、全国最高の失業率、増えたのは負債だけだと断じられました。米軍基地があるゆえに生じている年間投下額は現在3255億円。それに対して、米軍基地がすべて返還されたとして生産誘発額は年間9155億円(2.2倍)、雇用誘発者数2.7倍という試算が沖縄県議会で昨年発表されたことを示され、「軍用地料がなくなる」「米軍・家族の消費がなくなる」「基地従業員が失業する」といった声に対する具体的な反論と、実際に北谷町のアメリカンビレッジや那覇新都心などの税収の飛躍的増加と雇用の拡大の例を挙げられました。第3に、仲井真県政への閣僚の相次ぐ沖縄詣でや、名護への再編交付金のストップ、そして尖閣列島領有権問題による自衛隊の配備・強化などの沖縄を取り巻く状況を話されました。最後に沖縄の自立、独立という問題について、フィリッピンでの米軍基地撤去の取り組みをされた人々との交流の中で「民族的自尊心」の問題に気付かれたことを話されました。戦前の皇国臣民化、そして「祖国復帰」運動の中で刷り込まれた観念からまだ沖縄の一人一人が自由ではなく、「民族的自尊心」と言えるものがあるだろうかと話されました。また経済的自立なくして自立・独立はありえない。まだ50年はかかるだろうと。
そして最後に、神戸空港反対の厳しい闘いとどうつながるかということはできないが、ともに手をつないで頑張りましょうと結ばれました。お話しの後、用意されていた三線を手に、「新時代の流れ」を唄っていただきました。
1時間に及ぶ知花さんのお話しは、非常に具体的に、わかりやすく、そして力強く、参加した一人一人の胸に浸みわたり、沖縄と神戸を結びつけたのが感じられました。
集会では、最後に大阪の海と空を戦争に使わせない会や元市議の恩田さんなど6人の方から感想と意見、行動の呼びかけなどが行われ、集会参加者の中で最高齢の山本善偉さん(右写真)からの三里塚への想いを重ねたまとめの挨拶で集会を終えました。
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