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2011年2月15日 (火)

今の沖縄 第4の琉球処分 (知花昌一さん講演 その1)

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 今、「カネ、カネ、カネ」というお話しがでましたが、沖縄も基地をめぐって「カネ、カネ、カネ」というのが吹き荒れています。名護市に対して10年間で1千億円、基地建設の機会に出すということで、この13年間やってきました。そして実際には880億、名護市を含めて北部振興資金として出されました。ところがその効果はどうだったか。この880億というカネは全額いろんな事業に100%でるわけじゃないんです。いちばん効率補助として90%です。そして80%とか85%とか事業によって補助金の比率が違います。

 今、名護市は約500億ほどの財政ですが、そのうちの実に100億程度が借金としてあります。それがどんどん増えているということで、財政負担が、1000億をとるためにほとんど土建関係の工事がどんどん入っています。ところが投入はされるけどそこにとどまらない。101125 そして那覇や東京にもっていかれるわけですね。そして実体的に経済的に効果があったのかということが試算されているのですが、ほとんど効果は無しと。雇用効果に関しても、失業率に関してもほとんど改善されていないというのがこの12年間のことでした。

 そして今回の選挙においてはそれを建設業関係の方々もわかってきて、その方々が「基地反対」に回ってくるということで、今度の選挙では稲嶺さん(右上写真。辺野古キャンプシュワブ前で座り込む嘉陽のおじいと握手する稲嶺進名護市長。10年11月25日県知事選で)が当選したというのがあります。

 そして、それに対して後でも述べるつもりですが、880億、あと120億は止まったわけです。なぜかというと、再編交付金ということに変わりました。いわゆる「出来高払い」です。辺野古の建設のために賛成をしていく、あるいは工事を賛成していくたびごとにカネをつぎ込むという「出来高払い」のものに変わったんですね。それで一番ひどい被害というか打撃を受けたのが岩国の市庁舎建設だったわけです。あれも途中で止められて、ひどい扱いをされたのです。今回も名護市の稲嶺市長は、基地は許さない、陸地にも海にも作らせないということを宣言したということで、今、再編交付金としての19億、一昨年の9億、去年度の10億円が凍結するということで、今回も出さないということになっています。それに対しても「ふるさと納税制度」ができましたので、そういうことも含めて全国からいろんな協力が寄せられている状態であります。

 ほんとにカネのつぎ込み方がすごいです。たとえば辺野古の地域、辺野古の部落というのはだいたい1500~1600名の人口があります。そこに9億円の公民館ができるんです。9億円ですから、1億円を地元名護市が出すんですね。あと8億円が補助金として出る。1500~1600名の人々が9億円で作った建物を十分に使い切れるかと言ったら、ほとんど使い切れないというのが実態です。ほんと、目を見張るような建物ができています。101125_2 それを活用するということができない。ただその運転資金に関しては地元持ちということで、まあ、辺野古に関しては区有地、部落有地が基地の中にあるので軍用地料があります。それが出ていくというようになるようですが。

 いずれにしろ、カネがぶら下がる。市長はそれを獲る仕事。それを獲りきれないのかという批判も出る中で、獲らんといかん。その中で全額来るわけじゃないので、負担率1割や、1割5分を財政が出さんといかんということと、その後始末の運転資金を全部、市が、あるいは地域が持たんといかんということで、そういうものが10年間のうちに見えてきたというのがあります。名護市ではそういうことも含めて、今、基地反対の新しい市長(左写真、稲峰進市長、10年11月25日)が登場したということになっています。そして、今は辺野古に関しては小康状態というか、こういう状態です。

 その代り今、北部の東村、高江というところ300名、400名くらいの小さい村落なのですが、そこを囲む形で6つのヘリコプターの発着場所を作るということで、「とんでもない」ということで阻止闘争を今しています。201102141143000 毎日、月曜から木曜くらいまで、先日は金曜が休みでしたので、木曜までだったんですが、約100名くらいの作業員と防衛省が乗り込んできて、こちらは50名程度。結構遠いので十分行けないんですね。那覇から3時間、読谷から2時間かかる状況でですね、1日がかりで闘いをしなければいけないということで、毎日、交代しながら行ってるんですが、4ヶ所あるんですが、今、2ヶ所工事をするということで、こちらの支援も2手に分かれながら、もみあいをしながら阻止をしようということで、一方では阻止したりするんですが、一方では入られたりという状態です(右写真は、昨日の高江。抗議している様子です。ブログ「やんばる東村 高江の現状」より転載)。

 ほんとに「カネ、カネ、カネ」でやろうとしています。しかし、カネのうらみは、負担は私たちがしなくちゃいけないというのが見えてきたというのがあります。

 今日は神戸空港の問題で、沖縄の基地問題を話す機会が持たれたことを非常に感謝します。今の沖縄がどうなっているかということを、もう一度皆さんと一緒に考えながら。今、話しがありましたが、辺野古の基地を神戸空港に移せと橋下なども言うぐらいですね、地方空港というのはほとんどが赤字で、赤字のものを軍事空港にしていくということで、政府がカネをだし、あるいは米軍が使うことでそこにカネが落ちるという形でカネを持ってくるというようなことが往々にして考えられていると思います。そういうことも気を付けながら反対運動もすべきではないかと思います。

 あまり時間もないのですが、沖縄の状況を話したいと思います。簡単なレジメを用意しました。

11213_2今の沖縄をどのように見るか

 今、私たちは、民主党政権ができる時に、沖縄に一度は約束をしました。「最低でも県外」と。ところが実体は沖縄にまた基地を押し付けると。自民党と全く同じことをしているのが今の政権であります。それをどういう風に私たちは思っているかというと、これは「第4の琉球処分」であると私たちは思っています。そこに書いてあるんですが、第1の琉球処分は、1879年ですね。琉球という国があったんですが、それを強引に日本に併合した。600人の軍隊、警官隊を導入して、首里城に攻め入って、国王を拉致して沖縄県にするわけです。それを琉球の軍事併合と私たちは言っています。これが普通言われている「琉球処分」ですね。ここに書いてるんですが「処分」というのは「権力作用の発動で一方的に決着をつける事」だと思います。そういうことが、今、沖縄でなされようとしている。第4の琉球処分だと思っています。

 第2に琉球処分が1952年の4・28。これは51年に講和条約が締結されるんですが、発効が52年の4・28ですね。私たちは、この4・28を「屈辱の日」だと思っています。そしてこれから米軍による軍事独裁支配に入る。人権なんかないような支配がなされました。その屈辱の時代を乗り越えようということで、沖縄の大半が選んだのが本土復帰ということだったわけです。そして本土の皆さんと一緒に沖縄も、コザ蜂起、コザで80台くらいの米軍の車をひっくり返して燃やすという風な、怒りがたまってやった、反米蜂起なんかもありましたが、そういうことも含めて私たちは復帰運動をしました。みなさんも同じような年齢ですので、みなさんの若かりし頃も、学生や労働者を含めて返還協定反対ということで、相当、本土の人たちも血を流し、亡くなった人もいます。そういう中で、今基地がある沖縄にならないように闘ってきたんですが、残念ながら、1971年、72年の返還協定反対闘争が十分な勝利をしなかったということで、今の沖縄の基地があるという風になっています。 それが第2の琉球処分を含めて、第3の琉球処分が1972年です。

 あれほど求めていた屈辱の米軍支配を逃れるために返還を求めていたのですが、それが実現しなかった。そして一方的な処分がなされた。何かというと、基地を残すために処分をしたということになります。これは当時のニクソン大統領のもとでドジャース国務長官というのが議会で答弁をしています。1969年に佐藤首相がアメリカに行ってですね、ニクソン会談をして一応返還が決まるんですが、その時にアメリカの議会では「戦争で多くの犠牲をこうむり、多額の資金を投入して作った沖縄の基地をただで日本に帰すのか」いうようなことを質問しています。それに対して、ドジャース国務長官は「だからこそ返還するんだ」と言っています。「だからこそ」というのは、多くのアメリカ人の血が流され、死に絶え、そして沢山のカネをつぎ込んで作った沖縄の基地を維持するために、「だからこそ返還するんだ」と、これが返還の内容だったわけです。1046_2 だからその通りになりました。基地を完全に残すということで沖縄返還がなされてきたというのがあります。これが今の実態です。

 私たちは今の状況、ここにも書いてあるんですが「第4の琉球処分」。なんで「第4の琉球処分」というかというと、これほどまでに沖縄の人たちが「基地はいらない」と言いながらも、それを頭越しにつぶしていく。カネをつぎ込み、あるいはいろんな手を使ってやろうとしている。これこそ「処分」だと。「第4の琉球処分が今なされようとしているのだ」ということで、これが(5・28)日米共同宣言が発表される前に東京で金城実さんと知花盛康さん、そして僕を含めて国会前で座り込みをして「処分」をするなという運動をしたんですが(右上写真、屋外で受け取ろうとする官僚に怒りをぶちまける知花さんら。4月6日)、結局は、鳩山は日米共同宣言を5月28日に出して辞めるという状況になってしまいました。

 そういった「処分」が今進行しようとしている。それをやるために総理大臣を含めて、大臣が沖縄詣でをするというのが今、なされています。(知事)選挙で仲井真さんに伊波さんは負けたんですが、仲井真も基地の県内移設は反対すると、「県外へ」ということでマニュフェストをしないと勝てないというのがあって、それを入れた。ところが彼の本質は県内に基地を作るということに変わりありません。そういった意味で彼の弱さはわかっているから、日本の大臣方は、どんどん沖縄に来ています。仲井真とあって、沖縄振興、おカネです。沖縄の予算に関してはほとんど「仕分け」なしに押しています。そういう意味ではおカネで懐柔するということが進められているわけです。

 一方では、私たち運動でも、現場、辺野古もそうですが、高江、高江中心にやっているんですが、人数はそうたくさんにはなっていないんですが、それでもちゃんと阻止運動をしながら闘いを継続しています。その「第4の琉球処分」がそのままなされないためには、もちろん沖縄の我々は必死になって闘っています。私たちはこの間の運動の中で、独立ということなどもいろいろ出てきます。出てくる裏には何があるかというと、日本政府と、政党、民主党などいろいろありましたが、この政治に関しては一切希望も何もない。沖縄の政策に関してはそうです。じゃあ、日本の民衆の運動に対してどうかと言った時に、沖縄の中にも日本の民衆の運動を当てにできない、そういった意味では「独立」しかないんじゃないかという、うねりとして少しずつですが起きていることは間違いありません。

 そういうことも含めてですが、私たちはもう本土の政治や運動に対して、いちいち期待するというわけじゃなくって、沖縄でちゃんとやろうということをみんな思っています。そして一度こちらで話したことがあるんですが、65以上の人はパクられるかたちでやれということで、みんなそういう想いでやっています。

 今の状況は、「第4の琉球処分」がなされようとしているんだという事を知っていただきたいと思います。

米軍基地が無くても生活できることを実感できる時代が来た

 そして私たちはですね、基地がなくても十分やっていけるということの実績を作ってきています。レジメの8ページをちょっと見てください。

 復帰から38年で沖縄振興費、約9兆円ぐらい沖縄に投入されています。それで先ほど言ったんですが北部振興費として880億つぎ込まれています。結果はどうなったかというと、まだ全国最低の県民所得です。1年間の県民所得は198万円ぐらいです。神戸はいくらかわかりませんが、東京が400万ぐらいです。恐らく神戸は300万超すでしょうね。9兆円もつぎ込んだ割には、県民所得は何も上がっていない。じゃあ、失業率はどうだろうか。7.5%です。本土は、5.2%ぐらいです。あれほどカネをつぎ込まれて、かって高知県の知事が「沖縄は米軍関連のカネがあるからいいね」と言ったことがあります。でもあれだけつぎこまれても、実態は何も私たちの生活の中で効果が出ていないということです。そういうことで、これがだんだん明らかになって、去年の8月に沖縄県議会が「基地を返還された時にどうなるだろうか」ということの試算をしています。 (つづく)

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