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2011年2月18日 (金)

今の沖縄 第4の琉球処分 (知花昌一さんの講演 その3)

09522 座喜味城跡で、萩原さん、市東さんに沖縄戦などの説明をしている知花昌一さん(9年5月)

【知花さんの講演のつづき】

 もう一つは尖閣列島の領有権問題がでました。中国の船長を逮捕したということで大問題になっていったわけですが、それが、領有権問題で「固有の領土である」ということで「守るんだ」ということで、自衛隊の配備が取り沙汰され、実際にそういう動きが出てきています。

 沖縄の南西航空混成団はですね、1師団から2師団に倍になります。そして与那国という国境の島ですが、そこには今自衛隊はいません。とりあえずそこに200名の自衛隊を派遣するという形ででてきました。与那国も過疎地域です。そういった意味では自衛隊が来ることによって人口が増えるということと、自衛隊の基地ができるわけですから、基地周辺整備資金のカネも落ちるという形で、市長選を闘ったんですが負けています。そういった意味では、与那国や八重山、石垣島への自衛隊の強化というのがなされようとしています。1046

 領有権問題に関しては、これはもう戦争の問題だと思います。戦争で分捕り、分捕られてきた、千島列島もそうだと思うんですが、それを一方的に「固有の領土だ」と主張することによって、そこには「国を守る」というような民族主義的なものを煽り立てていく、そういうのが出てくる。実際に石油があるということがいわれてですね、あたかも石油が沖縄の人々を豊かにするかのように宣伝されてます。実態は、石油が出たとしても私たちの生活がすぐよくなるわけじゃないんです。やっぱり大資本の人たちが開発をしていく。そこでやっていくわけですから、必ずしも尖閣列島で石油が出たから、あるいは日本のものだからということで、沖縄が豊かになるような幻想を持ってですね民族主義的な煽りに乗っていくということは大変危険である。実際にも、社民党を含めて共産党もそうです。「尖閣列島は日本のものだ」ということで、強く主張しています。それに関しては非常に危険な状況がはらんでいるだろうと思っています。(右写真は、国会前で、知花昌一さんの三線にあわせて金城実さんが踊っておられる。10年4月6日)

 こういった難しい問題については、すぐにどうこうということじゃなくってですね、やっぱり戦争問題として捉えないといけない。そういうことで、沖縄戦の教訓というのは、軍隊は住民を守らないということですので、そういうことも含めてですね自衛隊配備については反対を、領有権問題については将来の知恵にまかすというぐらいのスタンスをもっていかないといけないんじゃないかと思っています。それが沖縄を取り巻く状況ということで、少し蠢いているということです。

 これは道州制問題と絡みながら展開されています。沖縄に関しては道州制が出た時に「チャンスだ」という人たちが、一部企業家を含めた形であります。一方的に政府から道州制の体制が組まれるよりは、自分たちで自立に向けた、あるいは場合によっては独立に向けて一歩踏み出すべきだという人たちが沢山います。で、それは一つには尖閣列島に石油があるから経済的にもやっていけるというような言い方をするわけです。それは非常に落とし穴があってですね、一部の人たちはそれを守るために軍隊は必要だと、だから独立した沖縄には軍隊を持つということまで、言う人たちもいます。独立派もいろいろ意見があるということですね。1本じゃないんです。

 そういうことも含めて尖閣問題に関しては、領有権問題に関しては、千島列島もそうだと思うんですが、やはり戦争で獲り、獲られという歴史があってですね、誰のもんだということは戦争を肯定しない限りはっきり言えないんですね。そういうことは後世にまかしとく。私たちよりももっと知恵が出るような若い人たちがどんどん出てくるはずですから、そういうことをすべきだと私は思っています。

沖縄の自立・独立について

  沖縄で今、自立とか独立ということが以前より多く語られるようになっています。特に一昨年が、薩摩侵入400年、そして琉球処分130年という節目でしたので、いろんな集会が持たれました。そしてそれが継続していろんな集会が小さい団体によって作られています。独立、自決含めてですね、なっています。1046_4 この問題に関してはずっと前からあります。1972年にも「反復帰」という、復帰反対と言うのではなくって「反復帰論」というのがありまして、運動としての復帰論ではなかったんですが、主に新聞記者、学者連中の人たちから出た論議がありました。

 今は「反復帰論」というよりも、自立、自決、そして独立ということが出てきています。ほぼ同じような内容です。だけど新崎盛暉先生と髙良勉さんが新聞紙上で論争になったんですが、新崎盛暉先生が「今の独立論は居酒屋論議だ」と、こう揶揄したもんですから髙良勉さんが頭にきて「違う」ということになっています。髙良勉さんは、今、「沖縄独立」という旗を持って、集会に参加するようになってきています。今は独りですが、もろもろやっています。

 私も気持ちとしては、今の日本政府のあり方、そして日本の民衆の動きが鈍いということも含めて、沖縄の問題、基地問題は本当に沖縄の問題じゃないのに沖縄が背負わされなければいけない、こういう状況を見た時に、独立、自立含めてですね、私もそこに非常に共感を持つような状況です。だけどまだ運動としてやる思いがその独立論者の中にはありません。だから言い方としてきついかなと思ったんですが、「独立論は文化人のマスターベーションだ」という域を出ていないと私は思っています。

 私は日の丸を燃やしたということでですね、フィリッピンの人たちとも交流がありました。そしてプエルトリコの人たちとも交流がありました。フィリッピンはスービックと言うアメリカの基地を追い出しました。沖縄よりもフィリッピンの人たちの生活水準が低いです。アメリカの基地に対する依存度が沖縄より高い状況にあったんです。ところが彼らは基地を追い出したんですね。で、質問したんです。「なんで、フィリッピンの人たちがアメリカの基地を追い出すことができたんですか」と聞いたわけです。そしたら彼らは何と答えたかといったら、「民族的自尊心だ」とこう言ったんですね。

 で、沖縄の人たちに「民族的自尊心」というのがあるのかなというと、僕は今のところないだろうと思っています。歴史的経過、日本と沖縄との関係からすると、もっと民族的な琉球民族だとか独立というのが、もっと叫ばれてもいい関係であるにもかかわらず、まだ弱いというのは何かというと、「民族的自尊心」というのが消されてきた経過があるわけです。これは日琉同祖論というのがありました。これは、明治、大正、昭和の時代にですね、日本の中で差別をテコにしながら沖縄が日本に併合されていくという中で、日本と沖縄が同じ祖先だということで、文化的にことばやいろんなものを使いながらやった人がいます。「沖縄学の父だ」と言われている伊波普猷さんがその中心的メンバーだったわけです。それがおかしいと、「化けの皮」というか、戦争協力者だったというのがばれてきているんですが、いずれにしてもこういうものがあります。

 そして私たちが体験した祖国復帰運動、「祖国」、「日本は祖国なんだ」という、これは日琉同租論と同じ系列です。私もそれに侵されています。そういうものをまだ払拭できていない。そういった中で、フィリッピンの人たちから言われるように、「あんたたちは民族的自尊心はないのか」とこう言われるようにですね、まだそれがない。しかし、少しずつそれが増えているというのがあるんですが、現実的にはこの「民族的自尊心」というのが削られていった経過があります。

 09329 私は心情的に独立とかすいうものに共感を持っていると言ったんですが、それが実際的にはまだあと50年くらいかかるんじゃないか、そういった意味で準備をしていく必要があると思っています。それは何かと言ったら、やっぱり経済的自立が一定確保しないと、多くの民衆は納得しないだろうと思います。今、県の自主財源比率は、27.9%です。非常に弱い。30%もいかないくらいですね。だからみんな日本の補助金だとかそういうもんにあるわけです。そういう状態だったら、独立とか、自立とか、そういうことは実態的に説得力を持たないんだと思います。そういった意味で、50年かかって私たちは自立をしていく事をしないといけないと思っています。(右写真は、09.3.29三里塚全国集会で挨拶される知花さん)

 そういう意味で、先ほど話しました(省略した部分)沖縄の経済界のトップであるKさんなんかが、「140万の人たちにどうして飯を食わすんだ、自分たちはそれを考えてきた、あんたたち革新はそれを考えてきたか。基地反対、反対言ってるけど、ほんとに140万を食わすために考えたか」と言うことを聞かれたりよくします。今は、だから言えるんです。こういう実態があるからですね、反論できるんですが、以前は反論できませんでした。

 そういう意味ではまだ27.9%の自主財源比率ではモノが言えないということで、私たちは返還された跡地を生活と生産の場に変えていく作業をやらんといかんと思っています。

 私は反戦地主で、反戦地主のスローガンは、戦争に使われる、人殺しのための米軍基地を生活と生産の場に代えていくということが私たちのスローガンです。それを私は実践しようということで読谷においてやろうと思って今動き出しています。

 これにちょっと書いていますが、「オリーブで村おこし」ということで、今、オリーブを400本仕入れてですね、そして読谷飛行場、「象の檻」の跡地に植えて、約1万本くらい植える計画をしているんですが、そしてオリーブで村おこしをしようということを考えて動き出しています。

 そういうことで、観光というのは4100億円もあってですね沖縄の中心的な基幹産業になっています。だけど、これだけでは非常に弱いと私たちは思っています。たとえばドルが安いといった周囲の政治状況を含めて、いろんなものに左右されやすくて脆弱な関係があります。植民地の時代の中で、第1次産業、第2次産業、特に第2次産業が徹底して破壊されました。ほとんどもうないと言っていいくらいです。09522_2 農業自体も非常に弱いです。そういった意味では植民地時代の経済構造そのものが残っています。それから観光をもっと持続的にやるためにも、第1次産業、第2次産業の強化を含めてやらんといかん。そうしないと観光植民地になるということで、今、若い人たちを中心にしながら、そういう物事などを考えながら新しい時代を作っていく、いうかたちでやっています。(右上写真は、読谷の町おこしの一つ、「やちもんの里」で登り窯を萩原さんに説明しておられる知花さん。09年5月)

 そういうことも含めて、当面の問題としては基地を絶対に作らせないということを、辺野古、高江含めて闘っていく。そのためにも、私たち沖縄140万くらいです、そこに日本政府はがむしゃらに基地を作ろうということになっています。それを止めるのは、私たちは絶対やるんですが、本土の多くの人たちが力を出してくれればいいんじゃないか、そうしないといけないという状態になっていると思います。

 神戸空港の問題と直接結びつくということはできないかもしれませんが、沖縄の状況をよくわかっていただきたいということと、いっしょに基地を止めていく、戦争を止めていくことをしたいと思っています。

 ということで時間が来ましたので、僕の独り言を終わりたいと思います。」ありがとうございました。

 三線を持ってきたんで、1曲弾いて終わりたいと思います。

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