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2011年2月28日 (月)

3・9三里塚・沖縄を結ぶ集いに集まろう

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 昨日、JR元町駅前で、「3・9三里塚・沖縄を結ぶ集い」を案内するビラまき「110309.pdf」をダウンロード とマイクによる訴えの宣伝を行いました。雨の天気予報でしたが、幸い、天気は快晴、上着を脱がないと暑いくらいの好天気、8人で、500枚が1時間でまけました。

 菅民主党政権による「日米合意」と「TPP(環太平洋経済連携協定)」の押しつけが、私たちの暮らしに何をもたらすか、三里塚の市東孝雄さん、沖縄の知花盛康さんのお二人の農民の話しを聞く中からともに考えようと訴えました。とくに「TPP」が北海道、沖縄をはじめ日本の農業に壊滅的な打撃を与えることにとどまらず、中小零細企業、労働者の暮らしをも直撃することを訴えました。11129tpp また、「食料自給率が12%、14%になっても構わない」ということはどういうことなのかとも。(右写真は、この1月29日の沖縄・那覇での「TPP反対県民大会」。琉球新報より)

 同時に、三里塚における市東さんへの農地強奪の攻撃とともに、この1カ月の沖縄・高江のヘリパッド建設攻撃、山口・上関の原子力発電所のための埋め立て工事が、力づくで住民、漁民、農民、そして支援者を排除して強行されている「力の政治」が今行われていることを、どう思われますかと問いかけました。

 11227_2 じっと立ち止まって聞いておられた中年の女性が、ビラを取りに行き、しばらく聞いておられたのですが、マイクを持って話していた私に近づき千円札を差し出しながら「頑張ってください」と。

 年配のご夫婦がびっくりしたような顔をされながらじっと聞言っておられたとか・・・。

 みなさん。3・9三里塚・沖縄を結ぶ集いにお集まりください。

3・9三里塚・沖縄を結ぶ集い

【集会要項】

とき・3月9日(水)午後6時40分開始

ところ・大阪市立住まい情報センター・ホール(3階)

  Photo 地下鉄谷町線・堺筋線、阪急「天神橋筋6丁目」駅下車、3号出口より連絡

おはなし・市東孝雄さん(三里塚反対同盟・農民)

    知花盛康さん(沖縄・農民)

資料代・1000円(ただし、大学生は半額、中学生以下は無料)

★映像による三里塚現地報告

主催・三里塚決戦勝利関西実行委員会/三里塚芝山連合空港反対同盟

 

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2011年2月27日 (日)

明後日、団結街道裁判

05  明後日、3月1日午前11時より、千葉地裁601号法廷で、団結街道の「用途廃止取り消し」を求めた団結街道裁判の第2回口頭弁論が開かれます。

 前回の第1回口頭弁論(昨年11月16日)において、被告成田市側代理人は、反対同盟の17人が原告となっていることについて、「原告全員が原告不適格だ」として裁判の門前払い「棄却」を求めていることが明らかになりました。市東さんの生活、営農の権利を破壊しようとする意図を隠そうともせず、同時に天神峰現闘本部の反対同盟と三里塚闘争にとっての意義とそこへの通行権を抹殺しようとする、こんな成田市の敵対的な主張は断じて許されません。

 前回の口頭弁論後に開かれた報告会で、萩原進事務局次長は、「天神峰部落の人たちが車が行き交うことができる道に作ってきた。『市道』とはいうが、日常的に管理していたのは部落の人々なんだ」「それを封鎖し、壊すというのは、市東さんを叩き出し、東峰の住民を叩き出す、『あんたら市民じゃないんだ』と叩き出そうとしているのだ」と、この団結街道封鎖の本質を弾劾されました。

 新たに3月29日に第1回口頭弁論が開始される「第3誘導路建設差し止め」裁判とともに、市東さんにかけられた営農破壊、生活破壊の攻撃に対する焦眉の闘いでもあります。農地に係る3つの裁判とともに重視し、傍聴に駆けつけましょう。「門前払い」棄却攻撃など絶対に許してはなりません。

 なお当日は、傍聴券抽選の関係もあり、裁判開始の1時間前に、ch場地裁1階ロビーにお集まりください。

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2011年2月26日 (土)

今週の産直野菜(2月26日)

11226  今週の産直野菜が先ほど届きました。聖護院大根、ネギ、ニンジン、小松菜、ほうれん草、サツマイモ、カブの7品です。

 なんでこんなに遅いのか。いろいろ用事があって、帰ってくる時間に合わせたからです。

 まず、神戸市議会議員選挙に向けた新社会党の粟原富夫市議の選挙事務所開きに駆けつけました。

 続いて、宝塚で「宝塚宗教者・市民 平和会議」主催の第7回講演会で「三里塚に関わって40年 -『公共』の欺瞞・凶暴とたたかう人々-」と題する永井満関実代表世話人の講演があり、野菜市と写真展の準備もあり、飛んでいきました(右写真 写真展など。2階で講演会をしているのでお客さんはいません)。11226in

 永井さんの講演は、そもそも淡路での「淡路総合破壊計画」とかって言われた闘いの中で、三里塚から戸村一作委員長を迎えての学習会の想い出からはじまりました。第1次、第2次代執行の闘いと、その中での信じられないような体験、宣伝カーを自ら持ち込んでの闘いなど、永井節は止まりません。

 岩山大鉄塔の上からの故戸村委員長のアジテーションに、闘う側だけでなく、警察権力までが聞き惚れ、思わず、警察が「まずい」と撤退していった経過など・・・。11226_2

 円卓会議、隅谷調査団のペテンを糾弾しつつ、宇沢弘文氏の著作などを引用しながら、非はどこにあるかを説かれていきます。2005年5月の空港会社社長・黒田のペテン的な謝罪文の本質を指摘することで、今日に至る国、空港会社の空港建設の犯罪性を解き明かされます。

 だんだん時間がなくなってきます。天神峰現闘本部裁判の不当・犯罪性、とりわけ先日の控訴審第3回口頭弁論の法廷の様子を詳しく語られながら、「これが日本の国の民主市議の現状だ」と怒りもあらわに糾弾されました。11226_3

 聞いておられた山本善偉関実世話人は、後で、「三里塚を闘う自分の立ち位置、原点を考えさせられた」と、納得した面持ちで語っておられました。

 野菜市も完売。写真展も、注目を浴びました。用意してくださった尼崎のみなさん。ご苦労様でした。

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2011年2月23日 (水)

農地法裁判・行政訴訟傍聴 ― ついに動いた!(2月22日)

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NAAの「41-9明け渡し取り下げ」申し立てを「不同意」で反撃

 2月22日に、千葉地方裁判所民事第3部において、市東さんの農地裁判(第13回行政訴訟と第8回農地法裁判)の口頭弁論が行われました。今回の焦点は、農地法裁判で、市東さんが耕作していない南台41-9の土地についてNAAがどのような書面・陳述をするかということでしたが、裁判に先立って2月15日付で「41-9を明け渡しの訴えから取り下げる」との申し立てが裁判所に提出されていました。Photo この欺瞞的な「取り下げ」申し立てに、弁護団は「不同意」の回答をたたきつけ、徹底的に追及してゆく決意を法廷で宣言しました。

行政訴訟裁判で新たな書面を提出し、同意書や図面のペタンを暴露

 この日の裁判は、まず10時30分から行政訴訟からはじまり、千葉県やNAAがインチキな手続きで農地明け渡しを決定したことを追求し、41-9は市東さんではなく石橋氏が耕作していたこと、耕作の全対面積はもっと広いこと、決定の根拠である同意書や図面は勝手にNAAが作成したものであることなどを暴露する書面を提出し、さらに昨年5月17日に市東さんが不当逮捕された背景にNAAの理不尽な工事強行の暴挙があることを書面で提出、法も破り、暴力的に市東さんに襲い掛かるNAAや千葉県を弾劾しました。

 これらの準備書面提出に対し、多見谷裁判長が被告の千葉県に対し「出来るだけ反論するように」との生易しい指示を与えたために、傍聴席から怒号がおこりました。この後、法廷はいったん10時55分に閉廷となり、全員廊下に出て、次の傍聴券を渡して、また入廷するという煩雑さを体験(怒)。

農地法裁判の早期結審を狙う「取り下げ」攻撃を粉砕

 11時10分から開始された農地法裁判は、原告、被告が逆になり、裁判長が提出された双方の書面を確認、反対同盟弁護団に「41-9の取り下げ申し立ての認否は」との問いかけに対し、葉山弁護団長から「不同意である」との回答を伝え、徹底的に闘う旨を表明、続いて各弁護士は不同意の理由を弁論しました。

 110222_093701 弁護団は「訴状の時点から間違っているではないか。訴状を撤回しなさい。占有している事と、賃借権があることは一体だ。占有していないのに賃借権があるという主張は間違っている」と怒りを込めて、NAAに詰め寄りました。

 NAAから出された取り下げ申請の理由「被告は、南台41-9の占有を否定し、客観的にも現実の占有がうかがえないことから、原告もこれを踏まえて、この土地にかかわる訴えを取り下げた」との主張は、曖昧模糊としており、占有を確認もせずに裁判を起こしたズサンな正体を暴露しているのです。

 また、この裁判でも多見谷裁判長はNAAを庇護するような訴訟指揮をみせNAAの取り下げ策動について「肉を切らせて、骨を断つ」(捨て身の戦法)と評価する発言を行い、失笑を買っていました。

 裁判終了後の報告会でも話題になりましたが、NAAの姑息な「取り下げ」策動は、裁判の早期結審を狙ったものであり、反対同盟と弁護団、傍聴闘争によってNAAを追い込んでいる成果です。

 裁判の最後に法廷で今後の進行について意見が述べられ、弁護団は当面は書面で争い、その後に証拠提出、承認申請などを表明、次回期日として4月12日と5月24日の2回分を決めて閉廷しました。

 裁判の後、弁護士会館で報告会が行われ、提出した書面の説明や、争点、これからの方針など、説明がありました。この報告会の冒頭、市東孝雄さんは「NAAや千葉県は、すり抜けようと躍起になっているが許さず闘おう」との挨拶をされました。また、萩原事務局次長は「裁判と現地の攻防が一体となって闘いを進めてきたが、今後も激しくなる。傍聴闘争の参加人数をぜひ増やしてほしい」とのまとめの提起がありました。

 各支援の挨拶は割愛され、反対同盟は「出荷作業」のため、急いで現地に戻られました。

                【報告】 安藤眞一関実事務局次長

【管理人よりコメント】 すごい一撃です。「41-9」が市東さんの耕作地でないことは、成田市農業委員会の時点(07年7月)ですでに市東さんと顧問弁護団より指摘されてきました。にもかかわらず、成田市農業委員会、千葉県農業会議は、現場を見ることもなくNAAの主張を追認し受理したのです。そして千葉県知事が、即刻、市東さんの「耕作権解除」を認可しました。これがすべての始まりです。また、弁護団は農地は膨れるものであり、耕作者と地主に異議がなければ10年の耕作の経過で賃借地と法で認められ、農地を切り刻んで「賃借地」と「不法耕作地」と分けることが間違いだと指摘し続けてきました。

 こうした点からも、今回の「41-9取り下げ」は、市東さんへの「農地法による農地取り上げ」の3つの裁判が成り立たないことと、千葉県農業会議、成田市農業委員会の犯罪こそが問題とされなければならないことを示しています。

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2011年2月21日 (月)

山口県上関で、中国電力が暴力的に工事開始

11221 ★ブログ「虹のカヤック隊」が以下のように伝えています(左写真は、同ブログより)。

21日深夜2時すぎに、200人~300人ともいえる、
数えきれない程の作業員、警備員、中国電力社員が田ノ浦に来ました。

現在は、祝島島民や、全国から集まった人の、懸命な抗議にもかかわらず、
田ノ浦の浜に百数十人の作業員が入り、資材が運び込まれている状況です。

海上からも、毎日動かされる主な作業台船が深夜2時前に田ノ浦に向け出港。
他にも複数の作業台船が向かって入る様子です。

 ★また、祝島島民の会ブログが昨日、以下のように訴えておられました。長いですが、全文以下にコピーします。

【緊急】中国電力、週明けにも数百人規模の動員で埋め立て工事を強行か
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島民の会より緊急の状況報告です。
中国電力が週明けの2月21日(月)から数百人規模の動員をかけ、埋立て工事を強行しようとしているそうです。
海では祝島を除く近辺の推進派漁業者の船数十隻を自主警戒船として雇って漁業者同士を争わせ、その混乱の中で作業台船を工事海域まで入れようとしているようです。
また陸上では、中国電力の社員や警備員、作業員など数百名が建設予定地海岸(上関町田ノ浦)を封鎖し、浜への立ち入りをさせないようにして作業を進めようとしているとみられています。
真偽のほどは不明ですが、社員、警備員、作業員、警戒船の漁業者など、中国電力の今回の動員数の合計は、祝島の人口(500人弱)を超えるのではないか、という話もあります。
これまで中国電力は、祝島をはじめとした上関原発計画に反対する上関町の住民に対し、理解を求める努力も満足にすることなく、裁判、あるいは直接的な力でもって原発建設をむりやり推し進めようとしてきました。
そしてそれは今回も同様のようです。
島民の会としては、中国電力がどのような形で作業を強行しようとしてきたとしても、これまでと同様に決して暴力などを使うことなく、そのうえで原発建設に反対し、自分たちの生活を守り、豊かな海や自然をつぎの世代に残す意思を示していきます。
中国電力が2月21日に実際に作業を強行しようとしてきた場合には、このblogをはじめとしてさまざまな人がさまざまな形でその状況を発信することになるかと思います。
その際には、各メディアやblog等でその情報を広め、中国電力の暴挙を多くの方々に知っていただけるようご強力をお願いしたいと思います。
また上関原発問題については、ざっと挙げただけでも下記のような現状・問題点があります。
中国電力や山口県、経産省にぜひ抗議、また疑問の声を届けてください。
(経験者の方によるとメールよりもFAXの方が相手方にきちんと読んでいただけるとのことです。ただ相手方の業務に支障がでないよう十分ご留意ください)
・地域住民、とりわけ予定地対岸に住む祝島島民の同意や理解もない中での工事の強行
・中国電力は約30年もの間、祝島島民など上関原発建設に反対する人たちへの理解を求める活動を満足にしてこなかったこと、また現状でもできていないこと
・中国電力が地元住民を裁判で訴えて反対運動を止めさせようとしていて、SLAPP訴訟(嫌がらせ訴訟)だと指摘されていること
・祝島の漁業者が約10億8000万円もの漁業補償金の受け取りを拒否して原発建設に反対していること
・推進派の漁業者を電力会社が大量に雇って、地元の漁業者同士を海上で争わせようとしていること
・カンムリウミスズメなど希少な動植物の調査が不十分であることを学会等に指摘されていること
・予定地の陸・海域はCOP10(生物多様性国際会議)でも注目されたほどの「奇跡の海」で、なおかつ日本は2012年までCOP10の議長国であること
・原子炉設置の許可も出されていないうちに埋め立て工事をしようとしていること
・埋め立て許可免許の期限の3年間のうちすでに1年4か月が過ぎ、期限内の埋め立て工事の竣工が事実上不可能な状況であること、しかしそういった状況にもかかわらず工事を強行しようとすること
・上関原子力立地プロジェクトが山下中国電力社長の直轄になったとたんに、上記のような状況を無視して工事を強行しようしてきたこと
中国電力本社
TEL 082- 241-0211
FAX 082- 523-6185
中国電力 上関原発準備事務所
TEL 0820- 62-1111
山口県知事への提言
TEL 083- 933-2570
FAX 083- 933-2599
経産省
経済産業省大臣 海江田万里
TEL.03-3508-7316
FAX.03-3508-3316
e-mail: office@kaiedabanri.jp
原子力発電立地対策・広報室
03-3501-1873
上関原発計画を止め、次の世代にこの豊かな瀬戸内の海を残すため、多くの皆様のご協力をどうかお願いいたします。
また長文ではありますが、この呼びかけをblogやML等に転送、転載して広げていただけると助かります。
祝島島民の会
抗議の声を届けましょう!

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2011年2月20日 (日)

市東さんの農地をめぐる行政訴訟・農地法裁判へ

 10111_2 2月22日、市東さんの農地をめぐる行政訴訟と農地法裁判が行われます。行ける方は、ぜひ傍聴にかけつけてください。(右写真は、南台の畑で草取りをする市東さん。10年11月1日撮影)

 前回の口頭弁論で、空港会社NAAの「とうとう言っちゃったひと言」をめぐって、この日の裁判は非常に重要な局面を迎えています。残念ながら前回の口頭弁論には、関西から誰も駆けつけることができませんでした。「反対する会」のブログの報告を引用させていただきます。

―― 「今日の弁論で、弁護団の追及におされるように、多見谷寿郎裁判長は、南台41-9の土地について、空港会社の代理人に現時点での見解をただしたのです。

 すると空港会社の代理人は、『占有しているかというと現在は違うが、賃借地である』と言ったのです。

 その言葉を聞いた市東さんはスクッと立ち上がり『うちは90年間つかっていない』とキッパリ。弁護団も『訴状では占有していると書いてある。占有していないというなら、それはいつからなのか』と語気を強めます。

 そうです。空港会社は3年前、その土地を市東さんが占有、すなわち耕しているから『明け渡せ』と、訴訟を起こしたのです。傍聴席からも『占有していないっていうなら、何のために裁判やってるんだ』『裁判を取り下げろ!』と次々声が飛び交います。

 多見谷裁判長も『占有の事実がないなら、(提訴の)要件事実を欠いていますね』と言わざるをえませんでした。

 とうとう言っちゃった空港会社のひと言。『言った、言わない』にさせないように、弁護団のねばり強い要求で、裁判長はNAAに対し、次回までに『占有』についての見解を書面で明らかにするよう申し渡したのです。空港会社の『言い訳』が見ものです。」 ――

 『言い訳』を断じて許さず、市東さんを始めとした反対同盟、弁護団、そして傍聴団の闘いで空港会社NAAを追い詰めようではありませんか。2月22日、とくに近い関東の皆さんの傍聴闘争への決起を訴えます。

●市東さんの行政訴訟第13回口頭弁論

【日時】2月22日(火)午前10時30分 / 【法廷】千葉地裁601号法廷

●市東さんの農地法裁判第8回口頭弁論

【日時】2月22日(火)午前11時10分 / 【法廷】千葉地裁601号法廷

 なお、傍聴券抽選のため、午前9時30分までに千葉地裁1階ロビーにお集まりください。

 この2つの裁判は、4年前、06年7月に、空港会社NAAが、「耕す者に権利あり」と定めた農地法によって、空港建設のために市東さんの耕作権の解除を成田市農業委員会に申し立て、千葉県によって許可されたことで起こされました。

 その後、「農地の流動化を進める」という理由を掲げて農地法の改悪、「耕す者に権利あり」の換骨奪胎、骨抜きが国会で強行されました。そして農村の疲弊、限界集落の進行などを理由に、農業切り捨ての論理が横行し、ついに農業破壊を極限的に進め、北海道、沖縄などの農業を壊滅させると言われるオーストラリアとのEPA(経済連携協定)、そしてTPP(環太平洋経済連携協定)が今年の6月を一つの山とする形で論議と外交交渉が進められるという重大な事態を招いています。市東さんの農地をめぐるこの2つの裁判は、こうした情勢を真っ向から見据えた三里塚反対同盟、そして三里塚闘争の農地死守のきわめて重大な切っ先となっているのです。

 Photo_2 先日、「限界集落 -吾の村なれば-」(日本経済新聞出版社刊 曽根英二著)という本を読みました。著者は、アナウンサーから記者に転身し、瀬戸内海の豊島の産廃不法投棄をスクープして有名な方です。

 中国山地の奥、岡山県新見市に大合併された神郷釜村のルポです。地域の小学校や中学校が次々と廃校にされ、田んぼや畑が荒れるにまかされている「限界集落」に住む高齢化した農民の想いと姿が、ほんとうに美しい文章でつづられています。

 そこに引用されている大学の先生のことばに、「いま中国山地とかで何が起きているかというと、なしくずし的にいつのまにか集落がなくなったという現象だ。これは都会の老人の孤独死と同じ状態だ。人が死んでいるかどうかもわからない、集落がなくなっているかどうかもわからない。そういうことはもの凄い非人間的なこと」だと。

 そしてその「限界集落」の中で、「江戸時代末期、神郷釜村は『竹の谷蔓』という蔓牛を生み、日本最古の蔓牛として、日本の和牛の元を築いた」、その純粋の系統牛「蔓牛」を再生させる努力を、行政からの援助もなく黙々と取り組んでこられている平田さんという方のお話し、あるいは65歳以上の高齢化率が50%になった豊永地区でピオーネというブドウの一大産地になることを通して、県外から若い「農民」が転職して入植し幼い子供たちを抱えながら努力しておられる様子などが淡々と紹介されていきます。

 読みながら、市東さんを始め、萩原さん、鈴木さんのご家族が、三里塚で今、農に、土にこだわって黙々と営農にいそしんでおられる想いを重ねていました。時には涙さえ・・・。

 他方、農民作家の山下惣一郎さんは、「TPP反対の大義」(農文協ブックレット)の中で、TPPを「亡国の道である」と断じられた上で、「農家は『自衛農業』でわが身を守ることになる。食料問題は農家の問題ではないから自給率が農水試算の14%になろうとゼロになろうと知ったことではない。・・・あなたはどうしますか?」と問われています。

 22日の市東さんの農地をめぐる裁判を通して、農の問題を、土、農地の問題を、TPPが進められているこの局面の中で考えようではありませんか。TPPを絶対に許さない、そうした強固なうねりを生み出していきましょう。

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2011年2月19日 (土)

今週の産直野菜(2月19日)

11219  今週の産直野菜が先ほど届きました。聖護院大根、ネギ、ニンジン、小松菜、ヤーコン、ほうれん草、チンゲンサイの7種類です。

 聖護院大根は、小さめのためか2個も入っていました。でっかい三浦大根がそのまま残っている上なので、遠慮しないで1個でよかったのになぁとぼやいたりしています。昨日、野菜仲間とその話をしたら、「千枚漬けにしたらいいよ」とこともなげに言われましたが、手間やなぁと腰が引けたのですが、仕方ないか・・・。ほうれん草、小松菜、チンゲンサイが萎れていたので、1時間くらい水に浸けてやってから記念写真。

 反対同盟のブログでご存知のように、今週は、現地では週明けから市東さんへの第3誘導路工事攻撃が、旧小見川県道の封鎖と軒先工事の振動と騒音という連日の攻撃として市東さんに襲い掛かっています。こういう時は、本当に「遠いなぁ」と痛感させられます。お父さんの東市さんは、1980年代、二期工事の「軒先工事」をものともせず、母屋を改築、作業場を新築して踏ん張りぬかれたことで、「暫定」、それも「へ」の字誘導路を強制しました。今、孝雄さんも、そのお父さんの闘いを引き継いで、団結街道の閉鎖に始まる第3誘導路建設攻撃に対し、泰然として農作業にいそしんでおられます。この市東さんの想いを、3月9日、「三里塚・沖縄を結ぶ集い」でじっくりとお聞きしましょう。

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2011年2月18日 (金)

今の沖縄 第4の琉球処分 (知花昌一さんの講演 その3)

09522 座喜味城跡で、萩原さん、市東さんに沖縄戦などの説明をしている知花昌一さん(9年5月)

【知花さんの講演のつづき】

 もう一つは尖閣列島の領有権問題がでました。中国の船長を逮捕したということで大問題になっていったわけですが、それが、領有権問題で「固有の領土である」ということで「守るんだ」ということで、自衛隊の配備が取り沙汰され、実際にそういう動きが出てきています。

 沖縄の南西航空混成団はですね、1師団から2師団に倍になります。そして与那国という国境の島ですが、そこには今自衛隊はいません。とりあえずそこに200名の自衛隊を派遣するという形ででてきました。与那国も過疎地域です。そういった意味では自衛隊が来ることによって人口が増えるということと、自衛隊の基地ができるわけですから、基地周辺整備資金のカネも落ちるという形で、市長選を闘ったんですが負けています。そういった意味では、与那国や八重山、石垣島への自衛隊の強化というのがなされようとしています。1046

 領有権問題に関しては、これはもう戦争の問題だと思います。戦争で分捕り、分捕られてきた、千島列島もそうだと思うんですが、それを一方的に「固有の領土だ」と主張することによって、そこには「国を守る」というような民族主義的なものを煽り立てていく、そういうのが出てくる。実際に石油があるということがいわれてですね、あたかも石油が沖縄の人々を豊かにするかのように宣伝されてます。実態は、石油が出たとしても私たちの生活がすぐよくなるわけじゃないんです。やっぱり大資本の人たちが開発をしていく。そこでやっていくわけですから、必ずしも尖閣列島で石油が出たから、あるいは日本のものだからということで、沖縄が豊かになるような幻想を持ってですね民族主義的な煽りに乗っていくということは大変危険である。実際にも、社民党を含めて共産党もそうです。「尖閣列島は日本のものだ」ということで、強く主張しています。それに関しては非常に危険な状況がはらんでいるだろうと思っています。(右写真は、国会前で、知花昌一さんの三線にあわせて金城実さんが踊っておられる。10年4月6日)

 こういった難しい問題については、すぐにどうこうということじゃなくってですね、やっぱり戦争問題として捉えないといけない。そういうことで、沖縄戦の教訓というのは、軍隊は住民を守らないということですので、そういうことも含めてですね自衛隊配備については反対を、領有権問題については将来の知恵にまかすというぐらいのスタンスをもっていかないといけないんじゃないかと思っています。それが沖縄を取り巻く状況ということで、少し蠢いているということです。

 これは道州制問題と絡みながら展開されています。沖縄に関しては道州制が出た時に「チャンスだ」という人たちが、一部企業家を含めた形であります。一方的に政府から道州制の体制が組まれるよりは、自分たちで自立に向けた、あるいは場合によっては独立に向けて一歩踏み出すべきだという人たちが沢山います。で、それは一つには尖閣列島に石油があるから経済的にもやっていけるというような言い方をするわけです。それは非常に落とし穴があってですね、一部の人たちはそれを守るために軍隊は必要だと、だから独立した沖縄には軍隊を持つということまで、言う人たちもいます。独立派もいろいろ意見があるということですね。1本じゃないんです。

 そういうことも含めて尖閣問題に関しては、領有権問題に関しては、千島列島もそうだと思うんですが、やはり戦争で獲り、獲られという歴史があってですね、誰のもんだということは戦争を肯定しない限りはっきり言えないんですね。そういうことは後世にまかしとく。私たちよりももっと知恵が出るような若い人たちがどんどん出てくるはずですから、そういうことをすべきだと私は思っています。

沖縄の自立・独立について

  沖縄で今、自立とか独立ということが以前より多く語られるようになっています。特に一昨年が、薩摩侵入400年、そして琉球処分130年という節目でしたので、いろんな集会が持たれました。そしてそれが継続していろんな集会が小さい団体によって作られています。独立、自決含めてですね、なっています。1046_4 この問題に関してはずっと前からあります。1972年にも「反復帰」という、復帰反対と言うのではなくって「反復帰論」というのがありまして、運動としての復帰論ではなかったんですが、主に新聞記者、学者連中の人たちから出た論議がありました。

 今は「反復帰論」というよりも、自立、自決、そして独立ということが出てきています。ほぼ同じような内容です。だけど新崎盛暉先生と髙良勉さんが新聞紙上で論争になったんですが、新崎盛暉先生が「今の独立論は居酒屋論議だ」と、こう揶揄したもんですから髙良勉さんが頭にきて「違う」ということになっています。髙良勉さんは、今、「沖縄独立」という旗を持って、集会に参加するようになってきています。今は独りですが、もろもろやっています。

 私も気持ちとしては、今の日本政府のあり方、そして日本の民衆の動きが鈍いということも含めて、沖縄の問題、基地問題は本当に沖縄の問題じゃないのに沖縄が背負わされなければいけない、こういう状況を見た時に、独立、自立含めてですね、私もそこに非常に共感を持つような状況です。だけどまだ運動としてやる思いがその独立論者の中にはありません。だから言い方としてきついかなと思ったんですが、「独立論は文化人のマスターベーションだ」という域を出ていないと私は思っています。

 私は日の丸を燃やしたということでですね、フィリッピンの人たちとも交流がありました。そしてプエルトリコの人たちとも交流がありました。フィリッピンはスービックと言うアメリカの基地を追い出しました。沖縄よりもフィリッピンの人たちの生活水準が低いです。アメリカの基地に対する依存度が沖縄より高い状況にあったんです。ところが彼らは基地を追い出したんですね。で、質問したんです。「なんで、フィリッピンの人たちがアメリカの基地を追い出すことができたんですか」と聞いたわけです。そしたら彼らは何と答えたかといったら、「民族的自尊心だ」とこう言ったんですね。

 で、沖縄の人たちに「民族的自尊心」というのがあるのかなというと、僕は今のところないだろうと思っています。歴史的経過、日本と沖縄との関係からすると、もっと民族的な琉球民族だとか独立というのが、もっと叫ばれてもいい関係であるにもかかわらず、まだ弱いというのは何かというと、「民族的自尊心」というのが消されてきた経過があるわけです。これは日琉同祖論というのがありました。これは、明治、大正、昭和の時代にですね、日本の中で差別をテコにしながら沖縄が日本に併合されていくという中で、日本と沖縄が同じ祖先だということで、文化的にことばやいろんなものを使いながらやった人がいます。「沖縄学の父だ」と言われている伊波普猷さんがその中心的メンバーだったわけです。それがおかしいと、「化けの皮」というか、戦争協力者だったというのがばれてきているんですが、いずれにしてもこういうものがあります。

 そして私たちが体験した祖国復帰運動、「祖国」、「日本は祖国なんだ」という、これは日琉同租論と同じ系列です。私もそれに侵されています。そういうものをまだ払拭できていない。そういった中で、フィリッピンの人たちから言われるように、「あんたたちは民族的自尊心はないのか」とこう言われるようにですね、まだそれがない。しかし、少しずつそれが増えているというのがあるんですが、現実的にはこの「民族的自尊心」というのが削られていった経過があります。

 09329 私は心情的に独立とかすいうものに共感を持っていると言ったんですが、それが実際的にはまだあと50年くらいかかるんじゃないか、そういった意味で準備をしていく必要があると思っています。それは何かと言ったら、やっぱり経済的自立が一定確保しないと、多くの民衆は納得しないだろうと思います。今、県の自主財源比率は、27.9%です。非常に弱い。30%もいかないくらいですね。だからみんな日本の補助金だとかそういうもんにあるわけです。そういう状態だったら、独立とか、自立とか、そういうことは実態的に説得力を持たないんだと思います。そういった意味で、50年かかって私たちは自立をしていく事をしないといけないと思っています。(右写真は、09.3.29三里塚全国集会で挨拶される知花さん)

 そういう意味で、先ほど話しました(省略した部分)沖縄の経済界のトップであるKさんなんかが、「140万の人たちにどうして飯を食わすんだ、自分たちはそれを考えてきた、あんたたち革新はそれを考えてきたか。基地反対、反対言ってるけど、ほんとに140万を食わすために考えたか」と言うことを聞かれたりよくします。今は、だから言えるんです。こういう実態があるからですね、反論できるんですが、以前は反論できませんでした。

 そういう意味ではまだ27.9%の自主財源比率ではモノが言えないということで、私たちは返還された跡地を生活と生産の場に変えていく作業をやらんといかんと思っています。

 私は反戦地主で、反戦地主のスローガンは、戦争に使われる、人殺しのための米軍基地を生活と生産の場に代えていくということが私たちのスローガンです。それを私は実践しようということで読谷においてやろうと思って今動き出しています。

 これにちょっと書いていますが、「オリーブで村おこし」ということで、今、オリーブを400本仕入れてですね、そして読谷飛行場、「象の檻」の跡地に植えて、約1万本くらい植える計画をしているんですが、そしてオリーブで村おこしをしようということを考えて動き出しています。

 そういうことで、観光というのは4100億円もあってですね沖縄の中心的な基幹産業になっています。だけど、これだけでは非常に弱いと私たちは思っています。たとえばドルが安いといった周囲の政治状況を含めて、いろんなものに左右されやすくて脆弱な関係があります。植民地の時代の中で、第1次産業、第2次産業、特に第2次産業が徹底して破壊されました。ほとんどもうないと言っていいくらいです。09522_2 農業自体も非常に弱いです。そういった意味では植民地時代の経済構造そのものが残っています。それから観光をもっと持続的にやるためにも、第1次産業、第2次産業の強化を含めてやらんといかん。そうしないと観光植民地になるということで、今、若い人たちを中心にしながら、そういう物事などを考えながら新しい時代を作っていく、いうかたちでやっています。(右上写真は、読谷の町おこしの一つ、「やちもんの里」で登り窯を萩原さんに説明しておられる知花さん。09年5月)

 そういうことも含めて、当面の問題としては基地を絶対に作らせないということを、辺野古、高江含めて闘っていく。そのためにも、私たち沖縄140万くらいです、そこに日本政府はがむしゃらに基地を作ろうということになっています。それを止めるのは、私たちは絶対やるんですが、本土の多くの人たちが力を出してくれればいいんじゃないか、そうしないといけないという状態になっていると思います。

 神戸空港の問題と直接結びつくということはできないかもしれませんが、沖縄の状況をよくわかっていただきたいということと、いっしょに基地を止めていく、戦争を止めていくことをしたいと思っています。

 ということで時間が来ましたので、僕の独り言を終わりたいと思います。」ありがとうございました。

 三線を持ってきたんで、1曲弾いて終わりたいと思います。

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2011年2月17日 (木)

神戸空港開港5年抗議集会 (2月16日)

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 昨日16日、神戸空港が開港して丸5年になることに抗議して、新社会党や日本共産党の神戸市議団をはじめ神戸再生フォーラム、ストップ神戸空港、そして神戸空港の中止を求める市民の会など21団体が主催して、神戸市役所前での集会が、約100名の結集で開かれました。

 神戸空港の経営破たん、管理収支の赤字化、土地売却の遅れによる建設借金の先送りなどに怒りの声が集中しました。新都市整備事業会計でやりくりすることは、結局市税の投入と変わらないと。そして震災後16年を経過して、神戸空港に湯水のごとく金を投入しながら、借り上げ住宅から被災者を、高齢者を叩き出そうなどと許せるかと怒りの声が集中しました。

 神戸空港の中止を求める市民の会は5人が参加し、白石裕事務局長が挨拶しました。

【白石事務局長の挨拶】

 こんにちは。神戸空港の中止を求める市民の会の白石です。私たちはこの日曜日に、神戸空港廃港、即撤去をしなさいという確認の集会を100人の方々の結集で盛大にやりました。そこで確認できたことは、今神戸空港がマイナスの要因ばっかり報道されている、これは事実だと思います。本当に今、神戸空港をやめて撤去にむけて考えないといけない時です。作り始めた時に間違えたんですから元に戻せばいいんです。それを私たちは13日、確認をしました。11216_2

 神戸空港について大阪府の知事やなんかが、沖縄の問題とひっくるめたようなことを言いましたけれども、あれだって考えたら「神戸空港に使用料が入るんだったら軍事空港だっていいよ」ということになりかねない。私たちは、そんな危険な思いをもちます。

 とにかく神戸空港ができたために、神戸の港は汚れてしまいました。私たちの代表である讃岐田さんは、この汚れをなくするのは神戸空港をやめるしかないんだ、撤去してもとの海に戻せ、それしかないんだということを言ってますけれども、私たち神戸空港の中止を求める市民の会は、それを今後ともみなさんの支援を受けながら強力に進めて行きたいと思います。

 ありがとうございました。

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2011年2月16日 (水)

今の沖縄 第4の琉球処分 (知花昌一さん講演 その2)

09522  上写真は、沖縄・読谷村のチビチリガマの前で、三里塚の萩原さん、市東さんに村人の「強制死(集団自決)」を語る知花昌一さん(09年5月)。

【知花さんの講演の昨日のブログの続き】

 これは県議会が、沖縄県の研究所などの資料を集めて作ったものです。今、年間、沖縄県に基地があるゆえに投下されているおカネがあります。これは基地周辺整備資金だとか、あるいは北部振興資金だとかそういうものです。私たち読谷村も100億ぐらいの予算規模です。そこに約10億前後が基地関係の収入として入ります。結構大きい金額ではあります。それで、現在沖縄県に投入されている、1年間での基地関連の補助金や資金が、3,255億円あります。

 11213 それを「全部基地をなくせ」と言ってるわけですから、どれくらいの効果が基地をなくしたらあるのかということを調べたのが、年間で9,155億円の生産誘発額があると。今の投入されている金額の2.2倍くらいあります。そして失業率に関しても改善されます。これは今日の誘発者数が、今の2.7倍ぐらいあるということになっています。これは私が恣意的に言っているわけじゃなくって、ちゃんとした県議会の報告書です。報告書は、レジメの10ページから12ページに資料としてつけてあります。ちょっと見てください。これはネットにあるものですので、興味のある方は後でご覧ください。私が書いたものではありません。

 12ページにありますが、これで基地が全部返還されると100%で生産誘発額は4兆7千億円あります。雇用者数も48万以上あるだろうということで、一気に最低所得、あるいは失業率の高い県から、基地がなくなると豊かな県になるのじゃないかと思っています。ところが、これが全部実際にできるわけじゃなくって、沖縄の力、基地が返された時にそれを活用する沖縄の力というのが必要です。100%あれば4兆円の効果があるんですが、私たちの力はそれだけはないということで、県が計算したのが力(実現可能性)は19.4%。約20%ぐらいが、沖縄県が基地を全部返された時に活用できる今の時点の力だろういうことです。そういうことも計算しながらやったのが12ページの1番下の「8」のところにある、1年間で生産誘発額は2.2倍、所得誘発額は2.1倍、雇用誘発者数が2.7倍ということであります。

 もう県も、県議会もそうですが、多くの方々が、基地がなくても沖縄はやっていけるというような感触を持ってきています。

 ところが本土の中の人たちの中には、「基地がなくなると沖縄は大変じゃないか」と、「基地によって経済的に潤っているんじゃないか」と言う人たちがいます。これはまあ、はっきり言って素直な疑問であると思います。でも「違う」ということを僕はこの4、5年前から言ってるんですが、これが明らかになってきてるのです。

10425  「基地がなくなると困るんじゃないか」という理由としては、「軍用地料がたくさん入ってるじゃないか」。これがなくなると、「軍用地料でご飯を食べている人もいるはずだ」し、「高齢の方だったら基地がなくなったら、仕事もできないし大変じゃないか」という、そういう素朴な疑問もあります。もう一つは、米軍家族がいます。「そういう人たちが使うドルがある。それで経済がちょっと潤っているんじゃないか」ということを言われます。もう一つは基地に従業員がいます。9千名ぐらいいますが、その人たちが全部解雇される。その人たちをどうするんだという素朴な疑問があります。(左写真は、昨年の4・25県民大会後の金城実さんのアトリエでの交流会で挨拶される知花さん。中央に三里塚の萩原さん、市東さん(後姿)、左に見上げる山本さんがおられます。)

 でも、そういう疑問は、沖縄の中ではだいたいが説明できるようになっています。これがレジメの8ページの黒い●印で書いてあります。

 軍用地主は、まあ、私も軍用地主だったんですが、「象の檻」が返されたものですから今は軍用地主ではありません。でも、軍用地主は3万8千名ほど沖縄にはいます。土地を盗られた地主ですね。それが、軍用地主料が783億円。毎年ほぼそのくらいの金額が入ります。これはアメリカから入るんじゃなくって、みなさんの、私たちの税金から払います。全部、日本政府が払うんですね。でも、返還されたところが結構あって、軍用地料が入らないんです。

 私の「象の檻」も返還されて軍用地料が入らなくなりました。「象の檻」全体で3億6千万の軍用地料が入っていたんですが、入らなくなりました。じゃあ、入らなくなったら生活に困るかいうことです。私は事業をしていて、生活相談なんかを受けたりもするんですが、「象の檻」は私たち読谷村の波平という部落の人たちが持っている土地です。それに対して「軍用地料がなくなったから生活に困った」「大変じゃないか」と相談に来たのは1軒もありません。10年前に返還闘争した時には、酒を飲みながら僕に文句を言う人もいました。「あんたが返還運動して、基地が返されると、軍用地料、入らなくなるじゃないか。どうなんだ」と言われたことがあります。今、私は「象の檻」返還地主会の会長です。僕に文句を言った人たちも含めて、今、跡地利用の計画をしています。1人も僕に相談をしてきた人はありません。

 そういった意味では全体的にそうです。基地がなくなっても、軍用地料は入らないけれども、その跡地利用をやるということに積極的になっています。

 そして米軍の家族の消費がなくなるじゃないか。ドルを使わなくなるから、よけい沖縄の所得はダメになるんじゃないかということがありますが、確かに米軍人関係でですね、約4万5千名くらい沖縄にいるんです。その米軍が使う直轄事業、あるいは家庭消費、それぞれの金額がありますが、合わせて約400億円ぐらいが年間落ちるわけです。以前は大変な状況でした。1972年の時点では、基地がなくなると沖縄の経済はダメになると言われてもしょうがないくらい基地に依存度が17%から20%くらいあったと言われています。ところが今は、その400億というのが沖縄に落とされるわけですが、沖縄経済全体の比率からすると4%から5%くらいです。確かに基地がなくなると4%くらいダウンするかもしれない。でもそのくらいは、十分我慢できるし、乗り越えられるという風に思っています。

 なんでそうなっているかということですが、17%から20%から4%の依存度になぜなっているかというと、ドルが安くなった。昨日のを見ると今、83円くらいですね。ドルが安くなったということと、もう一つは観光が非常に盛んになったということがあります。1972年当時は、本土から44万人くらいの人たちが沖縄に観光に来ていたと言われています。その人たちが使うおカネが、324億円くらいですね。今じゃあどうなっているかというと、今、600万人ぐらいが年間来ます。ドルが安くなったということで、海外に行く人が増えたりしてちょっと落ち込んではいますが、それでも600万人くらい年間沖縄に来るわけです。そしてその収入が4100億円くらいが入ります。もうアメリカが落とす400億をはるかに超える観光の収入があります。みなさんが沖縄に来るときは恐らく10万円くらい持ってくるでしょう。だいたい平均7万円くらい。全部落ちるわけじゃなくって、飛行機運賃とか本土のリゾートホテルにも泊まるし、そこから本土にも行くんですが、いずれにしろ4100億円が沖縄に落ちているということになります。そういった意味では、もう基地に頼らない経済構造が、ちょっと弱い第3種産業ではあるんですが、それがあるということです。

 従業員に関してです。「基地がなくなると9千名が失業する、大変じゃないか」。確かに大変です。でも、これはクリアーできると思っています。なぜクリアーできるかというと、沖縄の基地は、沖縄が持って来いと言ったことは一度もありません。日本が戦争をしでかして、そしてサンフランシスコ条約でアメリカに売り渡し、そして返還の中で基地をそのまま維持していく、安保体制に組み入れていった。こういった点からすると、沖縄に基地があるのは日本の政策によって、日本政府によってなされたことである。それに対しては日本は責任を持ってやるべきだと思いっています。そして今、それは十分できると思います。なぜかというと、米軍駐留経費、アメリカ軍がいるということで、我々の税金から出されている金額が7146億円あります。すごい金額です。その中で「おもいやり予算」が約1900億円ぐらいあります。これは、2~3年前には2600億円ありました。ちょっと減っています。それでも今もって1900億円が毎年、アメリカ軍のために「おもいやり予算」だけでも出しています。「おもいやり予算」というのはどういう風に使われるかと言ったら、アメリカ人が住む電気料、水道料、そして基地従業員の給料、軍用地料、そういったものを全部、日本政府がアメリカに肩代わりして出しているんですね。

 そういったものがまだ居座っている。基地がなくなるとこれがなくなります。その時、駐留米軍経費7千億円、あるいは「おもいやり予算」約2千億円がいらなくなるわけです。これを9千名の解雇される人たちの再就職に向ければ、十分にその人たちが仕事に就けれていける、私はそういう風に思っています。それはまたやるべきだということで、基地が無くても沖縄はちゃんとやっていけるよということを、私たちはただ個人的に基地反対をしている僕の言葉じゃなくて、県議会の報告含めてですね、沖縄県全体で共有するような状況に、今、だんだんだんだんなってきています。Img_5074

 そういった意味で、今、新しい時代に行けるかなという希望を持ちながらやってるわけです。

 レジメのその部分の下に参考として置いているんですが、これまでのなんでこういえるかと言ったら、返還された土地の活用がなされてきているわけです。ハンビー飛行場、北谷(ちゃたん)町のハンビー飛行場というのがあったんですが、そこに小さい飛行場があったんですが、今は返還されてそこにアメリカンビレッジとか美浜とかいうショッピング街ができています(雇用が100人から2259人、税収357万円から1億850万円へなど)。そして那覇の新都心、これも米軍住宅地だったんですが、今はもうすごい街になっています。そういったものを含めて、返還された土地が、意外と沖縄の人たちの知恵というか、相当時間がかかったんですが、実績が上がってきている。そういった前例があるものですから、もうやっていけるという状況になっています。(右上写真が、那覇の新都心の中心部。昨年の知事選挙最終日 10年11月27日に)

 (一部省略)

沖縄を取り巻く状況

 沖縄を取り巻く状況ということで、少し僕の想いを述べていきたいと思うんですが、知事選にはみなさんからも多くの支援を受けたんですが、伊波さんは負けました。僕らは、基地問題を焦点にできたら絶対勝つという風に思ってたわけです。仲井真は、辺野古の海を埋め立てて基地をつくるのを賛成していました。それをずっとやってきたわけです。伊波さんは、絶対に作らないということを言明して選挙運動に臨んだんです。ところが、そこにもあるように県民の86%が辺野古の基地に反対という中で、辺野古(新基地建設)を容認すると勝てないと彼らは見て、そして那覇市長の翁長さんが、基地反対をちゃんと入れろ、入れたら自分は選挙の参謀長になるという条件を付けて、仲井真はそれをのまざるを得ないという状況になっていました。そしてマニュフェストにも「基地の県内移設に反対する」ということを謳ったんですね。

 そういったことで基地問題を焦点化することが十分、私たちの運動の中でできなかったということが一つあります。そういうことも含めてですね、負けたということがあります。彼らが戦略的に、政治的にもうまかったと言えば、そういうことになるでしょう。だけど彼らもマニュフェストに入れたということで、それを一定守らなくちゃあいけない状況に今あります。だから、今のところつっぱてるんですね。それを崩そうとして、先ほど言ったんですが、総理大臣を始めとして大臣が沖縄詣でをしている。非常に多くの人たちが来ています。外務大臣の前原も来ましたし、防衛大臣などいろんな人たちが来ています。仲井真知事を納得させようということです。(左写真は、知事選挙で、那覇の国際通りで、伊波候補と稲嶺名護市長。10年11月26日)101126

 そういうことであるんですが、名護市の稲嶺市長さんが相当つっぱてるもんですから、県にはくるけれど、名護には一切来ません。1回も来てないんですよ、誰も。しかも、先ほど言いましたように再編交付金19億円をストップされているんです。それに対して、「止めるんだったら、頭を下げてはもらいにいかない」ということで、ここに書いてあるんですが、新年のあいさつにですね、名護市長は「再編交付金は労せずして入る金、自ら汗して稼いだお金で街づくりをする」ということを宣言しました。

 沖縄では、まあ今まで名護市もそうだったんですが、カネがぶら下がるとそれに飛びついていく、まあ、これは沖縄だけでなくて、神戸もそうかもしれませんが、だいたいそういう形でこれまでなされているわけです。そういう中で名護市の稲嶺市長は、ここまで言ったんです。そして沖縄では、先ほど言ったんですが「ふるさと納税制度」というのがあって、神戸からも名護市に税金を納入できるという、こういう制度があります。全額ではないのですが。そういう制度を使っていこうということで、結構入ってきています。まあ、10億、9億まではいかんと思いますが、でもそういう名護市を勇気づけるという意味でも、やろうと言っています。

 これは前例がありまして、米軍政下のもとで人民党、今の共産党ですが人民党の瀬長亀次郎さんという人が那覇市長に当選するんです。ところが米軍が金を全部止めるんです。まず琉球銀行というのがアメリカ傀儡だったもんですから那覇市に金を出さない、貯金を含めて全部凍結するんですね。そしたら那覇市は困るんです。そしたら那覇市民が率先して納税しようということで、那覇市に列を作って税金をもってきたという運動があります。そういうことが前例としてあったものですから、瀬長亀次郎さんの娘さんたちが新聞で呼びかけをしながら、そして今、あちこちから名護市に資金を、寄付含めてやろうという動きが出てきています。それが非常に勇気づけられる状態になっています。

 これまでほんとに「カネ、カネ、カネ」ということだったんですが、1歩ぬけてですね、自力でやっていこうというのが名護市で成功すれば、どんどんそれが広がっていくんじゃないかと思っています。ちょうど岩国で負けてしまったものですから、大変だなという思いがするんですが、でも岩国で負けたものを沖縄で取り返そうとやっています。  (つづく) 

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2011年2月15日 (火)

今の沖縄 第4の琉球処分 (知花昌一さん講演 その1)

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 今、「カネ、カネ、カネ」というお話しがでましたが、沖縄も基地をめぐって「カネ、カネ、カネ」というのが吹き荒れています。名護市に対して10年間で1千億円、基地建設の機会に出すということで、この13年間やってきました。そして実際には880億、名護市を含めて北部振興資金として出されました。ところがその効果はどうだったか。この880億というカネは全額いろんな事業に100%でるわけじゃないんです。いちばん効率補助として90%です。そして80%とか85%とか事業によって補助金の比率が違います。

 今、名護市は約500億ほどの財政ですが、そのうちの実に100億程度が借金としてあります。それがどんどん増えているということで、財政負担が、1000億をとるためにほとんど土建関係の工事がどんどん入っています。ところが投入はされるけどそこにとどまらない。101125 そして那覇や東京にもっていかれるわけですね。そして実体的に経済的に効果があったのかということが試算されているのですが、ほとんど効果は無しと。雇用効果に関しても、失業率に関してもほとんど改善されていないというのがこの12年間のことでした。

 そして今回の選挙においてはそれを建設業関係の方々もわかってきて、その方々が「基地反対」に回ってくるということで、今度の選挙では稲嶺さん(右上写真。辺野古キャンプシュワブ前で座り込む嘉陽のおじいと握手する稲嶺進名護市長。10年11月25日県知事選で)が当選したというのがあります。

 そして、それに対して後でも述べるつもりですが、880億、あと120億は止まったわけです。なぜかというと、再編交付金ということに変わりました。いわゆる「出来高払い」です。辺野古の建設のために賛成をしていく、あるいは工事を賛成していくたびごとにカネをつぎ込むという「出来高払い」のものに変わったんですね。それで一番ひどい被害というか打撃を受けたのが岩国の市庁舎建設だったわけです。あれも途中で止められて、ひどい扱いをされたのです。今回も名護市の稲嶺市長は、基地は許さない、陸地にも海にも作らせないということを宣言したということで、今、再編交付金としての19億、一昨年の9億、去年度の10億円が凍結するということで、今回も出さないということになっています。それに対しても「ふるさと納税制度」ができましたので、そういうことも含めて全国からいろんな協力が寄せられている状態であります。

 ほんとにカネのつぎ込み方がすごいです。たとえば辺野古の地域、辺野古の部落というのはだいたい1500~1600名の人口があります。そこに9億円の公民館ができるんです。9億円ですから、1億円を地元名護市が出すんですね。あと8億円が補助金として出る。1500~1600名の人々が9億円で作った建物を十分に使い切れるかと言ったら、ほとんど使い切れないというのが実態です。ほんと、目を見張るような建物ができています。101125_2 それを活用するということができない。ただその運転資金に関しては地元持ちということで、まあ、辺野古に関しては区有地、部落有地が基地の中にあるので軍用地料があります。それが出ていくというようになるようですが。

 いずれにしろ、カネがぶら下がる。市長はそれを獲る仕事。それを獲りきれないのかという批判も出る中で、獲らんといかん。その中で全額来るわけじゃないので、負担率1割や、1割5分を財政が出さんといかんということと、その後始末の運転資金を全部、市が、あるいは地域が持たんといかんということで、そういうものが10年間のうちに見えてきたというのがあります。名護市ではそういうことも含めて、今、基地反対の新しい市長(左写真、稲峰進市長、10年11月25日)が登場したということになっています。そして、今は辺野古に関しては小康状態というか、こういう状態です。

 その代り今、北部の東村、高江というところ300名、400名くらいの小さい村落なのですが、そこを囲む形で6つのヘリコプターの発着場所を作るということで、「とんでもない」ということで阻止闘争を今しています。201102141143000 毎日、月曜から木曜くらいまで、先日は金曜が休みでしたので、木曜までだったんですが、約100名くらいの作業員と防衛省が乗り込んできて、こちらは50名程度。結構遠いので十分行けないんですね。那覇から3時間、読谷から2時間かかる状況でですね、1日がかりで闘いをしなければいけないということで、毎日、交代しながら行ってるんですが、4ヶ所あるんですが、今、2ヶ所工事をするということで、こちらの支援も2手に分かれながら、もみあいをしながら阻止をしようということで、一方では阻止したりするんですが、一方では入られたりという状態です(右写真は、昨日の高江。抗議している様子です。ブログ「やんばる東村 高江の現状」より転載)。

 ほんとに「カネ、カネ、カネ」でやろうとしています。しかし、カネのうらみは、負担は私たちがしなくちゃいけないというのが見えてきたというのがあります。

 今日は神戸空港の問題で、沖縄の基地問題を話す機会が持たれたことを非常に感謝します。今の沖縄がどうなっているかということを、もう一度皆さんと一緒に考えながら。今、話しがありましたが、辺野古の基地を神戸空港に移せと橋下なども言うぐらいですね、地方空港というのはほとんどが赤字で、赤字のものを軍事空港にしていくということで、政府がカネをだし、あるいは米軍が使うことでそこにカネが落ちるという形でカネを持ってくるというようなことが往々にして考えられていると思います。そういうことも気を付けながら反対運動もすべきではないかと思います。

 あまり時間もないのですが、沖縄の状況を話したいと思います。簡単なレジメを用意しました。

11213_2今の沖縄をどのように見るか

 今、私たちは、民主党政権ができる時に、沖縄に一度は約束をしました。「最低でも県外」と。ところが実体は沖縄にまた基地を押し付けると。自民党と全く同じことをしているのが今の政権であります。それをどういう風に私たちは思っているかというと、これは「第4の琉球処分」であると私たちは思っています。そこに書いてあるんですが、第1の琉球処分は、1879年ですね。琉球という国があったんですが、それを強引に日本に併合した。600人の軍隊、警官隊を導入して、首里城に攻め入って、国王を拉致して沖縄県にするわけです。それを琉球の軍事併合と私たちは言っています。これが普通言われている「琉球処分」ですね。ここに書いてるんですが「処分」というのは「権力作用の発動で一方的に決着をつける事」だと思います。そういうことが、今、沖縄でなされようとしている。第4の琉球処分だと思っています。

 第2に琉球処分が1952年の4・28。これは51年に講和条約が締結されるんですが、発効が52年の4・28ですね。私たちは、この4・28を「屈辱の日」だと思っています。そしてこれから米軍による軍事独裁支配に入る。人権なんかないような支配がなされました。その屈辱の時代を乗り越えようということで、沖縄の大半が選んだのが本土復帰ということだったわけです。そして本土の皆さんと一緒に沖縄も、コザ蜂起、コザで80台くらいの米軍の車をひっくり返して燃やすという風な、怒りがたまってやった、反米蜂起なんかもありましたが、そういうことも含めて私たちは復帰運動をしました。みなさんも同じような年齢ですので、みなさんの若かりし頃も、学生や労働者を含めて返還協定反対ということで、相当、本土の人たちも血を流し、亡くなった人もいます。そういう中で、今基地がある沖縄にならないように闘ってきたんですが、残念ながら、1971年、72年の返還協定反対闘争が十分な勝利をしなかったということで、今の沖縄の基地があるという風になっています。 それが第2の琉球処分を含めて、第3の琉球処分が1972年です。

 あれほど求めていた屈辱の米軍支配を逃れるために返還を求めていたのですが、それが実現しなかった。そして一方的な処分がなされた。何かというと、基地を残すために処分をしたということになります。これは当時のニクソン大統領のもとでドジャース国務長官というのが議会で答弁をしています。1969年に佐藤首相がアメリカに行ってですね、ニクソン会談をして一応返還が決まるんですが、その時にアメリカの議会では「戦争で多くの犠牲をこうむり、多額の資金を投入して作った沖縄の基地をただで日本に帰すのか」いうようなことを質問しています。それに対して、ドジャース国務長官は「だからこそ返還するんだ」と言っています。「だからこそ」というのは、多くのアメリカ人の血が流され、死に絶え、そして沢山のカネをつぎ込んで作った沖縄の基地を維持するために、「だからこそ返還するんだ」と、これが返還の内容だったわけです。1046_2 だからその通りになりました。基地を完全に残すということで沖縄返還がなされてきたというのがあります。これが今の実態です。

 私たちは今の状況、ここにも書いてあるんですが「第4の琉球処分」。なんで「第4の琉球処分」というかというと、これほどまでに沖縄の人たちが「基地はいらない」と言いながらも、それを頭越しにつぶしていく。カネをつぎ込み、あるいはいろんな手を使ってやろうとしている。これこそ「処分」だと。「第4の琉球処分が今なされようとしているのだ」ということで、これが(5・28)日米共同宣言が発表される前に東京で金城実さんと知花盛康さん、そして僕を含めて国会前で座り込みをして「処分」をするなという運動をしたんですが(右上写真、屋外で受け取ろうとする官僚に怒りをぶちまける知花さんら。4月6日)、結局は、鳩山は日米共同宣言を5月28日に出して辞めるという状況になってしまいました。

 そういった「処分」が今進行しようとしている。それをやるために総理大臣を含めて、大臣が沖縄詣でをするというのが今、なされています。(知事)選挙で仲井真さんに伊波さんは負けたんですが、仲井真も基地の県内移設は反対すると、「県外へ」ということでマニュフェストをしないと勝てないというのがあって、それを入れた。ところが彼の本質は県内に基地を作るということに変わりありません。そういった意味で彼の弱さはわかっているから、日本の大臣方は、どんどん沖縄に来ています。仲井真とあって、沖縄振興、おカネです。沖縄の予算に関してはほとんど「仕分け」なしに押しています。そういう意味ではおカネで懐柔するということが進められているわけです。

 一方では、私たち運動でも、現場、辺野古もそうですが、高江、高江中心にやっているんですが、人数はそうたくさんにはなっていないんですが、それでもちゃんと阻止運動をしながら闘いを継続しています。その「第4の琉球処分」がそのままなされないためには、もちろん沖縄の我々は必死になって闘っています。私たちはこの間の運動の中で、独立ということなどもいろいろ出てきます。出てくる裏には何があるかというと、日本政府と、政党、民主党などいろいろありましたが、この政治に関しては一切希望も何もない。沖縄の政策に関してはそうです。じゃあ、日本の民衆の運動に対してどうかと言った時に、沖縄の中にも日本の民衆の運動を当てにできない、そういった意味では「独立」しかないんじゃないかという、うねりとして少しずつですが起きていることは間違いありません。

 そういうことも含めてですが、私たちはもう本土の政治や運動に対して、いちいち期待するというわけじゃなくって、沖縄でちゃんとやろうということをみんな思っています。そして一度こちらで話したことがあるんですが、65以上の人はパクられるかたちでやれということで、みんなそういう想いでやっています。

 今の状況は、「第4の琉球処分」がなされようとしているんだという事を知っていただきたいと思います。

米軍基地が無くても生活できることを実感できる時代が来た

 そして私たちはですね、基地がなくても十分やっていけるということの実績を作ってきています。レジメの8ページをちょっと見てください。

 復帰から38年で沖縄振興費、約9兆円ぐらい沖縄に投入されています。それで先ほど言ったんですが北部振興費として880億つぎ込まれています。結果はどうなったかというと、まだ全国最低の県民所得です。1年間の県民所得は198万円ぐらいです。神戸はいくらかわかりませんが、東京が400万ぐらいです。恐らく神戸は300万超すでしょうね。9兆円もつぎ込んだ割には、県民所得は何も上がっていない。じゃあ、失業率はどうだろうか。7.5%です。本土は、5.2%ぐらいです。あれほどカネをつぎ込まれて、かって高知県の知事が「沖縄は米軍関連のカネがあるからいいね」と言ったことがあります。でもあれだけつぎこまれても、実態は何も私たちの生活の中で効果が出ていないということです。そういうことで、これがだんだん明らかになって、去年の8月に沖縄県議会が「基地を返還された時にどうなるだろうか」ということの試算をしています。 (つづく)

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2011年2月14日 (月)

道路切り替え工事強行を弾劾する

Photo  空港会社NAAは、今朝早朝、第3誘導路の建設のために市東さん宅前を通る県道を「地下道化する」ためと称して、右図のAB間で急カーブの切り回し道に切り替える工事を強行しました。

 反対同盟と支援連は直ちに抗議の闘いをやり抜きました。反対同盟ブログが映像でその様子を伝えてくれています。http://www.sanrizuka-doumei.jp/home/2011/02/post-224.htmlをクリックしてご覧ください。北原事務局長が弾劾しておられるように、その道路を毎日、それも何度も使っている市東さんに一言の断りもなく、こんな生活破壊の工事を一方的に強行する権利も資格もNAAにはありません。断じて許すことのできない人権侵害です。

 11214 しかも、同盟ブログの映像が明らかにしているように、県道を封鎖して地下道化の工事をするためにその全体をフェンスで囲み、NAAも業者も、警察も、車から何からそのフェンスの中に隠れて作業するという信じられないような不様な形でしかできないのです(左写真、同盟ブログより転載。仮フェンスを業者がヘルメットをかぶって抑えているというこの不様な姿を見よ!)。萩原さんが映像の中で語っておられるように、三里塚闘争におびえ、追い詰められているからの姿でしかありません。

 この地下道化の工事は、団結街道の封鎖に継ぐ、市東さんの営農を妨害する第2の封鎖なのです。右上写真のABの中間から左上矢印の間に薄白い道がありますが、これは旧小見川県道で、団結街道が封鎖されてから、これまで市東さんはここを通って南台の畑(写真の北)や堀之内の畑(写真の北西)、あるいは田んぼに通われていたのです。この地下道化は、この道路を新たに封鎖することなのです。それ故、反対同盟は、この切り回し道路への切り替えを市東さんへの重大な営農破壊、生活破壊の攻撃だとして反対し、「1月中に終わる」と言われていたものを今日まで実力で阻止し続けてきたのです。

 先日の天神峰現闘本部裁判における東京高裁井上裁判長の審理から「脱兎のごとく」逃亡した姿といい、今日の現地における切り替え工事強行の不様さといい、追い詰められているのはNAAであり、菅政権であることを何よりも如実に物語っています。

 市東さんの怒り、反対同盟の怒りを私たち一人一人の怒りとして、今こそ全力で「3・9三里塚・沖縄を結ぶ集い」を成功させ、3・27三里塚現地での全国集会に駆けつけようではありませんか。

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神戸空港反対・市民の集い (2月13日)

11213

 昨日2月13日、神戸市勤労会館で神戸空港の中止を求める市民の会が主催して「神戸空港反対・市民の集い」が、97名の参加のもと開かれました。

 11213_2 市民の会の白石事務局長が司会をして、まず、恒例となったはるまきちまき(右写真)のお2人からの、16年前の震災への想いを交えながらの30分近い歌と演奏を聞き入りました。

 讃岐田訓市民の会代表(左下写真)が主催者あいさつ。これまで10年間、神戸空港の財政破たん、海洋汚染、軍事空港化反対の3つの点を柱に訴え続けてきたことが現実の問題となってきたことを明らかにされた上で、市税の投入をわからなくさせるごまかしとして新都市整備事業会計からの補てんが行われようとしていることを弾劾されました。11213_3 そして神戸市の環境影響評価審査会の審議の中で、市民の会の調査結果に触れ、正しく伝えようとした委員がおられたにもかかわらず、神戸市当局が結局うやむやにしていることが明らかになったことを暴露し、いよいよ神戸市を追いつめる局面に入ったと提起されました。

 粟原富夫神戸市議(右下写真)が登壇し、来賓のあいさつを述べられました。来年度、新都市整備事業会計から空港会計の赤字に3億6千万円の補てんが行われること、また新都市整備事業会計として神戸空港の借金を含め730億円返済の予定を、土地が売れないために480億円借り換えなければならないところに追い込まれていることなどを明らかにされました。そしてスカイマーク社が格納庫を新設する問題について、同社が空港の土地を購入するのではなく、新都市整備事業会計から空港事業会計が購入し、同社に貸すという「タコの足食い」でしかないことを暴露されました。11213_4 最後に、空港で大変な無駄遣いをしながら、震災の借り上げ住宅に毎年15億円を拠出しているのはもうしんどいと、借り上げ住宅に住む80代の、介護を必要とするお年寄りを中心にした被災者に住み替え転居を迫っている神戸市の問題を指摘され、宝塚市や兵庫県が同じ問題で借り上げ住宅の買い取りを表明していることを紹介しながら、市政を変えなければならないと、提起されました。

 ここで三里塚芝山連合空港反対同盟からよせられたメッセージが紹介されました。

 さあ、遠く沖縄からおいでいただいた前読谷村村議の知花昌一さん(左下写真)の講演です。知花さんは冒頭、昨年の名護市長選挙と県知事選挙をめぐって「新基地建設反対」の沖縄県民の想いを簡単に総括された上で、「今の沖縄 第4の琉球処分」と題して話されました。1879年の琉球処分、1952年の沖縄切り捨ての琉球処分、1972年の米軍基地維持を目的とした「祖国復帰」、そして2010年5月28日の日米共同宣言は沖縄の民意を切り捨てた第4の琉球処分であると弾劾され、当面の高江と辺野古の闘いを軸にしてこれを許さない沖縄の闘いが持続・拡大できるか、それと連帯した本土民衆の闘いのうねりを作り出せるかにかかっていると提起されました。11213_5 第2に米軍基地がなくても生活できることを実感できる時代が来たと話されました。復帰から38年で沖縄振興費約9兆円、北部振興費880億円、結果は相変わらずの全国最低の県民所得、全国最高の失業率、増えたのは負債だけだと断じられました。米軍基地があるゆえに生じている年間投下額は現在3255億円。それに対して、米軍基地がすべて返還されたとして生産誘発額は年間9155億円(2.2倍)、雇用誘発者数2.7倍という試算が沖縄県議会で昨年発表されたことを示され、「軍用地料がなくなる」「米軍・家族の消費がなくなる」「基地従業員が失業する」といった声に対する具体的な反論と、実際に北谷町のアメリカンビレッジや那覇新都心などの税収の飛躍的増加と雇用の拡大の例を挙げられました。第3に、仲井真県政への閣僚の相次ぐ沖縄詣でや、名護への再編交付金のストップ、そして尖閣列島領有権問題による自衛隊の配備・強化などの沖縄を取り巻く状況を話されました。最後に沖縄の自立、独立という問題について、フィリッピンでの米軍基地撤去の取り組みをされた人々との交流の中で「民族的自尊心」の問題に気付かれたことを話されました。戦前の皇国臣民化、そして「祖国復帰」運動の中で刷り込まれた観念からまだ沖縄の一人一人が自由ではなく、「民族的自尊心」と言えるものがあるだろうかと話されました。また経済的自立なくして自立・独立はありえない。まだ50年はかかるだろうと。11213_6 そして最後に、神戸空港反対の厳しい闘いとどうつながるかということはできないが、ともに手をつないで頑張りましょうと結ばれました。お話しの後、用意されていた三線を手に、「新時代の流れ」を唄っていただきました。

 1時間に及ぶ知花さんのお話しは、非常に具体的に、わかりやすく、そして力強く、参加した一人一人の胸に浸みわたり、沖縄と神戸を結びつけたのが感じられました。

 集会では、最後に大阪の海と空を戦争に使わせない会や元市議の恩田さんなど6人の方から感想と意見、行動の呼びかけなどが行われ、集会参加者の中で最高齢の山本善偉さん(右写真)からの三里塚への想いを重ねたまとめの挨拶で集会を終えました。

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2011年2月13日 (日)

今週の産直野菜(2月13日)

11212  今週の産直野菜が三里塚から届きました。聖護院大根、ネギ、ニンジン、カブ、ヤーコン、小松菜の6品です。

 三里塚ではようやくまとまった雨が降り、雪も積もったようです。「野菜だより」によると、ほうれん草など少しずつ再開できそうとのこと、よかった、よかった。ヤーコンが1年ぶりに入りました。昨年は1回だけ。今年はどうかな? いつもサラダにして食べてしまうのですが、今年はどうしようかな。

 皆さんの励ましのおかげで、このブログも今日で丸4年を迎えました。書いた記事も1000件を超え、アクセスも36万回(訪問者は述べ12万人以上?)を超えました。ありがとうございます。三里塚とともに、市東さんの農地を守りぬき、闘いの勝利の日まで頑張れたらと想いを新たにしています。

 昨夜は、沖縄の知花昌一さんを迎えて楽しい交流ができ、今日は、「神戸空港反対・市民の集い」があります。また、饗庭での日米合同軍事演習に反対する取り組みも行われます。身体を二つにできないのは残念ですが、沖縄の基地撤去を柱に、日米安保体制をなくしていく(菅政権の日米合意を許さない)歩みを進めていきましょう。

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2011年2月 8日 (火)

金食い虫の神戸空港

1122  2月2日付けの神戸新聞(右写真)が、神戸空港の管理収支の赤字の穴埋めに新都市整備事業会計から補てんすると報じました。「市税の投入はしません」という市民との約束を守ったかに見えるのですが、そうでしょうか。

 新聞報道にもあるように09年決算時で、新都市整備事業会計には1784億円の資金があるようです。前年の08年決算時には1927億円でしたから、143億円減少しています。これは神戸空港の埋め立ての借金の最初の返済265億円をこの会計で立て替えているからです。この会計では、神戸空港の2千億円の借金のほかに、ポーアイ2期や新産業複合団地などで1千億円以上の借金があります。その金利数十億円をこの会計で払っていますので、粗い計算では、ポーアイなどでの家賃収入(土地は売れていない!)などが150億円から200億円あるということでしょうか。

 しかし、神戸空港の2010年度の返済予定650億円のうち、200億円は借り換えすると言われていますが、450億円はやはりこの会計で立て替えざるを得ません。なにしろ空港島の土地84ヘクタールのうち、売れたのは金額ベースで5%以下なのですから。どんどん神戸空港の借金でこの会計の資金を食いつぶしていく上に、空港の管理収支の赤字(2012年以降は、10億円を超える?)までこの会計から支出するのです。こうした神戸空港の借金返済をこの会計で肩代わりする代わりに、ポーアイ2期などの1千億円を超える借金は、さらに10年先送りを借り換えでやるというのです。その頃には、この会計の資金は底をついて、この先送りされたポーアイ2期などと神戸空港の借金1千数百億円が返せなくなっているのではないでしょうか。

 1128 神戸空港を建設する前には、この会計には2千億円以上の資金がありました。神戸空港を作っていなければ、あの阪神淡路大震災の被災者への救済はもとより、敬老無料パスの有料化など福祉の切り捨てなどやらなくて済んだのです。そして「借り上げ住宅からの追い出し」などという非人間的な冷酷な仕打ちもする必要がなかったはずなのです。

 左の新聞(2月8日、朝日新聞)にありますように、神戸空港の利用客は3年連続最低で、年度としても当初見込みの403万人のほぼ半分になる見込みです。航空機の座席数自体が、見込みの8割程度なのですからどうしようもありません。

 関西空港と大阪空港の一体運用もうまくいく展望などどこにもありませんが、そうであればあるほど神戸空港はその「蚊帳の外」に置いてきぼりにされることは明らかです。神戸空港に展望などまったくありません。市民にとってはとんでもない「金食い虫」です。

 2月13日(日)、神戸市勤労会館(三宮)で、午後2時15分から、「神戸空港反対・市民の集い」が、沖縄から知花昌一さんをお招きして開かれます(詳細は1月31日付け当ブログhttp://kanjitsu-sanrizuka.cocolog-nifty.com/blog/2011/01/post-619f.htmlをご覧ください)。ぜひお集まりください。

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2011年2月 7日 (月)

3・9 三里塚・沖縄を結ぶ集いを成功させよう

1139  3・27三里塚全国集会に向けて、関西では、3月9日、現地から市東孝雄さんと沖縄から知花盛康さんをお招きして、下記要領の「3・9三里塚・沖縄を結ぶ集い」を開催いたします。左写真は、出来上がったばかりのチラシの1面です。チラシは、「110309.pdf」をダウンロード をクリックしていただければ、皆さんのところでも印刷して使えます。

 現地では、1月31日、第3誘導路建設工事の本格的着工が強行されました。それを理由に旧小見川県道のトンネル化を進めるためにと、市東さん宅南のところで切り回し道路を建設し、県道との接合強行を企んでいます。これは、団結街道閉鎖に継ぐ、市東さんへの直接的な営農破壊、生活破棄の攻撃であり断じて許されません。反対同盟はこのことを重視し、接合実力阻止を掲げて、先日、2月4日の闘いを東京高裁での天神峰現闘本部裁判闘争と一体のものとして、現地で闘いぬき、「1月中の接合」と言われていた攻撃を完全に阻止し、今も連日臨戦態勢にあります。

 この反対同盟を先頭とした現地攻防に応じて、「3・9三里塚・沖縄を結ぶ集い」を成功させ、3・27三里塚へ攻め上ろうではありませんか。

 【以下、ビラの訴え全文と集会要項】

市東さんの農地を守ろう TPPによる農業破壊を許すな 沖縄の米粉基地撤去 3・27三里塚へ総決起しよう

3・9三里塚・沖縄を結ぶ集い

 成田空港では空港用地確保のための、市東さんの農地強奪、生活権の侵害が続いている。

 第3誘導路建設は、市東さんを追い出すためだけに行われている工事。国・成田空港会社は、地域の生活道路であり、市東さんの家と農地を結ぶ道路である「団結街道」(市道)を一方的に廃道化した。農地と農家を分断したうえ、農家と農地を空港用地・施設で取り囲んで「陸の孤島」と化し、追い出そうというのだ。

 菅民主党政権は、「日米同盟の深化」を旗印に沖縄・辺野古の新基地建設を強行し、「平成の開国」と称してTPP(環太平洋経済連携協定)の推進に、大きく舵を切っている。

 TPPは、小泉自公政権の下で進められた新自由主義的な構造改革路線を継続するもの。トヨタやパナソニックなどの一握りのグローバル企業が生き残ることをすべてに優先する政策だ。とりわけ今でさえ食料自給率40%と言われ危機的である日本農業に、最後的とどめを刺す。全国で農業者のTPP反対の声が巻き起こっている。

 空港や港湾などは、こうした「ヒト、モノ、カネ」の自由化政策を実体的に担うゲートウェイであり、成田空港の拡張や関空経営危機問題は国策中の国策として、いま強行的に推進されている。

 沖縄の新基地建設を強行しようとする問題や、TPPを進め市東さんの農地を取り上げようとする問題は、危機と混迷のなかにあるわが国の姿と社会を象徴的に示している。「国益」「公共」を振りかざして、民衆の意思、生活と権利を切り捨てる菅政権に対し、今こそ「NO!」を叩きつけよう!

 三里塚現地から当事者の市東孝雄さん、沖縄から基地撤去を闘う農業者・知花盛康さんを迎えて、農地取り上げ、TPP、沖縄基地問題を共に考えたいと思います。

 皆さまの参加を心から訴えます。

【とき】 3月9日(水)午後6時15分開場、6時40分開会

【ところ】 大阪市立住まい情報センター・ホール(3階) Photo 地下鉄谷町線・堺筋線、阪急「天神橋筋6丁目」駅下車

【おはなし】 市東孝雄さん (三里塚芝          山連合空港反対同盟) / 知花盛康さん (沖縄・市東さんの農地を守る会)

◆映像による三里塚現地報告

◆意見交換など

◆資料代 1000円(ただし大学生、高校生は半額、中学生以下は無料)

【主催】 三里塚決戦勝利関西実行委員会 / 三里塚芝山連合空港反対同盟

  

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2011年2月 5日 (土)

今週の産直野菜(2月5日)

1125  今週の産直野菜が、さきほど届きました。

 八つ頭、ネギ、聖護院大根、ニンジン、チンゲンサイ、大根間引き菜、ゴボウ、白菜の8品です。

 大根の間引き菜が萎れていたので、1時間ほど水に浸けてやって元気になったところで記念写真。相変わらずの低温と乾燥で、葉物が依然として厳しそうですね。チンゲンサイが可愛いなぁと思ったら、低温で傷み始めたから収穫したとか・・・。白菜はこれが最後?大事にしなくっちゃあ?

 しかし、昨日の現地闘争、東京での裁判闘争の後、出荷作業をしていただいたんですね(東京組は、間に合わないか?)。みなさん。味わって食べてくださいね。

 しかし、昨日の東京高裁の井上裁判長に怒りが収まりませんが、沖縄の辺野古、高江、山口の上関でも連日の卑劣な国家権力の攻撃が続いています。上関では、連日「危険物」の捜査が漁船に続いているようです。漁船には包丁は生活必需品。漁にも、漁の後の船の上でのちょっとした料理にも。海上保安庁は、3日、抗議していた漁船で「包丁を振り回していた」として、漁師を5時間も拘束。あわよくば逮捕しようとしたんです。その不当な弾圧をごまかすために、「推進派の漁師からの通報」と言っているようですが、漁師ならば「包丁」に驚いたり、違和感を抱くはずがありません。保安庁が勝手にやりながら、正当化できないから「振り回していたと漁師が通報」とでっち上げたに違いありません。そして、それを正当化し、開き直るために連日の「危険物」捜査となっているのでしょう。ほんとに情けない連中です。「脱兎のごとく」法廷から逃げ出した井上裁判長と一緒です。人間として失格です。こんな権力をかさにきた情けない弾圧を断じて許さず、闘いぬきましょう。上関についてはhttp://ameblo.jp/nijinokayaker/をご覧ください。

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天神峰現闘本部裁判闘争と現地闘争 (2月4日)

1124

 昨日、2月4日、東京高裁で三里塚の天神峰現闘本部裁判控訴審の第3回口頭弁論が開かれ、「裁判長は審理を尽くせ」「現場検証を行え」という反対同盟と弁護団の要求に対し、井上繁規裁判長は、でたらめにも「反対同盟は弁護権を放棄した」と主張し、証人尋問、現場検証のいずれも棄却し、「審理を終了する」と聞こえないような小さな声で宣言して、次回(判決)期日も提示することもできず法廷から「脱兎のごとく」逃げ出したのです。1124_2 怒りの抗議をする反対同盟、弁護団、傍聴席に対し、廷吏が襲い掛かり、関西の仲間を始め3人が、「庁舎外退去」と暴力的に裁判所の外の拉致されました。法廷後の報告集会で、弁護団が口々に糾弾したように、そこにあるのは「3権分立」といった装いをかなぐり捨てた三里塚闘争への憎悪と恐怖に満ちた「階級裁判」でしかありませんでした。反対同盟を先頭とした三里塚闘争が、国家権力、菅政権を追い詰めたが故の結果以外の何物でもありません。この日、現地では反対同盟を先頭に同じ時刻に約60名で、切り回し道路の県道との接合を阻止するデモが闘いぬかれ「1月中の接合」と言われてきたものを実力で粉砕したのです(右写真、反対同盟ブログより)。昨夜、電話で萩原進事務局次長は、東京と現地で敵を追い詰め、気持ちのいい闘いが勝利的に勝ち取られたと言っておられました。1124_3

 この日、傍聴闘争に120名の人々が日比谷公園霞門に結集しました。なんとその場には、100名を超える私服権力がいるではありませんか。「結審攻撃」をするために、必死の防御をしている惨めな姿がさらされ、私たちの闘志をかきたてさせてくれました。裁判前の集会が行われ(最初の写真)、北原鉱治事務局長から提起、そして大口弁護士から弁護団を代表しての挨拶があり、デモに出発。霞が関に怒りのシュプレヒコールを響かせました。1124_5 北原事務局長(右写真)、関西から駆けつけた永井関実代表、山本関実世話人(左下写真、お二人の前は「市東さんの会」の井村共同代表)がお元気にデモの先頭です。

 法廷に入れたのは26人。100人近くが、法廷前の通路に座り込んで怒りの姿勢を示します。なんと40人近い私服権力が、それを取り巻くように廊下に陣取っているではありませんか。ここにも、裁判所が国家権力の手先としてしか機能していないことが示されています。1124_6

 法廷ではまず、北原事務局長から現場検証などを強く要求する陳述が行われました(私は法廷の外で廊下に座り込んでいましたので、中にいた人からの伝聞や弁護団からの報告からです)。そして弁護団から、石橋恵美子など1審で証人とされた人々への反対尋問が要求されたのです。

 ところが井上裁判長は、1審で仲戸川裁判長が、「反対同盟は、出廷を拒み反対尋問の権利を放棄した」とする判断をそのまま踏襲し、「反対同盟は弁護権を放棄した」としたのです。これは全くのデタラメです。当時、反対同盟と弁護団は仲戸川裁判長の忌避を求めて裁判所書記局に申し入れを行っていたのです。この申し入れ自体は受理されていたにもかかわらず、仲戸川は法廷を開き、ビデオリンクによる石橋恵美子への証人尋問を行うという2重、3重の違法な審理を強行したのです。反対同盟はこれの無効を訴え、抗議していたのです。そのまま法廷に出れば自ら「裁判官忌避」の権利を放棄することにもなるのです。この当然の権利と抗議を、「弁護権を放棄した」と強弁する仲戸川、そして井上高裁裁判長こそ、法理を無視し、裁判の体すらなさない審理を強行しようとするものでした。当然にも弁護団を先頭に猛然と抗議の弁論が展開されました。それに対し「時間が無くなった」ことを理由に、突然「請求の棄却」を理由もなしに言い立て「審理の終了」を宣言しようとしたのです。当然にも弁護団から「裁判長を忌避する」との申し立てが裁判長の目前に迫る勢いで行われたのです。本来なら、ここで審理はストップされなければなりません。しかし、井上裁判長は、なんと、それを無視し小声で「閉廷する」と宣言して正に「脱兎のごとく」法廷から逃げ出したのです。1124_7 こんなものは全く無効です。しかし、報告会での弁護団からの報告にあったように、今の東京高裁、国家権力は、この「忌避の申し立て」自体を弁論の記録から抹殺し、「判決」を強行しかねません。

 法廷後の報告会で北原事務局長(右写真)は、「弁護団はよくやった。裁判官を追い詰めた」「現地闘争を闘う以外に勝利はないということを物語っている」と明快に語られ、参加者に決意を促されたのです。

 最後に、この日の現地闘争が、工事を阻止したことが報告され、同時に闘いぬかれたこの日の裁判で勝利したことを確認して反対同盟の伊藤さんの団結ガンバローでこの日の行動を終えました。

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2011年2月 2日 (水)

一斉に攻撃が、そして弾圧が・・・

 以下のように、ブログ「虹のカヤック隊」http://ameblo.jp/nijinokayaker/が緊急の訴えを発信しています。

 転載します。

 ―― 今日台船のまわりで抗議行動をしていた祝島の漁師の1人が運転席で作業のため包丁を少しの時間持っていたところを保安庁が漁師さんの船に強引に乗り込み、その漁師さんを取り押さえました。1121

 今、現場では現場にいた船を集めて現場検証を行おうとしています。問題は海上保安庁が有無を言わさず事件扱いにしようとしている事です。

 現場にいた他の漁師は不当逮捕だと言って現場検証を拒否しているようです。これは職権乱用であり許されるべき行為ではありません。ぜひ力を貸してください。

抗議先 徳山海上保安部 山口県周南市那智町3番1号

  (管理課) TEL 0834-31-0111(代)

  (警備救難課) TEL 0834-31-0110  ――

 海上保安庁に抗議の声を集中しよう! 右上写真は、上関原発予定地で工事を進めるために連日現場を襲っている中国電力の台船と抗議している漁船です。ブログ「虹のカヤック隊」より転載しました。

 1121_2 また、沖縄・高江では、那覇で開かれていた裁判の留守に、防衛施設局等が襲い、ヘリパッド工事を本格的に始めようと立木の伐採などを始めていることを、ブログ「やんばる東村 高江の現状」http://takae.ti-da.net/が訴えています。現場では、住民が座り込み手をつないで抗議をしているようです。(左写真は同ブログより転載)

 1122 他方、沖縄・辺野古では、キャンプシュワブと辺野古の浜の境にあるバラ線のところに隔離壁をつくるために遮蔽のフェンスを張った上に、今日、その向こう側に「トン土壌」が積み上げられています(右写真 ブログ「辺野古浜通信」http://henoko.ti-da.net/より転載)。

 11131 そして三里塚では、1月31日、第3誘導路の本格工事が開始されるとともに、市東さんの自宅の南を通る旧小見川県道のトンネル化のための切り回し道路の県道との接合作業が開始されました。市東さんの営農への重大な攻撃です。現地では、反対同盟を先頭に連日の抗議をはじめ阻止闘争に決起しています。左写真は、三里塚反対同盟ブログhttp://www.sanrizuka-doumei.jp/home/index.htmlより転載しました。

 菅政権は、予算国会のかたわらで、各地で一斉に住民の抗議を無視して暴力的な攻撃とでっち上げによる弾圧を開始しました。こういう手段でしか進めない菅政権にもはや道理もなにもありません。消費税を増税し、農業だけでなく労働者・農民、そして中小企業に壊滅的なダメージを与えるものでしかないTPPを進めようとする菅政権に怒りの声を上げよう!

 それぞれの地域で、上関、高江、辺野古、三里塚にできる取り組みを開始してください。

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2011年2月 1日 (火)

2月4日 東京高裁へ 天神峰現闘本部裁判控訴審闘争

2月4日午前11時より、東京高裁429号法廷で三里塚・天神峰現闘本部控訴審第3回口頭弁論が開かれます。菅政権の意のもとに動く東京高裁は、この日、承認申請や現地調査といった反対同盟の要求を切り捨て結審を強行し、本部解体・破壊へ突っ走ろうとしています。午前9時15分開始の反対同盟主催の東京高裁包囲デモ、そして怒りの傍聴闘争によって、姑息な東京高裁の策動をはね返しましょう。

2月4日(金)午前9時15分 日比谷公園霞門集合、霞が関デモ。(右下地図参照、地図をクリックすると少し大きくなり見やすくなります。なお、裁判傍聴だけの場合も、傍聴券の配布がありますので、午前10時までに東京高裁前にお集まりください。)

Photo  天神峰現地闘本部は、言うまでもなく三里塚反対同盟が1968年以来、闘争の拠点、農民の交流の場として使用してきた、反対同盟農民にとってなくてはならない心のよりどころです。不当・不法極まる成田治安法によって1990年以来閉鎖され入れなくなっているとはいえそうなのです。その解体・破壊は、三里塚反対同盟解体、闘争破壊を狙った悪質な攻撃です。

 同時に、現闘本部は、市東さんの南台の農地とともに、暫定滑走路の誘導路に「へ」の字を強制して、成田空港の破たん、三里塚闘争の勝利の歴史を示す存在でもあります。Photo_2 土地収用法でも奪うことができず、成田治安法でも解体することしかできなかったものを、今回民事裁判という形式で解体・破壊を狙うというとんでもない攻撃です。

 そして左写真にあるように、現在の三里塚闘争の最大の攻防拠点となっている市東さんの南台の農地を守るように立っているのが現闘本部であり、その解体・破壊は市東さんを孤立させ、たたきだそうとするものでもあります。

 昨年、千葉地裁仲戸川は、証人尋問も、現地調査もすることなく、暴力的に反動判決を下しました(2月25日)。しかし、半年を超える反対同盟、支援の仲戸川、千葉地裁に対する実力決起に仲戸川は震え上がり、解体・破壊のための「仮執行宣言」をつけることができませんでした。Photo_3 そして5・17市東さんの実力決起を軸に、反対同盟は、国家権力、NAAの市東さんへの営農妨害、叩き出し攻撃、そして暫定滑走路の着陸専用化による凄まじい騒音地獄による東峰地区住民への叩き出し攻撃をはね返してきたのです。

 昨年、団結街道の閉鎖、市東さんの南台の畑のフェンスでの囲い込みを強行してきたNAAは、ついに昨日第3誘導路の本格工事を開始し、市東さんの営農破壊をねらった「県道トンネル化」を口実とした市東さん宅前の道路の切り回し道路の県道との接合作業を開始しました。また同じ昨日、団結街道封鎖差し止め仮処分裁判で、1月13日に予定されていた審尋を一方的に中止し、昨日結審するという攻撃にも出てきました。

 追いつめられ破綻しているがゆえに、本当に闇雲な攻撃が、一切の法理を無視してかけられています。こんなことがどうして許されるでしょうか。

 三里塚反対同盟は、この闇雲な攻撃に対し、2月4日、日比谷公園・霞門のデモによる反撃の闘いを提起するとともに、同じ時刻に現地の工事に対する抗議の緊急現地闘争を呼びかけておられます。2月4日(金)午前9時、天神峰の市東孝雄さん宅南の開拓組合道路に集合し、9時半デモ出発です。

 みなさん。全力でこの反対同盟の提起の応えましょう。2月4日の闘いをバネに、3月9日、市東孝雄さんと知花盛康さんを招いた「三里塚と沖縄結ぶ集い」(午後6時半~ 大阪・住まい情報センター)を成功させ、総力で3月27日、三里塚現地の全国集会に決起しよう!市東さんの農地を守ろう!

 11131_2 沖縄・高江では、昨年末に続き、先日、裁判の留守を狙ってヘリパッドの工事が強行され、同じく辺野古では漁港の東側の浜のキャンプシュワブとの境目にあった巻き線のところに隔離壁を建設するための目隠しフェンス(左写真・「辺野古浜通信」より転載)建設が強行されました。また、山口県上関では、海が時化ない限り毎日のように中国電力の巨大な台船が現地を襲い、祝島の漁師さんたちが毎日のように寒い海の中、漁を休んで闘わざるを得ない状態が続いています。

 完全に破たんし追い詰められた菅政権の闇雲なこうした各地での乱暴狼藉によって何一つ彼らに解決できることはありません。行きつくところ、消費税の増税とTPPという民衆収奪と生活破壊でしかないことを明らかにしています。こんなことが許せるか!

 怒りの決起を、三里塚を水路に起こそう! まず、2月4日、日比谷公園霞門へ集まろう!

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