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2011年1月27日 (木)

神戸市との話しあい (1月26日)

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 昨日、26日、神戸空港の中止を求める市民の会は、新しい神戸を作る市民の会や神戸再生フォーラムのみなさんと、神戸空港についての神戸市との4回目の話し合いを行いました。海洋環境への影響についてと絞って、先に提出していた質問に環境局が応えてきた回答を基に話し合うということでした。そのためか、空港を担当しているみなと総局は出てきません。このあたりに神戸市の行政としてのいい加減さ、市民にきちんと向き合おうとしない姿勢が垣間見えています。出てきたのは窓口の広聴課と環境局でした。

 1087 神戸市(みなと総局)は、当初、市民の会が2001年以来指摘してきた神戸空港の埋め立てによる海峡環境への影響について、「神戸空港のせいではない」として「高温少雨のため」、「空港より東側海域の地形のため」とか、いろいろ論じてきました。しかし、10年にわたる市民の会の科学的な調査とその結果に基づいた指摘は、こうした言い逃れを許さず、07年12月の議会で行われた当局の嘘を暴露し、追い詰めました。神戸市(みなと総局)は、それ以降、神戸空港の事後の環境影響を調査している(ことになっている)「神戸市環境影響評価審査会」(以降、「審査会」と略す)が、04年3月にすでに出していた「近年の神戸海域における底層DO濃度の低下傾向は、神戸海域全域で概ね同様の変動傾向を示していることなどから、自然的な要因によるものと考えられる」という「意見」を錦の御旗に、一切答えないという姿勢を通し、市議会での審議が行われないという状況が生まれました。この日の話し合いは、結果的には、このみなと総局(神戸市)の答弁のデタラメさを環境局に問いただすものになりました。

2  私たちは、垂水沖合から尼崎沖合まで10ヶ所の定点(左図)を定め、同じポイント(右上図の①~⑩)での調査結果をもとに論じています。実は、神戸市環境局もほぼ同じ海域で1992年以来、海洋調査を行っており、市民の会のデーターとほぼ同じ結果を得ています(右下図)。

 右下図は、空港の直近の東側(⑤ポイント)と西側(④ポイント)ですが、垂水から兵庫の沖合の海域(①~③ポイント)は、従前のまま非常にきれいな海で低下していないのではないかと問うたところ、「そうですね」と答えてくる。Photo それでは「神戸海域全体の傾向」というのは何なのだと問いただしていくと、なんと、ほとんど神戸空港東側を指しているのです。甘く見ても④~⑥ポイントの範囲だというのです。

 市民の会がこれまで一貫して問うてきたのは、①~④(空港西側)と⑤~⑩(空港東側)で傾向が明らかに異なっていることをどう説明するのか、神戸空港の影響ではないのかということだったのです。

 この指摘を10年近く議会に対して行ってきているのに、なぜ「審査会」に環境局は「こういう市民の声がある」と反映させようとしてこなかったのだと問うと、なんと「市長に対してでないので、議会の判断にゆだねられていると解した」というのです。まさに縦割り行政の悪弊か。そこで、「こうした結果がでた2002年4月12日に、粟原市議の立会いの下で環境局と話しあったが、なぜ、環境局としてその経緯を『審査会』に報告しなかったのか」という問いには沈黙するだけ。

 「審査会」が「自然条件」という誤りなど、いくつもの問題点をさらに指摘しました。そして最後に環境局に、「『審査会』に市民の会の言われんとしていることをできるだけ伝えたいと思います」と約束させ、さらに海洋環境の専門家として神戸空港について10数年にわたって関わってこられた讃岐田訓市民の会代表(京都学園大学教授)と市民の会に「審査会」に出席する機会を設け意見を聴けと要求して、2時間の話し合いを終えました。

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