何が「震災復興の希望の星」だ
1月17日。阪神淡路大震災から丸16年たつこの日、早朝から神戸市役所前で出勤してくる神戸市職員、そして市役所南隣にある東遊園地の慰霊の記念行事などに訪れた市民の皆さんに、「何が『震災復興の希望の星』だ!」と神戸市を糾弾し、「2・13神戸空港反対・市民の集い」を訴えるビラまきを神戸空港の中止を求める市民の会が行いました。関西合同労組の皆さんなども応援に駆け付け、10人が参加。
さすがにこの日は、いつもの市役所前のびらまきと違って、吸い取られるようにビラが受け取られていきます。途中、休憩をはさみながら2時間半で、2200枚がまかれました。
何人もの市民が、「ほんとに腹が立つ」「頑張ってください」と声をかけて行かれます。すぐそばでは、市役所前に陣取って無料のぜんざいがふる舞ったりしながら、神戸市行政の市民不在、被災者無視の姿勢への抗議の展示などが行われています。とりわけ、借り上げ住宅に住む被災者追い出しの神戸市の姿勢への怒りの声が。
以下が、ビラの裏面です。
何が「震災復興の希望の星」だ!
あの阪神淡路大震災から16年です。あの時、30万を超える人々が避難する中で、神戸市は「自己責任」と援助もせず、その一方で、「震災復興の希望の星」だとして、神戸空港の建設を決めました。蓄えられていた2千億円を空港で使い果たし、福祉の切り捨ての上に、今度は、借り上げ住宅からの被災者追い出しを謀っています。ふざけるんじゃない。
2千億円の借金は?
空港島の土地を売って借金は返すと言っていましたが、10年たっても売れたのは5%足らずです。借り換えれるのも、あと20年。20年先の子供たち、市民に押し付けるのか? 金利だけでも毎年数十億円。「売る努力をしております」などという議会答弁で済ませる問題ではないでしょう。
空港管理収支の赤字は?
日航の全面撤退のあと、格安航空のスカイマーク社に頼るために着陸料をどんどん下げて、着陸料収入は予算の半分以下。来年度にも大幅赤字に転落するのは確実。国は、関西空港の維持・救済に汲々として、神戸空港など眼中にありません。「関西3空港」など「絵に描いた餅」です。国交省は、神戸空港のための規制の緩和や国際線の導入などとんでもないと言い切っています。一体どうするのですか?
利用客は予測の半分以下?
神戸市の試算では今年の利用客は403万人。しかし、実際には、200万人を割り込む恐れが出てきています。建設前に、高すぎる需要予測への批判が繰り返し市民から議会に出された時に、「大丈夫です」と言い続けたのが矢田市長本人(当時局長)ではないのですか。
大阪湾の破壊は? 私たちの10年にわたる科学的な海洋環境調査の結果、神戸空港の埋め立てが大阪湾奥部を「死の海」と化そうとしていることがわかりました。事実、この数年かってなかった「青潮」の発生が見られます。
神戸市はこの事実を一貫して否定し、「自然現象」と開き直っていますが、環境庁(当時)の調査でも、90年代に大阪湾奥部の海洋環境が改善されていたことが明らかになっています。
神戸市は、責任を取るべきではないでしょうか。
軍事使用など許せるか
市民の平和への願いから、神戸には「非核神戸方式」があり、米軍艦船はこの35年にわたって入港できていません。
今回、神戸空港の米軍基地への転用という橋下大阪府知事の主張に対し、矢田市長は「国の決めること」としています。これは「非核神戸方式」をも否定し、神戸港と神戸空港の軍事使用への道を開けることです。
断じて許されません。
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