24日の「耕作権裁判」の傍聴を
来週、1月24日、市東さんの畑に係る「耕作権裁判」の第18回口頭弁論が、午前10時半から千葉地裁601号法廷で開かれます。市東さんの農地をめぐる今年最初の裁判です。是非、行ける方は駆けつけてください。傍聴券の関係で、9時50分までに裁判所1階ロビーにお集まりください。(最初の写真は、争われている畑で作業をする市東さん。10年11月1日撮影)
市東さんの農地をめぐる裁判は3つありますが、最初にNAAによって提訴されたのが(07年2月)、この耕作権裁判です。市東さんが借りてもいない土地を不法に耕作しているから明け渡せというものです。とんでもない言いがかりなのですが、そうでもしないと維持できないのがNAAであり、日本の国交省、政府なのです。
NAAは、06年7月、市東さんの南台(上写真)と天神峰(自宅前)の畑を03年に取得したので市東さんの耕作権を解除してほしいと農地法によって成田市農業委員会に申請し、同委員会は現場を見ることもなく即座に千葉県農業会議に送付し、同会議は全く審議らしい審議もせず、同じく現場も見ることもなく県知事に諮問し、堂本県知事(当時)はその9月、許可決定をしたのです。申請されてからわずか2ヶ月余でした。
いろいろデタラメがあるのですが、2つ、大きな虚偽をNAAはこの申請で行っています。一つは、NAAがこれらの土地を取得していたのが1988年で、15年間も耕作者である市東さん親子に隠していただけでなく、農業委員会にも報告していなかったという農地法違反を隠すために、03年取得したとしたことです。もう一つは、この申請で南台の畑についてNAAが市東さんが借りているとしたのが、右上図のD(左下図41-9)とBだというのです。そしてCとAは、借りてもいないのに耕作しており、不法耕作だとして、今回の「耕作権裁判」が起こされたのです。 しかし、D(41-9)は元石橋家の立木が南側に隣接し、日陰になるため畑に適さず、市東さんでは親子3代、90年間耕したこともないのです。このことは、石橋政次さん(元反対同盟副委員長)の妹さんが証言しておられます。そして、NAAが作成した畑の図は、法務局の公図とも違っているいい加減なものでしかないことも明らかになっています(左図)。そして市東さんは、当然にも地主との間でA、B、Cの畑を一つのものとして毎年、地代を払い続けてきておられるのです。何が「不法耕作」だ!農地法とは、戦後の柱の法律として、「耕やすものに権利あり」として耕作者保護を最優先し、耕作権が10年の経緯で自然に発生することさえ規定しているのだ。
こうした2つの虚偽を市東さんの側は成田市農業委員会の審理の段階ですでに指摘しております。NAAの作成図の根拠となっているのは地主の藤崎某の手書きのメモなのですが、それが作成された8ヶ月前に、当時強制収用準備のために空港公団(当時、今のNAAの前身)が収用委員会に裁決申請したものと全く違っています(反対同盟ブログより)。
こんな調べればすぐにわかる虚偽に、指摘されながらなぜNAAが固執したのか全く理解できませんが、口頭弁論の中での右往左往の様子からも、NAAはわかっていなかった、ずさん極まりない申請だったというのが事実ではないでしょうか。市東さんからの農地強奪を急いだNAAと国は、そしてそれを支えた成田市、千葉県は、嘘を承知で押し切ろうとしたのではないでしょうか。そして、それが裁判の中で具体的に指摘されても裁判所が言を左右してNAAを支えようとするというのは、この農地の特定という虚偽が確定すれば、この申請が認可されたことが破綻し、裁判自体が成り立たない、すべてが原点に戻ってしまうということを恐れるからではないでしょうか。
では、なぜそうまでして、成田市、千葉県、裁判所までも動員して、ごり押しをNAA、国はしようとしているのかということです。この前年、05年5月、NAAの黒野社長(当時)は、東峰地区住民に空港建設の人権を無視した強引なやり方を謝罪するお詫びの手紙を書いていますが、その2か月後に暫定滑走路の北延伸を一方的に発表し、06年秋着工し、東峰の森を住民との約束を反古にして伐採し、第2誘導路を建設しました。これらは、市東さんへの農地強奪攻撃とともに、先日当ブログhttp://kanjitsu-sanrizuka.cocolog-nifty.com/blog/2010/12/post-2447.htmlで明らかにしましたが、日本の航空政策の決定的な破たんという現実を前に06年5月「アジアゲートウェイ構想」として出されてきた「羽田・成田の一体運用」「成田のハブ化」実現のために、必死で動き出してきた中での事態だということです。今日、民主党政権が、国交省の官僚どもに脅かされ、事態の深刻さゆえにそのまま引き継いだということなのです。
先日の反対同盟の旗開きで萩原事務局次長が、「何よりも今の支配階級が、彼ら自体が経験したことのないような事態に追い込まれているわけです。何一つ解決能力はありません。・・・・ですから強暴な攻撃を行わなくちゃあならない」と喝破されていますが、正にそういう事態なのです。
ですから市東さんの農地をめぐる3つの裁判の中で、農地「41-9」の虚偽を暴き、NAAを破綻させることは、この闇雲な市東さんへの農地強奪、三里塚闘争破壊の攻撃を決定的に破綻させる正に「実力闘争、話し合い拒否」の三里塚闘争の原則に裏打ちされた重大な局面を切り開くことができると言うことです。そういう意味で、「41-9」をめぐって焦眉の争点と化している24日の「耕作権裁判」は、2・4天神峰現闘本部裁判での反動攻撃をはね返す一歩ともなるのです。
24日の「耕作権裁判」に注目しよう!
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