’10 もんじゅを廃炉へ!全国集会
昨日、12月4日、敦賀市白木海岸で高速増殖炉もんじゅの廃炉を求める全国集会が開かれました。寒さは思ったよりも和らいでいましたが、雨が時折降る中での集会でした。 風が強く、もんじゅの前では波が高く打ち寄せています(右写真)。
もんじゅは、すでに1兆3300億円以上の国費が投入され、運転停止中でも毎日5800万円もの維持管理費がかかりながら、15年前のナトリウム火災事故で14年間も運転が停止され、昨年末からの民主党政権による事業仕分けで廃炉寸前まで行きました。 しかし、民主党政権の積極的な原子力政策を背景に復活し、この5月に運転を再開されました。しかし、再開以降連日のように警報が鳴り続け、その数は900回を超えたと言われます。
しかも、8月26日には、直径46センチ、長さ約12メートル、重さが3.3トンもある「炉内中継装置」(左図参照)が原子炉容器内に落下し、墜落の衝撃で変形してしまい取り出せなくなって、運転ができないという状態に今あります。小林圭二さんは「折れていれば深刻な炉心事故もあり得た」と指摘しておられます。最早、廃炉しか道はありません。
しかも、世界では唯一商業炉を運転させていたフランスでもその非経済性から廃炉にし、アメリカ、ドイツ、イギリスなどほとんどの国で、この高速増殖炉開発から撤退しています。 原子炉としてはもんじゅは「原型炉」に過ぎず、あまりにも費用が掛かりすぎるために実用化は不可能と言われています。意味があるとすれば核爆弾に利用できる高純度のプルトニウムの生産という程度しかありません。日本政府は、つい最近外務省の報告にあったように、1969年、西ドイツとの会合で、「核保有は可能」と言及していたことが明らかにされています。民主党政権は、原子力発電所の輸出に力を入れるとともに、核保有の道に進もうとしているのでしょうか。
この日白木海岸では全国から850人の人々が「もんじゅを廃炉に」と声をあげ、もんじゅ正門までのデモをして(右上写真)、日本原子力研究開発機構に抗議を行いました(抗議文後掲)。
昼からは場所を移し、敦賀市プラザ万象での全国集会を行い、主催者を代表した原発反対福井県民会議をはじめ青森六ヶ所や石川県の運動などの報告、環境ジャーナリストの鈴木真奈美さんともんじゅ監視委員会の小林圭二さんからの講演がありました。
集会後、参加者は会場から敦賀駅までのデモを再度やり抜き、「もうじゅを廃炉に」と怒りの声をあげました。
抗 議
日本原子力開発研究機構 理事長・鈴木篤之様、敦賀本部長・辻倉米蔵様
1995年12月8日、ナトリウム火災事故を起こして15年もの間停止していた「もんじゅ」が、多くの国民や学者の反対を押し切って、本年5月6日に運転再開されました。
再開されるや、私たちの心配した通り、ナトリウム漏えい検知器の誤警報など、連日のように警報が鳴り、900件を超えたと報道されています。あろうことか制御棒操作のミスまであり、8月26日、ついに重さ3.3トンの炉内中継装置を原子炉内に落下させてしまいました。
これだけの重量物が落下して無傷なはずがありません。詳細を調べるために10月にこれを引き上げようとしたところ、落下時の衝撃で変形したのか、今度は引っかかってあげることができなくなり、身動きが取れなくなってしまいました。
原子炉内は不透明な高温のナトリウムで満たされており、カメラで調査することもできず、容器の上ぶたを開けることもできません。11月17日、原子力機構は炉内中継装置を外枠のスリーブごといっしょに引き抜くと発表しました。しかし、これはとうてい実現不可能な難作業です。
この先、また何年もの月日と、途方もない多額の税金を使うことでしょう。何とか運転させようとし、未練がましくいつまでも、この危険で無駄な政策にしがみつくのは止めてください。運転を強行した場合、大参事はまぬがれません。今こそ、これを天からの啓示と考え、もはやこの研究開発が到底無理であることを冷静に認めてください。「もんじゅ」から即刻撤退することを強く要請します。
2010年12月4日
’10年「もんじゅ」を廃炉へ!全国集会参加者一同
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