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2010年12月31日 (金)

普天間基地閉鎖・撤去、辺野古新基地建設反対

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 1月名護市長選挙に始まり、県知事選に至る、4・25県民大会を頂点としたこの一年の沖縄の闘いは、「普天間基地閉鎖・撤去」「辺野古新基地建設反対」を掲げて素晴らしいものでした。「民意」という言葉がこれほど現実感をもって語られたことはかってなかったのではないでしょうか。いかに「国策」であろうが、これほどの「民意」「地方の意志」を無視して、民主主義が成り立つはずがありません。

 しかし、菅政権は「日米合意」を振りかざし、先日、菅首相自身が沖縄に来ながら仲井真知事と会談するだけで自衛隊ヘリに乗って現場視察とやらをするだけ。挙句の果てに、辺野古新基地とセットの高江への「ヘリパッド建設」工事を強行させ、翌日には、米軍ヘリが住民が座り込むテントの上、わずか15メートルを1分間もホバリングしてテントなどを吹き飛ばすという、殺人的行為をさせました。「私たちはなめられてる。65年前のように、島ぐるみでカービン銃の前であろうと立ち向かう怒りが必要だ」と声が上がっています。また先日の選挙戦の中で、「このまま菅政権がやろうとするなら、『三里塚のように沖縄も闘うぞ』という意気を示すことが必要になってくる」という言葉も聞きました。自衛隊の沖縄周辺への増強をも含め、犠牲を沖縄に押し付けるこの差別的日米安保のあり方は、すべて私たちヤマトの政治の結果でしかありません。

 42514 そういう意味で、「反戦の砦」と言われる三里塚闘争を担う反対同盟の萩原進さんと市東孝雄さんが、4・25県民大会の9万人の中におられたということは、非常に重要な意味をもっています(鈴木謙太郎さんは、幸司さんが危篤状態のため参加できず、ほんとに残念でした)。反対同盟は、この1年、3月の全国集会には知花盛康さんに、10月の全国集会には安次富浩さんに、そして12月の「市東さんの会」の集会には再び知花盛康さんに来ていただいて、沖縄とともに闘いぬく姿勢を明確に打ち出されました。私たち関西実行委員会も、この反対同盟の意志を受けて、9月に安次富浩さんの講演と萩原進さんの現地報告という「三里塚と沖縄を結ぶ」集会を成功させました。

 0.6%の国土しかない沖縄に75%の米軍基地が存在し、その上に、防衛大綱の見直しの名のもとに2万を超える自衛隊配備が目論まれる沖縄の皆さんの闘いと、45年間にわたって「国策」としての成田空港の完成を阻み続けている三里塚闘争が共に手を携え闘いを発展させることは、同じように「国策」を強制されている岩国や横須賀、六ヶ所、上関、敦賀をはじめとした全国の基地や原子力発電などに反対している多くの運動にとって重要な指針となることは確実です。

 年明け早々にも、旧小見川県道のトンネル化に向けた切り回し道路建設に対する闘いがある三里塚現地闘争と、多くの裁判闘争を反対同盟を先頭にこうした展望をしっかりと担いつつ闘いぬいていこうではありませんか。

 2011年を勝利の年としよう! 安保体制を廃棄させる重要な年としよう! 三里塚と沖縄を結んで闘いぬこう!

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2010年12月30日 (木)

市東さんの農地を守ろう

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 2003年に空港会社NAAは、市東さんの南台と天神峰の土地を秘密裏に取得していたことを公表しました(取得して15年以上も耕作者にも、農業委員会にも隠していたなど、農地法違反を重ねながら)。(上写真は、今年の10・10現地全国集会) そして農地法によってその土地を奪おうと裁判を訴えました。さらに第2誘導路を空港敷地外に建設して、東峰部落の住民への生活、営農妨害を強行しました。供用開始直後には「使えない」、110億円の無駄遣いであったことを自ら明らかにしながら・・・。この自公政権でさえ躊躇した市東さんの農地強奪、天神峰からの叩き出しを、この1年余り具体的に、強暴に、人権を無視して進めたのが民主党政権でした。

 Photo_2 理由は、昨日明らかにしたように、成田空港の完成(拡張)、ハブ化を追求し、破たんした航空政策の立て直しを図ろうとした民主党政権、NAAにとって、市東さんの農地による「へ」の字誘導路問題の解消なくして、一歩も進まないという追い詰められた状況があったからです。そして、この解消を通して年間飛行回数30万回を2014年に実現すれば、想像を絶する騒音地獄によって東峰地区住民を追い出し、3500メートル化が実現すると踏んだからです。

 この1年の闘いは、この攻撃を迎え撃ち、5・17の市東孝雄さんの実力決起を軸にした、文字通り「反対同盟と支援の団結」の力ではね返し、勝利してきたのです。

 緒戦は、2・25天神峰現闘本部裁判で、本部明け渡しの反動判決は許したとは言え、直ちに解体しようとした「仮執行宣言」を許さない闘いが勝ち取られたことです。Photo_3 本部解体は、「へ」の字問題解消の一歩である以上に、市東さんの畑を完全に孤立化させ、「叩き出し」の一歩としようとしたということです。これを昨年秋、民主党政権成立以来、裁判所前での連日の街宣と、9月、11月の裁判を始めとした法廷での糾弾闘争に反動裁判官仲戸川を震え上がらせたことが決定的でした。それは正に実力闘争の質を持って闘いぬかれたからです。まっとうな証人尋問も行わなければ、現場検証すら行わないで、どうしてこんな反動判決が許せるでしょうか。この点では、早期結審、仮執行宣言を狙う控訴審に対する闘争(来年2月4日)もまた、決定的に重要です。

 これに対し、成田市が国、NAAの意を体現して、第3誘導路の認可も行われていない3月16日、団結街道(市道)廃道化の市議会決議を行うという暴挙でした。誘導路や滑走路との道路の交差はこれまですべて道路の地下道化で対処されており、第3誘導路計画でも、旧小見川県道は地下道化することで計画されています(その是非は別として)。にもかかわらず、なぜ団結街道は廃道なのか。これは市東さんの営農を妨害し、「叩き出し」への新たな攻撃でしかありません。

 5月17日、NAAがまだ取得もしていない団結街道に「通行禁止」の立て看板を立てようとした事に対して市東孝雄さんは、ハンマーを持ち出してぶち壊したのです。Img_3782 違法、不当なのは道路交通法と道路法に違反したNAAであり、市東さんに何の咎もありません。にもかかわらず、千葉県警は市東さんを逮捕し、23日間も拘留したのです。完全黙秘を闘いぬいた市東さんの闘いと、連日の激励行動、そして6月7日の成田市役所における反対同盟による激しい糾弾と闘いの宣言の記者会見(右写真)に恐怖した千葉県警は、起訴できず翌日8日に市東さんを釈放しました。この過程の反対同盟と支援の闘いは、萩原富夫さんも不当逮捕されていただけに営農に、連日の激励行動に、監視行動に、駅や裁判所などでのビラまきに本当に大変でした。多くの時間を共に過ごすことのできた私から見ても、とりわけ現闘、現地支援連の不眠不休の奮闘は、「大丈夫なの?」と思わず聞きたくなる状況でした。萩原さんが先日の関西へのメッセージの中で「同盟と支援の団結」と書かれていますが、本当に実感のこもった言葉だと思います。

 10425 この力は、6月27日の緊急集会翌日の未明の団結街道封鎖、7月26日の裁判の留守を狙った市東さんの畑のフェンスによる囲い込みといった悪辣な攻撃を根元のところではね返しています。

 とりわけ重要なのは、市東孝雄さんが4・25沖縄県民集会に参加され(左写真)、沖縄への想いを新たにされるだけでなく、自らの闘いの方向を確立されたことです。それは、直ちに5・17決起へと実を結びました。70年代、80年代の三里塚闘争の現場にいなかった市東さんが、沖縄のたたかいと自らの闘いを重ねることで、三里塚闘争の神髄である実力闘争、話し合い拒否の闘いを自然に発現させ、仁王立ちしておられることが、いかほど多くの人々を感動させ、奮い立たせていることでしょうか。この市東さんを「叩き出そう」とすることなどうして許せるでしょうか。

 086 先日の「市東さんの会」の集会で、市東さんは「種のまきどころと野菜の成長、そして収穫がピタッといったときにほんとにうれしい」と語っておられました。今年、白菜は、萩原さんのところも、鈴木さんのところも秋の暖かさにほとんどダメでした。産直での年内の白菜の配達はありませんでした。関西の野菜市でも「大変やな」と話していました。ところが、当日、注文通りの白菜が、それも立派な白菜が届き、私たちを驚かせました。市東さんのところで、収穫できたのです。関西の野菜市が反対同盟の努力で34年も続けられてきたと感動するとともに、淡々と営農を続け、先ほどのような言葉を語る市東さんを思わずにはいられませんでした。

 この市東さんの営農と闘いを守り、三里塚反対同盟は、45年にわたる闘いの歴史に、成田空港の完成を阻み続け、農地収奪を許さない闘いの歴史に、今年の決戦状況の中で新たな1ページを書き加えたのです。

 来年早々、第3誘導路の工事のために旧小見川県道のトンネル化のために「切り回し道路」建設に入るとNAAは通告してきています。これによって、すでに団結街道を使う4倍の時間と危険を負わされている市東さんの営農にさらに負担が強制されます。反対同盟は、この攻撃を許せないとして闘いを呼びかけておられます。そして「2011年は、2010年を上回る激闘の年になるでしょう」とメッセージを送ってきておられます。

 2011年、市東さんの農地を守り、市東さんの暮らしを守るために闘いぬきましょう。   (続く)

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2010年12月29日 (水)

日本農民の名において収用を阻む

Photo  今年も残すところ3日を切りました。月並みなことかも知れませんが、少し今年を振り返りたいと思います。

 昨日ご紹介した萩原さんのことばに「閣議決定から44年、国策と真っ向から対決する抵抗の闘い」とありましたが、この言葉が、もっとも象徴的にこの一年を表現しているのではないでしょうか。

 戦後、日本は日米安保体制の下、米軍支配を脱し、「高度成長」と言われる「経済発展」をとげます。その(軍事を含む)政治、経済の根幹的なものとして航空政策が上げられるでしょう。それをいったんまとめあげたものが「45・47体制」「航空憲法」と呼ばれた1970年(昭和45年)の閣議了解、1972年(同47年)の運輸大臣通達だと言われています。それは非常に保護主義的性格の強いものでした。この過程で、成田空港、そして関西空港のプランが打ち出されたのです。「羽田・国内―成田・国際」の分離政策は、その保護主義の故にありえたのです。

 しかし、この日本の航空政策における保護主義は、戦後体制の世界的破綻と新自由主義の流れの中で、早くも1980年代に「航空の自由化」の流れに取り残される事態を生み出します。世界ではLCC(格安航空)が、この過程の象徴として、早くも1980年代後半に生み出されてきています。「アジアにおける盟主」であろうとした日本にとって、その保護主義的政治体制ゆえに、正にそうした政治過程に入ったその時に、その根幹ともいうべき航空政策で決定的な立ち遅れに直面したのです。それは全日空の国際線への参入に示される幾つかの小手先の手直しではいかんともしがたい桎梏とさえ化してきていたのです。その悲鳴が、2006年の「アジアゲートウェイ構想」だったのです。しかし、巨大な利権が渦巻く航空政策に何一つ抜本的な手を打つことができずにそれ以降をすごしてきたその結果が、現在の日本航空の破産という事態なのです。日本が帝国主義として世界で、アジアで生き残れるかどうかの根幹において破綻しているという事態を「日本航空の破産」、「航空政策の破綻」は突き出したのです。それは港湾においても同じ事態が起こっており、現代の世界経済のかなめともいうべき運輸、流通の分野で日本が3流、4流の力しか持たないことを示してしまっているのです。

 05 政権交代という歴史的事業を成し遂げたはずの民主党政権が、こうした恐るべき事態を官僚から、帝国主義として存在し続けるために突きつけられ、この5月に「アジアゲートウェイ構想」の焼き直しでしかない「成長戦略会議」の「構想」を打ち出さざるを得なかったし、「日米合意」だったのです。1945年の敗戦という事態を経ながら、結局は、基軸的な警察、軍隊を始め官僚体制をそのまま引き継ぎ、民主党政権も含め民衆支配という意味での政治体制は何一つ変わることなく今日まで来てしまったことの端的な表現が、今「坂の上の雲」が、司馬遼太郎がもてはやされる理由ではないのでしょうか。

 それ故に、民主党政権は、正に危機感に駆られ、この1年、自民党政権以上の強権的な、強暴な成田空港の完成、羽田の国際化(羽田・成田の一体運用)の道に転がり込んできたのです。「成田空港の地位の低下」への地元財界、自治体などの危機感をむしろ「チャンス」として使い切り、正に帝国主義としての存亡をかけた航空政策として成田空港完成(拡張)、反対運動潰しに全力を挙げてきたのです。いかにそれが展望のないものであろうとも、そこにしか道がないとして三里塚反対同盟に、三里塚闘争に襲い掛かってきたのです。この点を絶対に軽視してはなりません。

 44年間、「国策」を相手に闘いぬき、70年代の多くの農家の条件派への転落、80年代から90年代の「3・8分裂」を契機とした分裂をも潜り抜けてきたからこそ、そして70年代の「東峰十字路事件」を口実とした弾圧を始めとした幾多の国家権力機動隊による弾圧と脅しをはね返してきたからこそ、三里塚反対同盟は、この強暴な新たな攻撃の始まりに一歩もたじろぐことなく、また遅れることもなく、2・25天神峰現闘本部裁判反動判決の攻撃を実力ではね返し得たし、5・17の市東孝雄さんの実力決起を軸に決起し、この1年を闘いぬいてこれたのです。それは日本共産党との決別に始まり、最初の写真にあるように「日本農民の名において収用を阻む」と、農民として、農民運動として国の国策に真っ向から反対しぬいてきたからこそできたのです。

 24 三里塚闘争が「過激派の運動」と言われるほどに労働者、市民の支援との団結によってこの44年支えられてきたことは事実です。しかし、その軸に、反対同盟農民がどっかと座り、今日、「TPP粉砕へ、260万農民の先頭に立ちます」と言い切れる主体として存在し、闘いぬいているからこそ、それは可能だったのです。

 先日、ブログ「旗旗」で、草加さんが「三里塚に関する自己批判(と要望)」という一文を書いておられますhttp://bund.jp/modules/wordpress/?p=7037。この12月12日にたまたま彼にお会いしたときに、彼の雰囲気があまりに重いのに怪訝に思ったのですが、この一文(12月18日にアップ)を読んで理解できたような気がしました。三里塚闘争が置かれている現局面を理解する上で、貴重な一文だと思います。できるだけ多くの方が、読んでいただければと願います。しかし、三里塚闘争を語るときに、もっとも肝心要の「三里塚闘争とは何か」という点での、この一年の「国策」と対決しえた、そして45年目の闘いに突入した三里塚農民のありようへの視点が、ここで書かれていることへの視点がそこには欠落しているという点で、非常に残念なものになっているように思うのです。「国策」と対決しぬくことを通して築いてきた三里塚闘争の歴史という点で、反対同盟の農民にとって「3・8分裂」とは何だったのかということを欠いたまま、反対同盟を、三里塚農民のありようを語ることはできないのではないかということにもなると思います。それほどに「3・8分裂」とは、反対同盟にとって正に「国策」に対してどう闘いぬくのかをめぐっての深刻な論争であり事態だったのです。それは、その後の今日に至る27年、あるいはこの一年の闘いが物語っていると思います。もちろん、この一年の三里塚の厳しい闘いの中に草加さんご自身が終始身を置かれていたからこそ書けたのだとは思いますが。 (続く)

 

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2010年12月28日 (火)

団結野菜市への萩原さんからのメッセージ

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 第34回団結野菜市へのメッセージ

 関西実行委員会のみなさんの34年間の団結野菜市の取り組みに敬意を表すとともに感謝申します。

 101227_2 2010年、三里塚闘争はすばらしい前進を勝ち取りました。2・25天神峰現闘本部裁判における仮執行宣言粉砕の勝利。4・25県民大会への初参加と沖縄の人々との熱い連帯。そして何よりも、団結街道の廃道と対決した5・17市東孝雄さん逮捕を辞さぬ決起と同盟、支援の団結。閣議決定から44年間、国策と真っ向から対決する抵抗の闘いが、政府・成田空港会社を追い詰めたのです。昨年10月、前原誠司国土交通大臣発言から始まった成田地盤沈下の動きは、完全に現実のものになりました。

 101227_3 彼らは第3誘導路工事の着工という暴挙によって、反対同盟の団結を切り崩そうとしましたが、逆にわれわれは闘いの陣形を強めました。

 また、朝鮮半島における戦争情勢の切迫の中で、反戦・反核の砦としての三里塚闘争の真価が問われる状況が訪れました。アメリカの元国防長官だったW・ペリーは、日本経済新聞紙上で、1994年の朝鮮危機の際の侵略戦争計画について証言しています。成田、関西空港などが、米軍40万人の受け入れ空輸基地として予定していたことが明らかになりました。そしてそれは現在、現実のものになろうとしています。

 101227_4 空港会社の用地部長は市東さんの家に電話をかけ「来年1月になったら旧小見川県道を封鎖して、切り回し道路に切り替える」との通告を行ってきました。2011年は、この切り回し道路切り替え攻撃との激突で幕を開けます。さらに2月4日には現闘本部裁判の控訴審が迫っており、1月早々から取り組みを開始せねばなりません。2011年は2010年を上回る激闘の年となるでしょう。

 関西空港においても、便数が減る一方で、累積赤字が1兆3000億円に達していると聞きます。その結果、大阪府・橋下徹知事は、「関西空港や神戸空港を沖縄の米軍基地の訓練場に」と言い出しました。101227_5 そこへ前述の通りの朝鮮情勢の緊迫化です。東西両空港の軍事基地化阻止へ、ともに闘おうではありませんか。三里塚と関西をはじめとした住民の力、そして闘う労働者・農民の力を結集すれば、関空、成田の軍事空港化はかならず阻止できると確信します。沖縄人民と連帯し、辺野古新基地攻撃を打ち砕こう。

 そして三里塚はTPP(環太平洋パートナーシップ協定)粉砕へ、260万農民の先頭に立ちます。農業・農民切り捨てを許さない。集団的自衛権見直し・改憲で戦争に向かう菅民主党政権を労農の力で打倒しよう。

2010年12月27日

      三里塚芝山連合空港反対同盟事務局次長 萩原進

(写真は、すべて昨日の団結野菜市の作業風景です)

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2010年12月27日 (月)

第34回団結野菜市

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 今日、27日、雪が心配される中、三里塚からの野菜も無事到着し、午前6時からの荷受け、そして8時過ぎからの集会をもって第34回団結野菜市が開かれました。

 101227_2 7、8月の猛暑と、秋の高温で注文通り野菜が届くのだろうかと心配しました。特に目玉の白菜が、萩原さんのところや鈴木さんのところで壊滅的で、届いたものを見なければわからないという状況でした。しかし、立派な白菜が市東さんのところから注文通りに届いたのです。落花生がやられたとか、ゴボウが小ぶりだということも、気になるほどではありません。

 集会では、永井さんから「野菜市が開かれるということは、三里塚の勝利の証し」「しかも、厳しい酷暑を乗り越えて、34年もそれが続いたことは大きい」と。

 101227_3 11月初めから体調を崩しておられると心配していた山本さんが元気なお顔を見せて「医者から90にしては不思議と褒められた」「91歳に向けて頑張ります」と元気な挨拶に、みなさん、思わず熱い拍手。

 そのあと、遠路野菜を運んできてくれた現闘のKさんから、反対同盟の萩原進さんのメッセージが代読されました(明日のブログに掲載)。

 さすがに34回目。みなさん、慣れた手つきでどんどん各団体のところへ野菜が積み上げられていきます。見ていてくださいとみんなに言われていた山本先生も落花生の袋詰めを頑張っておられました。

 私は、住民の会の14軒の野菜を振り分けてから積み込んで、Sさんと配達に。夕方5時ごろまでかかって無事終了。車を返して、帰ってきて先ず、白菜などで水炊きの鍋を楽しみました。遠路来てくれたSさんはまだ帰りの途中かと申し訳なく思いながら・・・。

 萩原さんのメッセージにもありますが、第3誘導路建設のためと称して、旧小見川県道を閉鎖して切り回し道路に切り替える攻撃が年初にもあるようです。市東さんの営農にさらに重圧を加え破壊しようという攻撃です。断じて許されません。反対同盟、そして市東さんとともに闘いましょう!

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2010年12月24日 (金)

被災地3労組の忘(望)年会

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 昨日、被災地の被災地雇用と生活要求者組合、しごと開発就労者組合(ミニデイ)、関西合同労組兵庫支部の3労組の忘(望)年会が、関合労事務所近くの公会堂で開かれました。

 101223_2 要求者組合の長谷川代表が、闘いに加えて弾圧もあった厳しかったこの一年を振り返りながら、「団結というものが16年いまだに続いているこの一つの力を大事にしたい」「来年16日の被災地の集会に、被災地のみなさんが自分たちの闘い、団結の力を示そう」と冒頭の挨拶。お元気な姿を見せた大西さんや、撤廃させる会の李相泰さん、番町の住民など、次々と「酔う前に」と挨拶が続きます。

 101223_4 あとは正に入り乱れて歓談の花があちらこちらに咲き乱れ、机を挟んでの大声での論争(?)も。 そこへ怪しげなおばさん(?)たちが、手ぬぐいを頭に手に手にほうきやちりとり、はたきをもって登場。一人一人の今年のごみを叩き落としていきます。

 そのうちにカラオケが始まりました。そして要求者組合やミニデイのおばさんたちによる唄にあわせた踊りが始まりました。101223_5

 和やかな中で、お開き。肩を組んで輪になって恒例の唄を歌ってから団結ガンバロウで締めました。

 みなさん。1月16日、被災地反失業総行動集会(午後2時~4時、Photo 会場・新長田勤労市民センター大会議室)にお集まりください。

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2010年12月23日 (木)

南労会闘争への不当判決を許すな!

101218  昨日、大阪高裁で港合同南労会支部によって闘われていた「解雇・退職組合員の12回の未払い一時金の一部請求(5500万円)事件」裁判で、組合の請求を棄却する不当判決がありました。断じて許されません。(右写真は、南労会松浦診療所前で、12月18日開かれた「団結餅つき大会」を準備する港合同南労会支部と支援者のみなさん。)

 医療法人南労会は、労働者の解雇や賃金不払いなどの労働組合潰しのための不当労働行為を、すでに20年の長きにわたって行ってきました。南労会支部と港合同の20年にわたる不屈の闘いは、南労会による不当・違法な「減額条件」に対して、中労委命令、行政訴訟判決、2007年9・26大阪高裁判決において不当労働行為、違法性が認定され、08年4月には東京高裁から緊急命令が出されるに至り、従わない南労会に対して、今年5月、5百万円の過料が科せられ、南労会は過料を国に支払いながら、組合との妥結妨害を続けているのです。

 そして南労会は昨春、すり抜けようと新たな減額の口実をつけて約3分の2の額を示した『一覧表』だけを提示しました。

 労働基準法23条2項には、「前項の賃金または金品に関して争いがある場合においては、使用者は、異議のない部分を、同項の期間中(7日)に支払い、または返還しなければならない。」と、係争中の労働者を保護する立場からの規定があります。

 これに基づいて、南労会が09年春に出してきた『一覧表』に基づいて組合が提訴したのが、今回の「請求事件」裁判でした。しかし、一時金や賃上げが通常は「協定書の成立をもって初めて具体的な賃金請求権、支払義務が発生する」ことを背景に第1審は、「協定書が成立していない」ことなどで、組合の請求を棄却しました。昨日の第2審の判決文を見ていませんので詳しくは不明ですが、これまでの南労会をめぐる全ての司法判断がこの点で進められてきたことを踏襲し、棄却の不当判決を出したと考えられます。

101218_2  これは、「争っているから協定書は存在しない」という現実を逆手に取り、労基法23条2項の労働者保護の精神を無視したものであり、断じて許されません。

 裁判が終わっての報告会で、大和田幸治港合同事務局長は、「賃金は支払われるべきものだ。裁判所にお願いするのではなく、元旦闘争をはじめ、闘いによって社会問題とし、南労会、裁判所を包囲し、追い詰めていこう」と話されました。

 港合同南労会支部の不屈の闘いは、この秋、ついに南労会経営陣の中に勢力争いによる明確な分裂を引き起こすまでに追い詰めています。1014

  南労会は、50億円もの借金経営をし、労働者の賃金の源である診療報酬債権の将来にわたって全額をメインバンクの三菱東京UFJ銀行傘下のノンバンクに譲渡するという許しがたいことをやっているのです。

 港合同南労会支部と港合同は、元旦1月1日、和歌山県かつらぎ町にある佐藤雅司新理事長(紀和病院副院長)自宅に糾弾のデモを行うことを決定し、1月1日(土)午前10時15分、和歌山県かつらぎ町町役場裏手に集合するよう呼びかけておられます。集まろう!(右写真は、今年1月4日の、三菱東京UFJへの弾劾デモ。)

 この同じ日、同時に大阪地裁では、関西合同労組潰しを狙って「暴処法違反・詐欺罪」をデッチ上げた沼田さんへの弾圧裁判の結審の公判があり、報告会が終わってからそちらにも駆けつけ、ちょうど弁護団のデッチ上げを断罪し、沼田さんの無罪を明らかにする弁論と沼田さん本人の断固として無罪を主張し弾圧を許さないとする陳述を聞くことができました。判決公判は、2月2日(水)午後3時から大阪地裁503号法廷で行われます。結集しよう。

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2010年12月22日 (水)

実行委ニュース 132号発行

Photo  関実の「実行委ニュース」第132号が、昨日発行され、クロネコ便で皆さんのところに発送されました。明日届くと思います。

 表紙の写真は、10・10三里塚全国集会での久方ぶりのトラクターデモです。残念なことに運転しておられる萩原富夫さんのお顔がわかりません。

 巻頭は、永井満関実代表世話人の「今も不法、無道がつづく三里塚 ― 皆で反対同盟農民を支援し、勝利しよう! ― 」です。

 さあ、いよいよ恒例の「第34回団結野菜市」です。すでに受注も終わり(「ほぼ昨年並み」だそうです)、あとは現地から野菜が届くのを待つのみです。12月27日(月)午前8時、会場の明石教会に集まろう!Photo_2

 もう一つは、新年のことですが、反対同盟を迎えての関実の「団結旗開き」です。1月10日(月・休日)午後3時より、港合同の田中機械ホールで開催されます。30年余り続けてきた会場が使えず、今回、港合同にご協力をお願いしました。

 会費は、2000円。各団体ごとの酒、ビールなどの持ち寄り、そして団体旗や組合旗をお忘れなく。Photo_3

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2010年12月20日 (月)

ひとり言

 昨日、JR元町駅前で、「神戸空港の中止を求める市民の会」の月例のビラまきがありました。少し寒さが和らぎ、心地よい日照りの中のビラまきで、6人で400枚がまけました。

 ビラは、市民との話し合いの回路を切ろうとする神戸市への「神戸市は、市民の声を真摯に受け止めよ」「市民との話し合いを行え」というものと、「神戸空港・神戸港の軍事使用を認めない」でした。

 101210 マイクを持っての訴えは、もっぱら普天間基地問題に対する先日の橋下大阪府知事が「関空ではなく、先行き不透明な神戸空港では」という暴言に対する、矢田神戸市長の「国が決めること」などという発言を批判することに絞りました。

 矢田市長の言い分は、「国が決めたら受け入れる」という意味であり、「非核神戸方式」を市民の意志として神戸港について市長に付託した市民の平和への願いを踏みにじるものだと。あわせて、沖縄の「基地撤去」に向けた「民意」を訴え、この民意を「日米合意」の名のもとに踏みつぶそうとする菅政権の政策は、民主主義を踏みにじるものだとも。

 30歳くらいの青年が、横断幕にある「市長は責任をとれ」という言葉について「責任てどういうことですか」と聞いてこられました。2千億円の借金の先送りの問題と、来年から赤字になる空港経営の問題を話すと、「ひどいなぁ~」と納得してくれたようです。そこへ、50歳くらいのおっちゃんが、「35万人もの人が『住民投票』言うて反対したのに、何で作られたんや」と。しばらく話していると納得したようでしたが、「どうせ役に立たないんやから、米軍基地に貸したらどうやろ」「アメリカに守ってもらってるからなぁ」と。するとそばで聞いていた先ほどの青年が「防衛は大事や」と割り込んでくる。朝鮮の共和国の軍隊の脆弱な装備の話しをして「戦争なんて起こらへんで」というと「そやけど守ってもらってるのは大事や」と。「守ってもらってるのと違うで。日本の自衛隊は世界有数の装備を持った軍隊や。しかも思いやり予算、つまり我々の税金を毎年1800億円以上も出して何で米軍を支えなあかんのや」と話すと、「そうやなぁ」と2人。それ以上は話しが進みませんでしたが、青年は「やっぱりよう知っとるなぁ」と離れていきます。おっちゃんは、リンゴを一つ差し出して「さっき兄貴にもらったんや。食べて頑張って」と言い残して行かれました。

 「尖閣列島」問題、韓国のヨンビョン島問題などマスコミが排外主義と「脅威」を煽り、米韓合同演習、これまでで最大規模の日米合同軍事演習などが続く中で、普通の人々の中に「軍備を持たなあかんのとちゃうか」「戦争があるのかな」という雰囲気が作られていることを痛いほど感じさせられる機会でした。反戦、平和を口にすることはできますが、この膨大な宣伝に、排外主義宣伝の氾濫に自分たちが対応しきれていないことを痛切に感じさせられました。沖縄、三里塚に勝利するには、この関係をどうやってひっくり返すかやなと、想いを新たにしました。

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2010年12月19日 (日)

今年最後の産直野菜(12月18日)

101218  昨夜、今年最後の産直野菜が届きました。サトイモ、ネギ、大根、ニンジン、ほうれん草、カブ、じゃがいも(北あかり)の7品で、「年内に1回は」と書かれていた白菜が、ついに来なかった。がっかり。来週の「第34回団結野菜市」では大丈夫だろうか? まあ、先日の「市東さんの会」でも、鈴木さんが「自分のところの消費分しか取れなかった」と言っておられたのだから、仕方ないですよね。大根はでっかくなってきた。昨夜は、鍋のおろしと具、今朝はサラダ、それに酢漬けも作った。さと芋とニンジンと大根で煮物も作るか・・・。ネギがなかなか減らずにだぶつき気味。101218_2

 ついでに、我が家のサボテンがきれいな花をつけだしたので、記念写真。

101218_3  昨日は、朝から出かけて港合同の餅つき大会に行ってきました。もちが大好物の私は、2年前に伺ってから「病みつき」に? 関実と住民の会のお祝いを持って参加です。着くなり、「まあ一杯」と持ってくる人が。昨年は飲みすぎた?

 ここで、「南労会の方に行きませんか」とお誘い。101218_4 実は南労会闘争には、恒例の元旦闘争(今年は4日でしたが)、裁判闘争、あるいは三菱東京UFJ前でのビラまきなどいろいろ参加させてもらっているのですが、現場に行ったことがなかったので、行きました。港合同から歩いて10分くらいかな? 支援の組合のみなさんも集まっておられて、団結ガンバロー、そして集会が始まった。横で餅をつきながら、挨拶が。101218_5 左写真でマイクを持っているのは南労会支部の川口書記長。お前も挨拶しろと言われて、私もマイクを。

 それから港合同にもどって、きな粉やおろしのお餅などをいただきながら、集会です。中村副委員長の司会で、いろいろな労働組合や議員の皆さんの挨拶が続きます。関西合同労組の石田委員長と、被災地企業組合の長谷川委員長も(右写真)。101218_6

 最後には大和田委員長の基調報告です。お元気な、変わらぬ「大和田節」に聞き惚れました(左下写真)。

 「餅のように粘り強く頑張ろう」というこの企画、なかなかユニークでいいですね。若い人たちがいっぱいいて、臼が3つも同時についている迫力はなかなかのものですよ。101218_7 朝10時ごろから始まって、3時ごろまで続いていました。近所の住民の方も来られ、いい雰囲気でした。

 暖かくてよかったです。

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2010年12月18日 (土)

大阪港に米艦船の入港を許すな!

101217

 昨日、「大阪港の軍事利用の中止を求める実行委員会(代表・高英男全日建連帯労組関西地区生コン支部副委員長)」が、大阪市に対して「外国艦船入港時非核証明の実施を求める」申し入れを行い、夜にはエルおおさかで、「12・17大阪港米艦船入港許すな!集会」が開かれました。

 大阪市では総務局行政部が対応。101217_2 実行委代表の高副委員長(右写真)より、昨年11月20日、「大阪港の軍事利用中止を求める陳情」を大阪市議会に送ったが継続審議とされ棚上げとなっている状況に対し、この11月23日、朝鮮西部海域ヨンビョン島での砲撃戦が起こり、米韓軍事演習、そしてこの12月3日からはこれまで最大規模の日米軍事演習が行われているという軍事的緊張が非常に高まっている現状を訴え、昨年とは状況が全く異なり、陳情が棚ざらしのままで済まされないことが明らかにされました。そしてこうした軍事演習に、横須賀にある米軍第7艦隊の原子力空母ジョージワシントンほか7隻の米軍艦船が中心となって参加し、その7隻がいずれもこの間、大阪港に「親善」の名のもとに入港している事実を示し、大阪港から出撃していく事態が生まれかねないと懸念を表明されました。そして神戸港の非核神戸方式を引き合いに出しながら、① 今後、軍籍をもつ外国艦船大阪港入港の際、接岸許可にあたっては、その申請者に入港艦船に核兵器が搭載していないことを表明する文書の提出を求めること、② ①の文書の提出がない艦船の入港は許可しないこと、③ これら申し入れ事項についての大阪港管理責任を持つ市長の誠意ある回答を、12月末までに求めることを申し入れました。

 実行委員会に参加する関西合同労組、大阪の海と空を戦争に使わせない会、部落解放同盟全国連から、それぞれ「核密約」をめぐる経緯や、この間のきな臭い状況の中での思いが語られました。101217_3 私の方からも、神戸の市民として、米軍占領下で朝鮮戦争、ベトナム戦争のもとで神戸港が軍港として使われる中で、全市的規模で「非核神戸方式」制定の動きがあったことを明らかにし、「阪神港」として一括運用される流れの中で、大阪市も「非核神戸方式」と同じ立場に立つべきだという大阪市の皆さんの今回の取り組みを全面的に支持したいと意見を述べさせてもらいました。

 夜には、エルおおさかの大会議室で、「12・17大阪港米艦船入港許すな!集会」が開かれました。関西生コン支部の西山さんが司会をして、まず主催者を代表して高副委員長からの経緯の説明と、この日の大阪市への申し入れの報告が行われました。関西合同労組から問題点の整理が行われ、101217_4 続いて大阪市に対して外国艦船の入港時の非核証明の実施を求める訴訟を準備している弁護団を代表して、冠木克彦弁護士(右写真)より、「義務付け訴訟」として取り組むうえで、請求(強制)できる権利としての「平和的生存権」の説明などが行われました。そのあと、この訴訟の原告に加わることを決めた人々の団体である港合同、管理職ユニオン関西など6団体から、闘いへの決意の表明が行われて、集会を終えました。

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2010年12月15日 (水)

12・14ウリハッキョ緊急集会

101214

 昨日14日、大阪の東成区民センターホールを一杯にする500人が集まって、「政府は『すべての子どもの高校無償化』方針をまげないで!大阪府は『私立外国人学校振興補助金』の無条件、即時『支給』を! 12・14緊急集会」が、この問題に取り組んでこられた日本人の呼びかけで開かれました。

 集会は、最初に先日高校ラグビーの大阪大会の決勝で朝鮮高級学校ラグビー部が優勝し、全国大会出場を決めた試合を短く上映し、祝いました。

 101214_2 その上で、南大阪朝鮮初級学校アプロハムケ代表で日朝国交正常化の早期実現を求める市民連帯・大阪の共同代表である有元幹明さん(右写真)が主催者を代表して、冒頭「今日の集会はやりたくなかった」。しかし「年を超えてはならないということで緊急に開いた」「橋下のようなファシストを許すことはできない」「今年度支給されなければ、(大阪府の補助金は)消えてしまい、復活させることは非常に難しくなる」「国はうろたえている」「なぜ朝鮮半島情勢が子供たちに影響するのか。こんなことは許されない」と挨拶されました。

 主催者からの集会に至る経過報告がされた後、アピールが続きます。

 まず大阪の高校ラグビー大会で優勝し、全国大会での優勝を目指して合宿中の和歌山から駆けつけた大阪朝鮮高級学校ラグビー部のキャプテンが、「同胞のみなさんと、ここに集まった日本の人々の応援に支えられている」と謝辞を述べた後、「ウリハッキョ(私たちの学校)は、私たちの宝物です」「このウリハッキョで育ってきた誇りを胸に、全国制覇に向け頑張ります」と元気に挨拶をされました。

 続いて、城北朝鮮初級学校のオモニ会会長が、「お金のことではない。日本の子どもたちと、これからも日本で暮らすであろう在日の子どもたちの扱いがここまで違うのかと腹が立って、腹が立って」と切り出され、これまでの闘いの経過を語られた上で、「子供たちが自分が朝鮮人であることを当たり前に受け入れ、母国語が話せ、同法の子どもたちと一緒にいる、この普通のことのようですが、これがどれほど素晴らしいことか」と。そして「狭いウリハッキョで子供たちは自信を持って遊び、学んでいる」「こんな差別は許されません」「日本の子どもたちにもいい影響はありません」「恥ずかしくないのでしょうか」と語りかけられました。

 後は、各地で朝鮮学校を支える活動をしておられる各地の「アプロハムケ」や「支える会」の代表、あるいは会場の参加者が、次々と立って、日本政府に対する、そして橋下大阪府知事に対する怒りを、闘いの報告とともに明らかにされました。

 最後に、菅内閣総理大臣と橋下大阪府知事への要請文を会場全体で確認、採択して集会を終えました。

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2010年12月14日 (火)

百姓としてこの地に生きる

101212

 一昨日、千葉市文化センターで「市東さんの農地取り上げに反対する会(以下「市東さんの会」と略)」が主催して、「『百姓としてこの地に生きる』 市東さんと語ろう ― 12・12映像&トーク、農民パネルディスカッション」が、約100人の参加で開かれました。関西からも2人が参加。

 全体司会は足立満智子成田市議(「市東さんの会」事務局)が勤められます。101212_2 「市東さんの会」の共同代表の井村弘子さん(右写真)からの開会のあいさつの後、「今年の異常気象と降ってわいた市道閉鎖の権利侵害」と題する31分の映像が上映されました。この異常気象の中での市東さんの営農の様子と営農破壊に対する闘いの様子が詳しく映され、関西でも使いたいなと感心。上映中から、「市東さんの会」の事務局の三角忠さんと吉川洋千葉県議が、市東孝雄さんにいろいろと聞いていかれます。

 まず市東さんから10年前にもどってくるまでの、焼き鳥屋での20年の勤めの経緯や、普通に農業をやっても食っていけないが、「産直」でやっていけば何とかなるという萩原さんの勧めなど、日ごろ聞けないお話しが。頭で考えることと現実は違い、慣れるのに3年かかったとも。種のまきどころと野菜の成長、そして収穫がピタッといったときにほんとにうれしいと。そして種をまけばできるってもんじゃないと。101212_3 今年のサツマイモは、食べれば食べれるんだが4割を捨てたと。そしてTPPなどに関連して、「食」っていうのはほんとに大事だし、それに従事する人がもっと声を上げるべきだとも。そして最後に、「『金をもらって畑をどこかに移せばいいんだ』とよく言われます。土というのは上土だけ移して、よそでよくなるかというとそうじゃない。土地や土はどこへも持っていけない。その土地のものだ。親の遺志を継いでやるとかいうのじゃなくて、自分なりに闘争しながら土地を守っていく、そういうことを強く感じています」と熱く想いを語られ、話しをまとめられました。

 その後、反対同盟顧問弁護団を代表して大口弁護士から市東さんの農地裁判の報告があり第1部を終了。101212_4

 休憩の後、第2部は、4人の専業農家による「農こそ公共―市東さんの農地問題から農業の大切さを考える」と題したパネルディスカッションです。

 坂本進一郎さん(右写真)は秋田県大潟村で、今は11町歩、1400俵の稲作農家。今年は戸別補償130万円を受けても170万円の減収だったとか。国の政策は血が通っていない。今や農業はあるのかないのかわからない状態だと語られます。

 101212_5 知花盛康さん(左写真)は、今は島ラッキョウ単品を作られ、すべて東京に出荷しておられます。最初は、50品くらい花を作っていたが農薬で体をこわし、85年ころに返還された残波岬の農地にハウス団地を作り、そこでいろいろなものを作ってきたと。「何を作ってるんだ」と聞かれると「借金を作っている」と冗談を言うのだと。読谷では米軍支配下で95%の土地が基地に。復帰後も73%が基地だった。

 小川浩さん(右写真)は、千葉県匝瑳市で30町歩の稲作農家。80人くらいの人から150枚くらいの田んぼを借りている「大規模な小作人」と言われました。101212_6 10町歩を戸別補償の対象としたが、その部分だけで108万円の減収だという。コメの価格の下落は「担い手」がやっていけるかどうかの瀬戸際に来ているとも。

 鈴木謙太郎さん(左下写真)は、当初は反対同盟でも最も強い地区だったが、成田用水をめぐって自分一人になっていると自己紹介。東峰と違い古村で、自分で8代目、産直を初めて28年になるとか。戸別補償には無縁だが、今年の異常気象、とくに7、8月の高温は観測史上でも初めてで、キャベツ、ブロッコリー、白菜は自家消費分しかできなかった。

 それぞれまったく違う形態の農業なのでかみ合う論議にはなかなかなりません。

 101212_7 現在問題となっているTPPについては、みなさん強い反対の想いを語られました。坂本さんは「本来生活が先にあるべきなのに、貿易が先にあり、農業を金儲けに代えようとしている」と。知花さんは、具体的数字をあげながら、「波及的部分も加えれば、沖縄では1262億円の損失が起こり、農業(子牛や養豚も加え)は壊滅的な打撃を受ける」「怒りが足りないのではないか。沖縄に基地を押し付けたのはヤマトだ。その上、こんな事態を押し付けるのか。絶対に私は許さない」と。鈴木さんは、「その前にやることがあるだろう。ブルドーザーで日本の農業をつぶしていくようなものだ」と。小川さんは、「これまでもアメリカからのでんぷんの輸入、オレンジ、牛肉でそれぞれの分野がダメになった。今回の千葉県の試算でもコメの9割がダメになり、残った1割も6千円前後になる。1万円でもあわないと言っているのに、これでどうやって再生できるというのだ」「農業の存廃がかかっている」と。

 101212_8 最後に司会から促されて、知花さんが小学校6年生(1959年)の時の体験として、宮森小学校の校舎に米軍のジェット機が墜落し、その手前の家々がジェット機の噴射した炎で焼かれ、小学生を中心に17人の命が奪われ、200余名が負傷したその煙が出ている現場に駆け付けた模様を話されました。この時も沖縄国際大学へのヘリ墜落(2004年)と同様、学校のまわりにはロープが張り巡らされ、誰も近づけなかったと。そして「米軍基地の中に住んでいる沖縄で、平和な小金の花咲くような土地に基地を変えていきたい」とまとめられました。

 会場からも何人もの質問が行われましたが、最後に井村共同代表が立って、戦時中の「農業をやる人がいなくなって、コメがなくなり、5人家族で3日に1合のコメの配給。一日、サツマイモだけを食べるような暮らしだった」「人が食べるものがなく餓死するようなあの時代を繰り返してはならない」「もっともっと農民、農業を大切にすることが必要だ」「我々はもっと声を出さなければだめだ」と訴えられ、まとめとされて、パネルディスカッションを終えました。司会(コーディネーター)を務められた「反対する会」事務局の林伸子さん、大変な難役を、本当にご苦労様でした。

 集会の最後に、「群馬・市東さんの農地を守る会」から報告が、そして「反対する会」の会計の小川さんからまとめと訴えがおこなわれて、3時間半にわたる集会を終えました。みなさん、ご苦労様でした。

 

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2010年12月13日 (月)

今週の産直野菜(12月13日)

101213  今週の産直野菜が、2日遅れで先ほど着きました。サニーレタスが、かわいそうなくらい萎びていましたので、今は、水に浸けてやっています。

 土曜日は、宝塚と六甲でダブルでスケジュール(会合)が入り、日曜日は、千葉で「市東さんの農地取り上げに反対する会」の「12・12映像とトーク」があり、交流会まで参加させてもらったので、途中で失礼したのですが、帰ってきたのは夜中。それで、荷受けが今になったのです。

 「野菜だより」にもありますが、この時期には例年ならば、箱にぎっしりと野菜が・・・。しかし、気の毒なくらいに少ない。昨日も、鈴木謙太郎さんがパネルディスカッションの中で、「28年の産直の取り組みの中で、こんな天候被害は初めてだ」と言っておられました。「台風で残念ながら中止になったが、『芋ほり大会』で現場の畑がどうなっているかを、消費者のみなさんに実際に見てもらいたかった」と言っておられたのが印象的でした。

 サツマイモ、ネギ、大根、ニンジン、サニーレタス、カブの6品。ようやく冬らしく寒くなってきたので、白菜が欲しいなぁ~。鍋が食べたい・・・・。

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2010年12月11日 (土)

戦争と貧困をめざす橋下知事はやめろ

101210

 昨日夕方、大阪府庁前で「なかまユニオン」などが呼び掛けて、橋下知事によるこの間のあまりにもでたらめな発言や行動、とりわけ朝鮮高校へ20年続けられてきた補助金の凍結、教育行政などへの怒りを持った人々が180人近く集まり、大阪府への申し入れ行動に並行して、府庁前での「怒」のレッドカードを掲げて抗議行動を行いました。101210_2 集会にはたまたま関西を訪れていたアメリカの「反戦イラク機関兵士の会」の代表やイラクの人々が現場を訪れ、「いつもは私たちが支援されているが、今日は皆さんの訴えを支持しに来ています」と連帯を訴えられた(右写真)。「朝鮮学校への差別に対するこの闘いは、戦争反対の象徴的なものとして頑張ろう」といった発言が続きました。

 主催者が用意したビラには、「大阪府民のみなさん。わたしたちは橋下ヤメロ大阪府庁行動を取り組んでいます。橋下知事は『北朝鮮の国家体制は是認できない』と朝鮮学校への補助金を凍結しています。教育の中立性を破り、朝鮮人への差別をあおる発言と行動は許せません。橋下知事の教育改革はエリート育成の学校に予算を重点的に配分し学力のない子供たちを切り捨て差別教育です。高校の無償化の財源を職員の給与の削減で賄うと言っています。働く者にしわよせしなくても予算はあります。エコポイントでぼろもうけしたシャープには1年間で300億年、パナソニックにも30億円の援助を行っています。パナソニックは最高裁から、松下プラズマディスプレイの吉岡さんに卑劣な人権侵害をしたと損害賠償の支払いを命じられています。ぼろもうけ不法企業への援助を停止すれば、朝鮮学校も、すべての学校も学費を無償化できます。101210_3

 挑戦差別、教育差別、人権破壊の橋下大阪府知事にNO! 沖縄基地の受け入れを表明し戦争を市民に押し付ける橋下はNOです。橋下ヤメロの声をともに上げていきましょう。」と訴えています。

 いろいろ歌あり、太鼓ありのパフォーマンス溢れる集会でした。

 皆さんはそれからデモに出かけられましたが、所要があり失礼しました。

 たまたまこの日、「大阪の海と空を戦争に使わせない会」の会議があり、先日闘った「11・21関空反対闘争」がまずまずの成功だったことの確認をして、その成果として、12月24日に、大阪府庁に集会の決議文を持って、橋下大阪府知事への抗議の意思を表すことになりました。

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2010年12月 9日 (木)

百姓としてこの地に生きる!

10111

 今度の日曜日、12月12日午後1時から、千葉市文化センター(下図参照)5階セミナー室で、「市東さんの農地取り上げに反対する会」主催の「百姓としてこの地に生きる! ― 市東孝雄さんと語ろう 映像とトーク ― 」が開かれます(イベント協力費 500円)。

 案内のチラシに、「厳しい時代に、農業の現場はどうなっているのでしょう? 秋田県大潟村の農民、沖縄県読谷村の農民、千葉県成田市・匝瑳市の農民(4人)が集まって、今までになかった『農民によるパネル・ディスカッション』を行います。農民が語る生の言葉を聞いてください」とあります。

 また、同じチラシにこんなことばが。086

「市東さんは農作業が好きだ / 畑にいるのが好きだ / 野菜を見るのが好きだ / 隣にあるのが他人の畑なら、どんなにいいだろう / 飛行機の爆音が無ければ、野菜たちもうれしいに違いない / 農の産み出すものは多岐にわたる / いのちの循環そのものなのだ / 市東さんは決めた / 百姓としてこの地に生きる」

 楽しい、有意義な集いになりそうですね。みなさんもこの「農民によるパネルディスカッション」に参加しませんか。

 先日書いた文章の中で私は、以下のように書きました。

 『ご存知のように、日本は世界でも有数の農業国でした。その歴史は2千年を超えると言われます。国土の大半を占める山林と豊かな水、そして海に囲まれ、水田耕作に象徴されつつ、ほんとに多様な農作物を作ってきました。その生産性と豊かさは、それぞれの地域性の中で豊かな文化の土台となり、また、様々な生態系の循環の中で重要な保全の役割をも果たしてきました。その価値は、量ることすらできないほど大きなものだと言われています。
 その山林と農業を、海を戦前の富国強兵、戦後の高度経済成長、新自由主義がズタズタに引き裂き、破壊してきました。それは都市と農村の差別支配を背景に、農村の疲弊、限界集落というような状況を生み出し、若者の農村からの流出、不耕作地の拡大によって今や、死の淵を迎えているといっても過言ではありません。国が進める「担い手」農業や、FTA、EPAそしてTPPという政治の流れは、これに最期の打撃を与えるものでしかありません。本当にこれでいいのでしょうか。
 実は、このわずか百年の歴史が、2千年の歴史を根底から破壊するこの流れが、都市と農村の関係にとどまらず、差別を拡大し、格差を拡大してきたのです。また自らが生き延びるために沖縄を米軍支配のもとに切り捨て、今もなお75%の米軍基地が存在する現実を65年以上にわたって強制しているのです。 そして、「核保有」を深層としながら、豊かな海と自然を破壊し、農村差別を固定化した原子力発電が強制され続けてきたのです。沖縄の闘い、上関・祝島の闘い、岩国の闘いなど、各地の闘いはこうしたことへの住民、労働者の拒否の声なのです。 市東孝雄さんが、「1億8千万円の補償金よりも、1本100円の大根を消費者に届けたい」 とする農へのこだわり、親子3代90年にわたって耕されてきた農地、土へのこだわりは、Photo_4 まさにこの農業破壊の歴史、差別と格差、収奪の歴史への激しい怒りの一撃であり、極めて本質的な意味を持った闘いなのです。』

 みなさんは、どう思われますか?

 左の地図が会場案内です。

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2010年12月 7日 (火)

日米合同演習に思う

10124  日本周辺で3日から今、日米合同軍事演習が8日間の日程で始まっています。沖縄では、琉球新報が「日米共同演習始まる ホワイトビーチに艦船集結」、沖縄タイムスが「軍事一色の島『異様』 日米共同演習」と、それぞれ大きく報じました。

 私たちヤマトの「朝日」など大新聞とは全く違います。今回の日米合同軍事演習は過去最大規模で、米原子力空母「ジョージワシントン」をはじめ、米軍から約1万人、艦艇約20隻、航空機約150機。陸海空自衛隊からは約3万4千人、艦艇約40隻、航空機約250機が参加しているという(琉球新報より)。

 中国の脅威、「抑止力」を口実に、これまで「ソ連脅威」を口実に作られていて北方重視の自衛隊が、「中国脅威」あるいは「北朝鮮脅威」を口実とした南西展開を軸に再編されようとしています。具体的に沖縄において、与那国への200人の自衛隊の配備を端緒に、「島嶼防衛」の名のもとに沖縄に2万人の自衛隊配備が目論まれています。日米安保体制の名のもとに、こうしたことがどんどん進んでいることに私たちヤマトは、重大な危機感を持って見据えなければなりません。

 その状況の中で、こうした演習が行われるということが、どういう意味を持つのか考えるべきではないでしょうか。

 しかも、つい先日、「米軍基地撤去」をめぐって沖縄県知事選挙が行われたその状況を承知で、沖縄を軸にこうした演習が目論まれていたことを私たちヤマトは考えなければならないのではないでしょうか。

 「南西地域」への自衛隊の配備と、こうした演習を沖縄を軸に行うことによって、「抑止力」、「基地の島、沖縄」ということを固定化しようとしていると考えざるを得ません。

 沖縄県民の文字通り島ぐるみの「基地撤去」の願いを踏みつぶそうとするこのような攻撃が、県知事選直後に強行されたことに怒りをもって糾弾せざるを得ません。今こそ、沖縄のみなさんの闘いに応え、ヤマトにおける「日米安保はいらない」という大きなうねりを生み出さなければなりません。

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2010年12月 5日 (日)

今週の産直野菜(12月5日)

10125 先ほど三里塚からの産直野菜が届きました。こちらは「もんじゅ闘争」で昨日は早朝から出かけたからですが、持ってきてくれたクロネコの若いおにいちゃんが「荷物が多くて、一日送らせていただいてよかったです」と。私には縁のない「お歳暮」の季節なんだと納得。

 さて、今日の野菜は、サツマイモ、ネギ、大根、ニンジン、ほうれん草、カブ、サニーレタス、ずいき。以上8品。まだまだ夏から秋の暑さの影響が残っているようです。

 さて、「ずいき」てこりゃ何だ? 仕方なくインターネットで調べると「芋茎」と書くそうで、「サトイモやハスイモの葉柄(ようへい)」と意味が書かれていました。慌てて「葉柄」を辞書で引く。料理のレシピーも煮物、酢の物などがありました。思わず「フーン」。先日、大根の皮を厚めに切って「きんぴら風」に食べると美味しいよとコメントがありましたが、これもやってみないといけないし、「産直野菜」はほんとにいろいろ「お勉強」が必要です。

 「野菜だより」によると白菜が大変な様子。「年内に1回は入れたい」とは大変です。年末の団結野菜市の目玉商品なだけに大丈夫かな?

 来週の日曜の12日は、「百姓としてこの地に生きる! -市東さんと語ろう- 映像とトーク」が、千葉市文化センターで午後1時開場であります。チラシに「厳しい時代に、農業の現場はどうなっているのでしょう? 秋田県大潟村の農民、沖縄県読谷村の農民、千葉県成田市・匝瑳市の農民4人が集まって、今までなかった『農民によるパネル・ディスカッション』を行います。農民が語る生の言葉を聞いてください」とあります。楽しみです。(協力費 500円) 皆さん。行きませんか。

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’10 もんじゅを廃炉へ!全国集会

10124

 昨日、12月4日、敦賀市白木海岸で高速増殖炉もんじゅの廃炉を求める全国集会が開かれました。寒さは思ったよりも和らいでいましたが、雨が時折降る中での集会でした。10124_2 風が強く、もんじゅの前では波が高く打ち寄せています(右写真)。

 もんじゅは、すでに1兆3300億円以上の国費が投入され、運転停止中でも毎日5800万円もの維持管理費がかかりながら、15年前のナトリウム火災事故で14年間も運転が停止され、昨年末からの民主党政権による事業仕分けで廃炉寸前まで行きました。Photo しかし、民主党政権の積極的な原子力政策を背景に復活し、この5月に運転を再開されました。しかし、再開以降連日のように警報が鳴り続け、その数は900回を超えたと言われます。

 しかも、8月26日には、直径46センチ、長さ約12メートル、重さが3.3トンもある「炉内中継装置」(左図参照)が原子炉容器内に落下し、墜落の衝撃で変形してしまい取り出せなくなって、運転ができないという状態に今あります。小林圭二さんは「折れていれば深刻な炉心事故もあり得た」と指摘しておられます。最早、廃炉しか道はありません。

 しかも、世界では唯一商業炉を運転させていたフランスでもその非経済性から廃炉にし、アメリカ、ドイツ、イギリスなどほとんどの国で、この高速増殖炉開発から撤退しています。10124_3 原子炉としてはもんじゅは「原型炉」に過ぎず、あまりにも費用が掛かりすぎるために実用化は不可能と言われています。意味があるとすれば核爆弾に利用できる高純度のプルトニウムの生産という程度しかありません。日本政府は、つい最近外務省の報告にあったように、1969年、西ドイツとの会合で、「核保有は可能」と言及していたことが明らかにされています。民主党政権は、原子力発電所の輸出に力を入れるとともに、核保有の道に進もうとしているのでしょうか。

 この日白木海岸では全国から850人の人々が「もんじゅを廃炉に」と声をあげ、もんじゅ正門までのデモをして(右上写真)、日本原子力研究開発機構に抗議を行いました(抗議文後掲)。10124_4

 昼からは場所を移し、敦賀市プラザ万象での全国集会を行い、主催者を代表した原発反対福井県民会議をはじめ青森六ヶ所や石川県の運動などの報告、環境ジャーナリストの鈴木真奈美さんともんじゅ監視委員会の小林圭二さんからの講演がありました。

 集会後、参加者は会場から敦賀駅までのデモを再度やり抜き、「もうじゅを廃炉に」と怒りの声をあげました。

    抗  議

日本原子力開発研究機構 理事長・鈴木篤之様、敦賀本部長・辻倉米蔵様

 1995年12月8日、ナトリウム火災事故を起こして15年もの間停止していた「もんじゅ」が、多くの国民や学者の反対を押し切って、本年5月6日に運転再開されました。

 再開されるや、私たちの心配した通り、ナトリウム漏えい検知器の誤警報など、連日のように警報が鳴り、900件を超えたと報道されています。あろうことか制御棒操作のミスまであり、8月26日、ついに重さ3.3トンの炉内中継装置を原子炉内に落下させてしまいました。

 これだけの重量物が落下して無傷なはずがありません。詳細を調べるために10月にこれを引き上げようとしたところ、落下時の衝撃で変形したのか、今度は引っかかってあげることができなくなり、身動きが取れなくなってしまいました。

 原子炉内は不透明な高温のナトリウムで満たされており、カメラで調査することもできず、容器の上ぶたを開けることもできません。11月17日、原子力機構は炉内中継装置を外枠のスリーブごといっしょに引き抜くと発表しました。しかし、これはとうてい実現不可能な難作業です。

 この先、また何年もの月日と、途方もない多額の税金を使うことでしょう。何とか運転させようとし、未練がましくいつまでも、この危険で無駄な政策にしがみつくのは止めてください。運転を強行した場合、大参事はまぬがれません。今こそ、これを天からの啓示と考え、もはやこの研究開発が到底無理であることを冷静に認めてください。「もんじゅ」から即刻撤退することを強く要請します。

2010年12月4日

         ’10年「もんじゅ」を廃炉へ!全国集会参加者一同

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2010年12月 2日 (木)

神戸空港の軍事使用を否定しない矢田神戸市長

Photo  沖縄の仲井真県知事が、知事再選の弁の中で「橋下知事が大阪の『関空』どうかとおっしゃっているから、1回見て来ようかと思っている」と言ったことに、橋下大阪府知事が「関空が基地負担軽減の受け皿になることはもうないと思う」「視察するなら先行きが見えない神戸空港が良い。僕も一緒についていく」とマスコミの質問に答えて語った(昨日の当ブログに既報)。

 これに対し、矢田神戸市長は「国が決めることなので、ノーコメント」とし、相手にしない姿勢を示した(神戸新聞)というのです。

 実は、開港4年を迎えたことに抗議して「神戸空港の中止を求める市民の会」が、神戸市長と市議会に行った「申し入れ」(2010年2月16日)の中で「最近、沖縄の普天間基地問題に関連して神戸空港を米軍の演習などに使うことが話題にされていますが、神戸港の非核神戸方式に込められた市民の平和への願いを踏まえ、こうしたことが絶対にないように明らかにすることを求め」たのです。

 これに対して、3月16日送られてきた矢田市長からの回答では、極めて簡単に「米軍基地の移転など安全保障の問題については、国において検討される事項であると考えております」とされています。これが先の「国が決める事なので、ノーコメント」という中身です。

 これは、第1に、自治体が果たすべき地域の住民の生活と平和を守る上での責任を放棄したものです。何より、神戸市民の総意で勝ち取られ、地方自治の宝とも広く評価されてきた「艦船入港に伴う非核神戸方式」を否定するものであるとともに、神戸港、神戸空港の軍事使用を国の専管事項として認めることにほかなりません。こんなことがどうして許せるでしょうか。

 この1年間、名護市長選挙での稲嶺進市長の誕生、県議会の全会一致(全員)による決議、仲井真知事も参加した9万人の県民集会、市議会の圧倒的多数が稲嶺市長与党になった名護市議選、そして宜野湾市長選挙での伊波市政を引き継いだ安里市長の誕生。こうして沖縄県の民意が「普天間基地の即時閉鎖・撤去」であり「新基地建設反対」であることが完全に示されてきました。矢田神戸市長の「国が決める事なのだ」という発言は、第2に、こうした沖縄の民意を「無意味だ」と否定することにほかなりません。自治体の長として自らが市民から負託された自治の根本を自ら否定することであり、背信行為ですらあります。断じて許されません。

 私たちは、沖縄の皆さんとともに、そして神戸空港の中止を求める市民の会をはじめとした神戸市民の皆さんとともに、神戸港と神戸空港の軍事使用を容認する矢田市長を許さず、非核神戸方式に込められた平和の理念を守り抜くことを誓いたいと思います。

 第3に、こうした神戸空港についての国依存の矢田市長の姿勢こそは、橋下大阪府知事が「将来性が見えない」と指摘したように神戸空港が最早、経営が成り立たず「関西空港との一体化」に丸投げしようと矢田市長が考えていることを反映しているのです。先日も、矢田市政を支える神戸商工会議所会頭に就任した大橋川崎重工会長は就任の所信表明で「関空との一体運用」を叫んでいました(11月9日産経新聞)。みっともないとしか言いようがありません。10122

 この間、政府が示してきた「上下分離による関空経営と大阪空港の一体化」は、下=空港島(つまり1兆3千億円の有利子負債)を関空会社に押しつけ、上=利益の出る空港経営は国がやるという従来言われてきた「上下分離」とまったく逆の関係で、今朝の朝日新聞(左写真)に掲載されたように、出資者である財界から不満が噴出しています。当然でしょう。

 言い換えれば、矢田神戸市長や神戸財界の甘い願望など国は一顧だにしないだけでなく、あっても関空以上に2000億円の借金を自分たち(神戸市民)で負担することを前提に神戸空港の経営を「一体運用」として引き取ることが今の政府にできるせいぜいのところだということです。犠牲を市民に押しつけ、自らの責任を放棄することになるこんな「一体化」を私たちは断じて認めることはできません。

 矢田神戸市長が投げ出そうとしているように、神戸空港は廃港しか道はありません。廃港して護岸を取っ払い、元の海に帰すことこそ必要なのです。

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2010年12月 1日 (水)

橋下大阪府知事の関空論議を許すな!

101130  沖縄県知事選挙で「普天間基地の県外移設」を掲げて当選した仲井真知事が、「移設」をめぐる視察先として関西空港をさっそく挙げたといいます。

 これに対して、昨日、橋下大阪府知事が、「関空は伊丹(大阪空港)との経営統合の流れが決まっており、申し訳ないがそういう状況でない」「将来性が見えない神戸空港を見てもらいたい」と述べたと新聞各紙が報じています(左は朝日新聞)。

 朝日や毎日などヤマトの大新聞は報じませんが、すでにアメリカでは軍事費削減を求める声の中から「海兵隊は不要だ」とする声が大きくなりつつあります。「県外移設」を仲井真知事が、公約として掲げ、その点で選挙の最大の争点をぼかし、かろうじて伊波候補を破った以上、こうしたパフォーマンスを行わざるを得ないことは当然でしょう。しかし、今や、「世界一危険な基地」と言われる普天間基地の存在感はなく、沖縄県民の意志からも即時閉鎖・撤去しか道がないことは明らかです。

 それを「関空は・・・、そういう状況ではない」が「神戸空港を見てもらいたい」などと、この時点で橋下知事が言及する思い上がりと反動性を私たちは断じて許せません。

 2兆数千億円の国税を投入し、新自由主義の流れの中で「民間活力導入によって関西は発展する」(中曽根首相・当時)として建設が強行され、結局開港して16年たっても赤字が解消できず、未だに1兆3千億円の有利子負債を抱えている関西空港の現状を、何一つ政権として私たち関西の住民、国民に謝罪することもなく、国主導で大阪空港との統合などという政策に転換しようとする民主党政権の動きを断じて認めることはできません。航空政策の破綻に追い詰められ、自公政権でさえ手を付けることを躊躇してきたこうした政策に自公政権以上に住民の生活を無視し、のめりこむ民主党政権のやり方を断じて許せません。何が「事業仕分け」か!

 その尻馬に乗って、橋下知事が、関空の今後でさらに一儲けしようと企むなどどうして許せるでしょうか。彼が言う「リニアモーターカー構想」や「カジノ構想」にその反動性と破綻が顕わになっていると言わざるを得ません。

 しかも「神戸空港を見てもらいたい」というに至っては、何をか言わんかです。ここには、「尖閣列島」問題や「北朝鮮」問題を煽ることを通して、排外主義、軍事化への流れを深める民主党政権以上に、関西を、大阪湾を軍都として将来像を考える橋下知事の「衣の下の鎧」が丸出しになっていると言わざるを得ません。朝鮮高校に対する「助成金停止」とそれをめぐるこの間の言動こそ、こうしたことを象徴的に示すもので、到底許せることではありません。

 橋下大阪府知事のこうした反動的な、大阪府民の生活を無視し、差別と排外主義を押し付けようとする政策を絶対に許さないという声を上げる中から、沖縄の基地撤去を進めようと奮闘している沖縄県民の闘いに連帯していこうではありませんか。

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