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2010年11月 4日 (木)

現場を見てみよう  関西空港

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 昨日、気持ちのいい秋晴れの中、関西空港の現状を知っておきたいと「大阪の海と空を戦争に使わせない会」の6人で見学に行きました。二期島の工事をしている関西国際空港用地造成株式会社が、関空二期島の宣伝のために「現場見学ツアー」を行っているのを知り、それを利用して見に行こうと。10113_3

 最近の中国からの観光ブームの中で非航空部門の収入で黒字化している(と言っても90億円も補給金=私たちの税金を投入した上でだが)というキャンペーンで「炊飯器が売れている」というのが言われているので、まずターミナルビルの売店(3階)の見学に。あるある。2店舗で炊飯器が売られている。ゲートインしたところでも(無税で)売られているそうだが、手荷物ではないだろう。この2つの店舗が中心なのでしょう。1万円から3万円。店頭に置いていることからも「売れ筋」なのでしょうね。10113_5 なんとも不釣り合いな雰囲気。しかし、そんなに忙しそうでもありませんでしたが・・・。

 2期見学ホールからバスに乗って2期島へ。いきなり「グラスボート」に乗ってくださいとくる。乗っていろいろまわってくれるのかと思いきや、すぐそばで海底を見せるだけ。緩傾斜護岸のせいで、いろいろな魚が泳いでいるのが船の底のガラス窓から見える。緩傾斜護岸には海藻が育ち、そのためにいろいろ魚が育つのはわかっている! 巨大な海を埋め立てて海を殺し、わずかな空港周辺に魚が棲むようになっているのを見せて「環境にやさしい」とでも言いたいのだろうが、ふざけるんじゃない。しかし、埋め立てている会社がやっているツアーだからと、自分を抑える。10113_6

 すぐバスに戻って、2期島を回る。まず最初のところで、自慢そうにガイドさんは話している。しかし、その場所は周りの土地より低く、砂利がむき出し(右写真)。これが埋め立てを途中でやめて、「埋め立てが終わっていません」という場所だ。「終わっていない」、2期島が完成していないということで固定資産税を払う必要がないというのだ。これで40億円の節約とか。なんという姑息なごまかしか。これが「消費税増税」と言っている国のやることだ。

 最後に第2滑走路近くに行って見学。しかし、この1時間余りの間、1機も着陸もしない。全く無用の長物だ。最初の写真は、滑走路に沿った金網のフェンスですが波を打っているのがわかりますか。空港会社は、1期島の沈下は11.5メートル、2期島は18メートルで収まると言っていますが、1期島はすでに14メートル沈んでいる部分があり、まだまだ毎年7センチあまり沈んでおり、これがまだ30年は続くだろうと言われています。2期島は18メートル沈んでも4メートル残るように作られていると自慢そうに説明していましたが、「砂上の楼閣」では?

 使えもしないこの2期島にすでに9千億円も投入して、3年前に供用を開始しながら、滑走路以外は見るからに無残な更地。しかも税金対策に、工事を中断しているという体たらく。

 すでに関空全体で2兆円あまりを投入し、20年近くたってもこの状況で、「民間活力の投入で関西は発展する」といってきた責任を誰が取ってくれるのだ。泉佐野市をはじめとした地元の財政破たんは、この空港のせいではないのか。それを何一つ謝罪しないどころか反省することもなく、「LCC専用と国際航空貨物専用」で「ハブ空港化」と浮かれている国交省、関空会社、そして橋下大阪府知事に改めて怒りがわいてきた一日でした。まあ、予想はしていましたが・・・。

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