団結街道廃道取消訴訟 第1回口頭弁論が16日に
11月16日(火)午前11時より、団結街道廃道取消訴訟第1回口頭弁論が千葉地裁で開かれます。
6月28日未明、コソ泥のように空港会社NAAが、機動隊に守られながら団結街道を封鎖(右写真)し、30日には、その前提となった第3誘導路の建設を国交省が事業認可を強行。そして7月26日、千葉地裁で市東さんの耕作権裁判の口頭弁論が開かれている最中に市東さんの南台の畑(右写真「天神峰現闘本部」の先)をフェンスで囲むとともに、第3誘導路の工事開始を発表した。
怒りなしには書けないこの過程でしたが、これに至る「団結街道」問題についてもう一度振り返っておきたいと思います。
成田市は、2月3日、NAAとともに市東さん宅を訪れ、「第3誘導路計画に伴い団結街道を廃道にする方針であり、そのための議案を3月成田市議会に提案する予定」だと通告に来て追い返されました。そして成田市議会は、ほとんど審議をすることなく団結街道の廃道を3月16日の本会議で決議したのです。
ここで留意すべきなのは、成田市議会には「市道」であることを廃止する権限はありますが、「道路」であることを住民から取り上げる権限はありません。団結街道は、江戸時代から地図に現れ、1910年代の御料牧場の払い下げ、天神峰部落などの入植によって、天神峰を中心に、取香、十余三などの重要な生活道路になっていました。地方自治法などの整備によってその道路の管理が国から成田市に移管はされていますが、成田市の所有物ではありません。公共工事などによって道路を廃止するには、住民の生活圏と移動の権利を守る立場から道路法によって、住民などその道路を利用する関係者の同意の書類を添付して、廃道の申請がされなければならないことが規定されています。つまり、成田市が「市道」を廃止しようと、今も1日150台の車が行き来し、何よりもそこに住む市東孝雄さんが、毎日5度、6度と営農のために使っている道路を廃道にする、当然にも「売却する」権利も資格も成田市にはないのです。
ですから成田市が市道の廃止を決議し、2ヶ月の縦覧が終わって5月17日に「売却」の手続きに入った(これ自体が違法行為なのです)からと言って、所有もしていない(「売却」されたのは6月14日)民間企業でしかないNAAが、この日に、何の権利もないにもかかわらず「道路閉鎖・通行止め」の看板を立てることなど明らかに道路交通法などに違反する違法行為だったのです。それをとがめた市東孝雄さんを千葉県警が逮捕し、23日間も拘留し、起訴さえしようとしたことなど、到底許すことのできない違法なことであり、重大な人権侵害だったのです。この国家権力を動員した不当、不法な攻撃に対し、ハンマーでぶち壊す闘いに決起した市東孝雄さんの闘いは正当な権利の行使であり、当然の怒りの発露だったのです。ここに三里塚闘争をめぐる、 三里塚農民と国家権力との44年にわたる関係が凝縮しているのです。
すでに明らかにしているように成田市には「売却」する権利も資格もないにもかかわらず、6月14日、1坪1万円にもならない(周辺の地価相場の数十分の1)743万円でNAAに「売却」しました。冒頭述べたようにNAAは、6月27日の緊急現地集会が開かれた翌日の未明3時ごろに団結街道の閉鎖を強行し、7月26日、反対同盟、支援が裁判傍聴で出払っている隙を狙った市東さんの農地のフェンスによる囲い込みを強行し、同時に第3誘導路の着工を宣言したのです。このコソ泥的所業に、NAAの犯罪性、不当性が何よりも如実に現れています。(左写真「市東さんの南台の畑。冷たいフェンスに囲まれる」塩田亮吉さん撮影・11月1日。立っておられるのは市東孝雄さん)
三里塚反対同盟は、市東さんの営農を妨害・破壊し、周辺住民の生活を阻害するとして7月1日「通行妨害の禁止」を求める仮処分を千葉地裁に申し立てました。市東さんの営農と生活に深刻な影響をもたらし、周辺住民の生活にかかわる緊急性を要したこの仮処分の申し立てに対し、千葉地裁はようやく10月13日になって反対同盟に対する審尋を行うという体たらくでしかありません。ここには、正に千葉地裁、裁判所が国家権力の意志を体現し、行われた「違法」を追認し続けてきた、天神峰現闘本部裁判の仲戸川裁判長や、最近の市東さんの裁判での白川裁判長に象徴される、卑劣、不当な裁判所の姿勢が垣間見えるのではないでしょうか。
今回、明後日、11月16日午前11時から開かれる団結街道裁判第1回口頭弁論は、こうした団結街道をめぐる経緯を見るならば、6月、7月のNAAによる事態を既成事実として追認し「訴える権利はない」と門前払いが強行される恐れすらあります。
2・25天神峰現闘本部裁判において実力決起の闘いが「仮執行宣言」を許さなかったように、市東孝雄さんと萩原富雄さんの実力決起と完全黙秘の闘いが起訴攻撃をはね返したように、そして先日11月5日、天神峰現闘本部裁判控訴審の結審攻撃をはね返したように、反対同盟を先頭に、11月16日の千葉地裁を三里塚に関わる全ての人の怒りを体現するような闘いで、審理を行わせ、団結街道閉鎖を粉砕する道をこじ開けようではありませんか。
民主党政権は、この最中、5月17日(市東さんが逮捕された日だ!)「成長戦略会議」の報告として航空政策の見直し、「成田・羽田一体運用」「成田のLCC・貨物専用化」による「成田ハブ化」を強く打ち出し、自民党政権ですら躊躇してきたような反動的な攻撃を、三里塚闘争、反対同盟農民、とりわけ市東さんにかけてきています。裁判所の反動的な「拙速審理」もまたこうした政権、国家権力の意志からに他ならない以上、私たちは全力で立ち向かわなければなりません。11・16、千葉地裁に決起しよう!
なお、1日おいて、11月18日には、鈴木さんの一坪の強奪を狙った「一坪裁判」が午前10時半から千葉地裁であります。これもまた、重要な闘いです。「敵の土俵であっても、こちらに引き寄せ、現地と一体の闘争として闘いぬこう」という反対同盟の訴えに、16日、18日と闘いぬいて応えようではありませんか。
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