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2010年11月12日 (金)

金稔万さん本名(民族名)損害賠償請求裁判

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 昨日、大阪地裁で「金稔万(キムインマン)さん本名(民族名)損害賠償請求裁判」第3回口頭弁論が開かれました(上写真は、法廷後の裁判所前歩道での報告会)。私は開廷の20分ほど前に510号法廷に着いたのですが、もう満席で入れず、10数人の方と一緒に法廷前の通路で待っていました。そのため、中の様子は全くわかりません。ご本人の金稔万さん(左下写真)が「当たり前に名前が名乗れる社会を求めて」と訴えを書いておられますので、それを全文、ご紹介します。

「私は、1960年に生まれた在日コリアン2世です。名前は金稔万といいます。神戸の長田で生まれ、両親は済州島出身です。日本の学校で教育を受けました。大学生の時に初めて同胞の民族サークルに出会い、本名を名乗りました。大学を卒業し就職して通名にもどったりしましたが、ここ10年は本名を使っていました。101111_2

 2010年5月、私は日本国政府ならびに大林組とその下請け3社に対する損害賠償請求裁判を大阪地裁にて提訴しました。それは、私が本名で日雇として働いていた梅田阪急百貨店の解体工事の現場において、突然『通名』を強要されたという『事件』に対する損害賠償請求です。

 本名か?通名か?名前を名乗るというごく当たり前の日常茶飯事の『小さな出来事』をめぐっての裁判です。この裁判のことを在日2世の友人に話しをすると、子供がファーストフードの店に本名で面接に行ったらパスポートを見せてくれと言われたそうです。数年前から入管に外国人の就労を報告することが義務付けられたことに連動する安直な窓口的な対応と思われます。私が働いていた現場でも、『外国人就労届』を出さなければならないから通名にしてほしいと言われたのです。

 日常生活において在日同胞が当たり前に本名を自然に名乗ることが、残念ながらこの日本の社会では大変難しいようです。(最近、ベトナムの若い子供たちも名前のことで悩んでいることを知り、驚きました。)少しでも多くの在日同胞や在日外国人の若い子弟が本名を自然に名乗ることができる社会にするために、この裁判がひとつの問題提起の場になればと思います。

 在日同胞のみなさん。そして日本人の皆さん。多くの人々のご支援とご賛同をお願いしたいと思います。」

 この日の報告会で、キムさんの方から、「外国人就労届」が大きな裁判の争点となっていることが報告されました。そして、「永住権を持っている在日外国人は、届け出る義務はないのです。不法就労することはありえないから」と。

 金稔万さんは、この8月22日早朝、「免状不実記載」と「有印私文書偽造」の容疑で不当に逮捕され、多くの皆さんの抗議によって、9月1日に起訴猶予で釈放されました。キムさんがドキュメンタリー監督として、「日本軍性奴隷」問題への日本政府の謝罪を求めている大阪の「水曜デモ」への「在特会」の襲撃などを映像に収めたりの行動が、日本官憲の目障りとなったのか、ご本人によれば「この裁判の提訴が原因かもしれない」とも言われていましたが、「キムさんが弾圧・逮捕されるなら、誰がやられてもおかしくない」と私は感じました。現に、つい先日11月1日、「携帯電話を借りて使った」ことを理由に「詐欺容疑」として障害者が逮捕され、昨日釈放されるというとんでもない警察犯罪が起こっています。0941

 金稔万さんは、私たち関西実行委員会の呼びかけた「三里塚援農」にも応じられ、これまで3度、三里塚現地を訪れ、集会に参加したり、援農をされながら、三里塚の映像を撮られております。左写真で、鈴木さん宅の下にある菱田砦の大看板の前でカメラを構えているのが金稔万さんです。

 不当な弾圧に屈せず、差別を訴えている金稔万さんの闘いを、皆さんの周りで支援の輪を拡げてください。近日中に、この裁判のためのブログが立ち上げられるそうです。

 なお、この裁判の次回、第4回口頭弁論は、2011年1月13日(木)午前11時から、大阪地裁510号法廷です。傍聴に駆けつけよう。

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