「私たち抜きで、私たちのことを決めるな」(11月17日)
11月17日、衆議院厚生労働委員会において、「障害者自立支援法」の改訂案が国民年金法改正案との民主党、自民党の取引という形で、6月に廃案になったものとほとんどそのままに提出され、審議もなく可決されるという暴挙が強行されました。
この日、午前10時に新装なった(あまりの豪華さに、「税金の無駄遣いだ」と怒りが)衆議院第1議員会館に集まって、「怒っているぞ!障害者切り捨て全国ネットワーク」の人たち5人と一緒に、厚生労働委員の議員の部屋に要請行動に回りました(右写真)。
それから国会議事堂正面の歩道に移り「『障害者自立支援法』を廃止せよ」というビラ配りです。時折氷雨が降る寒い中でしたが、続々と全国から障害者の皆さんが急を聞きつけて集まってこられます(左下写真)。
午後1時から、10月29日、日比谷公園に入りきれない1万人の集会を実現してこの民主党政権の動きに「ノー」を突き付けた「10・29全国大フォーラム実行委員会」が主催して国会議事堂正面の歩道で、600人近くが結集して緊急の集会が開かれ、次々と「私たち抜きで、私たちのことを決めるな!」と怒りの声が上げられます(最初の写真は、この集会の最後にシュプレヒコールを国会に向け叩きつけているところ)。
集会を終えて3時から委員会審議が始まるので、多くの皆さんが傍聴に向かわれ、私たちはしばらく休憩してから、衆議院の議員面会所に。議面には、テレビがあり、厚生労働委員会の様子が映し出されています。 傍聴に行けなかった多くの皆さんが固唾をのんで画面を見つめておられます(右写真)。少し遅れて3時15分ごろ「障害者自立支援法改訂」の審議が始まりました。最初に日本共産党、そして社民党からの反対討論が10分ほど行われましたが、なんとそれだけで、賛成討論どころか一切の審議もなく採決に入り可決されたのです。そのあいだの時間、わずか14分です。画面では傍聴席の怒りの声、ヤジが聞こえてきます。
そもそも障害者自立支援法違憲訴訟団と民主党政権(長妻前厚生大臣)との間で話し合いが進められ、「障害者制度改革推進本部」が設置され、この1月には、基本合意書が訴訟団と政府の間で交わされて和解し、「みんなで一緒により良い制度を作ろう」と「障害者制度改革推進本部」の論議が多くの障害者の代表が加わって進められてきたのです。
ところがこの動きを無視し、自民党などによって「改訂案」が提出され、6月国会で廃案になったのです。それを国民年金法の成立を急いだ民主党政権が、自民党から改めて出されてきた(ほとんど字句もそのままの)「障害者自立支援法改訂案」を政治取引として、この日の委員会が開かれたのです。これ自体が到底許されることではありません。
国会議事堂前の歩道で、あらためて抗議の集会が持たれました。震え上がる寒い、氷雨が降る中で、400人の人々が集まって、次々と抗議の声を上げられました。「1年も経たないうちに大の大人が、基本合意を無視する。こんなの政府じゃない」「あんなのは審議じゃない」「完全に裏切られた」「怒りと悲しみで胸がいっぱいです」と。「あきらめることなく、衆議院本会議、参議院の闘いを続けていこう」とまとめられ、この日の闘いを終えました。
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コメント
管理人さん、突然の呼びかけに応えて、「障害者」の闘いに参加してくださって、ありがとうございます。
怒りネットから傍聴に入ったのが13人、集会参加は30人近く居たと思います。新しく参加され、最後の「今後について」の会議に残ってくださった方もいらっしゃいました。
衆議院本会議採決されてしまいましたが、参議院でまだまだ闘います。可決されようが、「障害者」は生きるために闘います。
投稿: でっかい | 2010年11月21日 (日) 12時06分