団結街道裁判 第1回口頭弁論 (11月16日)
すでに現場から第1報を送りましたが、11月16日、千葉地裁で成田市に団結街道の用途廃止処分の取り消しを求め、空港会社に妨害物の撤去を求める「団結街道裁判」第1回口頭弁論が開かれました。市東孝雄さんの営農妨害であるばかりでなく、反対同盟の闘争拠点である団結街道への通行権を妨害しているとして、市東さんはじめ反対同盟17人が原告になっています。
裁判冒頭、原告を代表して市東孝雄さんが陳述を行いました。まず「道をもとにもどせ」と語気荒く、被告席を睨み付けたうえで、「1日、120台から140台もの車が使っている道をなぜ廃止できるのか」「私だけでなく使っていた人たちは納得していない」「今も、告知する看板もないために、日に4台も5台も入ってきて、閉鎖されていることを私に文句を言われる」と怒りを込め現状を訴えられたのです。
弁護団から葉山代理人をはじめ5人が立って、訴状について説明されました。団結街道が使われてきた江戸時代からの歴史的経緯と、原因となっている「暫定滑走路」について、そもそも「円卓会議」で「凍結」されたはずのものが2002年「暫定」として供用が開始され、今ではいつのまにか「B滑走路」と表現されている国、空港会社のペテンが明らかにされました。そして3月16日の成田市議会以降の閉鎖に至る経緯の不当性を明らかにした上で、閉鎖そのものの道路法10条違反、生活権、通行権、基本的人権などの憲法違反が具体的に明らかにされたのです。
そして市東さんを始め反対同盟に通行妨害を排除する請求権があることを明らかにするとともに、空港会社NAAは、この道路に対して無権限者であると明確にしました。さらに、740数万円という破格の安い価格決定をした成田市を批判しました。
最後に弁護団より被告成田市に対して、成田市が「訴えを棄却すべき」とする根拠が明らかにされていないことを問いただしたところ、成田市側代理人は、なんと「原告適格を争点にする」「原告全員だ」と説明したのです。市東さんを始め反対同盟の権利を無視するこの暴言に、弁護団のみならず、傍聴席から猛然と怒りの声が上がったことは言うまでもありません。
法廷の後、場所を移して記者会見が開かれました(最初の写真)。鈴木謙太郎さんの司会で始められ、まず冒頭北原鉱治事務局長が反対同盟を代表してあいさつをされました。北原さんは「裁判に勝って、判決で負けるというのはどういうことだ」「正義のためにどうせ人生をかけたんだろう」と参加者に呼びかけられ、「尖閣列島」問題や「千島列島」問題が叫ばれる状況を「どうみますか?」と問いかけられた。そして「65年前の日本の国が敗戦したことを思わざるを得ない」「成田空港の軍事使用は世界の戦争につながる」「成田空港を廃港にすることは日本の未来に希望を持たせることになる」と語られたのです。
続いて立たれた市東孝雄さんは、笑みを浮かべながら「またやってやろうじゃないかという気になりました」と想いを語られた上で、「ああいうことを平気で言う(成田市)代理人は住民無視の行政を示している」と怒りを明らかにされたのです。
弁護団から補足的な説明が行われた後、記者などからの質問が行われました。
そして、出荷作業があるため時間がないので、最後に萩原進事務局次長がまとめの挨拶をされました。「天神峰部落の人たちがそれまでの道路を車が行き交うことができるような道に作ってきた。便宜上『市道』になっていたが日常的に管理していたのは部落の人々なんだ」「それを壊すというのは、市東さんを叩き出す、東峰の住民を叩き出す。『あんたら市民じゃないんだ』と叩き出そうとしているのだ」と事態を明確にし糾弾されました。 北側運輸大臣の時に大臣が東峰住民に手紙をだし、「『北延伸すれば南側は買収しませんよ』と半分脅し、半分泣き言を言ってきた」と暴露された上で、これを国が「ボタンの掛け違え」と謝ったとマスコミが大騒ぎしたことに触れつつ、「これで売らなければいいんだとわれわれは喜んだ」と語られました。しかし「今、『南延伸も考えている』とNAAは第2誘導路、第3誘導路と敷地でもなかったところに敷地を拡げている」「ターミナルビルを拡げると」と糾弾し、「『20万回から30万回へ』というのも、『24時間化』も既成事実を積み上げていくこんなやり方を許してはならない」と指摘されました。そして「部落を作っている道路をつぶすというのは、家1軒つぶす以上に許せないことだ」とこの闘いの重要性を明らかにされたのです。
この日は現地に泊めていただくために、萩原さんたちと一緒に乗せていただき、昼食を萩原さん宅でいただいた後、産直の会の出荷作業をお手伝いしてから、三芝物産に泊めていただきました。夜は寒かったです。
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